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EV放浪記2.0【033】電動バイク「ライブワイヤーワン」でのんびり普通充電ツーリング/愛知から東京へ32時間の醍醐味

EV放浪記2.0【033】電動バイク「ライブワイヤーワン」でのんびり普通充電ツーリング/愛知から東京へ32時間の醍醐味

電動2&4ユーザーの筆者がEV関連の話題をレポートする連載の第33回。電動バイク「ホンダEM1 e:」を米国製「ライブワイヤーワン」に乗り換えました。スタイルも運動性能も抜群ですが、課題は「急速充電が使えない」こと。愛知県一宮市から東京への移送は足踏み続きで……。

目次

急速充電口は北米仕様のCCS1なので……

東京目指して出発!

ライブワイヤーワン(LiveWire ONE ※以下、LW1)は、米国ハーレーダビッドソンの子会社「ライブワイヤー」が欧米で販売している電動スポーツバイクです。日本未導入モデルで、電動バイクの開発・販売を手がける株式会社MIRAI(愛知県一宮市)が輸入した1台を譲り受けました。

初試乗やサーキット走行など、購入に至るまでの経緯は、末尾に記した関連記事をご覧ください。年明けに納車されたのですが、さて、東京までどうやって帰ればいいか。「充電どうする問題」が立ちはだかります。

LW1のバッテリー容量は15.4kWh。一充電航続可能距離は走行モードや速度によりますが、一般道で最大235kmとのこと。愛知から東京までは走りきれません。急速充電ができるなら問題ナッシング。でも、急速充電口は北米などで一般的な規格の「CCS1」なので、日本で普及している「CHAdeMO(チャデモ)」規格の急速充電器は使えません。頼れるのは普通充電のみということになります。

普通充電の速度は切ない「約1.4kW」

しかも、その充電速度がかなり「のんびり」なのです。付属のアダプターを使った家庭用コンセント(100V)での0-100%充電には約11時間。200VのJ1772充電器も使えるものの、車両側の制限で充電速度は同じ。受電能力は約1.4kWです。カタログには「1時間の普通充電で13マイル(約20.9km)走れます」なんて書かれています。

AC普通充電については、最初の試乗記事で「最大出力は3kW」と書きましたが、その後、実際に試してみて約1.4kWと確認できました。ここで訂正しておきます。ま、その分バッテリーには優しい、ということなのですが……ううむ。

バイクを陸送しちゃうのが、賢明な解決策。でも、走ってみたくなるんですよねぇ。充電クエストだと思えば、条件はハードなほど面白かったりしますし。一宮のショップから東京の自宅までは約370km。かっ飛ばさずに、どこかで1泊充電すれば、翌日には帰りつけるはず、と見込みました。

いざ、一般道で愛知県から東京を目指す!

出発時、SOC(バッテリー残量)が100%の状態で、航続距離表示は184kmでした。サーキットで全開走行したせいか、単純計算で電費は12km/kWh。もう少し伸びてほしいところです。どうせ高速道路の急速充電網は頼れないので、ルートは一般道を選びます。

市街地を走り出してまず感じたのは「どっしりとした安定感」です。それでいて鈍重さはなく、スロットルを開ければぐいぐい加速する不思議な乗り味。シフト操作が不要なので、渋滞もそれほど苦になりません。スポーツバイクの走りとスクーターの気楽さが同居しています。

ライディングを楽しみつつも、頭をよぎるのは「本当に公共の充電器で充電できるのか」という不安です。MIRAI代表の岸本ヨシヒロさんからは、「充電サービス会社によっては、相性が悪くてうまく充電できないケースがあるかもしれない」とアドバイスを受けていました。

しばらくはテストも兼ねて、なるべく多様な充電サービスを試そうと思います。最初に訪れたのは、国内設置数トップの「EV充電エネチェンジ」。名古屋市内を抜け、国道23号(名豊道路)を通って蒲郡市へ。観光地・竹島を訪れる人向けの駐車場に設置された6kW充電器で、最初の充電ストップです。

EV充電エネチェンジで無事に充電できることを確認

浜松市内のホテルにて。ここもEV充電エネチェンジでした。

約80km走って、バッテリー残量は67%。無理ならまだ一宮まで戻れるしね、と思いつつ、アプリを操作。無事に「充電中」の文字が出たときは、心底ホッとしました。設置数が全国で1万口を超えたというエネチェンジが使えるなら、LW1との電動バイクライフに光明が差します。

ただし、充電器側が6kWでも、車両側の制限で1時間の充電量は1.4kWhだけ。やはり「充電1時間で約20km走れる」が目安になりそうです。SOCを75%まで戻して再びスタート。名豊道路に乗り直し、そのまま国道1号バイパスへ。このルートは浜松まで信号がない区間が続いて快適そのもの。そこそこのスピードで定速走行できるので、電費が伸びるルートです。

ホテル到着時のメーター表示。

浜松市内のホテルに到着した時のSOCは50%、航続可能距離は109km。充電器は4台並んでいました。早速つなぎます。ホテルの人に聞くと「まだ設置したばかりで、初めてのご利用です」とのこと。たまたまですけれど、なんだかうれしいものです。充電インフラはしっかり拡充されていますね。

朝起きたら満充電、のはずでしたが、なぜか89%にしかなっていませんでした。午前2時半ぐらいに止まったようです。車両側の設定か、それとも相性か。課題を残しながら2日目が始まりました。

充電を検証しつつ寄り道も楽しみました

天竜川河口で夜明けの絶景に遭遇。

少し遠回りにはなりますが、御前崎へ寄り道することにしました。海岸沿いに西へ走っていくと、天竜川に突き当たりました。息を呑む景色に、思わずバイクをストップ。対岸で風車がゆっくり回って電気を作っています。広い空を赤く染めながら太陽が昇ってきます。図らずもこういう絶景に出会えるのが、まさに旅の醍醐味ですね。

御前崎灯台の充電器は残念ながら使用不可。

御前崎灯台の駐車場には充電サービス「treev」の普通充電器があったので、これ幸いと充電を試みました。でもアプリが途中でフリーズして利用不可でした。残念。やはり相性問題はあるようです。

充電しながら登呂遺跡を見学。

その後、静岡市で立ち寄った「DMM EV」では無事に充電成功。登呂遺跡や芹沢銈介美術館などを見て歩くあいだに59分で7%(SOC 40%→47%)を回復。DMM EVのアプリはリアルタイムで充電速度が表示されるのがナイス。どういう状況なのか明確にわかります。

続いて目指したのは、富士市内の温浴施設です。ここで2、3時間かけて「継ぎ足し充電」をして、一気に東京へ……というのが事前に立てた充電計画でしたが、昨夜の謎の充電停止や寄り道のせいで到着時のSOCは28%(残り70km)。自宅まで145km残しているため、かなりの長時間滞在が確定しました。

充電プラグをつないでから、近所をぶらぶら散策し、温浴施設でのんびりタイム。温泉に浸かり、夕食を食べ、文庫本を読み耽って4時間半。充電量は約6kWhで、SOC61%(航続153km)まで回復しました。これなら届くはず!

静岡市内の温泉施設で充電&入浴休憩。

無事に東京の自宅マンションへ到着

最後は時間節約のため東名高速へ。御殿場への登り坂でがっつり電力を消費して、航続距離表示をにらみながらの走行になりましたが、その先の下り坂で電費もしっかり回復。海老名SA付近では完走を確信できました。 自宅到着時のメーター表示はSOC8%、航続20km。自宅マンションの共用充電器「ユアスタンド」でも無事に充電できることを確認できて、初ツーリングは無事終了です。

新幹線なら3時間の距離を、1泊2日、32時間をかけて移動。そのうち充電時間は11時間半(日中の待機だけでも6時間半)でした。EV6輪生活も長くなってきて、充電旅のノウハウも積み上げてきましたが、 「チョロチョロ充電」のLW1と付き合うには、さらなる意識改革が必要かもしれません。

しかも、普通充電サービスの料金は出力が最低でも3kW前提のところが多いので、1.4kWでの充電ではやや割高になってしまいます。

自宅マンションの充電器(ユアスタンド)でも充電できることを確認。

とはいえ、公共用普通充電器の多くが利用可能とわかったので、街乗りをするのは問題なさそうです。次なるロングツーリングもあれこれ妄想中。岸本さんからは「毎年5月にやっているSSTR(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)は楽しいですよ」と誘ってもらってもいますが、ゴールが石川県というのは……さすがに遠すぎるかなあ。

【関連記事】
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ハーレーの電動バイク「ライブワイヤーワン」をサーキットで全開走行(2025年12月24日)

私のLiveWire ONE(2026/1/14~2026/2/13)

総走行距離 888km
平均電費 16.1km/kWh
充電回数 11回(普通)

取材・文/篠原 知存

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この記事を書いた人

関西出身。ローカル夕刊紙、全国紙の記者を経て、令和元年からフリーに。EV歴/Honda e(2021.4〜)。電動バイク歴/SUPER SOCO TS STREET HUNTER(2022.3〜12)、Honda EM1 e:(2023.9〜2025.12)、LiveWire ONE(2026.1〜)。

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