日産リーフAUTECH(オーテック)は「湘南ブルー」がポイント【吉田由美試乗レポート】

都内や首都圏の高速道路でも多く見かけるようになってきた日産リーフ。新型リーフをベースに、オーテックジャパンが内外装の「個性アップ」を手がけた『日産リーフ AUTECH(オーテック)』に、カーライフエッセイストの吉田由美さんが試乗。レポートを届けてくれました。

日産リーフAUTECH(オーテック)は「湘南ブルー」がポイント【吉田由美試乗レポート】

「プレミアムでスポーティ」がコンセプト

世の中には自分の大切な愛車をより個性的なものにしたい! と思う人も少なくないはず。「プレミアムでスポーティ」というコンセプトで、オーテックジャパンが内外装のドレスアップを手がけたのが、AUTECH(オーテック)ブランドの日産リーフです。

発売されたのは2019年6月ですが、実は今回、ひょんなきっかけで乗ることになりました。というのは、私は日ごろから時間があれば常にいろんなクルマに試乗するようにしています。今回、本当は大容量モデル、62kWhの『e+』にと思っていたのですが、私が試乗したいときに空いている広報車(メーカーが試乗用にジャーナリストなどに貸し出してくれるクルマ)がちょうど40kWhの『日産リーフ AUTECH』のみ。しかもスタッドレスタイヤ装着車だったのです。

一瞬悩みましたが、先日の東京オートサロンの時にAUTECHのデザイナーさんに取材して、その後連絡もいただいているのでお話も聞けるし、スタッドレスタイヤに試乗できるのはこの時期だけ。考えてみれば、「AUTECH」にはきちんと試乗したことがなかったので、お借りすることにしました。

この『日産リーフ AUTECH』。初対面の印象は、きれいなブルーがちりばめられていることでした。フォルムはもちろんベースの『日産リーフ』そのものですが、上品な「きらめきポイント」が増量。専用フロントグリルは中にブルーが透けて見えるデザインで、フロントバンパーには下部分がメタル調のフィニッシュを採用。ボディカラーはオーテックのブランドカラーである「オーテックブルー(オーロラフレアブルーパール)」で、エクステリアにもインテリアにもブルーのアクセントがちりばめられています。ボディカラーはホワイトやレッドなどの設定もありますが、内外装の「ブルー」アクセントは共通です。

インテリアは、シートの中央部分は黒のスウェードのキルティング加工でブルーの刺繍で「AUTECH」の文字。ヘッドレストやサイドサポートなど端の部分はブルーで囲まれています。アームレストやドア内側のドアトリムにもブルーと、とにかくブルー推しが印象的なのです。

デザイナーさんにこだわりを伺いました

オーテックジャパンのデザイン全般を統括するデザインマネージャー、山本賢司さんに『日産リーフ AUTECH』のこだわりを伺ってみました。

AUTECH ブランドは、オーテックジャパンのカスタムカーづくりから蓄積してきた クラフトマンシップを注入した“ プレミアム・スポーティ”を志向するブランドです。

まずはエクステリアデザイン。細部まで作り込まれたディテールと専用パーツにより、上質さ、先進性を表現しています。
金属調シルバー塗装のパーツによって低重心とワイドスタンスを演出し、スポーティな走りの良さとプレミアム性を感じていただくことを狙っています。

AUTECH専用のフロントバンパー、サイドシルフィニッシャー、リアバンパーフィニッシャー(バンパー下部メタル調フィニッシュ)にし、ダーククロームメッキの仕上げのV-Motionグリルと共に、深みのあるプレミアム感を演出しています。

フロントとリアにはAUTECHエンブレム、青色に光るLEDランプで、SHONAN-BLUE(湘南ブルー)を訴求しています。

また、AUTECH専用シグネチャーLED、AUTECH専用サイドターンランプ付電動格納式リモコンドアミラー(メタル調フィニッシュ)(ドアロック連動格納機能付)を金属調塗装を採用する事により、プレミアム性と仕立ての良さを表現しています。

ホイールとタイヤもAUTECH専用です。プレミアム感とスポーティな走りを演出するため、17インチアルミホイール&215/50R17 91Vタイヤをダーク金属調塗装にしました。

インテリアデザインは、上質な素材で仕立て、個性的でエレガントな空間を演出しています。全体にブルーをアクセントカラーにコーディネートし、プレミアム感を訴求しています。AUTECH専用インテリアは、スウェード調生地の上質な触り心地とブルーのレザレットを組み合わせています。

ほかにもフロントとリアのブルーレザレットドアトリム、ブルーレザレットセンターコンソールリッドにはブルーステッチを。また、ブルーのレザレットとステッチのコーディネーションとブルーのパールをコーティングしたダークウッド調インストパネル、ステアリングヒーター付きの本革巻ステアリング、センタークラスターに専用エンブレムを施しています。

そして、何といってもこだわりはエクステリアカラーです。AUTECH ブランドのアイコニックカラーとして、希少性と先進性を演出した特別な青 “SHONAN-BLUE”(湘南ブルー)を採用しています。これはオーテックジャパンの創業の地である湘南の海と空をイメージした、美しくプレミアム性が感じられる色だと思います。

ちりばめられたブルーこそが、AUTECH ブランドの「こだわり」であることがわかります。ちなみに足回りなどはリーフの基準グレードである『X』と同じ。特に変更していないそうです。

足回りなどは『X』グレードと同じ

『日産リーフ AUTECH』には、40kWhモデルと、62kWhモデルがありますが、今回試乗したのは小さい容量の40kWhモデルです。乗り出した時は電池残量が95%で航続可能距離は248㎞。その後、68㎞走行して電池の残量は64%に。航続可能距離は89㎞になりました。残念ながら充電は時間が無くてしていません。

今回の走行ルートは、日産本社のある横浜をスタートし、都内まで首都高横羽線を使用するなど約半分ぐらいは高速走行。今年は暖冬とはいえ暖房もシートヒーターもつけっぱなし。エアコンの設定温度も27度程度と高め。さらにスマホも充電してました。EVにとっては電費に厳しい季節なんですね。

しかも、今回はオーテック専用の17インチアルミホイールに、ブリヂストンのスタッドレスタイヤ『ブリザックVRX2 215/50R17』を装着していました。スタッドレスタイヤを履いていたことも、電費の悪化に繫がったようです。

運転中は基本的に『e-Pedal』を使っていました。強めのエンジンブレーキのような『e-Pedal』の減速感に慣れれば、市街地ではほぼワンペダルドライブ。さらに「ECO」モードを使えば、何も考えなくても自然にエコな運転になります。

ただ、せっかくスタッドレス装着車だったのに、今回はそのスタッドレスの実力を試すことができませんでした。東京周辺にも雪が降ったら、また改めて少しじっくり試乗してみたいと思います。

ところで、日産リーフは昨年12月にマイナーチェンジしましたが、今回私が乗ったのはマイナーチェンジ前のモデルです。9インチ大画面液晶など、改良型の『日産リーフ AUTECH』は2020年2月に発売予定。湘南ブルーのボディにスーパーブラックのルーフを組み合わせたオーテック専用のツートーンカラーを加えて、ボディカラーは全7色のバリエーションに。

私は基本的に「ノーマル派」ですが、ベースモデルの『リーフ』はシンプルなので、AUTECH の「ひと味違う」リーフは「いいな」と思います。ブルーも大人っぽい深い色ですし、なにより「ブルーが好き!」という人にはオススメです。

(文/吉田 由美)

この記事のコメント(新着順)3件

  1. こちらの記事を読んだ友人から、日産リーフの航続距離のダメ出しをくらってしまい、確認してみたのですが、
    「乗り出した時は電池残量が95%で航続可能距離は248㎞。その後、68㎞走行して電池の残量は64%に。航続可能距離は89㎞になりました。」
    とありますが、こちらの情報は本当でしょうか?
    189kmの間違いであると信じたいのですが、仮にそうでないのなら具体的にどのような走行状況であったのかを詳しく教えて欲しいです。

    1. EV_Native さま、コメント、ご指摘ありがとうございます。

      ご推察のように、189の誤記かと思われます(おそらく、横浜=東京あたりの往復を電費に優しいドライブだったのでは、と)。吉田由美さんにも確認してみます。しばらくお待ちください。

  2. リーフAUTECHレポートお疲れ様でした。なるほどECOモードとe-PEDALの話など頷ける点が幾つかありましたね。
    実は僕も最近リーフe+を一泊二日レンタルしましたがAUTECHでもエアロスタイルでもなくノーマルだったので特別感はありませんでした。でもこうしてAUTECHの内外装を見ると若干そそられます(笑)「ザクとは違う」というか特別感はありますよね。
    往復300km乗りましたが下道を走る分にはWLTCモードの数値と大差ない電費で走ってくれました(150km走って残量100%→67%。400km→308kmなのは今までの電費が悪かったから!?)。
    一泊した宿にEV普通充電器があり月額無料完全従量制のエコQ電IDを使用して約7時間充電、翌朝出発時には満充電で二日目も安心して走れましたよ。結果は電池残量100%→64%、残り航続距離表示は478km→314km。これは40kWhリーフでも事足りた(^^;;
    暖房オンオフで電費を調べたら一日目の暖房ナシで8.5km/kWh、二日目の暖房アリで7.8km/kWh。ただ普段乗ってるi-MiEVで航続可能距離が3割違うのと比べれば随分マシでしたが。
    普段i-MiEVでECOレンジを使っているのでリーフe+も常時ECOモード(電費がよかったのはこのため)。ただe-PEDALは回生が強すぎてギクシャクし電費も悪くなるので慣れるまで使いにくかったですよ。慣れれば楽に運転できたww
    一般道でもプロパイロットは使えば相当楽に運転できました。もっともアクセルワークさえ慣れればの話ですが!?

    充電する時間がなかったとのことでしたが…時間のない人は充電回数が少なくて済むe+(62kWh)が、道の駅ごとに充分休憩する人は40kWhモデルがいいんじゃないでしょうか!?
    ちなみに寒い冬は電池性能低下で加速への悪影響も考えられますが、滋賀県長浜市~福井県敦賀市では特に影響ありませんでした。電池容量に余裕のあるe+だからですか!?

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この記事の著者


					吉田 由美

吉田 由美

短大時代からモデルをはじめ、国産自動車メーカーのセーフティドライビングインストラクターを経て、「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて独自の目線で、自動車雑誌を中心にテレビ、ラジオ、web、女性誌や一般誌まで幅広く活動中。

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