今回の記事はシンプルに行きたいと思います!
充電計画編
自宅から目的地までは関越道経由で184km、往復368km。私のテスラ モデルXの航続距離は、標準値ベースで410kmくらいですが、冬は暖房に電気を使うので、1.2-1.3くらいで割ると341km-315kmというわけ。満充電で往復することはできません。
※標準値とは、テスラ用語で、夏、実用的に走行可能な航続距離。これは日本で使われているWLTP基準や米国で使われているEPA基準と比較すると、標準値 < EPA << WLTPの関係となります。なおモデル3では日本国内仕様の標準値=EPAに改定されているように思います。
でも心配することはありません。以前書いた真冬の水上(みなかみ)往復の記事にあるように、途中にある急速充電スタンドを基地のようにして、行きと帰りにちょっとずつ立ち寄る方法が簡単です。行きは、基地から目的地までの往復ができる分だけをちょい足し充電。帰りは、基地から家に帰れるだけの分を充電、という方法で、ストレスなく行き帰りが可能です。
ではEVsmartのベータ版機能である「経路検索v2」でシミュレーションしてみます。
走行モードは標準、充電残量設定はギリギリ、急速充電スタイルは80%、そして季節設定は冬季-35%とします。
一回全部充電スタンドを除いてみると、帰宅後充電残量はマイナス30%。
帰りに高崎玉村ICにある、テスラ 高崎スーパーチャージャーで充電するように設定してみると、高崎での到着予測は1%。これが10%くらいならギリギリ行けるかな、、という感じなんですが、やはりこれは少し余裕が少なすぎます。
今度は行きにも高崎スーパーチャージャーを入れてみると、行きに68%→80%で9分間充電すると、帰りの高崎では13%残る計算に。ここで50%まで充電して帰れば、自宅到着時は17%。余裕です。
当日編
0927 100%充電で出発です。
現地到着時点でのEVsmartでの残量予測は、途中高崎での充電で68%→80%を入れて38%の予定。無充電で行けば26%の予定です。テスラのナビは、無充電の場合27%を予測。下側のグラフの右側が下方に下がっていますが、これは電気の消費率の増大を意味します。理由は上りだから。現地は標高1400mにあり、沼田ICを出てから国道120号でひたすら金精峠に向かって上ります。
ちなみに国道120号で今回の丸沼高原スキー場を超えたところは金精峠。ここから先の国道120号は冬季通行止めで、日光方面には冬は抜けられません。
1101 残67%で順調に高崎スーパーチャージャーに到着。
今回は他にどの車もなく、一台だけで充電しました。日曜日だと複数台になることもあります。ここは空が広い感じがして開放的ですね。
1116 15分充電して81%に。ちょっと予定より長かったですが出発します。
充電直後のバッテリー温度は39.7℃。テスラのスーパーチャージャーは超急速充電に分類されますが、充電中のバッテリーは十分に冷却されています。バッテリーを冷やしておかないと、劣化につながってしまうらしいです。
1239 残45%で高原の駅 丸沼に到着。本当はこの上のセンターハウス、というところに停めるのが普通みたいでしたが、なんか間違えてこちらに停めてしまいました。。駐車場は、どちらも午後なら無料です。
到着時の気温は2℃。とても天気が良く、寒くは感じません。残45%だと帰れないんじゃ?と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心を。ここから高崎まではどんどん下るだけ。電気自動車では下る場合、発電します(回生と呼びます)ので、その電気を電池に充電して再利用できるのです。
ちなみにEVsmartの予測も、テスラの予測も大きく外れ、約7%多く電池が残りました。天気が良かったので暖房は22℃設定で入れっぱなしにしていましたが、さんさんと太陽が差し込み、エネルギーの節約になったのでは?と想像しています。
1621 お昼も食べて数時間遊んで、いよいよ帰路につきます。何故か電池が1%増えてる?!これははじめての経験ですが、外気温が上がったことと、太陽の光でボディや最終的に車内経由で電池も温まったことで使える容量が増えたのかも?と思いました。
1648 行きに気になっていた「道の駅 尾瀬かたしな」に立ち寄り。ここまで14.2km下ってきましたが、左上の-55Wh/kmに注目。これはここまで、走行しながら電気は使わず、逆に充電しながら走ってきたことを意味します。
なぜかここには20kWの急速充電器が。せっかくですので買い物の間は、無料で充電させていただくことにします。
1713 コーヒーが美味しかったです。一杯ずつドリップで淹れていらっしゃるそうで。他には地元産の野菜やアイスクリームなどもありましたよ。そして充電は残54%に。
ここで、国道120号線の一本道を自動運転で下りながら考えました。もう帰りの高崎は立ち寄り不要かな。。EVsmart「経路検索v2」では、道の駅 尾瀬かたしな から自宅まで54%残量で走行できるかをシミュレーションしたところ、自宅ではちょうど残0%という結果に。
しかし!!帰りは関越の渋滞が待ち受けています。実は渋滞すると空気抵抗が減るため、電気自動車の航続距離はかなり伸びます。感覚的に行けそうに思い、また走行中はナビでチェックしていましたが、関越から渋滞を避けて東北道に抜けて帰宅することはできないものの、真っ直ぐなら無充電で帰れそうです。
帰りの、東北道へ抜ける北関東自動車道への分岐近辺で、東北道まわりにルートを変更しても10分も違わないこと、及び関越道ルートでの充電は余裕そうだったので、そのまま自動運転で渋滞に突っ込みました。
2150 関越道を練馬ICで出て、途中で夕食を食べてから帰宅。帰りの関越は相当混んでいました。そしてバッテリーは9%残。同一区間じゃないし山があるので比較はできないですが、往路の自宅~高崎の258Wh/kmに対し、復路の道の駅 尾瀬かたしな~自宅では206Wh/kmと、冬の高速道路とは思えない数字になりました。
総括
走行距離 | 消費電力量 | 電費 | |
---|---|---|---|
自宅→高崎 | 107.3km | 27.7kWh | 258Wh/km |
高崎→丸沼高原 | 85.2km | 30.6kWh | 359Wh/km |
丸沼高原→道の駅 | 14.2km | -0.8kWh(回生) | -55Wh/km |
道の駅→自宅 | 177.6km | 36.7kWh | 206Wh/km |
往路 | 192.5km | 58.3kWh | 303Wh/km |
復路 | 191.8km | 35.9kWh | 187Wh/km |
総合 | 384.3km | 94.2kWh | 245Wh/km ※4.08km/kWh |
今回は途中の道の駅に無料の充電器があるという発見があり、行きは高崎スーパーチャージャーで充電15分、帰りは道の駅で買い物しながら充電25分と、効率がとてもよく・お財布にも優しい旅行になりました。往復で使った94.2kWhのうち、スーパーチャージャー12.27kWhと道の駅5.82kWhは無料なので、76.11kWhが自宅充電。30円/kWhとすると、往復に必要だった電気代は2284円ということに。
いつものようにガソリン車の燃費にリッター140円相当で換算すると
384.3[km] / (2284[円] / 140[円/l]) = 23.5km/l
ということになりました。
(安川 洋)
経路検索v2を早く使ってみたいです。
リリースを宜しくお願い致します。
シーザー・ミラン様、ありがとうございます。できるだけ早く公開ベータリリースに持って行けるように努力いたします。
EV smartアプリにはお世話になっています、経路検索機能使ってみたいのですが、いつ解放されますか?
zico2009様、お問い合わせありがとうございます!まだいろいろと修正する必要があってすぐリリースはできないのですが、準備ができたらお知らせいたします。
EVの旅の楽しみを教えていただきありがとうございます。
「道の駅 尾瀬かたしな」は金精峠越えをするEVの心強い味方ですね。
ところでバッテリー温度はタッチパネルに表示できるでしょうか?それともOBD2のようなデバイスが必要でしょうか?お教えください。ちなみに車種はmodel3 です。
hatusetudenn様、コメントありがとうございます。そうですね、ここで山頂まで行ける分だけ充電しておけば下りはOKですので、案外ギリギリになっちゃった!というときにお助けで使うのに便利だと思います。
20kWではありますが、道の駅ですので滞在時間はそこそこあり、20-30分滞在すれば十分充電できます。
さてバッテリー温度の表示方法ですが、モデルS/Xとモデル3では異なります。
テスラにはOBD2ポートが付属していますが、基本的に電源以外何の信号も出ていません。その代わりダッシュボード内に独自の診断コネクターがあり、そこからCANバスの信号を取り出す必要があります。そのためには専用のケーブルが必要で、モデルS/Xでは特殊な独自コネクターだったのですが、モデル3ではGeotabという会社のケーブルが使えるようです。
https://www.gpstrackingamerica.com/shop/hrn-ct20t11/
↑ケーブルそのものはこれが使えると思います。私も今度買ってレポートしますね。
https://northtesla.net/i-looked-into-model3-with-an-obd2-port/
↑こちらの方はケーブルをどうやって設置して使うかを記事にされていました。
ちなみに、ケーブルは本来の配線の間に割り込ませるような形式となっており、業界標準のOBD2メスコネクターが付属しています。これにBluetooth-OBD2アダプターを接続することにより、BluetoothでCANバスのデータを送信します。これを受信するのにはアプリが二種類あり、TM-Spy(iOS/Android両方、iOS版はベータなので本人に申し込みが必要)、ScanMyTesla(Androidのみ)のアプリが使えます。
https://blog.evsmart.net/tesla-model-x/using-tm-spy-via-tesla-diagnostic-connector/
↑こちらはモデルXの例です。
新年会ありがとうございました。
EVスマートのアプリ重宝しています。
高速では電費が悪く渋滞では電費が良いのはEVに乗って初めて知りました。
先日モデルXで充電できなかった宮崎県庁がモデル3では充電できました。
機種でこのようなことがあるのか今度モデルXで試してみようと思います。
県庁は無料なので大変助かります。
モデルXでは通信不能のところもモデル3のSIMでは通信できます。
このような事があるのでしょうか。
東様、コメントありがとうございます。またアプリのご利用ありがとうございます。
>高速では電費が悪く渋滞では電費が良いのはEVに乗って初めて知りました。
そうなんですよね。東京都内のように止まってばかりの渋滞では悪化することもありますが、高速道路のように流れている時間が長く、速度が遅い渋滞では、電費は良くなります。
>先日モデルXで充電できなかった宮崎県庁がモデル3では充電できました。
それはあまり聞いたことがないのですが、もしかしたらアダプターのバージョンの違いとかあるのかもしれません。
>モデルXでは通信不能のところもモデル3のSIMでは通信できます。
通信モジュールが違うのでしょうね。少なくとも私の認識ではモデルXは日本国内ではドコモの契約で、LTEバンド19を使えていないと思います。この場合、山岳地帯や混雑地の一部で、通信できない箇所が出てきます。