EVオーナー優遇イベント「GREEN PASS」第3弾は日本一予約が難しいヘッドスパ 

全EVオーナーを対象に日産自動車が実施している電気自動車オーナー優遇サービス「GREEN PASS」の第3弾「FULL-CHARGE SALON」が、東名高速道路の足柄SA(上り)で21日からスタートしました。今回はヘッドスパの人気店「悟空のきもち」とのコラボしてのリラクゼーション。20日の発表会と内覧会にEVsmartブログも招待していただいたので、ご紹介します。

EVオーナー優遇イベント「GREEN PASS」第3弾は日本一予約が難しいヘッドスパ 

電気と元気を同時充電!

横浜の日産グローバル本社で行われた発表会。女優の松本若菜さん(中央)と日産の増田泰久さん(右)らがEVについてトーク。

「GREEN PASS」は、EVの充電時間を快適で豊かなものにしようという試み。第1弾は特製ハンバーガーとドリンクを提供する「GREEN LOUNGE」(2022年2~3月、海老名SA)、第2弾として洗車サービス+ドリンクの「CLEAN STAND」(2022年10~11月、足柄SA・岡崎SA)が開催されてきました。

定期開催っぽくなっていたので期待して待っていたところへ第3弾のお知らせ。まずは横浜市の日産グローバル本社で開かれた発表会にお邪魔しました。日産自動車日本マーケティング本部の本部長、増田泰久さんや女優の松本若菜さんらがステージに上がり、企画の概要説明やEV普及についてのトークなどが行われました。

今回の「FULL-CHARGE SALON」は、ヘッドスパとスペシャルチャージドリンクという内容。ちょっと意外でしたが、言われてみれば、うれしい限りのサービス。「電気と元気を100%に」というキャッチコピーにも納得です。まあ、急速充電30分でそうそう100%にはならないですが、EVユーザーにとってうれしいサービスであることは間違いありません。

しかもモミモミしてくれるのは、日本一予約が難しいヘッドスパと言われる「悟空のきもち」のスタッフの皆さん。頭専門のもみほぐし店として2008年に京都で創業し、ほとんどの人を寝落ちさせる施術が話題になって、東西5店舗でなんと約71万人のキャンセル待ちがあるという超人気店です。充電渋滞ならぬスパ渋滞ができるかもしれません。

眠気を残さず疲れをとる専用メニューを開発

眠くなったら困るのでは、という心配はご無用。通常とは違って、眠気を残さずに疲れをとって調子を上げる「ドライバー専用リラクゼーションメニュー」を、このために開発したという説明がありました。

メニュー開発には元になるデータが必要ですが、日産が新潟大学自然科学研究科の村山敏夫准教授の研究室とタッグを組んで「ドライバーの疲労」について共同研究を行ったとのこと。被験者4人が実際に400kmのドライブを行って、筋肉や目の疲労、血流や注意力などの変化を計測したそうです。

ドライブの疲労を測定する実証実験の様子。

その結果、もっとも疲労する部位は、首の右後ろ側(右頚筋後部)で、さらには腕や腰の筋肉、それにアクセルとブレーキを踏む右足にも疲れがたまる傾向があったとか。ドライブでは同一の姿勢をキープする必要がありますし、緊張やストレス、振動なども原因でしょうね。長時間の運転で視神経や脳の疲労も増えて、400km走行時には脳の処理スピードに最大+6秒の遅れもみられたとのこと。こわっ。

長時間運転すると疲れる感覚はありますが、具体的にデータを見せてもらえると、なるほどなぁ、と思えます。たしかに首や背中は凝ってきますよね。「悟空のきもち」は、このデータを元に、ドライブ特有の疲れをほぐすための新メニューを開発したそうです。しかも、30分の充電時間に合わせて、20分間でやってくれるというのだから、よくできています。

発表会の後、約80キロ離れた足柄SAで引き続き内覧会が行われました。報道陣やスタッフは日産が用意したバスで移動。EVsmartから参加した私とテスカスさんは、それぞれのマイカーであるHonda eとテスラ モデル3で向かいました。

静岡県御殿場市の足柄SAへ移動して午後から内覧会が行われました。

内覧会では、松本若菜さんが体験役となり、実際にマッサージしてもらっているところを拝見しました。1人のお客さんに3人がかり。女優だから特別というのではなく、チームプレーが普通なのだそうです。面白かったのは、まるで踊りのような大きな動き。受けている人は目を瞑っているのでわからないかもしれませんが、ダンスパフォーマンスみたいです。これはぜひ体験してみたい。近いうちに足柄SAをもう一度訪ねて、どんな感じなのかリポートしようと思います。

マッサージを受ける松本さん。

スペシャルチャージドリンクも美味でした!

激うまのスペシャルドリンク。同行者も飲めます♪

特筆しておきたいのはスペシャルチャージドリンク。「苗目のハーブコーディアルソーダ」と「奥出雲のオーガニックローズのフラワリージュース」を試飲させてもらいました。耕作放棄された土地を再生させて作ったハーブやオーガニック素材、規格外となってしまった果物などを使っていて、自然環境の保全について考えさせてくれるという成り立ちも素晴らしいですが、なにより美味。

レストランガイド「ゴ・エ・ミヨ 2022」でベストパテシィエ賞に輝いた加藤峰子さん(銀座「FARO」のシェフパティシエ)が監修したそうで、一口飲んで「うまっ!」と思わず声が出ました。入っているゼリーの食感が抜群。クセになりそうです。これはドライバーだけでなく同乗者もいただけるそうなので、家族でどうぞ。

インタビューに応えてくれた増田さん。

日産の増田泰久さんにインタビューの時間をいただいたので一問一答をお届けします。

Q. 「GREEN PASS」は全EVユーザーが対象ですが、自社ユーザーの優遇サービスにしなかった理由を改めて教えていただけますか?

EVのリーディングカンパニーとして、一人も多くの方にEVに興味を持ってもらいたいし、チョイスしてもらうことを目指したい。全てのEVオーナーの方を対象にすることで、よりEVそのものに注目が集まり、EVの普及に繋がると考えています」

Q. これまで日産ユーザーでない方もたくさん利用されていますか?

「日産は最もEVの販売台数が多いメーカーなので、多くの日産車ユーザーに利用頂きましたが、市場シェアの割合を上回る勢いで他社ユーザーの方にも来て頂いた、という印象です。『ありがたい』と言ってもらえましたし、『次は日産にしようかな』というお声もいただきました。それは大きな喜びです」

Q. 第3弾がリラクゼーションになったのはどうしてですか?

「GREEN PASSの企画は、EVユーザーの方に、充電している間にいかにいい思いをしていただけるか、を考えています。コロナの5類移行で移動の機会も増えますし、ドライバーの方の疲労削減を考えました。話題の『悟空のきもち』さんと組めるというのは本当にうれしいですし、いまベストの企画だと思います」

「私も腰痛持ちでして、疲れは目から首に来て腰にくるらしいんですが、今回の研究結果を聞いて、なるほどと思いました。自分でもプロパイロットを使っていまして、だいぶ疲労は減っていますが、それでも目は疲れるんですね。可視化してもらって、あ、こういうことなのかと感じました」

Q. 急速充電スポットの付加価値創造は、EVの普及を促すだけでなく、ドライビングプレジャーの拡大にもつながっていくと思います。今後、常設化のお考えなどはありますか?

「EVユーザーの反応を正直、心待ちにしております。ご好評をいただければ、第4弾になるのか、継続的な方法か、どういったかたちになるのかはわかりませんが、より多くの方にサービスを楽しんでいただくことも、前向きに考えたいと思っています」

「充電時間にたまたまそこにあるものを楽しむのもいいですが、ディスティネーション(目的地)として、わざわざ行きたくなるぐらいのステータスになるというのは、GREEN PASSの企画概念とも一致すると思います。空港にはラウンジというのがありますが、あれをただ時間潰しに利用する方もいるし、ラウンジのために飛行機に乗る方もいますよね。そういう感覚をEVオーナーの方にも味わっていただきたいですね」
※Q&A ここまで。

「FULL-CHARGE SALON」は21日からスタートして、8月3日まで東名高速の足柄SA上りで実施中。オープン時間は10時から18時(最終受付17時半)です。

また、これまでの「GREEN PASS」は、第1弾、第2弾ともにNEXCO中日本のSAPAでの展開でしたが、今回は関西にも拡大。NEXCO西日本の協力を得て、新名神高速の宝塚北SA(上下集約)でも8月24日から9月6日まで実施される予定です。関西在住のEVユーザーにも朗報ですね。

EVオーナーのみなさん、期間中にぜひ一度試しにいってみてください。

取材・文/篠原 知存

【日産GREEN PASS】EVオーナー専用スパに行ってプロジェクトに懸ける思いを聞いてきました
(YouTube EVsmartチャンネル)

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この記事の著者


					篠原 知存

篠原 知存

関西出身。ローカル夕刊紙、全国紙の記者を経て、令和元年からフリーに。EV歴/Honda e(2021.4〜)。電動バイク歴/SUPER SOCO TS STREET HUNTER(2022.3〜12)、Honda EM1 e:(2023.9〜)。

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