富士山5合目まで電気自動車で(ふじあざみライン)

イベントで富士山5合目まで電気自動車テスラモデルSで行くことになりました。ふじあざみラインなら真夏でも5合目まで行けちゃいます。

富士山5合目まで電気自動車で(ふじあざみライン)

目次

  1. 出発までの計画
  2. 当日のログ

出発までの計画

今回参加させていただくイベントはEVオーナーズクラブ主催「富士山イベント」。5合目でのゴミ拾いが開催されるのに伴い、電気自動車で参加者を送迎するのが主な役割です。

そして、そうなんです。富士山に車で登るには富士宮口から富士山スカイライン、須走口からふじあざみライン、そして吉田口から富士スバルラインの三通りがあります。そして、7月と8月はすべての道路でマイカー規制が実施され、バス・タクシー・自転車(!!)等でしか通行ができないのです。富士山マイカー規制のページはこちら
ふじあざみラインだけは、電気自動車と燃料電池自動車の通行が許可されていますので、今回はこれを利用して行こうというわけです。

集合場所は富士山のふもとの道の駅すばしり公式)。東京からのおおよその距離は110km程度、そして道の駅から5合目までのふじあざみラインの走行距離は11km程度です。
じゃ往復で(110+11)x2=242kmだからモデルSなら余裕?

ちょっと待ってください。須走口から登った場合の富士山5合目は標高2,000m。どんな自動車もこれだけ標高の高いところまで登ればかなり余分にエネルギーを消費します。どのくらいかって?ここでは、非常に簡単に計算するために、実際の走行距離に加えて見積もるべき「追加の」距離を出す式をご紹介します。この式は車によって異なりますので、モデルS専用と考えてくださいね。車重が少なければ、もっと少ない距離で済むはずです。

  • 上り:標高100m上がるごとに3.7km消費
  • 下り:標高100m下がるごとに2.1km充電

出発地点の標高は簡略化して0m、富士山5合目は2,000mとすると、行きは74km追加で必要、帰りは42km充電されることになります。また、イベント参加者の送迎のための車が足りなかった場合、2往復目があるかも知れません。道の駅すばしりの標高は826mなので、道の駅すばしりから富士山5合目までは追加44km、逆方向の富士山5合目から道の駅すばしりは充電24kmとなります。これを表にまとめてみましょう。

走行距離標高による増加/減少+10%の余裕航続距離残(出発時360kmから)
行き121km74km195km215km145km
(1往復目下り)11km-24km-13km-11km156km
(2往復目上り)11km44km55km61km95km
帰り121km-42km79km87km8km

おっと、360km残で出発しても、10%の余裕を全体的に見ると、2往復するだけで自宅に着いたらギリギリ、一桁倶楽部ですね!

他のEVがあまり往復できない可能性も考えて、往路中井PA下り50kWx1足柄SA下り40kWx2あたりで補充しておいても良さそうです。もちろん道の駅すばしりにも20kWの急速充電器がありますが、利用される予定の方も多いでしょうし、緊急用と考えておきたいと思います。
復路の高速道路で充電する方法もありますね。5合目から最寄りの足柄SAまでは26kmありますが、標高は約マイナス1500mなのでその分の回生による充電は28km。ただ山道では何があるか分かりません。無理は禁物ですね。

ではポイントをまとめておきましょう。

  • 5合目でさらにもう1往復するかどうかの判断:5合目から道の駅すばしりまで一往復すると50km分消費
  • 5合目から無充電で家に帰れるかどうかの判断:5合目から家に帰るには87km必要
  • 5合目から足柄SAまで行けるかどうかの判断:5合目では0kmでも足柄SAまでは到達できる可能性大だが、余裕を見て5合目では最低20kmは残す

当日のログ

満タンチャージ
満タンチャージ

8/26 1655 前日ですが、翌日に備えて満タンチャージしておきます。満タンで航続距離計は382km(画面左下)。新車時は394kmでしたので、2年弱、52310km走行で電池は約3%劣化したことになります。メーター内の黄色点線は、アクセルを戻した時の回生ブレーキ量に制限がかかっていることを示します。回生ブレーキは車の運動エネルギーを電気に変換してバッテリーに充電するものですが、バッテリーが満タンですので、少し(12kWくらい?)しか回生できないということです。
明日は道の駅すばしりと五合目の間は一往復でよいとの連絡が入りましたので、明日は経路充電なしで目的地に向かうことにします。
8/27 0658 残366kmから出発。おはようございます。寝坊してしまい6時半に出発する予定が30分も遅くなってしまいました。。
0903 残215kmで道の駅すばしりに到着。いつもの東名高速の上り坂(皆さん!坂では速度を落とさないようにしましょう!)と、御殿場IC付近では自衛隊の富士総合火力演習予行があるとかで渋滞がかなりありました。たった100kmを2時間もかかってしまいました。
1002 残155kmで富士山須走口五号目に到着。11kmを走行するのに60km分の電力量を消費しました(電力量換算12kWh)。計画では上りは61km分の予定でしたのでほぼ計算通り。画面右側の電費グラフは何と1002Wh/km(1km走行するごとに1002Whの電力量を消費)!ちなみに1002Whってピンと来ませんがキロカロリーに直すと862kCal。カレーライス1杯分のエネルギーで1kmしか進めないのですね。人間より圧倒的に燃費が悪いです。11km上るためにはカレーライスが11杯必要となるのです。

須走口五号目
須走口五号目

道の駅すばしりではまだ雨は降っていませんでしたが、五号目まで来てみるとご覧のように結構激しい雨。手前が菊屋さんで奥が東富士山荘さんです。東富士山荘の名物、富士山ようかんと「こけももジャム」とその他おみやげを買いました。実は写真のさらに右に自転車が2台駐輪してあったのですが、ここまで上ってくるのは凄いです。最大斜度12%ですからね。残念ながらゴミ拾いのイベントのはずだったのですが、雨が激しく、30分くらい清掃して解散になってしまいました。
1122 残176kmで再び道の駅すばしりに到着。さっきより電気が増えてます。そう、電気自動車は坂を下ると発電して電気が貯まるのです。21km分充電できてしまいましたが計画では11kmのはず。ここは倍近く誤差が出てしまいました。少し買い物をするついでにせっかく充電器が空いていたので、道の駅すばしりで15分だけ充電。500円/30分なので本当は30分間充電したほうがいいのですが(笑)
1640 その後、お昼に鰻を食べようということになり東名を下って三島へ。その後また東名で東京まで戻ってきました。残37kmで自宅に到着です。途中、海老名SA上りで5分間だけ充電・トイレ休憩しました。こんな短時間だと3kWhしか充電できず大したことはないですね。今回の総走行距離は282.6km、消費電力量は66.3kWh、平均消費電力は235Wh/kmでした。前回、タイヤを245→255幅にし20インチ化・ハイグリップ化したせいか、平均は感覚的に10%くらい悪化しています。

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この記事の著者


					安川 洋

安川 洋

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

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