Kia PBV ジャパンからもうすぐ発売予定のミニバンEV「PV5」に試乗することができました。「NEW YEAR EV MEET 2026」会場となった駐車場内の特設コースでチョイ乗り試乗ではあったものの、走行性能の質の高さやEVとしての扱いやすさを確認。商用EV、そしてキャンピングカーなどのベース車両や、家族や仲間とのレジャーを楽しむミニバンEVとしてクレバーな選択肢であることを実感しました。
いの一番で私が試乗したのは「カーゴ」モデルでした

ジャパンモビリティショー2025で日本デビューが発表されたKiaの電気自動車「PV5」。商用バンの「カーゴ」(589万円〜 ※価格はすべて税込)と、後部座席を備えた「パッセンジャー」(679万円~)をラインナップして、2026年春に正式な発売予定となっています。
まだナンバーを取得した試乗用の車両がないということで、なかなか試乗するチャンスがなかったのですが、1月25日の日曜日、海の森水上競技場 第二駐車場で開催された「NEW YEAR EV MEET 2026」の会場に試乗コースを設置。100mほどの直線とパイロンスラロームができるように設定された短いコースで、10分間だけの試乗ではありましたが、PV5の走りが秘めた「素性の良さ」を確認することができました。
PV5に試乗できるのは、この日が「日本国内で初めて」の機会でした。イベント参加者の試乗予約を先着順で受け付けるシステムで、私は一般参加者として少し早めに会場入りしたので、受付開始と同時にさっそく試乗を予約。受付名簿に名前を書いたのは2番目でしたが、10時20分の開始時間になってもその方が試乗会場に現れず、いの一番で試乗することができたのでした。
試乗車は「カーゴ」と「パッセンジャー」が両方用意されていて、私が乗り込んだのは「カーゴ」でした。カーゴもパッセンジャーもパワートレインや足回りは共通ということだったので「まあ、どちらでもいいか」とは思っていたのですが……。

試乗したカーゴモデルは運転席と荷室が仕切られていて後方は見えないですが、バックモニターの出来がいいから車庫入れも一発でラクチンでした。
短距離&短時間の試乗でも走りの質の高さを実感
まずは特設コースを一周してみて感じたのが、足回りやブレーキフィーリングの質の高さです。商用車のイメージではない快適さだったので、うっかり自分が試乗しているのは「パッセンジャー」だと勘違いするほど。

パッセンジャーを試乗する EV Life Japan さんも楽しそう。
EVならではの低重心ということもあり、パイロンスラロームのコースでも、商用車やミニバンでありがちなロールやピッチングで「ぐわんぐわん」する感じは抑えられています。リアサスペンションはトーションビームと聞いていて、高速走行時の段差とかどうなんだろうってあたりは未確認ですが、商用車的なふわふわした印象はありません。
加速のフィーリングもEVならではの力強さとスムーズさを満喫。ブレーキの踏みごたえや効き方もいい感じで、試乗したのはカーゴモデルだったけど「これは、文句なく高級ミニバンの走りだな」と実感することができました。

Kiaは現代自動車グループの中核ブランドでもあります。IONIQ 5 をはじめ、私のマイカーである KONA、コンパクトEVの INSTER など、Hyundai(ヒョンデ)が日本でも展開する市販EVのインターフェースやADASの完成度が高いのは先刻承知。KIAからは日本初導入となる PV5 にも、ヒョンデEVのDNAがしっかりと受け継がれていることが確認できました。
EVとしてのインターフェースや回生パドルの使いやすさが秀逸

日頃乗り慣れたKONAと比較して、メーター表示のちょっとしたデザインは違っている点がありましたが、ステアリングのADASやオーディオをコントロールするスイッチをはじめ、回生ブレーキの強度を調整できるパドルシフトなどの配置はほぼ同じ。
こうしたスイッチ類の操作の扱いやすさは「慣れ」も大きな要素とはなりますが、EVとして必要な情報へのアクセスがしやすかったり、ADASの信頼感が高いことも「ヒョンデのEVと同じ」で、バランスが良くクレバーなEVに仕上がっている印象でした。
ひとつ、具体的なポイントを挙げると、回生の強度切替はワンペダルで完全停止までできる「i-Pedal」から、コースティングを駆使できる「ゼロ」から「強」まで段階的に選択可能。さらに、前車の状況などを判断して最適な回生強度を選んでくれる「AUTO」が用意されています。つまり、「i-Pedal」「3=強」「2=中」「1=弱」「0=コースティング」「AUTO」を、パドルシフトで簡単に選べるということですね。

さらに、操作の手間が少ない「AUTO」に設定していても、信号待ちでの停止距離などに応じてコースティングに近い状態にしたり、回生を強くするといったアレンジもパドルシフトの操作で手軽にできるのが、日頃ヒョンデのEVに乗っていて「ありがたい」と感じているポイントでもあります。
この便利さは、PV5を活用するラストワンマイルのドライバーさんにとって、よりスムーズな発進停止の繰り返しや、市街地走行での疲労軽減に役立つはず。EV性能の完成度が高いPV5カーゴの登場が「運送業者さんの仕事を楽にしてくれるに違いない」と実感しました。
ミニバンEV購入を検討している人は、PV5に試乗してから決断を!
航続距離や急速充電性能の実感は、改めて公道で試乗できる車両が用意されたら確認&レポートしたいと思います。

カーゴが589万円〜、パッセンジャーが679万円〜というのは、バッテリー容量51.5kWhモデルの価格です。ジャパンモビリティショーの会場で、71.4kWhの大容量バッテリーを搭載したパッセンジャーは769万円〜となっていて、「期待したより100万円高かった」というのは発表時の記事でも呟いた通りなのですが……。
日本におけるミニバンEVの選択肢としては、1000万級の ID.Buzz(フォルクスワーゲン)や、これまたジャパンモビリティショーでお披露目されて、おもにフリート向けの導入が発表された約1300万円〜の ZEEKR 009 しかないことを思えば、PV5が現状の日本市場ではコストパフォーマンス高く、クレバーなミニバンEVの選択肢となることは間違いありません。
ミニバンや商用EVの購入を検討している方は、ぜひ、PV5に試乗してから決断することをオススメしておきたいと思います。また、PV5をベース車両にしたユニークなキャンピングカーやキッチンカーに、日本のどこかで出会える日を楽しみにしています。
取材・文/寄本 好則






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