テスラモデル3で津波被災地探訪〜冬のスタッドレス長距離ドライブ【復路編】

テスラモデル3パフォーマンスで東京〜陸前高田を往復する冬のロングドライブ。往路編に続いて、陸前高田から海沿いに女川あたりまで東日本大震災の津波被災地を探訪した復路編のレポートをお届けします。

テスラモデル3で津波被災地探訪〜冬のスタッドレス長距離ドライブ【復路編】

今回の陸前高田遠征は、友人が開業に関わっている全車EVのレンタカーサービスである『三陸おもてなしレンタカー』の取材でした。そのレポートもこの復路編にまとめて書こうかと思っていたのですが、取材して、書き始めてみると予想以上にお伝えしたい内容がいろいろあって。冬の遠征レポート第二弾は、陸前高田からの「帰り道」に的を絞ることにしました。全車EVのレンタカー店レポートは、また後日お届けします。

レンタカー店で一晩充電して復路スタート

さて、3月22日に到着した陸前高田。午後からEVレンタカー店の取材とモデル3の同乗試乗会を行って、夕食は友人とレンタカー店近くの寿司店で満喫。そのまま友人の40kWhリーフの代行運転で予約していた民宿にチェックインしました。

試乗会を終えたモデル3は、レンタカー店の200Vコンセントにリーフのケーブル&J1772アダプターで繋いで、夕食に出かける前、18時くらいから翌朝9時過ぎまで一晩充電。50%を切っていたのが98%まで回復してました。モデル3は同乗試乗会前にも一度ドライブスルー洗車でキレイにしたのですが、天気が雨模様だったのと、陸前高田市街周辺もまだ工事中のところが多く、少し走ると再び泥はねまみれになりました。まあ、これは仕方ありません。

レンタカー店には、全部で10台の200Vコンセントが設置されていました。5台まで同時に充電が可能とのこと。トレーラーハウスのようなオフィスですけど、当然、電源はしっかり来てるんですね。

今日は、この陸前高田から沿岸の津波被災地の町をいくつか巡り、仙台スーパーチャージャーで休憩&充電。一気に東京を目指す計画です。往路でイメージはつかめたので、充電計画は「仙台で1回ほぼ満充電にして、東北道のどこかのSAPAで軽く1回注ぎ足すかな」という程度でシンプルです。

宮城県の太平洋岸を走ります。

陸前高田市は岩手県だけど宮城県との県境近く。すぐ隣りは往路編でも立ち寄った宮城県の気仙沼市です。今、復興の現状はどうなのか。駆け足のレポートですが、少しでもお伝えできれば、と思います。

この写真は、おもてなしレンタカーオフィスに隣接する『陸前高田アムウェイハウス』の屋上展望スペースから見た旧市街地の風景。道路やかさ上げの工事はかなり進捗していますが、「町」が復興するにはまだまだ時間がかかりそうです。

東日本大震災津波伝承館

陸前高田の町と海の境目を貫く国道45号線(この道もキレイになりました)沿いに、2019年9月にオープンしたのが『東日本大震災津波伝承館』です。周辺は広大な『高田松原津波復興祈念公園』として整備されていて、『奇跡の一本松』や、『高田松原ユースホステル』、『タピック45(旧道の駅 高田松原)』、『旧下宿定住促進住宅』などの震災遺構があります。

2018年に訪れた際、奇跡の一本松へ行くには特設の駐車場から、この公園の工事現場を1km近く歩くルートがありました。でも、ここが完成したのとともに、津波伝承館から奇跡の一本松への遊歩道も整備されていました。

以前に比べて歩きやすくはなりましたが、500m以上歩かなければいけません。この日は冷たい強風がキツかったので、一本松は遠目に眺めておくだけにしました。

津波伝承館は入場無料。被災した消防自動車や、三陸の津波の歴史、東日本大震災の津波被害などについての展示のほか、ガイダンスシアターで映像を観覧できます。

「教訓を学ぶ」のコーナーでは、震災後、被災地でのさまざまな取り組みとともに、マインドマップ風に学ぶべき教訓をまとめた展示が印象的でした。

今回取材に訪れた全車EVのレンタカーサービスもそうですが、被災地にはさまざまなアイデアや人が集まって、より賢明な、レジリエンスな社会構築に向けたたくさんの取り組みが動いています。ふと気が付けば津波からもう丸9年、ともすれば10年が経とうとしています。

再生可能エネルギーなんて、とか、電気自動車なんて、と感じてて、まだ震災後の津波被災地を訪れたことがない方、ぜひ、一度ご自身の目と足で被災地のエネルギーを感じてみて欲しいと思います。

道の駅 高田松原

真新しい大きな建物の向かって左側が津波伝承館。右側は『道の駅 高田松原』になっています。震災後、奇跡的に見つかった震災前の「もろみ」を培養して醸造した八木澤商店の『奇跡の醤(ひしお)』も並んでいました。

産直コーナーや、地元の旬の食材を楽しめる食堂も賑わっていました。

と、ここで突然の吹雪になりました。私は日本海側の雪国育ちなので雪道の運転はそれなりに慣れているとはいえ、モデル3がスタッドレスタイヤを装着してて助かりました。

南三陸さんさん商店街

気仙沼は往路でも立ち寄ったのでスルーして、昼食は南三陸町の『南三陸さんさん商店街』へ。陸前高田市内でちょっと寄り道したので、約60km走って到着しました。

この「さんさん商店街」は、震災後、もう少し山あいに作られた復興市場。2013年には以前の商店街を訪ね、2018年に再訪した時には、盛り土が終わった現在の場所に移ったばかりでした。2年前、周囲にはほとんど何もなかったですが、今回訪れてみると、商店などがポツポツと建っていて、新たな「町」になりつつありました。

日曜日のお昼時とあって、駐車場もほぼ満員。人気の食堂には行列もできていました。うっかり料理の写真を撮り忘れましたが、私がいただいたのは『かいせんどころ 梁』の牡蠣フライ定食。おいしかったです。

震災直後は津波に現れた荒れ地にぽつんと残されていた南三陸町の旧防災対策庁舎。さんさん商店街の裏手、盛り土された堤防から、上部が覗いているのを見ることができます。

ちなみに、2013年に訪れた際はまだこんな感じでした。

この風景を目に焼き付けてから今の現地を見ると、いかに大規模なインフラ工事が行われてきたか感じることができるでしょう。

石巻市立大川小学校跡

さんさん商店街から海沿いの道を約30km。東日本大震災による津波で、児童74人、教職員10人が犠牲となった、石巻市立大川小学校跡を訪ねました。

2年前に訪れた時は、校舎の前にある慰霊施設で手を合わせることしかできなかったのですが、校庭や校舎の内側まで見学できるようになっていました。

三陸各地で多くの方が命を落とし、どの被災地でも痛烈な思いは感じるのですが。この大川小学校では避難ルートのちょっとした選択が運命を分けた場所。訪れた時間には冷たい強風にも見舞われて。。。なんとも、心が痛い津波の遺構です。

女川駅

さらに雄勝町などの海沿い&峠道を27kmほど走って女川へ。

女川駅前の通りは再整備されてキレイなレンガ通りになっています。新しくなった駅舎には『女川温泉ゆぽっぽ』という日帰り入浴施設もありますが、この日は時間がないのでパス。

女川駅に隣接して『ホテル エルファロ』というトレーラーハウスの宿泊施設があります。津波で被災した地元の宿泊業者が共同で、復興の「エルファロ=スペイン語で灯台」になれるようにと、2017年にオープン。被災地巡りの旅の際にはオススメの宿泊施設です。

陸前高田でおすすめの宿

ちなみに今回の取材旅。陸前高田では友人が勧めてくれた『ペンション福田(『食べログ』ページにリンク)』という民宿に泊まりました。

夕食はなく、朝食付きで6500円。朝食はボリュームも味も大満足。夕食は地元の飲食店で楽しんでね、ということです。

実はこの宿、津波の前は震災遺構にもなっている『定住促進住宅』のすぐ近くにあったそうです。当時の宿は津波で流されてしまいましたが、女将さんが一念発起して2016年に今の場所で復活。館内や客室は清潔で、とても居心地のいい宿でした。

全国チェーンや規模の大きなホテルもいいですが、被災地を旅するときには復興に向けて奮闘しているこういう宿を応援するのがいいですね。

再び仙台スーパーチャージャーへ

時刻も夕方になってきたので、女川からは三陸自動車道を経由して、ロイヤルパークホテル仙台のスーパーチャージャーを目指します。17時30分過ぎに到着。同行者を隣接する『仙台泉プレミアム・アウトレット』で下ろし、1時間後にホテルロビーで待ち合わせ、ってことにしました。

ホテル(スーパーチャージャー)到着時の電池残量は32%。陸前高田から仙台まで約190km走るのに、およそ66%、49.5kWhの電力を消費したことになります。電費は約3.84km/kWh。ほとんど一般道で高速でもそんなに飛ばしたりはしてないですが、吹雪にも見舞われつつエアコンフル稼働、スタッドレスでストップ&ゴーを繰り返したので、まあ、こんなものでしょう。

この日もスーパーチャージャー区画にはエンジン車が1台停まっていましたが、このクルマは「テスラ車と一般のエンジン車がスムーズに駐車場とスーパーチャージャーを利用するために、ホテルが配慮してあえて駐車している社用車」であることは、往路編にいただいたコメントとホテルへの電話取材で確認済み。

往路ではレストランで朝食をいただきました。トワイライトタイムになったこの日は、ライトアップされたガーデンを眺めつつ、焚き火で暖を取りながらガーデンカフェのホットコーヒーを、と思ったら、クルマに財布を忘れてて現金がなく、散策だけ楽しませていただきました。

隣接したアウトレットモールや、ホテルの優雅な空間。1時間の充電をゆったり楽しむことができるのは、やっぱりなかなかいいですね。

1時間弱で99%まで充電。世田谷区の自宅に目的地設定すると、残量12%で到着可能と表示されました。ま、あまり無理せず、途中、東北自動車道の空いているところで軽く1回休憩&急速充電して、東京を目指すことにします。

上河内SA(上り線)

仙台スーパーチャージャーから約240km。電池残量32%で東北自動車道上り線、上河内サービスエリアにピットインしました。

案の定、走っている途中で東京まで着けない表示になってはいましたが、電池の容量には余裕があるのでピットインするSAの選択肢はかなり幅広く考えることができます。この日の場合、往路でも充電した「那須高原SA」から、「上河内SA」、「都賀西方PA」、さらにその先の「佐野SA」くらいまで、約100km区間の「どこかで充電できればいいや」というイメージでした。

リーフアプリの「充電スポット満空情報」で確認しながら走りつつ、那須高原は使用中、その次の上河内が空いていたのと、トイレに行きたくなったので充電ピットインを選択しました。

30分充電して32→51%まで回復。残量14%で自宅に帰着できると表示されました。

無事到着!

23時35分、電池残量15%で無事に自宅に到着しました。

200Vコンセントに接続して充電を始めると、満充電までは24時間以上かかると表示されています。実際には、22時間くらいかと思いますが。この日は朝7時過ぎまで約8時間充電して、約50%まで回復してました。大容量電池、ありがたいけどさすがに200V充電は時間がかかりますね。

では、また機会があれば、モデル3の楽しい(自分が……)ロングドライブレポートをお届けします。

(取材・文/寄本 好則)


2 thoughts on “テスラモデル3で津波被災地探訪〜冬のスタッドレス長距離ドライブ【復路編】”

  1. 某ブログでモデル3はリーフより1~2割電費が良いと仰っていたテスラファンがいましたが、実際には重量相応の電費になるのですね。おかしいと思っていました。
    しかし、e+でもそうですが、「どこかで充電できればいいや」といういい加減な充電計画でどうにかなってしまう航続距離は魅力大です。

    1. シーザー・ミラン様、コメントありがとうございます。

      >モデル3はリーフより1~2割電費が良い

      モデル3は何種類かバージョンがあって、バージョンで電費も異なります。
      2019年モデル(リーフは米国では2020年モデルをまだ出していないので)同士で比較してみると、
      リーフ40kWh       5.36km/kWh
      リーフ62kWh       5.19km/kWh
      モデル3 SR+ 55kWh    6.44km/kWh
      モデル3 LR AWD P 75kWh 5.55km/kWh
      https://www.fueleconomy.gov/feg/Find.do?action=sbs&id=40812&id=41276&id=41416&id=41191
      ※端数四捨五入

      なので、このレポートの車両ロングレンジAWDパフォーマンスだと、リーフとほとんど同じ電費だと思います。SR+は2割良いとまでは言えないですが、1割は良いので目に見えて分かると思います。
      電費の差は空力によるものが大きいと思います。テスラはどの車もそうですが航続距離を稼ぐために、後部座席の居住性は優先度を下げている傾向にありますね。

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