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「2025 TOCJ 全国ミーティング」でEV仲間が交流/ヒョンデやBYDも参加するEVの祭典へ

「2025 TOCJ 全国ミーティング」でEV仲間が交流/ヒョンデやBYDも参加するEVの祭典へ

横浜市のパシフィコ横浜で「2025 TOCJ 全国ミーティング」が開催されました。オーナーら1500人以上が参加して、過去最大の盛況に。テスラだけでなくヒョンデやBYDも出展するなど、幅広いEV仲間の交流が実現しました。

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パシフィコ横浜を会場に「EVモーターショー」のようなイベントに

TOCJ(テスラ・オーナーズ・クラブ・ジャパン)が、オーナー同士の情報交換や交流などを目的に、2022年から年1回開いている全国ミーティング。4回目となる「2025 TOCJ 全国ミーティング」は6月29日(日)に横浜市の「パシフィコ横浜」の展示ホールAで開催されました。

これまでは、屋外の駐車場にオーナーが集まるという一般的なミーティングのスタイルで開かれていましたが、今回は大規模な屋内ホールでの開催となり、自分のクルマは最寄りの駐車場へ。会場へは歩いて入場します。開場時間(10時)のずいぶん前から入り口には大行列ができていました。

前日(28日)に千葉で行われた電気自動車のレース「EV-GP第4戦」でも、TOCJはサーキット走行会などのイベントを企画(関連記事)。続いて横浜市内のBBQ施設で前夜祭が開かれて、EV仲間との飲食や車中泊を楽しんだ人も多かったようです。

人型ロボット「オプティマス」の模型も発見。

そして迎えたミーティング本番。3,300㎡の会場に、用品メーカー、カスタムビルダー、充電サービス会社などがブースを設置。ドレスアップやチューンアップを施されたテスラも並べられています。オープンすると、会場はあっという間に人で埋まってお祭りムードに。

中央に設置されたステージでは、テスラをはじめとするEVメーカーによるプレゼンテーション、テスラオーナーによるトークショーなどが次々と行われました。景品をゲットできるじゃんけん大会も盛り上がっていました。テスラのCEO、イーロン・マスク氏は前日の6月28日が誕生日だったそうで、みんなで「ハッピーバースデー!」と手を振るシーンを、ドローンを飛ばして撮影するアトラクションも行われました。

EVsmart動画担当のテスカスさんも登壇。

日本でEVを販売する他メーカーも出展

個人的に着目したのは、ヒョンデとBYDが出展していたことでした。テスラオーナーのミーティングなのに、まるでモーターショーのように、メーカーの枠を超えた連携が実現しています。両社ともに来場者を対象にした試乗会を実施。試乗枠はすぐに満員御礼になったそうです。

両社のブースを訪ねてお話を伺いました。

まずはBYD。「私たちも、4月にオーナーさんに参加してもらうイベントを初開催しました(関連記事)。これがとても好評で、オーナー同士のコミュニケーションも広がっています。そこで、オーナーズクラブが主催するイベントというのを体感してみたかったというのが、参加させてもらった理由の一つです」と話してくれたのはBYD Auto Japanマーケティング部の正田聡史さん。「加えて、BYDだけがどうこうではなく、EV全体をどう盛り上げるか、人気を底上げしていくかということも考えています。刺激し合えればいいなと思っています」とのことでした。

一方、ヒョンデモビリティジャパンCXC室の関根隆行さんは「ヒョンデの車に興味を持ってもらえるチャンスだと考えています。同じEVとして比較してもらって、足りないところや、よくできているところを教えてもらえるのは、すごくありがたいですね。また、EVという世界を一緒に楽しめるイベントに参加できることに幸せを感じています」と話していました。

独自の充電インフラ網を構築するなど、EVとして新たなスタンダードを打ち出してきたテスラ。そのユーザーが、他社のEVをどう見ているか、率直な意見を聞きたいというのは、すごくよくわかります。また、両社とも「EVという共通項」を意識しているのが印象的でした。日本の車社会ではまだ少数派だからかもしれませんが、「EVだから」という連帯が成立するのは素敵なことです。

各社EVのオーナーズクラブも参加

各オーナーズクラブを代表して挨拶したみなさん。

仲間意識が発揮されたのは、メーカーの間だけではありません。今回は、他社EVのオーナーズクラブにもTOCJから「参加しませんか」と声がかかりました。ヒョンデ・モーター・クラブ・ジャパン(HMCJ)、日産アリア・オーナーズ・クラブ・ジャパン(AOCJ)と、筆者もメンバーになっているHonda eオーナーズクラブ(HeOC)が招待されて、それぞれブースを開設することになったのでした。

HeOCのメンバーは、張り切って開場の1時間半前にパシフィコ横浜に到着し、搬入とセッティングに臨みました。しかし、トラブル続出。まずは私です。来場者にコーヒーを振る舞おうと道具一式を持ってきたつもりが、ドリッパーとペーパーフィルターを積み忘れていました。また、愛知から来てくれたばにらさんは、自作のLED掲示板でメッセージやオフ会の写真を流す準備をしてくれていたのに、うまく作動しません。移動中にデータが飛んでしまったようでした。なんてこった。

ということで、私たちのブースの展示は「モルック」だけということに。点数が書かれた木の棒を倒す北欧生まれのゲームです。「高得点ならお菓子を進呈」という簡易ルールで、来場者に楽しんでもらいました。EVとは何の関係もなくて「なにこれ?」と思った方も多かったかも。でも、子供連れの方などが結構立ち寄ってくれて、200個用意したお菓子は半分ほど無くなりました。「Honda eを見かけたら仲良くしてくださいね」とお声がけ。EVの連帯と、やさしさの実現に少しでも役立てたらうれしいです。

ミーティング終了後には横浜でパレードランを楽しみました。

店番(?)もしていたので、あちこち取材に回ることはできなかったのですが、立ち寄ってくれた出展者さんのブースを訪問して、交流を深めることもできました。訪ねてくれたお一人がアルプスアルパインのKさんです。なんとHonda eとN-VAN e:のオーナーを集めたオフ会を企画されていて、声をかけてもらいました。もちろん「参加します!」と即答。7月19日に東京都内で開催される予定なので、改めてレポートをお届けしますね。

アルプスアルパインのブースでは開発中のテスラ用パーツを見せてもらいました。センターコンソールから飛び出す可動式のテーブルや、手をかざすと木目調のパネルに浮かび上がるスイッチ、視聴中の動画に合わせて色を変えるアンビエントライト。少しだけ未来を先取りするアレンジは、テスラという車種に似合っています。

テスラライフを楽しむグッズやサービスは百花繚乱

ほかにもいくつかのブースを見て歩きましたが、交換用のサスペンションやホイールが展示されていたり、カーラッピングをその場で実演していたり、あるいはスーパーチャージャー巡りを楽しめるアプリがあったり……。テスラライフを楽しむためのグッズやサービスは、百花繚乱の趣です。

そういえば、ヒョンデの担当者は、こんなこともおっしゃっていました。

「ひとつのクルマから多様なビジネスが生まれているのが、この会場に来て実感できました。いろいろなカーライフの楽しみ方が感じられます。私たちも『世界観』と呼べるものを作っていきたいです」(関根さん)

そもそも仲間と顔を合わせるだけでも楽しいですし、テスラ界隈の動向を一覧できるのも、オーナーにとってはかなり魅力的でしょう。しかも会場はマイカーでも公共交通でもアクセスしやすい横浜みなとみらい。入場者数が過去最高に達したのもうなずけます。

TOCJ理事の中島康久さんによると、動員数1500人オーバーは想定外だったそうです。「参加者へのノベルティグッズが足りなくなって大慌てでした」とのこと。うれしい悲鳴というやつですね。

テスラ以外の自動車メーカーやオーナーズクラブをミーティングに招いた意図も聞きました。きっかけになったのは、2023年11月にTOCJやAOCJなどが垣根を超えて集まった「EV:LIFE meeting」というイベントだったそうです(関連記事)。

「あの時、オーナーズクラブの横のつながりってありだよね、と思ったんですよ。たとえばテスラジャパンが主催するイベントに、他の自動車メーカーが直接協力するのは難しい。でも、オーナー同士は実際にEVというつながりだけで仲良くやっていて、そのワンクッションがあることで、今回のような連携も実現する。これはオーナーズクラブならではの活動だと思っています」(中島さん)

日程はまだ固まっていないものの、来年も同じスタイルでの開催を計画中だそうです。ヒョンデやBYDのみならず、もっとたくさんのEVメーカーにも声をかけたいとのこと。いずれは「EVの祭典」のようになっていくのかもしれません。筆者が関わるHeOCにお呼びがかかるかどうかはわかりませんが、引き続き参加させてもらえるなら、またフレンドリーな企画を考えたいと思います。

取材・文/篠原 知存

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この記事を書いた人

関西出身。ローカル夕刊紙、全国紙の記者を経て、令和元年からフリーに。EV歴/Honda e(2021.4〜)。電動バイク歴/SUPER SOCO TS STREET HUNTER(2022.3〜12)、Honda EM1 e:(2023.9〜)。

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