テスラ・モデルYの発表は日本時間3月15日(金)正午 — ライブ速報を追加しました

「テスラ・モデルY」が発表されました。「モデル3」のパワートレインを使ったコンパクトSUV、航続距離は370km以上、436万円からで4つのグレード、オプションで7人乗り可能、量産は2020年秋に開始されます。噂のファルコンウイング・ドアは付きませんでした。[3/15発表後更新]

テスラ・モデルYの発表は日本時間3月15日(金)正午 — ライブ速報を追加しました

[ 以下は日本時間3/14の発表前の予告記事 ]  米・テスラ社は、以前から予定していた5台目の車種「モデルY」を、「米・太平洋夏時間(PDT:Pacific Daylight Time)の2019年3月14日木曜日の20:00(日本標準時だと3月15日金曜日の正午)」に発表する!と公式サイトで予告しました。明日、発表が始まったら、あらためて「ライブ速報」の形で明らかになったことをお伝えする予定です。

テスラ社のアメリカのサイトでは、前日よりトップページに「モデルY」の文字が載せられました。そのページに飛ぶと、黒を基調としたこのミステリアスな画面が現れます。発表を通知するメールが来るように登録できます。テスラ社の公式サイトより転載。
テスラ社のアメリカのサイトでは、前日よりトップページに「モデルY」の文字が載せられました。そのページに飛ぶと、黒を基調としたこのミステリアスな画面が現れます。発表を通知するメールが来るように登録できます。テスラ社の公式サイトより転載。

本日より、テスラ社のサイトではトップページが変更されました。車輌の項目に「モデルY」が追加され、モデルYのページに行くと、黒を基調としたモデルYのシルエット画像と、発表の日時を知らせる表示、それに発表のライブ・ストリーミング開始を知らせるメール(Notify Me)登録が現れました。画面上のモデル名の配置は以前とは変わっています。左から読むと「S 3 X Y ROADSTER ENERGY」ですから、「道を駆けめぐるセクシーなクルマたちのチカラ(を受けてみよ!)」とでも言う洒落でしょうか。イーロン・マスク氏ならやりそうなイタズラですね。

日本のテスラのサイトには、まだモデルYの表示もリンクもありません。テスラ社の公式サイトより転載。
日本のテスラのサイトには、まだモデルYの表示もリンクもありません。テスラ社の公式サイトより転載。

日本のサイトは従来通りです。

グレード構成は、先日さらに新しいグレードが加わったモデル3に準じたものになるだろうと言われています。車体のサイズや重さ、電池の容量や航続距離など、これまでの予測がどれくらい当たっているかも、楽しみですね。明日3/15(金)のお昼をお楽しみに!

[↑ ここまでは前日(日本時間3月14日)に書いた予告記事 ]

 

ライブ速報

日本時間3月15日12:22(米太平洋夏時間3/14 20:22)ごろ、イーロン・マスク氏が登場。Youtubeのライブストリームよりキャプチャ。
日本時間3月15日12:22(米太平洋夏時間3/14 20:22)ごろ、イーロン・マスク氏が登場。Youtubeのライブストリームよりキャプチャ。

3月15日(金)発表予定12:00の10分ほど前には、モデルYのページの文字が”Hold tight … the show is about to begin” (そのままお待ちください、ショーは間もなく始まります)に変わり、ときおり画面が真っ黒に変わったり、元に戻ったりします。緊張が高まります。直前には”STAY TUNED”(このまま見ていてください:元々はテレビ時代の「チャンネルはそのまま」の意味)に変わります。

12:20、いよいよプレゼンが始まりました。まずはテスラを紹介するイメージ・ムービーが1分ほど。すると会場外からイーロンマスク氏が現れてステージへ歩いてきます。プレゼンが始まりました。盛り上がる会場からは、やはり”SEXY”の声がかかります。以前は1時間近く待たせたこともあるそうなので、今回の開始は早いほうですね。今回はYoutubeのライブストリームを使っていました。

最初のロードスターから、モデルS、モデルX、モデル3と実車が現れて、説明されながら登場。ただし、モデル3は後から入って来たにもかかわらず、モデルSとモデルXの間に割り込んで駐車。これで並べ順は 「S3XY」になりました。次いで「新ロードスター」、そして「テスラ・セミ」もステージ下に登場。流石に大きいので、ステージには載せきれなかったのでしょう。セミは「ベイエリアから直行しました」と言っているので、会場まで「500km以上走って来られたぞ!」ということですね。

向かって左から「S3XY」と並んだテスラ車。やはり「SEXY」にかけた洒落だったようです。Youtubeのライブストリームよりキャプチャ。
向かって左から「S3XY」と並んだテスラ車。やはり「SEXY」にかけた洒落だったようです。Youtubeのライブストリームよりキャプチャ。

次はギガファクトリーの話に移りました、おもに歴史ですね。2010年に「NUMMIファクトリー」を手に入れ、2万人が4〜5シフトで働いているそうです。これまでの全ての携帯電話を含めた電池需要が35GWh/年でしたが、ギガファクトリーでは50GWhを生産。まだ完成は1/3程度で、これからもっと大きくなる。ビルの高さは70フィートとのこと。全世界のリチウムイオン電池の半分以上を生産していることになります。

続いて上海のギガファクトリーの紹介。上海ではバッテリーだけでなくクルマも作ると宣言します。

そして、ソーラールーフとパワーウォールの紹介と、顧客へのお礼のことばが続きます。業務用の「パワーパック」は1.5+GWhを30ヶ国に導入したと報告。「ソーラーパネルとバッテリーとEVで、サステイナブルな未来が得られるのだ!」と力説するマスク氏。終始ユーモアが混ぜ込まれ、笑いながらのプレゼンです。

「2010年にはスーパーチャージャーはゼロでした。2012年には6ステーション、つまり23台の充電器が、1ヶ国に設置されました。今は1,400ものステーションがあり、それらは12,000台の充電器が設置されていて、設置国は36ヶ国まで増えました。」

最初は75kWだったスーパーチャージャーも、250kWまで強化されました。「カザフスタンにもスーパーチャージャーを作るぞ」と、冗談?も付け加えています。

「これまで55万台を作り、来年は100万台を作る予定。これまでに400万トンのCO2を削減できました。」と力説。

ここでマスク氏は、ちょっとメディアをからかいました。だって、以前はこんな酷いこと言われていたんですから…。

かつてメディアはEVをバカにしていました。「もの凄く馬鹿な考え」や「ゴルフカートを豪華にしたようなもの」だとか「空間の無駄に過ぎない」とか散々の言いようでした。これに切り返す権利はマスク氏には充分ありそうですね。Youtubeのライブストリームよりキャプチャ。
かつてメディアはEVをバカにしていました。「もの凄く馬鹿な考え」や「ゴルフカートを豪華にしたようなもの」だとか「空間の無駄に過ぎない」とか散々の言いようでした。これに切り返す権利はマスク氏には充分ありそうですね。Youtubeのライブストリームよりキャプチャ。

「10年で火星でテスラを運転出来るようにする。」とマスク氏が言うと、会場からどっと笑いが。

モデルY登場!

真打ち登場! 「モデルYも、モデル3と同様に、世界で最も安全で、スポーツカーのように走る。」、「安全がトップ・プライオリティーだ。」とマスク氏。「EPAで300マイル走れて、パノラマルーフ付き。7人乗りもオプションで可能です。オートパイロットも付いてます。ラインナップは4グレード。2020年秋から販売。価格は39,000ドルから。」

発表会場に満を持して登場したモデルYは、明るめの青のメタリックでした。Youtubeのライブストリームよりキャプチャ。
発表会場に満を持して登場したモデルYは、明るめの青のメタリックでした。Youtubeのライブストリームよりキャプチャ。

その他の情報をまとめると、66立法フィート・1.9平方メートルのカーゴルーム容量があり。グレードは「スタンダード・レンジ(standard Range)」、「ロング・レンジ(Long Range)」、「デュアルモーターAWD(Dual Motor All Wheel Drive)」、「パフォーマンス(Performance)」の4つということです。

グレード名スタンダード・レンジロング・レンジデュアルモーターAWDパフォーマンス
航続距離(EPA)230マイル
およそ370km
300マイル
およそ482km
280マイル
およそ450km
280マイル
およそ450km
最高速120mph
およそ193km/h
130mph
およそ209km/h
135mph
およそ217km/h
150mph
およそ241km/h
0-60mph 加速
およそ0-96km/h 加速
5.9秒5.5秒4.8秒3.5秒
価格39,000ドル
およそ436万円
47,000ドル
およそ525万円
51,000ドル
およそ570万円
60,000ドル
およそ671万円
デリバリー(米国)2021年春2020年秋2020年秋2020年秋

噂されていたモデルXのような「ファルコンウイング・ドア」は付いていないようですね。コストもかかるでしょうし、トラブルが出ていたという未確認情報もあります。やめたんでしょうかね。

モデルYのコクピット。ベースとなったモデル3とよく似ている。このシンプルさに一度慣れると、エアコンの吹き出し口があるクルマになると「クラッシックカー」に見えて仕方ない、という感想を聞いたことがあります。米テスラ社の公式サイトより転載。
モデルYのコクピット。ベースとなったモデル3とよく似ている。このシンプルさに一度慣れると、エアコンの吹き出し口があるクルマになると「クラッシックカー」に見えて仕方ない、という感想を聞いたことがあります。米テスラ社の公式サイトより転載。

最後にONE MORE THINGの画面。何かと思ったら「フランツ」が出て来ました。これでプレゼンは終わり。

さっそくオーダーも受付が開始されました。これは下から2つめのロング・レンジを注文する途中の画面。テスラの公式サイトより転載。
さっそくオーダーも受付が開始されました。これは下から2つめのロング・レンジを注文する途中の画面。テスラの公式サイトより転載。

画面が戻ったら、発表前と同じ画面になりましたが、”NOTIFY ME”だった部分が”ORDER NOW”に変わりました。オーダー受け付けるようです。まだ1年半ありますけどね。

世界に向けての発表はアメリカ時間で20:00だが、アジアでは正午前後。アジアも意識した時間設定と御案じられる。テスラの公式ライブストリーミングよりキャプチャ。
世界に向けての発表はアメリカ時間で20:00だが、アジアでは正午前後。アジアも意識した時間設定と御案じられる。テスラの公式ライブストリーミングよりキャプチャ。

さぁ、これで世界のBEVメーカーのハードルはおそろしく上がってしまいました。「アウディ e-tron」や「ジャガー I-pace」は大丈夫でしょうか。メルセデスが予定しているBEVも、モデルYの価格・性能と渡り合っていくのは、かなり大変だと思います。特にe-tronはガチンコですね。

モデルYの側面。後部ドアハンドルの位置から、どうやらファルコンウイング・ドアではないと分かる。Youtubeのライブストリームよりキャプチャ。
モデルYの側面。後部ドアハンドルの位置から、どうやらファルコンウイング・ドアではないと分かる。Youtubeのライブストリームよりキャプチャ。

おっと、アウディやジャガー、メルセデスだけではありませんね。日本にモデルYが入ってくるようになるとどうなるでしょうか。オプションとは言え、7人乗りが可能ですし、1〜2人乗りの時はとても軽快でしょうから、日本で現在よく売れている「ミニバン」もうかうかしていられないのでは?モデルYは、もしかしたら「ミニバン・キラー」になるかも知れませんね。

でも、我々ユーザーにとっては、じつに楽しみな時代が近づいて来たわけです。おたがい健康で長生きしましょう、環境を守りながら♪

(箱守知己)

この記事のコメント(新着順)2件

  1. でましたね! しかも7シーター。ロングレンジだったら、ファミリーでの長距離旅行でもOKですね。その上値段も手ごろ。発売までまてるか!?。EVもミニバンが欲しいところで、モデルY美味しいところを突いてくれます。

    1. いつか脱化石燃料 様
      コメントありがとうございます。出ましたねぇ、オプションとは言え「7人乗り可能」は案外インパクトあります。今の日本で一番売れているのは軽自動車とミニバンだと言われますが、この価格帯なら、内燃車ミニバンの割高な運航コストと燃費の悪さも考えると、「モデルY」は充分に比較検討対象になり得ますね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


この記事の著者


					箱守 知己

箱守 知己

1961年生まれ。青山学院大学、東京学芸大学大学院教育学研究科、アメリカ・ワシントン大学(文科省派遣)。職歴は、団体職員(日本放送協会、独立行政法人国立大学)、地方公務員(東京都)、国家公務員(文部教官)、大学非常勤講師、私学常勤・非常勤講師、一般社団法人「電動車輌推進サポート協会(EVSA:Electric Vehicle Support Association)」理事。EVOC(EVオーナーズクラブ)副代表。一般社団法人「CHAdeMO協議会」広報ディレクター。 電気自動車以外の分野では、高等学校検定教科書執筆、大修館書店「英語教育ハンドブック(高校編)」、旺文社「傾向と対策〜国立大学リスニング」・「国立大学二次試験&私立大学リスニング」ほか。

執筆した記事