テスラの2025年第4四半期(Q4)台数が発表された。市場アナリストの推定では、納車台数が約42万台と予想がされていたが、結果は納車が41万8,227台、生産が43万4,358台と前四半期及び前年同期比とも減少となった。一方、エネルギー貯蔵製品は過去最大の14.2 GWhの展開となった。2025年の通年では納車が163万6,129台、生産が165万4,667台と2年連続で減少した。速報で台数と主な要因を解説したい。
※冒頭写真はモデルYパフォーマンス(画像提供元:Tesla, Inc.)
減少傾向の車両販売ビジネス
納車台数
2025年のQ4は車両納入台数が418,227台(前年同期比約-16%)と大幅に減少し、アナリスト予想もわずかに下回った。要因は9月30日に終了したアメリカの連邦税額控除(7,500ドル)の影響でQ3に需要が前倒しされた反動だ。Q3の過去最高の納車台数を支えた補助金終了後、アメリカ市場全体で需要が急減した。納入台数のグレード別詳細は公開されていないので推測となるが、10月から投入されたスタンダードモデルはインセンティブ喪失分を一部相殺したと思われるが、それらモデルが需要を完全回復するには至らなかった。
通年の生産・納入台数についても、車両販売の減少傾向を浮き彫りにする形となり、生産台数は1,654,667台(前年比-6.7%)、納入台数は1,636,129台(前年比-8.7%)と2年連続の減少となった。グローバルのEV市場全体は2025年も成長を見せており、中国やヨーロッパでの競合EVのシェア拡大や昨年前半のイーロン・マスクCEOの政治活動への反発も一部の国では顕著であった。
モデルYはフェイスリフトを行ったが、それに伴うライン切り替えやサイバートラックの需要が伸びてこないなど複合的な要因がある。より小型のモデルを追加するなどセグメントを広げなければ、既存モデルのフェイスリフトだけでは、台数増加は難しいことが分かる。
エネルギー事業の成長は続く
一方で、エネルギー貯蔵製品は14.2 GWhの展開(前年比+29%、四半期新記録)と好調を維持し、車両事業の弱さを補った。プロダクトはパワーウォールとメガパックが中心だが、9月にはメガパック3とメガブロックも発表された。カリフォルニア州ラスロップにあるメガファクトリーは年末までにフル稼働を始め、年間40 GWhの生産能力を持っている。1月から稼働した上海メガファクトリーと合わせると、合計80 GWh/年のグローバル生産体制を整えた。
AIデータセンターの電力需要や電力網の近代化が追い風となり、停電リスク回避やピーク時コスト削減のためにメガパックが大量採用され、需要が供給を上回っているとされる。カリフォルニア州カーン郡では太陽光発電と蓄電池を併設した大規模プロジェクトが展開し、年間約46.7万世帯分の電力に相当するクリーンエネルギーを提供、9月にはメガパックの最新シリーズ「メガパック3」の発表イベントなども行われた。

Las Megas=メガパック3発表イベント(画像:テスラIR資料から)
現在、3番目のメガファクトリー建設がテキサス州ヒューストンで進んでおり、エネルギー事業の成長と多角化が進んだ1年と言えるだろう。
台数競争と新しい価値の創造
テスラのQ4台数発表とほぼ同時に、BYDの2025年の販売台数も明らかになった。BEVの販売台数は225万6,714台(前年比 +27.9%)となり、テスラを圧倒的に上回ったことは大きなニュースである。しかしながら、BYDも海外輸出は急増したが、中国国内ではNEV(新エネルギー車)の需要も頭打ちになっており、ジーリーやシャオミのような新勢力も台頭する。結果、BYDは2025年の当初目標550万台を460万台へ下方修正したわけだが、中国においても自動運転や高級路線など新しい価値の創造へ競争がシフトする兆候が見られる。
テスラは2025年初めに新しいミッション「持続可能な豊かさ」を発表し、自動化への戦略シフトを明確にした。Q2にはテキサス州オースティンでロボタクシーの試運行が始まり、12月からは安全監視員も排除されつつある。FSDはバージョン14になり今年中には監視なしFSDの実現を目指す。
現在のモデルYによるロボタクシー事業が無事立ち上がると4月からはロボタクシー専用モデルの「サイバーキャブ」の量産が始まる。このモデルはアンボックスド・プロセスによる製造イノベーションによって、今後の生産台数増加のドライバーとなるだろう。

サイバーキャブ
2025年第4四半期の決算発表は1月28日(日本時間29日早朝)に行われる。そこではFSDのサブスクリプション件数やロボタクシーの収益など、新しいサービスの可能性について知ることができる注目の決算発表になる。











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