ヒョンデのコンパクトEV『INSTER(インスター)』への国のCEV補助金額が決まりました。全グレードに対してほぼ満額の「56万2000円」です。バッテリー容量49kWhのVOYAGE(ボヤージュ)の車両価格が335万5000円ですから、実質279万3000円と、300万円以下でGETできることになります。「電気自動車は高い」という普及への壁が崩壊しつつあります。
※この記事はAIによるポッドキャストでもお楽しみいただけます!
SNSのポストで衝撃の補助金額を知る
2025年4月10日に発売されたヒョンデの新型コンパクトEV『INSTER(インスター)』。4月18日には『ヒョンデのコンパクトEV『インスター』に横浜で試乗/この「気持ちよさ」が300万円以下で手に入るとは』という試乗レポートで紹介したように「想像より、相当気持ちいい」電気自動車です。
この記事中、「インスターのCEV補助金額は4月中に開催される審査会で決まる予定」ということで、期待を込めて「40万円程度」と勝手な予想をしていたのですが……。5月1日、Xのタイムラインに流れてきた「Hyundai Mobility Lounge 京都四条」のポストで補助金額が「56万2000円」に決定したことを知りました。
【速報】INSTERのCEV補助金決定!
2025年度CEV補助金にて
INSTERの補助金額が
決定いたしました!!なんと…
「56.2万円」となります!!
Voyageグレードでも
実質300万円を切る価格になります!是非気になる方は、
ご試乗ください!#INSTER#インスター#ヒョンデ#HYUNDAI#補助金 pic.twitter.com/ro53ZlN88Q— Hyundai Mobility Lounge 京都四条 (@hml_kyotoshijo) May 1, 2025
急いで国のCEV(クリーンエネルギービークル)補助金の執行団体である次世代自動車振興センター(NeV)の公式サイトを確認すると、赤字でインスターが追加されていました。車種ごとの補助金額表のPDFには、たしかに、バッテリー容量42kWhのCasual(カジュアル)、49kWhで装備控えめのVOYAGE(ボヤージュ)、49kWhでフル装備のLounge(ラウンジ)の3グレードともに、はっきりと「562(単位:千円)」と明記されています。

NeV発表のPDFから引用。
インスターは5ナンバーの小型車ですから、軽自動車とともに補助金の上限額は55万円。さらにGX推進に向けた取組への評価によって最大5万円の加算という規定になっているので、56万2000円はほぼ満額評価といえるでしょう。日産サクラやフィアット500eなど、小型・軽自動車カテゴリーで最高額の57万4000円との差は1万2000円とわずかです。
インスターはそもそも値頃感が高い価格設定で発売されました。そこに手篤い補助金が交付されるのは「EVは価格が高いから」と諦めモードだった人たちにとって、衝撃的なうれしいニュースではないでしょうか。
この表の「定価」は税抜価格なので、税込価格と補助金額、実質価格を独自の表にしておきますね。
グレード | カジュアル | ボヤージュ | ラウンジ |
---|---|---|---|
バッテリー容量 | 42kWh | 49kWh | 49kWh |
車両価格(税込) | 2,849,000円 | 3,355,000円 | 3,575,000円 |
CEV補助金額 | 562,000円 | 562,000円 | 562,000円 |
実質価格 | 2,287,000円 | 2,793,000円 | 3,013,000円 |
コストパフォーマンス | 約54,452円/kWh | 約57,000円 | 約61,490円 |
なんと、廉価モデルのカジュアルは実質228万7000円。49kWhと余裕のバッテリーを搭載したボヤージュが実質279万3000円という価格になりました。東京都では国の補助金と合わせて25万円の補助金が交付されるので、フル装備のラウンジでも200万円台です。トヨタのアクア(ハイブリッド車)が220万円〜280万円程度の価格帯なので、補助金活用前提ではありますが、エンジン車との価格差はほとんど感じなくなったといえるでしょう。
「コストパフォーマンス」として示したのは、実質価格をバッテリー容量で割った「円/kWh」の目安です。従来はこれが10万円を切って8万円/kWhくらいなら上々といった感じだったのですが、インスターはボヤージュでも約5万7000円/kWhという抜群のコストパフォーマンスです。
ちなみに、インスターと比較すべき日産サクラのGグレード(運転支援機能などを考慮)を例にしてみると、税込の車両価格が308万2200円、補助金額は57万4000円で、実質価格は250万8200円。バッテリー容量が20kWhなので、コストパフォーマンスは「12万5410円/kWh」と倍以上。比較対象にできないほどの差があります。
令和7年度(2025年度)の補助金情報はこちらの記事でも紹介しています。
文/寄本 好則
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