著者
充電スポット検索
カテゴリー

スバルの新型「ソルテラ AWD」で2月の草津温泉へ/「EVは航続距離が不安」という思い込みからの脱却を!

スバルの新型「ソルテラ AWD」で2月の草津温泉へ/「EVは航続距離が不安」という思い込みからの脱却を!

兄弟車であるトヨタ「bZ4X」とともに大幅な改良を受けた新型「SOLTERRA(ソルテラ)」で、2月の草津温泉まで走ってきました。期待した雪道には出会えませんでしたが、走りの質感や航続距離性能の向上を実感。草津温泉の目的地充電環境も着実に進歩していることが確認できました。

※この記事はAIによるポッドキャストでもお楽しみいただけます!

目次

経路充電のことは考える必要もなく東京=草津を往復

八ッ場ダム湖の畔にて。

2026年2月下旬、スバルの電気自動車、新型「SOLTERRA(ソルテラ)」で群馬県の草津温泉へ出かけてきました。スバルからお借りした広報車(取材用に貸し出してくれる車両)のグレードは「ET-HS」。スタッドレスタイヤを装着したAWDモデルです。

実は、雪道走行のレポートを想定して「2月(まだ真冬という認識)の草津」を目的地に選んだのですが、2月中旬からやけに暖かな日が続き……。冬期通行止めになる志賀草津道路の入り口まで行っても路面に雪はまったくなし。残念ながら雪道走行を試すことはできませんでした。

草津スキー場の脇にある通行止めの限界点まで行っても路面に雪はまったく残っていませんでした。

トヨタのbZ4Xと兄弟車であるソルテラは、2025年10月に大幅な改良を行った「新型」モデルになっています。搭載する駆動用バッテリーの総電力量(容量)が、従来モデルの71.4kWhから「74.7kWh」になり、AWDモデルの一充電走行距離は687kmになりました。

さて、EVsmartブログで市販EVの長距離試乗を行う場合、経路充電における実績や充電性能がうんぬんといったレポートになりがちです。でも、今回の充電関係はとてもシンプルなので、最初にサクッと紹介しておきます。

まず、三軒茶屋に近い私の自宅から草津温泉までは、関越自動車道の渋川伊香保ICを経由するルートで180km程度です。草津温泉の標高は約1200mで、2020年の冬、バッテリー容量40kWh(一充電走行距離のカタログスペックは281km)の日産リーフNISMOで訪れた際には往路途中の道の駅『八ッ場(やんば)ふるさと館』で軽く充電が必要だったのですが……。

【関連記事】
日産リーフNISMOで晩秋の草津温泉へ往復~電池容量40kWhで感じる「不満」とは?(2020年12月4日)

今回のドライブは一泊二日。草津温泉の「湯畑観光駐車場」の200Vコンセントで満充電にできたので、往路、復路ともにバッテリー残量(SOC)は100%からのスタートで、経路充電を行う必要はまったくありませんでした。

往路は伊香保温泉近くで水沢うどんを食べ、雪道を探して徘徊した末にSOC「46%」で湯畑観光駐車場に到着。復路は全般に下りのルート。距離的にちょっと遠回りにはなるものの、鬼押出から軽井沢のスーパーつるや、丸山珈琲、世界遺産の富岡製糸場などに寄り道しても、自宅帰着時のSOCは「60%」でした。

自宅帰着時のメーター表示。

これはもちろん、74.7kWh(実質的にユーザーが利用可能な容量は約71kWh)という大容量バッテリーを搭載しているからこそではありますが、私のマイカーであるヒョンデKONAのCasual(48.6kWh)や、49kWhのインスターなど、比較的大衆的な市販EVでも東京~草津の片道くらいは無充電で走り切れると思います。

今でも「EVは航続距離が不安」と思い込んでいる方は少なくないでしょうが、市販電気自動車は4~5年前と比べても格段に進化していることを理解して、古い常識を書き換えていただければと思います。

湯畑観光駐車場のEV充電用コンセントが4口に倍増

朝8時過ぎからこの人出。前日午後の到着時はまさに大賑わいでした。久しぶりの草津で、若い人たちが多いことにビックリ。

私は草津温泉の湯が大好きで、30数年前に上京してから何度も通っています。とはいえ、今回はリーフNISMOで訪れて以来の久しぶり。湯畑に到着して驚いたのは、学生さんっぽい若い方でごった返していたことでした。泊まった旅館の女将さんに聞いたら、最近、草津に訪れる若者が増えているとのこと。インバウンドの外国人観光客も多かったけど、ニッポンの次世代に草津の魅力を愛する心が受け継がれるのは喜ばしいことだと思います。

ともあれ、今回の草津訪問で特筆すべきポイントが、目的地充電施設の進化です。まず、2020年の訪問時にも利用した湯畑観光駐車場のEV充電用コンセントは、2口から4口へと倍増されていました。

1泊1000円程度(午後3時~翌朝10時まで)の駐車料金は必要ですが、このEV充電用コンセントでの充電は無料で利用できます。ただし、充電無料ということもあり、EV優先とはなっていません。上の写真は翌朝の出発時に撮影して、隣の区画も空いていますが、到着した際には4区画ともエンジン車が駐車中。「ありゃあ」と思ったら、すぐに1区画空いたので無事に充電できたという顛末でした。

200Vコンセントが設置されているだけなので、充電するためにはケーブルを用意しておく必要があります。出力は基本的に3kW。到着時SOCは46%でしたから、満充電までには「74.7kWhの54%=40kWh」、つまり13時間以上掛かることになるものの、温泉旅館でゆったり過ごしているだけの時間ですから、面倒さやストレスは皆無です。

充電器を設置している宿も増加中

ホテルビレッジの6kW充電器。

さらに久しぶりの草津で感慨深かったのが、EV充電エネチェンジなどの6kW普通充電器を設置してくれている宿泊施設が増えつつあることでした。一人息子が幼いころに何年か続けて行ったことがある「ホテルビレッジ」に2口、「湯音の森」という宿の駐車場に4口などは、泊まる宿に関わらず誰でも利用できるのはもちろん、定額プランの「エネチェンジパスポート」が利用可能です。

湯音の森駐車場の6kW充電器。せっかくの4口ですが、多摩ナンバーのアルファードが謎の駐車姿勢で2区画をふさいでいました。

「充電区画にエンジン車が停まってるぅ!」のリスクはありますが、私が大好きな草津温泉でもEV充電の環境が着実に進歩していることを確認できました。充電インフラは一朝一夕に爆増することはないでしょう。こんな風にじわじわと、気がついたら「どこでも充電できるよね」って感じになっていくのだろうと思います。

雪道を求めて徘徊中には、志賀草津道路に続く温泉街外周路沿いの商業施設駐車場にフラッシュの超急速充電器が新設されていることに気付きました。出力は最大180kW。今まで、草津温泉周辺では道の駅草津運動茶屋公園に50kW器があるだけだったので、日帰りのスキーなどに訪れて、「高性能EVで急いで充電したい!」という方には便利なスポットとなるでしょう。

今回宿泊した宿の駐車場には残念ながら充電設備がなかったので、女将さんに「EVを充電したいから湯畑観光駐車場にクルマを停める」こととともに「できれば、早くEV用充電器設置をお願いします!」と伝えておきました。

EVならではの「さらなるUIの進化」にも期待したい

新型ソルテラは、まずエクステリアデザインを一新。バッテリー容量と一充電走行距離が増えたほか、バッテリープレコンディショニング機能を搭載して急速充電性能が向上するなど、「BEVとしての先進性と実用性にさらに磨きをかけた」ことが紹介されています。実際、2日間の草津旅行をともにして、静粛性が向上したことで車格が一段階アップしたような快適なドライブを楽しむことができました。

AC100Vのアクセサリーコンセント。

回生ブレーキの強さをコントロールするパドルスイッチも搭載。

V2Lに便利なAC100Vのアクセサリーコンセントが全グレードに標準装備で、回生ブレーキをコントロールするパドルシフトを備えている点(個人的にはEV選びの大切な要件)も、EVらしい魅力のポイントになっていると感じます。ただし、普通充電口からAC100Vを取り出すV2L用の「ヴィークルパワーコネクター」は、4万円ほどのオプションになっている(bZ4Xは標準装備)のは少し残念なところです。

今回、帰着後も自宅ガレージの200Vコンセントで充電を行い、あえて「わざわざ」の急速充電は試しませんでした。与えられた性能は、トヨタ bZ4Xと同様の「最大150kW」です。上手に使いこなすにはバッテリーのプレコンディショニングなどの機能を使いこなす必要があるでしょう。そのあたりは、また改めての機会に検証したいと思います。

往路、草津到着時にセンターディスプレイの「トリップインフォメーション」で確認した電費表示。対象区間などがよくわかりませんでした。

走行距離とバッテリー総電力量(74.7kWh)からの推定で計算すると……。往路が190km走って「55%=約41kWh」のバッテリー消費なので「190km÷41kWh=約4.6km/kWh」。復路は213km走行に「40%=約30kWh」消費で「約7.1km/kWh」という結果でした。

上に示したトリップインフォメーションが表示している電費は、おそらく伊香保温泉近くで水沢うどんを食べてから草津まで、けっこうな上り区間の数値だと思います。任意の区間の電費実績などを確認する方法は……、一泊二日の試乗ではよくわかりませんでした。

あと、回生ブレーキの強度をコントロールするパドルスイッチが山道走行でありがたかったのですが、「カチッ、カチッ」と、わりと大きな操作音が気になりました。

一充電走行距離や使い勝手のレベルはとても上出来の新型EVであることは間違いありません。あとは、電費など「バッテリーとのコミュニケーション」を助けてくれたり、回生ブレーキを使いこなすといった、EVらしい、EVならではのユーザーインターフェースがさらに進化&成熟すれば、素晴らしい電気自動車になるのだと思います。

また改めて、ソルテラで上州の雪道を駆け回る機会を楽しみにしています。

取材・文/寄本 好則

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

コメント

コメントする

目次