元記事:Tesla Superchargers Are Opening to Other EVs, a Natural Next Step in Company’s Mission by Eva Fox on 『TESMANIAN』
スーパーチャージャーをすべてのEVに開放
数カ月にわたり、テスラは自社のスーパーチャージャーネットワークをすべてのEVに開放する話をしてきました。今日(11月1日)、それが現実となり、どのEVでもスーパーチャージャーで充電することができるようになりました。テスラが自身のミッションを達成ばかりではなく、世界の電気自動車シフトへのサポートにコミットしていることがよくわかる動きです。
Select Superchargers in the Netherlands are now open to all electric cars. https://t.co/DwPxc1vcF4 pic.twitter.com/BveSRZUsC3
— Tesla Charging (@TeslaCharging) November 1, 2021
オランダの非テスラEVオーナーは、テスラが所有するスーパーチャージャーを使える最初の人達になるでしょう。
さらに他車EVユーザーには、12.99ユーロ(約1,720円)/月でテスラが提供する充電サービスのメンバーシップに加入するオプションもあります。
https://twitter.com/sjoerd87777991/status/1455175261218037764?s=20
2020年の12月末、テスラCEOのイーロン・マスク氏は「テスラのスーパーチャージャーは他の電気自動車がアクセスできるように作られている」とツイートし、この時点ですでにテスラ以外のEVも社のスーパーチャージャーで充電できることを示唆していました。2021年3月、TESMANIANは複数のソースからテスラが他電気自動車メーカーにスーパーチャージャーを開放する予定で、他社製の車両のオーナーはアダプターとテスラAppを用意するだけで良いと聞いていました。
7月後半にマスク氏はテスラがスーパーチャージャーネットワークを今年後半には他社EVに開放すると発表し、様々な国で徐々に始まって行くことも明らかにしていました。2021年第2四半期の収支報告では、それがどのように機能するのかも話していました。EVオーナーはテスラAppをダウンロードし、どの充電区画にいるのか教えるだけでスーパーチャージャーが使えます。ユーザーは車を接続し、アプリを開いて自身のいる充電器を起動し、必要な電力量を入力します。マスク氏は「どのメーカーの車でも基本的にこれで大丈夫だろう」と話しました。
スーパーチャージャー利用料金は区画の占有時間に大きく影響されるため、車の充電スピードが遅い場合、オーナーには余分な料金がかかります。加えて、テスラはスーパーチャージャーで電気をよりスマートに活用したいと考えており、ラッシュアワーの充電料金も高くなります。マスク氏は「スーパーチャージャーが空いている時と混雑して列ができている時があるので、時間帯で差をつけるのは理にかなっている」と話しました。
彼はまた欧州、中国、その他の地域ごとに、全ての電気自動車用に同じ充電コネクターが使われているので、スーパーチャージャーへのアクセスをオープンにするのは簡単だとしていました。たとえば北米では他社のEVオーナーがスーパーチャージャーを使うにはアダプターが必要ですが、購入することができます。テスラでは盗まれないようにできるなら、充電器自体にアダプターを設置することも検討しています。以上すべてが現実になりつつあり、あらゆるメーカーの電気自動車オーナーがテスラ・スーパーチャージャーで充電できれば、電気自動車の使い勝手が相当良くなることは必至です。
テスラのミッション
マスク氏は世界の持続可能エネルギーへのシフトを促進できるよう尽力してきており、電気自動車はその計画の大きなパーツとなりました。世界規模でのゴールを達成するため、テスラのスーパーチャージャーネットワークは十分に拡大した後、他の自動車メーカーだけでなく、EVを購入することによって気候変動の状況を変えようとする個人にも開かれるでしょう。
ここでもマスク氏が世界に役立つようコミットしていることがわかります。彼の計画やゴールは常に長期の展望に基づいているのです。またそのせいで未だに世界規模で未来の事を考え、問題を解決することを考えられない人達…… 少なくとも理解しようと真摯に努力しない人達にひどく誤解されています。
2021年第2四半期の収支報告で、マスク氏はテスラのゴールが「持続可能エネルギーの到来をサポートすることであり、他企業がやるように塀で囲まれた庭を作って競合を打ちのめすことではない」と話していました。すなわち、スーパーチャージャーはすべてのEVに開かれなければならないのです。
マスク氏はスーパーチャージャーが他自動車メーカーの車でも便利に使えるよう、ネットワークを自社の車両生産拡大よりも速いスピードで広げなければならないことは明らかであるとし、またそれは簡単なことではないとも話しました。しかしこれがテスラが目標とするゴールである以上、達成するために彼らはベストを尽くすでしょう。
(翻訳・文/杉田 明子)
編集部追記
早速、ヒョンデ『Ioniq』でテスラスーパーチャージャーを使って充電している動画をYouTubeで見つけました。欧州ではそもそもテスラがコンボ2(CCS2)プラグを使用しているからアダプターも不要、なんですね。充電速度を「3C」に設定。電池残量37%で63kWの出力。動画の主も喜んでます。
ポルシェ『タイカン』も並んで充電してました。400V仕様の上限であるはずの150kWで充電できているんでしょうか。ともあれ、スーパーチャージャーを使えるならば、やはりEV側には少なくとも100kWくらいまでのQC対応性能が欲しい、ですね。
Supercharger network open to all non Tesla cars! – First test with a Hyundai Ioniq and Taycan
> スーパーチャージャー利用料金は区画の占有時間に大きく影響されるため
なるほど確かに。
今まで自分の頭でちゃんと考えたことがなかったのですが、従量課金の料金設定を考える際に、最大の電流量で最短時間で済む場合を基準としたならば、充電速度が遅いほど時間がかかる=機会損失、という考え方をするならば、もういっそ単純に区画の時間貸しって感じでもいいんですかね。