テスラが開催した「女神湖 氷上ドライブ」イベント〜高度な制御による楽しさを体感

テスラの高性能EVで氷上を駆ける! テスラ・ジャパンが6年振りに開催した「Tesla ウインター・エクスペリエンス・オン・アイス」を、2020年までテスラの「中の人」だった前田謙一郎氏がレポートします。インストラクターで登場したMAX織戸氏、小河諒氏のインプレッションも!

テスラ・ジャパンが開催した「女神湖 氷上ドライブ」イベント〜高度な制御による楽しさを体感

抽選で20組限定の貴重な機会を体感

2024年1月27日、長野県女神湖で開催されたテスラの氷上試乗イベントに参加してきましたのでその模様をお伝えします。今回、テスラ・ジャパンが開催する女神湖の試乗イベントは2018年に第一回目が開催され、今回は6年ぶりの開催となりました。ちなみに2018年当時は私もテスラのマーケティングに在籍しており、企画・主催した思い入れのあるイベントです。

テスラ・ジャパン公式サイトより引用

前回のイベントはモデル3もまだ日本導入前の2018年でしたのでモデルS、モデルXのみでの試乗でしたが、今回は最新モデルのモデル3、モデルYが合計6台用意されていました。イベント当日の女神湖周辺は気温は非常に低かったのですが、快晴。白く氷の張った湖と青い空、ミニマルなデザインのテスラの車がとても際立つ最高のイベント日和でした。

今回の試乗イベントは数多くの申し込みがあった一般の方から当選した20組40名が参加をされていました。2018年の際も試乗キャンペーン型のイベントでは過去最高の申込者数だったと記憶しています。しかし今回はそれを上回る応募があったとのこと、テスラの人気の高さが分かります。

当選された参加者はBMW、メルセデス、マツダなどのガソリン車オーナーから、BMW『i3』や日産『リーフ』などすでに電気自動車に乗られてる方、さらには自動車を所有されていない方まで多彩。テスラユーザーに限定していない懐の広いイベントでありました。試乗を終えた参加者からは「とにかく運転しやすい」、「思ったより滑らないので怖くない」など、ほとんどの人からポジティブなコメントを聞くことができました。

超豪華なインストラクター陣

会場での試乗前ブリーフィングの様子。

今回、とても豪華だったのがインストラクター陣。日本を代表するプロレーシングドライバーでさまざまなメディアで活躍中のMAX織戸さん、織戸茉彩さん親子、そして「ファイナルコール」で有名なプロレーサー、小河諒さんの3人がインストラクターを務め、同乗試乗もできるというなんとも贅沢なドラビングイベントとなっていたことです。(試乗の後は皆さん記念写真を撮られていました)

女神湖に特設された試乗コースは3つ。外周を走るハンドリングコースと定常円、そしてスラロームです。参加者が順番に最新のモデル3やモデルYで試乗を行いました。

左から、MAX織戸さん、織戸茉彩さん、小河諒さん。

織戸さん、小河さんの評価も非常に高い氷上走行性能

すでに会場でテストドライブを済ませていた小河さんに6年ぶりに氷上で運転したテスラのEVについて聞いてみました。

彼がまず驚いたのは「6年前のモデルSの制御の入り方が10だとすると10倍以上の制御が入っていると感じるほどに、車がきちんと挙動をコントロールしてくれる」とのこと。また、その制御は回生ブレーキによく現れており、「40〜50km/hまで加速してから減速する際には車の回生ブレーキに任せた方が、自分の足で強くブレーキを踏んでロックさせるよりスムーズに、そして短距離で止まることができる」ということでした。

小河さんはポルシェ・カレラカップに長い間出場し(昨年は4回目の年間優勝を飾る!)、ポルシェをはじめさまざまな車を運転されています。さらに、プライベートでもテスラを所有されており、電気、エンジン、スポーツカーも含めさまざまな車を知り尽くしたプロならではのコメントは説得力抜群です。

織戸さんの試乗インプレッションも同様で、「とにかく車両側の制御の信頼感が高く運転しやすい」とのこと。ハンドリングコースでも見事なライン取りで、かなりハイスピードなデモランを披露していました。流石にプロならではの技術です。参加者のみなさんは織戸さんの運転に同乗したり、直接見ることができ、自らステアリングを握ったテスラ車での氷上ドライブに加えて、大変貴重な体験ができたのではないかと思います。

私自身が試乗をして感じたのも、最新モデルの電子制御の素晴らしさでした。運転技術は十人並みで、路面の滑り具合も「なんとなく感じる」程度でしたが、スラローム、ハンドリング共に非常にスムースに運転を楽しめました。陽が上がってくるにつれ、雪が溶けて氷面が現れ、より滑りやすくなったのですが、路面状況に合わせて制御が変わるようで、とても快適な運転ができました。

ブレーキングにも最初は戸惑いましたが、小河さんのアドバイスを思い出して回生ブレーキを活用。自分でブレーキペダルを踏むよりも、回生ブレーキに任せた方が早くきちんと止まるのは、なんとも不思議な感触でした。

高度な電子制御で最も安全な車を目指すテスラ

最新モデル3のロングレンジモデル(Dual Motor)。

テスラのデュアルモーターオールホイールドライブ(AWD)は電子制御で前輪と後輪に独立して動力を配分し、雪や氷などの滑りやすい路面でのトラクションと安定性を向上します。また、トラクションコントロールにより、各ホイールに個別にパワーを調整してホイールスピンを防ぎ、滑りやすい路面での安定性を維持してくれます。従来の複雑な仕組みの機械式全輪駆動ではなく、機構を電子的に高度に発達させているからこそ成し遂げられる安定した走行性能を体感することができました。

テスラ車はその驚異的な加速や自動運転技術などの先進性がよく取り上げられますが、シャシーを含む車自体の基本性能と安全性が非常に高いということに改めて気づくことができた試乗でした。ちなみに電気自動車ならではのリモート機能により室内、シートヒーター、ステアリングホイールなどを乗り込む前から温めておくことができるのも快適です。

車の制御が良すぎることで、あえて残念な部分をあげるとすれば、定常円コースで旋回する際にあまり滑らず、リアに駆動や加重もかからないのでドリフトができないことでした。これも逆にいうと安全な証ではあるのですが、以前ポルシェでドリフトを練習していた身としてはテスラでもこの低ミューでドリフトしてみたいなと思ってしまいました。ちなみにパフォーマンスモデルにはドリフトモードの設定がありますが、今回のイベントは体験できませんでした。

実際に織戸学さんが運転のレクチャーをしてくれた。

車としてもどんどん進化しているテスラですが、織戸さんや小河さんという最高のドライバーとともに、今度はドリフト走行会など面白いイベントを企画して欲しいなと密かに願っています。

テスラの氷上ドライブ、最高でした。気になった方はぜひ来年(おそらく開催されるでしょう)応募してみてはいかがでしょうか。

取材・文/前田 謙一郎

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この記事の著者


					前田 謙一郎

前田 謙一郎

テスラ、ポルシェなど外資系自動車メーカーで執行役員などを経験後、2023年Undertones Consulting株式会社を設立。自動車会社を中心に電動化やブランディングのコンサルティングを行いながら、世界の自動車業界動向、EVやAI、マーケティング等に関してメディア登壇や講演、執筆を行う。上智大学経済学部を卒業、オランダの現地企業でインターン、ベルギーで富士通とトヨタの合弁会社である富士通テンに入社。2008年に帰国後、複数の自動車会社に勤務。2016年からテスラでシニア・マーケティングマネージャー、2020年よりポルシェ・ジャパン マーケティング&CRM部 執行役員。テスラではModel 3の国内立ち上げ、ポルシェではEVタイカンの日本導入やMLB大谷翔平選手とのアンバサダー契約を結ぶなど、日本の自動車業界において電動化やマーケティングで実績を残す。