ヒョンデ『IONIQ 5 N』第1号納車レポート/オーナーの小峰さんは9月のEV-GPに参戦

ヒョンデのハイパフォーマンスEV『IONIQ 5 N』の納車がスタート。第1号車の納車セレモニーを取材してきました。オーナーは小峰猛彦さん。9月28日に富士スピードウェイで開催される全日本EV-GPシリーズ第5戦にはエントリー済みで、ベストリザルト更新と打倒モデル3への意欲を語ってくださいました。

ヒョンデ『IONIQ 5 N』第1号納車レポート/オーナーの小峰さんは9月のEV-GPに参戦

納車セレモニーでは社長自らキーを手渡し

2024年8月27日、Hyundai Mobility Japan株式会社(ヒョンデ)のハイパフォーマンスEVである『IONIQ 5 N』の納車がスタート。ヒョンデ カスタマー エクスペリエンスセンター横浜(CXC)で第1号車の納車セレモニーが開催されました。

記念すべき納車第1号車のオーナーは、兵庫県明石市在住の小峰猛彦さん。NではないIONIQ 5で、今年4月に開催された全日本EV-GPシリーズ第2戦(筑波サーキット)に出走し、総合6位、EV-Sクラス1位という成績を記録した方です。

CXC名物の納車お祝いスペースで行われたセレモニーでは、ヒョンデジャパンの趙源祥(チョ・ウォンサン)社長が新車のキーを小峰さんに手渡しして祝福しました。趙社長自身が納車セレモニーでオーナーを祝福するのは初めてのケースとのこと。待ちわびた「N」の納車を喜ぶ小峰さんの笑顔はもちろんのこと、「本当の意味でのハイパフォーマンスEVをついにお客様のお⼿元にお届けすることができた」という趙社長の笑顔も印象的でした。

サーキットでレースを楽しみながら家族での普段使いにも

ボディカラーはN専用色のパフォーマンスブルー。ご自宅のガレージには、写真左に写っている充電器を設置してあるそうです。

小峰さんがIONIQ 5 Nの購入を決断したポイントは「仕事の営業車として使い、家族での旅行なども楽しめる。そして一番の目的が、Nであればほぼこのままサーキットを走れるのが魅力でした」とのこと。

さらに、858万円(税込)という価格も魅力だったとのこと。

「この金額でこのスペックのクルマはほかにない。絶対に買いだな、と」(小峰さん)

小峰さんに納車されたのは、先行予約限定の「ファーストエディション」(すでに50台の予約枠は終了済み)です。4月の予約受付スタート時には「900万円前後」というざっくりとしたアナウンスでしたが、それでも他社のハイパフォーマンスEVに比べてお買い得感が高かったということでしょう。関西で開催された試乗会にも参加したそうですが、「実はすでに注文した後で試乗しました」とのことで、まさにひと目ぼれ状態で購入を決断したのでした。

9月のEV-GPにはすでにエントリー済み

EV-GP第2戦に出場した小峰さん。

小峰さんは全日本ロードレースやマン島TTなどにも参戦していたライダーで、現在でも二輪をはじめ四輪のレース(カートやEVレース、ラリーなど)に参戦するモータースポーツ愛好家です。

4月に前所有車のIONIQ 5で参戦した全日本EV-GPシリーズに「N」で参戦する計画はあるのか伺うと、9月28日(日)に富士スピードウェイで開催される第5戦に「すでにエントリー済み」とのこと。

「富士は今までにも何度か走ったことがあるので、まずは N で自分のベストタイムを更新したいですね。あと、実は先日EV-GPの主催者から連絡があって、9月の富士には3台の N がエントリーしているらしいので、その中で一番になることを目指します」とのこと。

ちなみに、小峰さんは第2戦と同じ「EV-S」クラスへのエントリーを予定。ほかの2台のNは、テスラ車などと同じ「EV-1」クラスでの出場になりそうだということでした。

第4戦のレポート(関連記事)でもお伝えしたように、現在のEV-GPシリーズは、モデルSプラッドをはじめとするテスラ車の独壇場になっています。N では初参戦となる小峰さんですが「1000馬力のプラッドに勝つのは難しいでしょうけど。富士は好きなサーキットでもあるし、なんとか、モデル3はやっつけたいですね」と、打倒モデル3への意欲を示してくれました。

EVのレースは「モーターやバッテリーの温度、そしてバッテリーの持ちなどを計算して走る駆け引きが面白い」と小峰さん。ところが「IONIQ 5で初参戦した筑波で、最初の2周は抑えて走りました。でも、そこでバッテリー残量を確認したらまだぜんぜん余裕があって。IONIQ 5、そしてNであればずっと全開で行けると感じました」ということで。「次戦の富士でも、レースの距離は筑波と同じだし、スタートからゴールまで全開で行きたいと思っています」と、全開走行宣言も飛び出しました。

N にはバッテリーやモーターの温度を正確に表示する機能もあります。「そうした機能への期待はありますが、どの設定、どの温度がベストかというノウハウがまだないので、そのあたりはヒョンデさんに教えて欲しいところです。また、ほかの2台の N の方々ともコミュニケーションを取って、(モデル3と戦える)セットを見つけ出したいですね」とのことでした。

今まで、EV-GPでは何車種かのハイパフォーマンスEVが、おもにバッテリーやモーター温度の上昇という壁に阻まれて、テスラ(モデル3)の前に敗れ去ってきました。はたして、IONIQ 5 N は、サーキットでの本気のレースで、どんなパフォーマンスを発揮するのか。シリーズの年間チャンプは、モデルSプラッドのKIMI選手でほぼ決まりそう(今まで4戦4勝)な状況ですが、第5戦以降、モデル3 VS IONIQ 5 N という新たな注目ポイントが加わりそうです。

EVの魅力にぞっこんの小峰さん。前車のIONIQ 5は売却するそうですが、ご自宅には奥さま用のボルボ EX-30もあり、EV2台態勢。これから、サーキットでの活躍とともに、「N のV2L機能を活用したアウトドアレジャーなども楽しみたい」とのことでした。

速くて便利で楽しい「N」ライフ、存分にお楽しみください!

取材・文/寄本 好則

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

執筆した記事