テスラモデルS(電気自動車)で四万温泉へ週末旅行

今回はテスラモデルSで比較的短距離の四万温泉に行ってみましたので、レポートしたいと思います。四万温泉は東京から片道約164km、ドアツードア3時間以内で行ける近場です。

テスラモデルS(電気自動車)で四万温泉へ週末旅行

目次

  1. 四万温泉への充電計画
  2. 往路
  3. 復路
  4. まとめ

四万温泉への充電計画

モデルSも納車されてから10,000kmを超え、何度か長距離の旅行も行ったので、途中の充電もかなり慣れてきました。厳密には週末旅行ではなくて祝日を使っていますが、このくらいの距離の旅行は車で行かれる方も多いと思いますので、以前と同様データも合わせて、ご紹介したいと思います。
まずは充電計画ですが、単純往復なら328km。私のモデルSの航続距離が標準値で381km、しかし冬ですので30%の余裕をみると328 x 1.3 = 426kmと、やはり満充電1回では往復は無理です。多分夏なら大丈夫ですね。また、今回はせっかく群馬県に行きますので富岡製糸場あたりも寄ってみようかと考え、余裕気味に計画したいと思います。

※標準値とはテスラモデルSの航続距離の表示方法の一つで、目安となる数値。夏に高速道路・一般道をミックスして走行したときにおおよそ達成できる数値となり、冬はここから20%程度走行可能距離が減少します。計画段階では、「冬の場合30%の余裕をみる」と覚えておきます。

ルートは東京から関越自動車道で渋川伊香保IC経由となりますが、高速道路上の充電器は三芳PA、嵐山PA、そして上里SAの3か所。一番東京から遠い上里SAでもおおよそ100km程度となりますので、ベストなのは経路で充電せず、目的地で充電する「目的地充電」を行うことにします。ただ、上里通過時にトイレに行きたくなったらついでに充電することにしました。
次に目的地充電の調査ですが、四万温泉のある中之条町は非常に電気自動車にフレンドリーで、あちこちに急速充電器が設置されています。温泉街に一番近いというか、温泉街の中にあるのが「四万清流の湯」で、ここを第一候補にしました。ここの充電器は30分制限かつ25kW(=充電器が電気を送り出すパワー)です。30分ではその半分の12.5kWhしか充電できず、標準値にして約12.5 / 0.2(Wh/km) = 62.5km分しか充電した電力で走行できませんから、余裕を見ると1時間くらい充電したほうがよさそうです。もし大して充電できなくても帰りにどこかで充電すればよいですし、四万温泉から渋川伊香保までは下りが続きますので、あまり心配はいらなさそうです。

往路

四万川ダム(奥四万湖)さて結構ゆるい感じの計画で東京を2/11に出発しようとしましたが、おっと、昨日満タン充電を忘れて、標準値が本来381km程度でなければならないところ、343km(約90%)しかありません。まあやってしまったものはしょうがない、それでも大して計画に影響の出ないところがテスラモデルSです。100km先の上里SA下りにて同乗者がトイレとのことで、せっかくなので14分間充電。標準値は343→210@上里SA到着→235@上里SA出発、となりました。
ここで一つの問題に私は気づきました。上里SAに設置してある急速充電器は日産製の44kWタイプなのですが、何と出力が25kWしか出ていません。原因は分かりませんでしたが、取りあえず少し充電できたので良しとしました。
すでに上里SAでお昼を過ぎていたので、四万温泉に到着したらすぐに昼食を取ろうかと思い、近くの道の駅 霊山たけやまに行くことに。実はここにも25kWの急送充電器があるのです。道の駅霊山たけやまにはそば処けやきというお店があり、ランチに最適。サイトはあまりにも控え目で何も書いてありませんが、全部中之条町産のそば粉100%使用で、かつ10割そばとのこと。食べてみると比較的つるつるとした喉越しで、つなぎなしとは思えません。お聞きしたところ、お湯でつなぐのと、ゆで方にコツがあるそうです。地元産舞茸の天ぷらもおすすめです。ここに到着した時点で標準値は163km。やはり山の方へ上っていますので、実際の距離55kmのところ標準値で72km分減っています。まあ減った分は下りでは取り戻せますのであまり気にする必要はありません。ここではおおよそ1時間滞在し、道の駅でも(電気がタダなのでお礼の意味で)大目に買い物をしてフランクに入れました。標準値は163km→260kmまで回復、97km分=19.4kWhを無料で充電できました。
道の駅で充電完了後。右のグラフからかなり登ってきたことが分かるここからはさらに少し上り、四万川ダム(奥四万湖)まで行ってみましたが、雪のため湖というかダムの周回道路は閉鎖。四万こしきの湯という日帰り温泉も3月末まで閉鎖でした。軽く周りを歩いたりしてから宿に向かい、到着したときには238kmでした。今回の宿は「佳元」。全8室の小さい旅館です。

復路

朝になってテスラのAndroidアプリで室温と航続距離をチェックすると、2℃で標準値230km。今までの経験でかなり寒い場合でも1日10km分減少する程度ですので、まあ順当なところ。朝食を食べ、群馬県の天然記念物の甌穴(おうけつ)でも見ようと森のカフェ KISEKIへ行ってみたところ、カフェはお休みで甌穴は水が濁っていて見られませんでした。残念。その後少し寄り道して富岡製糸場に行ってみるもこちらもお休み。しょうがないのでその近くにあるこんにゃくパークへ。ここは工場見学もこんにゃくが激安の売店もあるのですが、目玉が無料のこんにゃくバイキングらしく、かなり人が入っていました。休日はかなり並ぶとのことでした。
こんにゃくパークで「こんにゃくラーメン」や「こんにゃく焼きそば」などを食べて、お腹も中途半端な時間にいっぱいになりましたが、まだ少し時間があったので、「富岡製糸場と絹産業遺産群」の一つである「高山社跡」に寄って見学してから帰路につきました。高山社跡を標準値140kmで出発、家までおおよそ130km必要ですので途中充電が必要です。行きの上里SA下りや目的地の道の駅の急速充電器の出力が25kWでなくてもっと強力なら、帰りに充電は必要なかったのに、、しかし文句を言っても仕方がないので、上里SA上りに到着後、残100kmの30%増し、すなわち130km以上になるくらいまで充電することにしました。
上里SA上りに到着したときは標準値124kmで、まあ充電しなくてもある程度余裕で帰れそうでしたが、せっかくなのでここでトイレ休憩。23分間充電して標準値は165kmと余裕になりました。しかしここでも本来は44kWの日産の急速充電器の出力が25kWしか出ません。帰宅するのに問題はないのですが、これでは遠出するときには問題となりますので、テスラに電話。すると、「日産の細型の急速充電器は構造上オーバーヒートしやすく、大きな負荷を掛けられないため、モデルSでは25kWに制限している」とのこと。実際に、筐体下部のフィルターはほとんど詰まっており、冷却システムが正しく動作しなさそうな感じでした。

まとめ

今回の1泊旅行は25kW三昧で、結局ハイパワー充電器がない路線では、テスラモデルSでも遠出は気を付けないといけないということが分かりました。関越道の急速充電器は日産の細型が多いので、関越方面で長距離を移動する場合には当面、高速道路上を避けて50kWの高出力充電器を探すか、高速道路上でゆっくり目に休憩を取るしかなさそうです。テスラのスーパーチャージャーの計画によれば2015年は東北・関越方向で茨城県・栃木県・宮城県・岩手県・青森県に設置される予定のようですので、完成するまでは。。
旅行データは以下の通りです。標準値343kmでスタート、総走行距離は399.2km、消費電力量は84.8kWh、平均電費は212Wh/km。実際に日本充電サービスに支払った電気代は約600円(行き14分帰り23分の計37分)でした。

1日時出発地到着時刻到着地走行可能距離実走行距離消費電力電費
22/11 10:50東京12:41上里SA下り210km104.9km24.9kWh238Wh/km
312:41(充電)12:55(充電)235km
412:55上里SA下り13:56道の駅霊山たけやま163km55.8km13.6kWh244Wh/km
513:56(充電)14:57(充電)260km
62/12 16:02高山社跡16:39上里SA上り124km15.8km2.5kWh158Wh/km
716:39(充電)17:02(充電)165km
817:02上里SA上り20:23到着46km104km21.7kWh209Wh/km

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この記事の著者


					安川 洋

安川 洋

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

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