プジョーが『308』『508PSE』を日本初公開〜各所で披露イベント開催

グループPSAジャパンがPHEV(プラグインハイブリッド車)もラインナップされる新型『308』と『508PSE』を日本初公開するプレス向けイベントを開催。一般にも披露するイベント『LION EXPERIENCE 2021』を開催中です。

プジョーが『308』『508PSE』を日本初公開〜各所で披露イベント開催

一般公開イベントを開催中

2021年9月2日(木)~5日(日)六本木ヒルズを皮切り(すみません、すでに終了してしまいました)に、9月11日(土)~12日(日)に名古屋駅「JRゲートタワー」、2021年9月18日(土)~19日(日)に梅田「グランフロント大阪」で開催されるイベント『LION EXPERIENCE 2021』にて国内初披露される新型プジョー『308』と『508PSE』。このプレス向けプレンテーションに参加してきましたので、レポートします。

【関連情報】
LION EXPERIENCE 2021 特設サイト

新型308はかなり攻めてきた印象!

PHEVモデルである新型『308 HYBRID』日本仕様の詳細なスペックなどは未発表で、公式サイトにはまだ欧州仕様の参考値が紹介されています。欧州WLTPのEV走行航続距離は59km。同じプラットフォームを使うはずの『3008 GT HYBRID4』のバッテリー容量は13.2kWhで、日本のWLTCモード航続距離が64km。3008はAWDなので、新型308はもう少し多めの発表値となり、実用的にも60km近い一充電走行距離を確保できるのではないかと思われます。

そういえば、2020年に国内導入された新型『208』とBEVの『e−208』も、今回と同じように発売発表の前に、詳細未定の状態で先行展示(場所も同じ六本木ヒルズでした)されていたのを思い出しました。

このフロントフェイス、いかがですか? 欧州ではすでにデビュー済みですので、画像や動画ではご覧になった方は多いと思いますが、実車を見たら「かなり攻めてきたな」と感じるのではないでしょうか。

プジョーがニューモデルで提示する先進的なデザインには熱烈なファンも多いですが、今回もしっかりとキメてきました。

フロントグリルは、2021年1月に日本国内発売された新型『3008』のフロントグリルと同様のフレームレスのデザインです。また、2019年3月にフルモデルチェンジして国内発売された『508』から採用された縦型のLEDデイタイムライト「セイバー(ライオンの牙の意味)」と併せてプジョーの新しい顔となりました。(EVになったとき、このフロントグリルがどう変化するのかは、楽しみですね)

最も注目すべきなのは、フロントグリルのセンターに大きく鎮座する新しいプジョーのブランドロゴ。フロントグリルのクロームメッキは、ロゴに向かって収束するようにデザインされ、プジョーの新しいアイデンティティを控えめながらも華やかに強調しています。プジョーの新ロゴを飾る第1号車が新型『308』となりました。

画像:グループPSAジャパン プレスキットより。

新しいブランドロゴは、ライオンの頭部だけのフラットなデザインになりました。また、この機に、プジョーディーラーのCIは、それまでのブルーからブラック基調のものに変更されました。

これまでのプジョーのロゴの変遷。1860年以来、これまで10個の変遷を経ている。プレゼンテーションのスライドより。

サイドビューは、フロントからリアエンドにかけて伸びる水平基調のプレスラインがダイナミックで印象的です。また、フロントウィンドウ位置は先代比で100mm後ろへ下げられロングノーズに、さらに全高が先代比マイナス20mmと低くなり、より伸びやかな印象となっています。

画像:グループPSAジャパン プレゼンテーション映像より。

迫力のあるフロントフェイスと伸びやかなボディサイドのデザインは、車体が大きく感じますが、全長は4,360mmと国産車ではコンパクトカーに分類されることが多い、4.4mを切ったサイズとなっています。また、ホイールベースは先代比で55mm延長され、後席が広くなりました。

新型『308』の攻めたデザインを感じるポイントはたくさんありましたが、フロントでは新設計の薄型LEDマトリックスヘッドライトが印象的です。

個人的に気に入ったのは、リアの造形。複雑な曲面で構成されて彫りが深いデザインですが、クリーンさも感じさせるのはさすが。

プジョーの3本線は、ライオンのかぎ爪を象徴したデザイン。新型『308』のリアコンビネーションランプでは3本線が横に広がった意匠となりました。立体的なLED光源部をクリアレンズ内に収めるという凝ったデザインは高級感があります。

展示車両は左ハンドルだが、国内仕様は右ハンドルが導入されるとのこと。

インパネは、メータークラスターを楕円形のステアリングの上から視認するという独特なレイアウトを持つ「i-cockpit」を採用。すでにプジョーの定番となっていますが、新型『308』では新しい機能をいくつか追加しています。

フル液晶のメーターパネルは『208』に採用された3D表示タイプを上級グレードに装備するとのことでした。

新型『308』の「i-cockpit」に採用された新機能のひとつが、このタッチパネル式の操作ボタン。『508』などではピアノの鍵盤を模したデザインの物理ボタンが採用されていましたが、新型『308』では、大きめのボタンが使いやすいタッチパネル式となりました。

『308』に採用された新しい「i-cockpit」のギアシフトはボタン式に変更されました。たかがシフトレバー、されどシフトレバー。これがなくなるだけですっきりとして、車室内が広く感じものです。

新型『308』は先代比プラス20mmの後席レッグスペースを確保。たった2cmと言うなかれ。身長180cmの筆者が座っても足元、頭上ともに空間がしっかりと取られていることや、包み込むような優しい感触のシートなど、これはかなり実用性と快適性が高いのではないかと思いました。

パワートレイン

新型『308』のパワートレインは、先代からのキャリーオーバーとなる、1.2Lガソリンターボ、1.5Lクリーンディーゼルターボ、そして『508』や『3008』をはじめとする、グループPSAの最新PHEVに搭載される、1.6Lガソリンターボ+電気モーターの3タイプ。トランスミッションも先代のキャリーオーバーとなる、アイシン製8速ATが組み合わせられます。

BEV過渡期でのフルモデルチェンジですから、先代のキャリーオーバーICE+PHEVのラインナップは妥当なところでしょう。BEVの導入についてはアナウンスがありませんでしたが、期待していいかもしれないですね。

ステーションワゴン『308SW』は遅れて日本導入

画像:グループPSAジャパン 広報 プレゼンテーション映像より。数値は欧州仕様車。

プレゼンテーションでは、新型『308』はハッチバックが先に国内発売、遅れてステーションワゴン『308SW』が国内導入されることが発表されました(もやは恒例のパターンです)。

SWはハッチバックがマイナス20mmの全高となったことに対して、プラス10mmとなっています。いっぽう、全長はプラス280mmの4,640mm。プジョーのフラッグシップでDセグメントとなる「508SW」の全長は4,790mmですから大差がなくなりました(ちなみにファストバックは、4,750mm)。

新型『308』は、立派なエクステリアデザインと、広くなった後席で『508』からのダウンサイザーが増えそうな感じですね。

価格と発売時期

新型『308』の発売時期は「2022年1Q(第1四半期)』、『308SW』は「2022年2Q」でICE(ガソリン&ディーゼルモデル)とPHEVはそれぞれ同時期での発売、発表を予定しているとアナウンスされました。

価格は未発表でしたが、「新型『308』はエコカー減税対象車となるように進めている」ことは明らかにされました。

プレゼンテーション終了後、価格について広報担当に「世界中で最もプジョーが安く変える国となるか?」と尋ねると、「価格についてはまだわからない」と前置きしつつ「その可能性がない、とは言えないですね」と、デザインのみならず価格面でも「攻めて」くる可能性が見えてきました。

筆者がそう尋ねたのは、グループPSAジャパンは、これまで「世界中で最も安く買える」価格戦略をとっていたから。プジョーが新しくロゴを変えたのは、ブランドの上級路線に対応するためという話がプレゼンの中でありました(プレゼン冒頭のグループPSAジャパン代表のヘグストロム氏の話)。プレミアムなCセグメント・ハッチバック&ステーションワゴンが“攻めた”価格で発売されれば、人気が高まりそうな予感。

また、『e-208』が比較的リーズナブルな価格設定で日本導入されたことを考えると、今後にPSAグループからデビューしてくるBEVの価格も攻めてきてくれる期待が高まりますね。

日本市場導入未定の『508PSE』が展示される理由

マットブラック化されたプジョーのロゴとフロントグリルと、蛍光色の差し色が映える「フレンチ電動スポーツ」にまとめあげたデザイン。このボディカラーはPSE専用色。

東京・名古屋・大阪の順で開催されるイベント『LION EXPERIENCE 2021』では、もうひとつの目玉があります。それはプジョー『508 PEUGEOT SPORT ENGINEERED(プジョー・スポーツ・エンジニアード=略称PSE)』です。

これは、プジョーのモータースポーツを担う「プジョー スポール」が『508』と『508SW』に手を入れたハイパフォーマンスモデルで、プジョーが「PEUGEOT SPORT ENGINEEREDの第一章の幕開け」と伝えたもの。

『508PSE』は、フロントとリアにモーターを置く四輪駆動のPHEVで、システム総合最高出力360PS、最大トルク520N・mというハイパワーを発生、0-100km/h加速は5.2秒を叩き出すと発表しています(欧州プジョー公表値)。

基本的なデザインは内外装ともに『508』と同じですが、空力が十分に考慮されたエアロパーツを随所に備えています。

足回りは、最適化された3モード(コンフォート/ハイブリッド/スポーツ)可変ショックアブソーバー、380mm径のフロントブレーキディスクと対向4ポッドキャリパー、20インチホイールにミシュラン パイロットスポーツ4Sタイヤを装着するという、完全武装です。

『508PSE』は日本市場導入未定とのことでしたが、展示車両は右ハンドルでした。これは期待していいのかな?

インテリアも『508』とベースは同じですが、シート位置を下げてトレッドをフロントで24mm、リアで12mm拡大、操縦安定性の向上が図られています。

なぜ? 日本導入未定の『508PSE』を展示するのか?

『PEUGEOT 9X8』。1992年と1993年にル・マン24時間レースで勝利を飾ったマシンプジョー『905』と、2009年にフランスのクラシックレースで優勝したプジョー『908』の直接的な後継車で『9X8』の車名の由来にもなっている。リアウイングがないのが外観上の最大の特徴のひとつ。

プレゼンテーションの2番目の登壇者、グループPSAジャパン マーケティング・ダイレクターのトマ・ビルコ氏は、日本市場導入未定の『508PSE』を展示するのかの理由について、『プジョーが2022年にFIA世界耐久選手権に参戦すること』を挙げました。また、2022年のル・マン24時間耐久レースのほか、富士スピードウェイで開催される6時間耐久レースにも参戦することを伝え、多くの方に応援してもらいたい、と伝えていました。

来年のル・マンは、トヨタの連勝を止めることができるのか、楽しみですね。また、富士6時間耐久レースも楽しみですね(来年は、ル・マンも富士も取材に行きたい……)。

『LION EXPERIENCE 2021』で実車が見れらる!

今回取材したプレゼンテーションの主要なポイントは次の3点でした。

1. プジョー新型『308』と『508PSE』国内初披露
2. プジョーの新しいブランドロゴ
3. 2022年にプジョーがFIA世界耐久選手権に参戦

さて、「LION EXPERIENCE 2021」では、一般の方々も実際に新型『308』と『508PSE』を見れます。イベント概要は次のとおり。

東京:2021年9月2日(木)~5日(日) 11:00~20:00
六本木ヒルズ 大屋根プラザ

名古屋:2021年9月11日(土)~12日(日)10:00~20:00
JRゲートタワー イベントスペース

大阪:2021年9月18日(土)~19日(日)11:00~20:00
グランフロント大阪 ナレッジプラザ

おわりに

プレゼンテーションには、FCAジャパンの広報担当者が来ていました。そして、プレゼンテーションの前後では、グループPSAジャパンとFCAジャパンの両方の広報担当者が話をしている姿を見ました。ステランティスとしての動きを目の当たりにした気がしましたね。

プレゼンテーションのダイジェストと本記事未掲載の撮影画像は下の動画でまとめています。

(取材・撮影・文/宇野 智)

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この記事の著者


					宇野 智

宇野 智

エヴァンジェリストとは「伝道者」のこと。クルマ好きでない人にもクルマ楽しさを伝えたい、がコンセプト。元「MOBY」編集長で現在は編集プロダクション「撮る書く編む株式会社」を主宰、ライター/フォトグラファー/エディターとしていくつかの自動車メディアへの寄稿も行う。

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