テスラモデルXのドアが開かなくなった

巷では、壊れる場所が少なくメンテナンスの少ないと言われる電気自動車。新興メーカーであるテスラのモデルXは果たして壊れにくいのか?実例でレポートします。

テスラモデルXのドアが開かなくなった

私は2014年9月からテスラのモデルSにファーストカーとして乗っており(セカンドカーなしです)、日本国内では一番最初に納車されて早5年が経とうとしています。モデルSの時代にはいくつか問題がありました。一つ目はTPMSの問題。TPMSはタイヤの空気圧をダッシュボードから監視できるシステムで、日本以外の国ではすべての車両で義務化されています。このTPMSに欧州仕様のものが装着されていたとかで、ずっとタイヤ空気圧を受信できずにいた、という問題です。空気圧はTPMSがなくても空気圧計で見ることができますが、日本仕様のものに交換していただいて解決。
二つ目は、車載充電器の問題。テスラモデルSの当初の車載充電器は、小さいユニットが3つセットになった充電器が2つ搭載されており、デュアルチャージャーと呼ばれ、200V 80A(なんと16kW!)での充電が可能な仕様になっていました。このうち小さいユニットが一つ故障したらしく、充電が64Aくらいに制限。これも車載充電器の一つを交換していただいて解決しました。
三つ目の問題は、ドアハンドル。モデルSのドアハンドルはキーを持って近づくとボディから飛び出し、離れるとボディに吸い込まれてフラットになりハンドルを引くことができなくなるのですが、このドアハンドルが出てこなくなる、というもの。これは最初起こると焦りますが、別のドアを開けて、そこからそのドアを開ければ大丈夫なので、落ち着いていれば何とかなるものです。全部で四つのドアハンドルのうち、二つでこの現象が順番に出たので、交換していただきました。

テスラ モバイルサービスカー
テスラ モバイルサービスカー
テスラモデルSでのこれらの問題は、車が走れなくなるような故障ではないものの、日本車ではあまりない不都合かも知れないですね(汗 ちなみに、最初の二つは結構大きな部品の交換になりますので、積載車で代車を載せて自宅や会社に来ていただき、代車と交換でモデルSを持って行ってもらい、当日か翌日修理完了後にまた積載車で自宅か会社に持ってきてもらう、という流れで修理を依頼しました。ドアハンドルはモバイルサービス、というサービスを使用。一回はなんと都内のホテルの駐車場で、もう一回は会社の駐車場にテスラのサービスカーで来ていただき、電話連絡とともにカギをスマホで解除、その場で作業していただき、作業完了後一応現地に出向いてドアの修理完了を確認する、という方法で行いました。モバイルサービス、とても便利です。

さて今回のテスラモデルXでの故障。これはモデルXで初めての大きめのトラブルで、ある日助手席のドアが開きにくくなったことから始まりました。
モデルXのドアは、実はすべて電動ドアになっています。フロントドア・ファルコンウィングドア(後部座席用のドア)・リアトランクを開けるのも閉めるのもモーターの力で開け閉めするわけなんですね。これは市販車ではほとんどない仕様となっており、当然電動化すると電動化ならではのトラブルも発生するわけです。実はこの「ドアが開きにくくなる」という故障、2016年ごろ(米国でのモデルXの納車開始は2015年末、日本でのモデルXの納車開始は2017年初頭)の米国で発生していた比較的良くある故障らしいのですが、2017年以降はほとんど耳にすることがありませんでした。
その後、助手席のドアを外から開けられなくなってしまいました。モデルXはそもそもドアハンドルがなく、ドアについているボタンを押すことによりモーターでドアのラッチと呼ばれる、ロックを解錠する方式になっていますが、ラッチが外れずドアは閉まったままです。まあいいや、と内側から開け閉めしているうちに、とうとう内側からもドアは開かなくなってしまいました。この時点で不思議なことに、ドアは閉まってラッチは掛かっているが、ラッチ完了のセンサーが作動していない、という状態になっていました。

ラッチ完了していない、ということは、物理的にはドアは閉まっているが、コンピューター的にはドアは開いているということ。車内では半ドアのアラーム音が10数分鳴り響き、警告画面がダッシュボードに表示され、またドアが閉まる瞬間に耳が詰まるのを防ぐため窓もわずかに隙間ができた状態なので、走行すると外の音も少し多めに聞こえました。幸いにして10数分後に半ドアアラーム音は消えたのですが(こういうところ、テスラはとても良くできています)、半ドアなのでオートパイロットも使えず不便です。

自宅に帰り着いてから、ちょっと思いついて、車内から助手席ドアノブを引きつつ、逆にドアを引き込んでみました。
するとどうでしょう?ガチャ、という音がして助手席ドアが閉まったのです。その後、車内からも車外からも助手席ドアは普通に開くではありませんか。
しかし!!そこまで甘くはありません。今度はその直後、運転席側のドアが開きにくくなりました。ええ?車外に出て再度乗り込もうとすると、運転席側のドアも外側から開かなくなっています。車内からは開きにくく車外からは開かない。これはとても使いづらいので、お盆期間中とはいえ仕方なくテスラサービスに連絡しました。

連絡とはいってもアプリで予約するんです。しかし故障の内容を連絡するのに「ドアハンドル」があるのが笑えます!

住所を入れて近くのサービスセンターを選びます。東京の場合は東雲か横浜(戸塚)のどちらかが選べます。モバイルサービスを選ぶ場合、今はまだここに出てこないので、どれか最寄りのサービスセンターを選んでコメント欄に「モバイルサービス希望」と書けば良いそうです。

サービスセンターでのサービス希望時刻を選びます。今回はお盆の時期でしたので先の日程を取りあえず予約。後ほど電話で、緊急(車が動かせない、または動かせなくなるリスクがある場合は緊急となります)である旨を伝えてお盆中の横浜サービスセンターでの作業を依頼しました。

最後に確認画面。ここでスケジュールボタンを押せばサービス予約が可能です。

今回はこの仮の予約のあと、お電話して横浜サービスセンターでの作業を昨日依頼しました。作業は一ドアあたり1時間弱、左右やると2時間弱とのこと。ドアの修理自体はモバイルサービスでも可能だし、引き取りサービスも可能とのことでしたが、お盆期間中のためスタッフが少なく、今週作業する場合には持ち込んで欲しいとのこと。まあそれほど遠いわけでもないので車を持っていくことにしました。

サービスは予定通り2時間で完了。その間はだだっ広いラウンジで冷蔵庫に入っているジュースを勝手に(!?)いただく感じです。このあたりもアメリカンで楽な感じですね。電源も使っていいとのことでしたが、短時間でしたのでその間にノートパソコンのバッテリーで仕事をしながら待つことにしました。そして修理完了すると!!
実は横浜サービスセンター、目の前にスーパーチャージャーというテスラの超急速充電設備があります。ここに接続した状態でキーをサービスマンの方にお渡ししたのです。サービスマンの方は車をサービスセンター内に入れ、ドアの修理を行ってくださったのですが、なんとその間ずっと普通充電器しかも最大72Aですから14.4kWの充電器に接続してくださっていたのです(平均は12kW)。なんと素晴らしいサービス。おかげさまで22kWhもの電力をいただいてしまいました。。もちろん今回の修理は4年間の新車保証に含まれるので無料です。

テスラモデルXのドアが開かなくなったこれが故障していた部品(片側分)。テスラさんは保証修理の場合、壊れた部品は回収してしまいます。なのでこれは見せてくれるだけ。電動ドアはアクチュエーターと呼ばれるドアをロックする部品を動かすモーターと、車体側にある穴にロックをはめるラッチと呼ばれる部品が主要な部品のようなのですが、アクチュエーター不良だったそうです。これを両側交換していただき、また後部座席ドアである運転席側のファルコンウィングドアの障害物センサーを固定する部品が、外れかかっているということで、こちらも無償で交換していただきました。ファルコンウィングドアは下の動画のように、内蔵されたセンサーで横の障害物との距離を計測し、適切に開き方を調整することで出入りを容易にしているのですが、センサーの固定の接着剤が甘くはがれかかっていた、とのことでした。接着剤は当然として、はがれるような安物使わないで欲しいですよね(笑)


※動画注:コインパーキングで、撮影のためにわざと車間を狭くして右に寄せて停めています。

今回の修理費は保証修理のため無償、また修理中に充電していただき、22kWh=660円相当の電気をいただきました。


6 thoughts on “テスラモデルXのドアが開かなくなった”

  1. 従来のガソリン車等とは違う故障の際の手続き方法の記事は、テスラ車に興味はあるがどのような会社や車かわからないために購入を躊躇してしまう(私のような)人にとっては非常に勉強になります。ありがとうございます。

    今回の場合、新車保証の範囲内で無料ということでしたが、仮に新車保証がなくなった場合の具体的な費用が気になりました。

    以前は、約50万円の追加費用で最長8年16万キロの保証が効くという延長保証のプランがあったようですが、現在はないようですし…
    ただ、仮に何らかの故障があった際も費用がガソリン車と同等以下ならそういった延長保証も必要ないですし、コスパもいいのかなという印象も受けました。

    1. 次はEVにしたい 様、コメントありがとうございます。今のところ、テスラは比較的いろんなサービスを無料で提供しています。新しいテクノロジーを支える部品ですからまだまだ枯れていないため、ある程度の問題はつきもの、と思って付き合うのが良いと思います。
      4年が経過し、保証がなくなって困っている方も実際にいらっしゃいます。モデルS/Xに関して言えば、延長保証があるうちに入ったほうが正解のような気はします。モデル3に関しては、ギミックをかなり排していますから、案外壊れにくいような気もします(笑)

      モバイルサービスがあるというだけでも、私はかなり安心感はあります。

      もう一点、モデルS/Xはほぼオールアルミなので、ぶつけたときの修理代は高いです!モデル3はミックスされていますが、それでもアルミ部品は非常に高く付きますし、デントリペアなり鈑金できる業者さんは非常に限られ、東京でもテスラ認定は数えるほどです。
      テスラは自社では板金は行わないので(パーツは認定業者にしか供給しません)、今後板金の業者さんが増えないと修理代が安くなることはなさそうに思います。アルミ、軽くていいんですけどね。。
      そのため、長く乗るつもりなら、車両保険は必須だと思います。

  2. クルマに限らず、電子機器類でなにか手を出す際はプラグを抜きバッテリを外すのが基本…と考えると修理中に充電というのもどこか不思議な感じがしますね。
    このテスラの普通充電(デスティネーションチャージングに当たるのでしょうか?)は利用にあたって料金等かかったりするのでしょうか?スーパーチャージャーに関しては料金が明確に書いてありますが普通充電の方は探しきれませんでした…。

    1. JB様、コメントありがとうございます。ドアの修理ですから充電は関係ないんでしょうね。
      こちらはサービスベイというか作業場内の充電器だと思いますので、一般に公開はされておらず、料金も無料です。ちなみにサービスセンターの前には一般の方も使える普通充電器もありますが、これも無料。一般に、デスティネーションチャージャーと呼ばれる、目的地充電は設置者の決める料金になりますが、多くは無料です。
      EVsmartアプリでは可能な限り料金も調査してあります。

    1. d43f様、施設によって、いろいろな制限を設けているケースがあります。特定の車両で不都合が出るのは充電器側の問題と思われます。日本の充電器は規格ギリギリで作ってあることがあり、テスラだけでなく、e+などでも連続して充電車が入ってくると、過熱してダウンすることがあるようです。充電器の空冷ファンの、フィルター清掃が行き届いていないような場合にも、この問題は起こります。
      テスラの場合は、専用の充電設備があり、これは24時間監視、メンテナンスされていますので、こちらを利用したほうがいいかもしれません。

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