東光高岳とユビ電が『WeCharge HUB』を発売〜電気自動車充電課金の課題を解決へ

東光高岳とユビ電が電気自動車の充電遠隔管理や認証課金を可能にするコントローラ『WeCharge HUB』を協業開発。2021年6月から販売を開始することを発表しました。集合住宅や宿泊施設などにおいて、同時充電時の電力量制御や、合理的な認証課金といった課題の解決に繋がるソリューションです。

東光高岳とユビ電が『WeCharge HUB』を発売〜電気自動車充電課金の課題を解決へ

充電用コンセントをバックボーンで制御する

まず、『WeCharge HUB』に関する東光高岳からのプレスリリースの説明を引用します。


WeCharge HUB は、多種多様なエネルギー計測機能を実装したネットワーク型のコントローラである東光高岳製「エコ.Web5®」に専用設定を行い、ユビ電のWeCharge電気自動車充電サービスとクラウド連携したIoT型の充電認証課金コントローラとなります。WeCharge HUBは、遠隔スイッチや各種センサー等が連携動作することで、EV充電設備を設置した駐車場において多様な充電管理、充電課金の課題を解決することが可能となります。

一読してすっかり理解できる方は、電気自動車や電力設備の専門家レベル、ですね。私はうまく理解しきれなかったので、東光高岳やユビ電に電話していろいろ教えていただきました。リリースに添えられていたシステム図をもとに、わかりやすく解説していきます。

『WeCharge HUB』の仕組み

まず、WeCharge HUB は「充電器」ではありません。おもに、電気自動車充電用コンセントやケーブル付き充電器などに供給する電源を制御するための「ソリューション」です。

EV用コンセントなどの例(ユビ電『施設向けWeChargeの始め方』より引用)。

リリースで紹介されている東光高岳の『エコ.Web5』は「多種多様なエネルギー計測機能を実装したコンパクトなコントローラ」で、東光高岳のウェブサイトを探すと、写真も紹介されていました。

東光高岳の製品紹介ページより引用。

この製品に、「ユビ電のWeCharge電気自動車充電サービスとクラウド連携」した専用設定を行うことで、『WeCharge HUB』のコントローラになるということです。

このコントローラを、ユビ電が提供する『WeCharge』と名付けられたIoT制御によって、従来の機器では悩ましかったさまざまな課題解決を実現することができます。

『WeCharge HUB』の特徴
●WeCharge HUB(コントローラ)ひとつあたり最大8個のコンセントやEV充電器を利用可能。
●コンセントやEV充電器の遠隔制御、充電管理、認証課金を実現。
●EV充電に使用可能な電力量を考慮し、同時充電可能台数を制御。
●スマートフォン(WeChargeアプリ)でQRコードを読み込むことで充電がスタート。
●充電用電源は認証時のみ通電可能な設定にすることができる。
●『WeCharge』の仕組みによって合理的な認証と課金が可能。

集合住宅や宿泊施設などで合理的な課金を実現

ユビ電株式会社は、ソフトバンク株式会社の社内起業制度『ソフトバンクイノベンチャー(SoftBank InnoVenture)』で初回の2011年に優勝したことをきっかけに生まれたベンチャー企業です。設立は2019年4月。2020年8月にプレサービスを開始して、本サービス開始を目指してきましたが、東光高岳との協業によっていよいよ本格的なサービスをスタートします。

『WeCharge』の公式サイトを改めて確認すると、本サービスのローンチに向けて「料金プラン」が発表されていました。『WeCharge HUB』を導入して設置した充電設備は、基本的にこのシステムによって認証課金を行う。つまり、ユーザーはこの料金で使用することになります。

※クリックすると拡大します。

都度課金の『Basic』プランの場合、月額基本料は無料、充電料金が「55円/1kWh相当」となっています。「WeCharge充電サービスの「kWh相当」は、実際にコンセントや充電器において計量器を使用して電力量を測定した「kWh」とは異なります」と注釈はありますが、ユーザーとしては納得感の高い、事実上の従量課金(と、呼んでいいかどうかはユビ電に確認中です)を導入しています。

eMPネットワークのゲスト充電の場合、普通充電の都度利用料金は「8円/分」なので、出力3kWhとして1kWhの充電時間は20分、8円×20分=160円に比べると、1/3程度の料金で充電できることになります。念のため付記しておくと、20分160円はあくまでも「ゲスト」料金です。自動車メーカー各社の充電カードでeMPネットワークに連携した普通充電器を利用する際の料金は「無料〜2.5円/分」なので、2.5円/分でも20分(1kWh相当)で50円と安くなります。

導入コストは、確認中です

WeCharge HUB の価格はいくらなのか。両社に問い合わせてみましたが、まだ正式なカタログなど作成中で未発表(東光高岳)。そもそも、コントローラの価格が決まったとしても、ソリューションとして WeCharge HUB を導入するためには、コンセントや充電器を設置したり、その施設の状況によって契約電気容量に応じた工事などが必要になるので、一概に「定価はいくら」という性質のサービスではないとも言えます。

引き続き「目安となる導入コストがわかれば教えて欲しい」とユビ電にお願いしてあるので、続報来たら追記します。

●WeChargeに関する問い合わせはこちら

ちなみに、ユビ電では宮古島の太陽光発電に由来したグリーン電⼒証書の販売も行っています。WeCharge HUB による充電設備を再生可能エネルギー100%で賄う、ことも可能ということですね。

ともあれ、幅広い施設でおそらくは従来の「認証課金機能付き普通充電器」よりは手頃に、使用電力量(デマンド)コントロールなどの充電管理機能を備えたサービスの登場は、日本の電気自動車普及にとって朗報です。ユビ電が「WeChargeをどのように広げようとしているのか」など、改めて取材してレポートしたいと思います。

(文/寄本 好則)

この記事のコメント(新着順)5件

  1. なるほど、分からんw>メーカーのプレスリリースの説明

    取材&解説、ありがとうございます。

  2. 電気管理技術者です。たしかに低圧電力の30円/kWhよりは高いですが電気設備費もタダやおまへんから。充電器本体の他、分電盤工事・ケーブル配線・はつり(埋設の際コンクリートやアスファルトを一部はがす)といったメンドクサイ手間と費用がかかりますでホンマ。当然施工以外に事前打ち合わせでも電気工事士の人件費が発生しまして…イニシャルコスト高いから回収するにはそれなりに利用料高ぅ設定せなあきまへんで。
    問題はそれを理解できひんリテラシーの低い利用者であって。
    イオンモール普通充電器の料金設定が120円/3kWh(1時間)であるのも電気工事の絡み。ただ幸いイオンモールは特別高圧受電で電力単価が安く、屋上駐車場の変電所近くに設置してるから工事費も抑えられたんですよホンマ。

    エネルギー代金が高くなるなら電気自動車は結局電費で選ぶ時代になるかもしれまへん。アイミーブMタイプ乗りやからその点ではトクしたかな(普通充電だけでもなんとかなる運用方法)。

    1. ヒラタツさま

      お聴きしたいのですが、、、
      マンションのエレベーターは、夜は殆ど動いてないのですが、あの三相200Vをエレベーターが動いて無い時にEVの充電に回しても良いものですか?
      三相交流の電気代って安いからEVに課金する時は家庭の電気代と同じ1時間90円くらいに出来そうな気がするのですが、、、。充電する人は安いし、マンションオーナーもほんの僅かでも利益でるし、エレベーターの空いてる時間にEVに電気回すから新たに電線引き込まなくても良い気がします。

      そんな簡単では無いですか?

    2. Farfetchdさんへ
      これは電力会社との電灯/動力契約に関わりますね。
      EVコンセントや3kW充電器は殆どが電灯100/200Vで設計製造されており動力3相200V電源の機種はないはずです。逆に急速充電器(40kW以上)は3相200Vオンリー、中速(25kW前後)の機種は機種により別れます。
      単純に考えれば3相200Vから3台のEV充電設備へ給電できなくもありませんが、もし電力会社に見つかった場合は契約違反になる可能性があります。
      それ以上に怖いのは不適切な工事が元で変圧器に過大な負荷がかかり最悪焼損する場合があること。変圧器が壊れると長時間停電が発生し取替に多大な時間と費用がかかることも忘れないでください。電気主任技術者が最も恐れる事項の一つです。

  3. 戸建ての家充電と比べちゃいますと随分と高いように感じますが、商売だから仕方ないのでしょうか。

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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