テスラモデルXで四万温泉 2回目

ふるさと納税で有名な中之条町にある四万温泉。近場なので充電計画なしで行ってきました。往復340km、目的地充電のコストについても分析しています。

テスラモデルXで四万温泉 2回目

テスラで行く四万温泉はもう4回目。前回は12月でしたので冬、今回はそんなに暑くありませんが夏ですね。中之条町はふるさと納税で有名でして、なんと感謝券が「四万温泉の全ての旅館・商店で使える」のです。カフェでも道の駅でも旅館でも。。どこで使えるかドキドキする必要はありません。特別プランとかそういうのを予約する必要もなく、現金の代わりに使うだけなんです。

7/12 10:17 さて今回は1泊なので急ぎ足。トリップメーターAをリセットして88%で東京を出発します。

12:28 まず行きに群馬サファリパークに寄ります。ここは車でサファリパーク園内に入って車内から猛獣を見るので普通は充電しないんですが、今回はちょうど着いたのが昼時だったので、モデルXは充電器につないでその間に軽く食事。到着時点で50%でしたが48分間充電して、52%まで増えました(笑) こちらの充電器は無料です。

16:51 今回の宿四万温泉 つるや公式サイト)さんに到着。いつも同じところばっかり泊まっていますね。ついつい。。到着時は残20%でした。テスラでは20%から8%までがイエローゾーン、7%から0%までがレッドゾーン(汗 です。

テスラモデルXで四万温泉 2回目こんな感じで駐車場とはちょっと離れた、建物の横に充電スペースが設けられています。夜の間に東京に帰れるくらいは充電できちゃうので、今回のような週末旅行にはとても便利です。お風呂は源泉かけ流し、客室風呂付きのお部屋のお風呂も源泉かけ流しです。

夕食。今回はキャンペーンの格安プランなので食事も全部一気に出てきます。こちらの宿、食事がおすすめです。旅館だと一見品数だけ多く豪華に見えるけど、、みたいな食事もありますが、こちらは本当に手作りで美味しいです。そう、今時旅館の食事って手作りじゃないところも結構あるのですよ。

キター上州牛。これを陶板で自分で焼きながらいただきます。これ一人分ですからね。

翌朝も盛りだくさんの朝食。中之条町はお米も作っているので、お米も町内産。さすがです。

7/13 10:46 チェックアウトして写真を撮ったりしてからモデルXを充電器から切り離し、出発します。充電時間は17時間50分で、バッテリーは20%→73%まで回復しました。この車は100%で410km走行できるので、73%なら299km走行可能。東京までは170kmなので余裕です。

途中で群馬県の天然記念物、甌穴(おうけつ)に立ち寄り。冬は階段が凍って下りるのは危ないですが、夏なら余裕で大丈夫。甌穴の駐車場にはなぜかいつもキノコの売店(と名物おじさん)が出ています。

17:21 途中いろいろ寄り道しましたが、最後の寄り道はいつもの道の駅 玉村宿(たまむらじゅく)公式サイト)。テスラユーザーにはおなじみの高崎スーパーチャージャーがあるところです。東名高速では御殿場、中央道では甲府、関越道ではここ高崎、東北道では佐野、そしてアクアラインでは木更津と、東京をぐるりと囲む100kmのラインに超急速充電器が配置されています。高崎は120kWが6基。通常のSAPAに設置されている50kWのチャデモ充電器の2.4倍速で充電が可能です。またスーパーチャージャーでは時間制限がないのも魅力。混雑時に放置すると超過料金などの仕組みもありますが、30分だとなかなか食事等が終わらないのも事実。台数に余裕を持って設置していることが重要ですね。今回も別に寄る必要はなかったのですが、買い物と休憩ついでに立ち寄りました。

17:59 結局36分間の充電・買い物で60%から95%まで充電しちゃいました。充電開始時点では100kWで充電していましたが、82%で50kWを切り、最後のほうでは22kWしか出ていませんでした。この車はスーパーチャージャー無料なので料金は発生しません。

21:11 自宅に到着。途中大きな渋滞はなく、夕ご飯を食べて帰宅しました。

今回の総走行距離は394.1km、消費した電力量は96.1kWhで、ガソリン車の燃費に相当する電費は244Wh/km(4.10km/kWh)でした。まあこれじゃピンと来ないですよね。高速代を別にして、かかった電気代を表にしてみます。

項目電力量料金料金の基準
自宅充電21.6kWh648円88%-65%=23%
410km x 229Wh/km = 93.89kWh
93.89 x 23% = 21.6kWh
30円/kWh
目的地充電(旅館の充電器:NCS)54.3kWh2889円17時間50分 x 2.7円/分 = 2889円
スーパーチャージャー32.9kWh0円

3537円払って394.1km走行できた計算になります。仮に3537円でリッター150円のガソリンを買うと23.58リットル。これで394.1km走行できたわけですから、もしガソリン車だと仮定すると

394.1km / 23.58l = 16.7km/l

旅館で充電できる利便性を考えると「まあいっか」になりがちです。実際700馬力のSUVでリッター16kmってSUVカテゴリで国内8位相当ですしね。しかし!冷静に見てみると、結果として旅館から高崎までは下り坂なので73%-60%で13%しか使っておらず、もし旅館到着時20%のまま充電しないで、帰路についたとしても高崎スーパーチャージャーで20%-13%=7%。これなら支払金額は自宅充電の648円だけとなり

394.1km / (648 / 150) = 91.2km/l

となってしまうわけなんです(笑) またその場合も45%くらいまで充電すれば30%ぶんで自宅まで帰ることができて、かつ15%残りますので、同じ36分間の充電で充分だったはず。「いやいや、スーパーチャージャー無料だからでしょ?モデル3になって有料になったら結局高くなるし」というご意見もありそうですよね?実際スーパーチャージャーの61kW以上の出力が出ているときの料金は40円/分。今回36分間充電しましたので(36分充電すると余裕で45%は超えます)、スーパーチャージャー利用料金を支払ったとすると1440円。また同じ計算で、394.1km / ((648 + 1440) / 150) = 28.3km/lと、スーパーチャージャーが有料でも、目的地充電のNCSネットワークを使わないほうがはるかに安上がり、という試算もできます。
超急速充電網が普及すると、せっかく整備した目的地充電網も使われなくなるかも、、という課題も出てくるのですよね。低速チャデモの課題しかり、高額な普通充電しかり、日本の充電ネットワークはまだまだ課題が多そうです。

この記事のコメント(新着順)4件

  1. 実用的なBEVの電池容量を考えると目的地充電の普通充電器3kW出力では足りないように感じています。6kWの普通充電器、もっと普及してくれたら良いんですけどね。
    数時間の滞在で3kW出力では充電量もたかが知れていますし、結局使用されなくなってしまうオチになってしまいそうです。緊急時のあてにもできないですし…。
    一時期某クルマ系SNSで話題になってましたが、イオンやセブンアイグループの店舗に設置されているNECの普通充電器等がNCSに入っていると6kW出力であろうと3kWに設定されてる問題って今も変わらずなのでしょうか…。

    1. JB様、コメントありがとうございます。まあ3kWの普通充電も、次第に使われなくなっていくでしょうね。残念ながら、最近全てのことに言えるように思うのですが、自ら試したり使ったり、体験せずに評価したり、モノを作ったりする人が多くなったように思います。簡単に作れるようになったのはいいけど、結果使えない商品やサービスが増加したような雰囲気を感じます。もったいないです。

      >>イオンやセブンアイグループの店舗に設置されているNECの普通充電器等がNCSに入っていると6kW出力であろうと3kWに設定
      これ本当ですか?寡聞にして知りませんでした!もともと3kWかと。。でも6kWにすることよりも、複数台でパワーをシェアできるように作るのがベストだと思います。そしてテスラの5万6千円の普通充電器が14kWまで対応し、4基まで一本の電源を負荷分散で分けて利用できる機能までついていることは、あまり知られていません。マジで日本は世界から取り残されつつあります。

    2. YasukawaHiroshi 様

      お返事ありがとうございます。

      一般家庭での充電となると契約電流の問題やEVコンセントの都合で3kW充電がまだしばらくは主流になってしまうのかな、とも思うのですが、出先での充電で3kWは厳しいですよね。
      確かに実際に体験せず…という部分、痛感します。充電器のケーブルが車種によっては届かない、というのも典型例ですね。
      最近、豊田自動織機の3kW充電器(日東工業製の青いタイプ)が認証機能も内蔵していて比較的安価だからか妙に増えているイメージです。
      それこそNECの普通充電器は大規模導入、一括管理が可能ですし、豊田自動織機の日東工業製の青い充電器も親機と子機があるので、連携させて電流の制御もできたら…なんて思うんですけどね。

      サイトのところにもURLを記載させて頂きましたが、このみんカラブログから始まる一連の流れです。複数記事にまたがっているため先頭の記事のURLを添付させていただきましたが、記事末尾に次ページへのリンクを置いてくださってます。
      https://minkara.carview.co.jp/userid/2884407/blog/41156655/
      製品自体にもブログにある通り30Aの記載があり、また、NECの製品ページにも同じく30Aの記載があります。
      https://jpn.nec.com/evcharge/business/products/index.html
      しかし、NCSの普通充電の料金が3kWを基準に作られているもので6kWを想定していないため、3kWで設定し運用されている…という内容みたいです。

      当方リーフの40kWhモデルを主に使用していることもあり、3kW入力までしかクルマがそもそも対応していない(ZE1リーフで6kW入力に対応させるにはリーフ購入時にオプションで6kW充電器をつけないとダメなんですよね…e+はデルタ電子の6kW充電器が標準でついてくることもありデフォルトで対応してます)都合もあって検証できていないのですが、これこそ「ああ、日本企業だな…」と感じてしまっていて非常に残念です。

    3. JB様、情報ありがとうございます!なるほど!あの充電器は6kW対応なんですね。全然知りませんでした。ただ当然電気料金の件もあるでしょうし、イオンさんは急速だって出力制限するくらいですから、6kW x 10基とかの普通充電は想定していらっしゃらないと思います。

      >豊田自動織機の3kW充電器(日東工業製の青いタイプ)が認証機能も内蔵していて比較的安価
      これ今は50万円なんですね。それでもちょっと高いと思います。。まああまり多く売れるわけじゃないから利益をちゃんと出そうと思うともっと高くしないといけないんでしょうけど。。
      このEVC2、今年は50万、去年は75万、一昨年は100万、3年前は150万円でした。三分の一になったのですね。

      はい、おっっしゃるように、これからEPA 300km走行のEVが主流になっていくことを考えると、6kW-10kWの普通充電を用意することが、フューチャープルーフというか、将来に対して有効な投資になると思います。日本ではなんでも「ギリギリを目指す」のが美しい、経済的だと考えられていますが、電気に関してだけ言えば、ギリギリは大変で無駄が多かったりします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


この記事の著者


					安川 洋

安川 洋

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

執筆した記事