前回の冬の長距離では日帰りで380kmあまりを走行しましたが、今回は金土日の2泊を使ってそれぞれ軽井沢、水上(みなかみ)に宿泊します。金曜日は夕方出発で軽井沢泊、パルコール嬬恋リゾートスキー場で一日遊んで、国道406号→国道145号と抜けて月夜野経由で水上温泉で宿泊。翌日は水上の宝台樹(ほうだいぎ)スキー場で昼過ぎまで遊び、帰路につく計画です。
冬は航続距離が短くなる?
冬に長距離を電気自動車で移動するなんて想像もつかない、または不安をお持ちの方も多いと思います。電気自動車は搭載している走行用バッテリーで、家のエアコンみたいに暖房を行いますので、バッテリーの消費が多くなります。減る量は車両や走行している速度によっても変わりますが、23-45%程度と思えばよいです。
私のモデルXの航続距離は100%充電で現時点で410km程度。これは標準値、というテスラ独自の基準値で、米国EPA基準より約8%悪い値に設定されています。仮に410×77%(23%減)=315kmとすると、500kmを走行するには途中で充電が必要。でも焦ることはありません。今回は関越ルートで途中の高崎にはスーパーチャージャーというテスラ専用の超急速充電設備がありますし、2泊目の旅館には充電用のコンセントが設置されています。しかも無料♪
今回もEVsmartアプリの開発中機能、「EVsmart経路検索」で簡単にシミュレーションしてみます。縦に長い画面なので、四画面に分割しますね。
画面1
画面2
画面3
画面4
行きと帰りは高崎スーパーチャージャーでそれぞれ18分、24分の充電。これに加えて2泊目の旅館では10時間の夜間充電の設定にしています。実際には旅館はチェックインが夕方、チェックアウトは10時とかになりますから、かなり長い時間充電できますので、帰りの高崎での充電は不要になる可能性もあります。
1日目
2/14 12:33 100%充電になりました。会社を午後お休みして、自宅に向かいます。
19:05 高崎スーパーチャージャー到着。
撮影している私の後ろにもう1台、充電車両がいますが、全部で6基あるので余裕です。
19:28 18分間充電する予定でしたが、85%になったのは22分後でした。このように、出発する充電%を決めておくと安心して出発できます。今回は高崎→軽井沢→嬬恋→水上の行程が200km超の山道になり、アプリの予測では85%充電で水上到着時9%だったので85%をチョイスしています。80%充電だと到着予測は4%で、さすがに冬は5%を切らないようにしたいですね。
21:24 道中、レストランで夕食を食べてから軽井沢マリオットホテルに遅くチェックイン。バッテリーの残は52%とほぼ予想通りです。ここまで基本的には上り勾配で、高崎からの標高は880.4m上っています。このホテル、キレイでサービスも良く、部屋も広めでお勧めなのですが、電気自動車ユーザーには充電器がないのが玉に瑕。充電器があったらそもそも高崎スーパーチャージャー使わなくて済むので、もっと頻繁に来そうな気がします。周辺に美味しいお店も多いですし。
データです。
2日目
2/15 11:23 ホテルをチェックアウトして雪のある嬬恋までドライブ。軽井沢の上にある軽井沢スノーパークの積雪は90cmで100%人工雪と思われるので、さらに510.1m上って高崎からは1390.5mアップとかなり標高が高くなりました。ここパルコール嬬恋リゾートは40キロ弱、軽井沢からも離れており、駐車場やゲレンデなどはそれほど混雑していませんでした。
ゲレンデの下のほうからスマホで写真撮るとこんな感じ。誰もいないじゃん!って感じに写っていますがそこそこ人はいます。でも少なめかな。昼時だったのでレストラン(!?)に結構人が入っているのかも。
お昼にカレー食べました。いわゆる日本のカレーで、美味しいです。
18:08 嬬恋から88km離れた本日の宿、旅館たにがわに到着。バッテリー残が予想9%のところ23%。。6℃と暖かかったのとスキーウェア着ていますので厚着効果か、暖房をほとんど入れてなかったからか、それともどこかデータに抜けがあって計算が正しくないのか、調査が必要ですね(汗
データです。
駐車場はこんな感じ。この後ろ側に専用20Aブレーカー付き200Vコンセントがボックス内に設置されています。NCS充電器ではないのでホテルの管轄、予約時に依頼しておけばコンセントも充電スペースも、コーンを置いて予約しておいてくださいます。しかも無料、、この宿、宿泊してみると分かりますが、相当レベル高くお勧めです。
夕食メインは上州牛すき焼き。
岩魚(イワナ)の塩焼き。唐揚げも選べます。これちょっと大きくないか、、身も分厚く食べ応えあり。
焚き合わせに・・
最後はお食事。汁物は「ちぎりっこ汁」。ちぎりっこは「すいとん」の平たいバージョンのようなのですが、薄べったい形なので触感は幅広の平麺パスタみたいな感じに近いかも。
3日目
2/16 朝食はこんな感じ。
2/16 10:02 旅館をチェックアウトし充電ケーブルを抜くとなんと「97%」。ありがたいですね。これからスキー場まで上っても、自宅まで帰れちゃいます。これで無料なんですから。
10:37 旅館からはいったん国道291号に下って戻り、奥利根ゆけむり街道をどんどん北上して宝台樹スキー場へ。
ここも雪はたっぷりです。宝台樹は何かガチな方がいらっしゃるスキー場なイメージ。更衣室とかただのプレハブの箱ですし、ロッカーは駅のコインロッカーがそのまま外に置いてある感じ(屋根はあります)。大学生がスキー合宿に使いそうな、、(笑)
18:38 宝台樹スキー場を午後1:52に出て、東京までノンストップ。自宅の近くで夕食を食べて帰宅。バッテリーの残は35%と余裕でした。トリップメーターのAは、往復全体の数字です。
総括
今回の2泊3日の旅は総走行距離539.7km、消費電力量136.1kWh、平均電費252Wh/km(=3.97km/kWh)でした。kWhとか言われてもイメージ付かないですよね?1kWhの電気を電力会社から購入すると税込み約30円くらい。レギュラーガソリンは1リットル税込み140円くらいでしょうか。
充電は行きにテスラの高崎スーパーチャージャーで22分間、2泊目の旅館で到着後から朝出発するまでずっと充電しています。この充電はどちらも無料。ありがたいですね。
では実際にガソリン車と比較してみるとどんな感じでしょうか?
実際にモデルXでかかった料金 | スーパーチャージャーが無料じゃなかったら? | 充電をすべて自腹だとしたら? | |
---|---|---|---|
自宅充電の電気代 (65%分=65kWhと仮定) | 1950円 | 1950円 | 1950円 |
スーパーチャージャー | 無料 | 40円(61kW以上)x9分=360円 20円(60kW以下)x13分=260円 計620円 | 620円 |
旅館での充電 | 無料 | 無料 | (136.1-65-21.25)[kWh] 1495円 |
電気代計 | 1950円 | 2570円 | 4065円 |
ガソリン(140円/l)換算燃費 | 38.7km/l | 29.4km/l | 18.5km/l |
ガソリン車換算燃費は 38.7km/l
となりました。モデル3のようにスーパーチャージャー無料ではない車両でも29.4km/l、無料である旅館での充電料金を実際に支払ったとしても18.5km/lと、軽自動車などよりコストは安く収まりました。
(安川 洋)
スキーウェアを着て居たのでとありましたが、暖房をガソリンエンジンの車と同じように効かせて走って頂いた方がどれだけ電費が落ちるのか比較出来たのかなと思いました。ら
YasukawaHiroshi様、返信ありがとうございます。
充電カードは無くてもゲスト充電できるんですね、勉強になりました。
モデル3もいいですが、モデルYも気になります。
あれこれ妄想してみます(笑)
はじめまして、いつも楽しく拝見させて頂いています。
私はプリウスPHV乗りですが、近くにスーパーチャージャーが出来たらモデル3に
したいなあなんて思っています。
しかしモデル3だとスーパーチャージャーは無料でなくて従量制になり、しかもテスラの充電カードの月会費が数千円掛かるって事ですよね?
そうなるとあまり経済的でないのかな何て思ったりもしますがいかがでしょうか?
susu様、コメントありがとうございます。
>モデル3だとスーパーチャージャーは無料でなくて従量制
そうなります。料金は大体自宅充電と同じくらいですので、これについてはご心配いらないかと思います。自宅の充電環境が、スーパーチャージャーにも広がっていると考えればOKですね。
>テスラの充電カードの月会費が数千円掛かる
充電カードは取り急ぎ、不要なのではないでしょうか?多くの充電器でゲスト充電というものが可能であり、カードがなくても料金は高くなるものの、充電が可能です。
もしご心配なら、ZESP3
https://blog.evsmart.net/nissan-leaf/zesp3-annoucement/
シンプルプランを保険的に持っておけばいいように思います。これは日産自動車の顧客向けのカードではありますが、ZESP2と異なり、リーフオーナーじゃなくても加入が可能です。
月に1回、チャデモ使うかどうか分からない→ゲスト充電でカードはなし
月に1-2回は必ずチャデモ使う→ZESP3 シンプルプラン
長距離ドライブの記事、楽しく読ませて戴きました。今年は雪が少なくて自動車での移動は楽なものの、スキー場はどこも大変ですよね。
さて、いつも長距離ドライブの記事の最後にガソリン車燃費に換算した数値を出されていますが、費用ベースで計算されてると思います。これ、CO2での換算値で出して戴く方が(あるいは追加して戴ければ)読み手には響くように思います。
現状、ガソリン車よりかなり割高なBEVを購入する理由は人其々、色々あるとは思いますが、CO2排出量削減の一助になればというのは、誰しも考えるところではないでしょうか。
その一方で、ユーザーあるいは生活者として支出は重要な関心事ではありますが、率直に申し上げて、1000万円の車両で数千円の燃料代節約の話をされても納得感はありません。それよりは、CO2排出量の削減にどれだけ効果があったのかを燃費で示して戴く方が購入予備軍の興味を惹くのではないかと思います。
2018年度の東京電力の統計を元に今回のドライブの結果を勝手に換算すると、以下のようになるのかなと思います。
455(g-CO2/kWh) / 3.97 (km/kWh) = 114.6 (g-CO2/km) -> 20.3km/L
太陽光発電が増えたおかげか、思ったより良い数値ですね。 現実には送電線の損失もあるのでここまでは良くないと思いますが、ガソリンもGSまでの運搬に使う燃料は計算に入れませんしね。
今後の記事で、是非ご検討戴ければと思います。
MZY様、コメントおよびアドバイスありがとうございます!
>CO2排出量の削減にどれだけ効果があったのか
なるほど、そういう観点はあまり考えていませんでした(汗 排出をベースにガソリン車と比較してどのくらい違うのか、という視点で次回は書いてみますね。