テスラモデルS(電気自動車)で長距離:山形へ

2015年のゴールデンウィークは、山形に2泊で行ってみようということで、混雑を避けて最終日の5月6日に出発し、金曜日の5月8日に帰ってくる予定を立てました。往路が348km、中日184km、復路488kmと、合計1000kmを超える旅です。

テスラモデルS(電気自動車)で長距離:山形へ

この日程だと直前でも結構旅館が空いているもので、米沢と鶴岡でそれぞれ1泊の予約を入れることができました。モデルSは運転していてなぜか疲れが少ないです。スムースだからなのか、それともクイックでストレスが全くないからなのか、理由ははっきりとは分かりませんが、遠出の回数は以前よりずっと増えていると思います。
今回の旅行でも、寄り道するところと充電するスポットをあらかじめ計画してから出発しました。往復300kmを超える旅行では、電気自動車の場合は充電計画が必要です。計画の立て方についてはこちらの大阪編もご覧ください。

目次

  1. 東京←→山形の充電計画
  2. 往路:米沢市の河鹿荘宿泊
  3. 中日:鶴岡市の九兵衛旅館宿泊
  4. 復路
  5. まとめ

東京←→山形の充電計画

今回の宿はどちらも一の宿倶楽部の加盟旅館、山形県米沢市の河鹿荘と鶴岡市の九兵衛旅館の二軒です。米沢までは東北自動車道を福島まで行ってそこから一般道で西へ、そこから日本海側の鶴岡へは、山形市まで北上してそこから山形自動車道を西へ行くのが一般的なルートですが、最上川方面に行きたいという計画があったので、東北中央自動車道・国道13号・国道47号を経由して少し遠回りすることにしました。鶴岡からの帰りは、日本海東北自動車道・北陸自動車道から長岡JCTを通って関越自動車道のルートを選択しました。
行きは東北道が最短ですが、鶴岡からの帰りも実は東北道のほうが、関越道経由より距離は少しだけ長いのですが、高速道路を走る距離が長いので、所要時間は短いはず。ただ今回は、行きと帰りで違う道を通ってみたいというのと、関越道のほうが急速充電器が充実しているため、関越道を選択しました。

山形県米沢市 河鹿荘の普通充電器
山形県米沢市 河鹿荘の普通充電器

まずは往路の計画からです。今回もほぼ満充電からのスタート、かつ、目的地の河鹿荘には普通充電器がある(!)とのことで、往路348kmなら無充電でもいけますが、初めて泊まる旅館。普通充電器も利用者が少なそうなので、万が一故障していた時のことも考えて途中で充電を入れます。東北道の上河内SA下り(栃木県)が東京から福島までの間で最後の急速充電器なので、ここでランチ。そして旅館のできる限り近くで、旅館の充電ができなかった場合のバックアップを6日のうちにテストしておきます。今回は日産プリンス山形販売 中田町店を選択しました。
中日は、最終日のことも考えて、やはり旅館の近くで30分充電しておきます。毎日17:00までしか利用できませんが、鶴岡市役所は市の中心部になり、周辺を歩いたりお茶したりするのには便利そうなロケーションでしたので、選択しました。

最終日は、道の駅で買い物する場合は、道の駅 あつみで滞在時間のみ充電。メインは北陸道 黒埼PA上りでランチ(60分以上)としました。旅館から黒埼PAまでは151km。前日の鶴岡市役所では満タンにならないので、余裕分をおおよそ150km強と試算して、それを使い切る感じで黒埼を選択しました。ここから自宅まで330km程度、これでも余裕で帰れますが、念のためもう一つバックアップを用意しておきます。
黒埼以降はちょっとトリッキーです。北陸道栄PA上り、関越道越後川口SA上り、塩沢石打SA上り、谷川岳PA上り、赤城高原SA上り、上里SA上り、と続くわけですが、前回の記事で書いたように上里より東京寄りは混雑しやすいので避けたく、かつ越後川口・谷川岳・上里はすべて過熱リスクのある日産の細型充電器のため使えません。栄は近すぎます。すると残るのは塩沢石打か赤城高原です。黒埼PAから関越道 赤城高原SA上りまでは173km。休憩するには最適な感じです。

このように、電気自動車で長距離の旅行をする場合には、メインの充電スポットを250km位ごとに予定し、充電報告のない充電器や、旅館・ホテル等にある充電器は、故障していてメンテナンスされていないケースもあり得るので、バックアップを調べておきます。今回は栃木県上河内SA、山形県鶴岡市役所、新潟県黒埼PA、群馬県赤城高原SAがメインとなります。

往路:米沢市の河鹿荘宿泊

上河内SA下り 宇都宮餃子
上河内SA下り 宇都宮餃子

自宅をゆっくり目に出発し、上河内SAまでは特に渋滞もなく、到着したのは13:23。ところがモデルS運転歴8か月!でなんと2回目の先客あり。アウトランダーPHEVの方が充電をされています。幸いにしてすぐ終わるとのことでしたので、車を邪魔にならないところに停め、13分後に充電を開始しました。
ここは宇都宮が近いので、宇都宮餃子の定食を食べます。SAの中のお店ですが、皮がパリッとしていて美味しい。食券を買ってから順番に焼いてくださるのですが、案外時間がかかります。人気なんですね。ここで54分充電してから飲み物等を買って出発。
東北道を福島飯坂ICで降りると、米沢までは一般道になります。ここは栗子峠(万世大路)と呼ばれ、明治時代には標高880mの地点にトンネルがあったらしいのですが、現在は最高地点626mと少し低くなったところに二本の東西トンネルが掘られています。さらにその下440mのところには、東北中央自動車道栗子トンネルが計画されています。ここの面白いのは、福島側は標高440mなのですが、いったん626mまで上って、米沢に着くと390mになって下がってしまうということです。電気自動車だと、米沢に着くと電気が余りますので、こういう地形の変化もすぐ分かります。

山形県米沢市 河鹿荘 露天風呂
山形県米沢市 河鹿荘 露天風呂
山形県米沢市 河鹿荘 夕食前菜
山形県米沢市 河鹿荘 夕食前菜
山形県米沢市 河鹿荘 米沢牛
山形県米沢市 河鹿荘 米沢牛

米沢にある日産プリンス山形販売 中田町店の急速充電器は44kWで、5/6は休日ですが充電器は開放、店内にお店の方がいらっしゃったので、声をかけて利用しました。5/7は通常営業とのことですし、12分ほど充電して確認できたので、利用料540円を払い、すぐ河鹿荘に向かいました。到着時の航続距離は192km、ほぼ半分くらいです。
さて河鹿荘に到着してみるとやはり普通充電器があります!時間制限が1時間になっているということで、丁寧にお願いして、了承をいただき、朝までできるように999分に設定を変更させていただきました。マニュアルに変更方法が書いてあります(4桁の暗証番号が必要)。
米沢といえば米沢牛。旅館の夕食に米沢牛がフツーのプランなのに入ってます!写真では分かりにくいですが6枚。100gくらいあるのではないでしょうか。もちろんこれに前菜や山菜の天ぷらやらの懐石が付きますから、やっぱり安い。。ここには機会を作ってまた来たいと思います。
5/7の朝起きてみると本日も晴れ。窓からはもう完全に葉っぱになってしまった大きな桜の木と川が見えます。せっかくなので露天風呂も入り、朝食をいただき、出かける準備をして車を見ると、航続距離383km、満タンになっています。電気代は無料でした。

中日:鶴岡市の九兵衛旅館宿泊

山形県村山市 おんどり 山菜
山形県村山市 おんどり 山菜
山形県村山市 おんどり そば
山形県村山市 おんどり そば

中日5/7の予定は山形そばと最上川下り。最初に行こうと思っていたきよそばに行くも、木曜日定休とのことで(笑)、少し離れたおんどりさんへ。おそばを頼むと山菜ときくらげが付いてきました。そばは細打ちと太打ちがあり、私は合盛りを頼みました。ちょっと遠いですがここはお勧めです。なんといってもご主人がそばを自家栽培(!!そんなこと普通しますかね??)、山菜はご自身で取りに行かれ、地元葉山の湧き水でそばを打っているとのこと。。私の山形の印象は、「こだわり」になりました。
おんどりを出てからはまっすぐ最上川下り、芭蕉ラインへ。ここは定期船を下り方向に出しており、戸沢藩船番所から草薙港まで、約12kmを1時間で下ります。帰りが気になりますが、予約が取れればそのまま船と一緒に船番所まで戻ってきてもいいですし(4名まで)、私のように予約が取れないとバスで戻るか(一人400円)、車を回送してもらうか($$$)になります。船からは四季折々の最上川の様子が見られるのに加え、川岸には桜の木や小さな滝などいろいろな見どころがあります。途中になぜかコンビニ的な建物があり、そこで鮎の塩焼きや玉こんにゃくなどを頂くことができます。もちろんお酒もあります。川の下り側に向かって右側はほとんど人が住んでいらっしゃらないそうで、電気は来ているらしいのですが、水道やガスや道路はないとのこと。完全に自給自足の生活ができそうです。

最上川下り
最上川下り

バスで出発地点まで戻り、そこから鶴岡市内に向かって走ります。が、チェックアウトが11時だったのでゆっくりしてしまったことと蕎麦屋探しで少し時間をロスしたこともあり、鶴岡市役所の急速充電器の17時を過ぎてしまいそう。まあ別に翌日でも構わなかったのですが、EVsmartで近くの山形日産自動車販売 美咲店を見つけて行きました。到着時の航続距離は213km。ここは18時まで営業中でしたが、お店の方が中で休んでいいというので、30分間充電させていただきました。しかし30分経っても自動停止せず、、気づいて慌てて35分でストップさせ、540円を支払って宿に向かいました。

山形県鶴岡市 九兵衛旅館 夕食孟宗寿司
山形県鶴岡市 九兵衛旅館 夕食孟宗寿司
山形県鶴岡市 九兵衛旅館 夕食孟宗ステーキ
山形県鶴岡市 九兵衛旅館 夕食孟宗ステーキ
山形県鶴岡市 九兵衛旅館 朝食デザート
山形県鶴岡市 九兵衛旅館 朝食デザート

鶴岡の宿は九兵衛旅館。到着すると道が狭く、駐車場の位置が分からなかったので、近くに停めて宿の方に誘導いただきました。するとなんと、ここにも普通充電器があるではないですか!なんでも私がメールで問い合わせた際に、返信を頂けたそうなのですが、どうもメールが届かなかったようです。取りあえずその場所に駐車させていただき、認証に必要なカード等は後ほど借りることにしました。
この地域は5月いっぱいは孟宗(タケノコ)がメイン。標準のプランで孟宗尽くしが食べられます。写真にはありませんが前菜のお造り(タケノコで飾ってあります)、写真の孟宗寿司(生)、そして孟宗ステーキと山形牛添え(メインはタケノコらしい)、そしてデザートです。河鹿荘も料理に凝っているなと思いましたが、ここも素晴らしい。やはり、私の中では山形は「こだわり」の地です。
夕食後、フロントの方に充電器のカードをお借りして、時間を聞くと3時間制限とのこと。丁寧にお願いして、了承をいただき、999分に設定を変更させていただきました。
朝食も前菜5品にお魚と、またまた写真の凝ったデザートです。このスイカの横に写っているデザートは冷たいプリンのような食感でしたが、もしここに行く方がいらっしゃれば、これはぜひ試していただきたいと思います。

復路

さて5/8は東京に帰ります。充電は完了していて航続距離はまた383kmに復活です。山形にいるうちに道の駅に寄り、何か買い物をして、そのあとはまっすぐ帰ろう、、という計画で、まずは最も近い道の駅あつみWebサイト)に寄ります。ここは絶景、、日本海が目の前で、釣りもできますし、夕日が沈むのを真正面に見ることができそうです。道の駅の品揃えはかなり離れた場所ということもあり、ちょっと少な目。25kWの急速充電器がありましたので、感謝の意味も込めて(?)協力金500円をボックスに入れ、また満タンに。その後どんどん南下し、新潟県村上市で道の駅朝日に寄ることに。ここはかなり大きな道の駅で、品揃えも大変よかったです。ここにも無料の急速充電器がありますので、航続距離は361kmまで回復。当初の計画とは大分違ってきています(汗

「道の駅あつみ」からの日本海の眺め
「道の駅あつみ」からの日本海の眺め

この時点で12:56。ここでお昼を食べればいいのですが、まだお腹が空いていません。そこで、黒埼もスキップして塩沢石打SA 上り線を目指すことにしました。2時間200km程度を一気に走りきり、塩沢石打SAに入ると、、なんとレストランらしき設備が見えません。後でネットで見てみると一応スナックコーナーなるものがあったようですが、スキップして次の赤城高原を目指すことにしました。赤城高原SA到着は15:25、航続距離は89kmと、東京まで148kmを残していますのでここで充電が必要です。遅いランチを食べ、天気が良いので外で飲み物を飲んだりして休憩46分、航続距離は211kmに回復です。ちなみにここは40kWの充電器。モデルSでは、通常の50kW充電器に比較して、20%充電時間が伸びてしまいます。
16:11に赤城高原SAを出発して帰路につきます。いろいろ途中で寄り道(!)して、最後自宅に到着したのは18:32。航続距離は33kmと、ちょうど充電した分を使い切った形になりました。

まとめ

山形旅行 総行程
山形旅行 総行程

今回の旅行をまとめます。総走行距離1078.5km、消費電力201.6kWh(6048円相当)、平均電費187Wh/km!で、やっぱり春になると電費はかなり向上しました。実際に払った電気代は往復で858(上河内)+540(日産プリンス山形販売 中田町店)+540(山形日産自動車販売 美咲店)+500円協力金(道の駅あつみ)+745(赤城高原)=3183円(すべて税込)でした。ガソリンで走ったと仮定してリッター130円で換算すると、3183/130=24.5リットル。ガソリン換算燃費は1078.5/24.5=44km/lでした。
今回痛感したのは、宿に普通充電器があると便利ということです。夕方6時にチェックインして10時チェックアウトとして、充電時間16時間。モデルSでは240km走行分にもなります。翌日満タンスタートできると、電気自動車の制約もぐっと少なくなり、プランにかなり余裕が生まれます。JTBさんがかなり旅館・ホテル等の目的地充電を頑張っておられるとのことをお聞きし、心強く思いました。

参考までに、今回の旅行データをまとめておきます。

1日時出発地到着時刻到着地走行可能距離実走行距離消費電力電費
25/6 11:15東京(残373km)13:23上河内SA下り211km149.3km30.4kWh204Wh/km
313:36(充電)14:30(54分)367km
414:30上河内SA下り17:02日産プリンス山形販売 中田町店175km196.6km36.8kWh187Wh/km
517:02(充電)17:14(12分)205km
617:14日産プリンス山形販売 中田町店17:39河鹿荘192km10.4km2.4kWh228Wh/km
75/7 11:18河鹿荘(383km)17:22山形日産自動車販売 美咲店213km204.8km33.8kWh165Wh/km
817:22(充電)17:57(35分)322km
95/8 10:49九兵衛旅館(383km)11:23道の駅あつみ357km32.9km5.2kWh157Wh/km
1011:23(充電)11:57(34分)385km
1111:57道の駅あつみ12:46道の駅朝日351km41.2km6.9kWh167Wh/km
1212:46(充電)12:56(10分)361km
1312:56道の駅朝日15:25赤城高原SA上り89km252.9km51.5kWh204Wh/km
1415:25(充電)16:11(46分)211km
1516:11赤城高原SA上り18:32自宅33km183.9km33.5kWh182Wh/km

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


この記事の著者


					安川 洋

安川 洋

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

執筆した記事