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「みだれ打ち」EV日本一周【01】千葉県(前編)/寄り道を楽しみながら電気自動車で旅してみます

「みだれ打ち」EV日本一周【01】千葉県(前編)/寄り道を楽しみながら電気自動車で旅してみます

「街なかベスト」の電気自動車 Honda e で日本一周にチャレンジする新企画。航続距離が短いEVだからこそ見つかる景色もあるはず。パズルのピースを埋めるように、のんびりゆっくり日本を巡ろうと思います。第一弾として千葉県を訪ねてきました。どんな旅レポートをお届けできるか。まずは、スタートです。

目次

飛び飛びで旅するEV日本一周をスタートします!

日本一周がしてみたい! けれど、そう長い休みは取れない。そんな人は多いのでは。そこで自らの身とマイカーを投じて、途切れ途切れの「EV日本一周」に挑戦してみることにしました。お遍路さんにも、四国八十八か所を一気に回るのでなく、何度かに分ける「区切り打ち」や「一国参り」という方法があって、御利益は(たぶん)同じです。

区切り打ちの場合、前回終わった場所(霊場)から始めるのが原則だそうですが、私の旅は、場合によっては飛び飛びになりそうなので、アトランダムな「みだれ打ち」ということにさせてください。ただ、最終的にはしっかり「一筆書き」になるようにルートを考えます。バラバラに走った軌跡を、終了時には一本の線として繋げることを目指します。それから、北海道、本州、四国、九州それぞれの東西南北端である「16極点」は網羅したいですね。

走破に際しては「一国参り」を意識します。一回の旅でそれぞれの都道府県をできるだけじっくり走りたいと思います。実用的な航続可能距離が200km強のマイEV(Honda e)に、かっ飛び旅は似合いません。

全国各地の「クルマ×絶景」スポットなどを紹介!

その分、充電回数も増えるはずなので、各地の充電スポットも紹介したいと思います。景色がいいところや、充電中にグルメや観光が楽しめそうなところなど、おすすめスポットを探します。せっかくなら、充電時間も楽しみたい、ですよね。

走っているうちに、いろいろテーマも増えていきそうですが、最初から決めているのは、マイカーで訪ねることのできるフォトジェニック・スポット探索。EVユーザーの皆さんが、同じように訪ねて「EV×絶景」を撮影できる場所をリサーチします。

アクアラインでは大渋滞の洗礼が……

2026年3月17日午前、東京都内の自宅をSOC(充電率)76%、航続205kmでスタートしました。いざ行かん、といっても走り慣れた首都高速とアクアライン。しかも故障車のため大渋滞……。出鼻をくじかれましたが、どうせ丸1日走るんだし、急がなくても大丈夫。のんびりいきましょう。

「EV×絶景」富津岬。
※冒頭写真は富津海水浴場にて。

アクアラインから館山自動車道に乗り継いで、まず目指したのは富津岬(富津市富津)。五葉松をかたどった展望塔が有名です。富士山を望むことができるので、アングル次第でEV×絶景が狙えると思ったのですが、曇っていて富士山は見えずじまい。ちなみにここは夕陽スポットとしても有名です。

散策もそこそこに切り上げ、海岸線を館山方面に向かいますが、富津海水浴場の景色に惹かれて、すぐストップ。初訪問でしたが、空間の広がりがいいですね。駐車場の目の前が砂浜というロケーション。防潮堤がないので水平線まで見通せます。これで、富士山も見えていれば……。また好天の時に訪ねようと心に決めました。近いですしね。

燈籠坂大師の切通しトンネル。

続いて向かったのは、燈籠坂大師の切通しトンネル(富津市萩生)です。千葉には素掘りトンネルが多数存在。岩肌の生々しい掘削跡など、味わい深い景観が楽しめます。ここは途中までが切り通しであとはトンネルというダブルネーム通りの場所で、不思議な縦長の形状が特徴。ただし一般車両は手前で通行止め。クルマでくぐっているところの写真は撮れません。

従量課金のハイウェイオアシス富楽里で日本一周初充電

ハイウェイオアシス富楽里(関連記事)。

1回目の充電スポットは、ハイウェイオアシス富楽里(南房総市二部)にあるPower Xの充電器を選びました。日本で初めて高速道路上に設置された従量課金制の超急速充電器です。充電サービス最大手のe-Mobility Powerもついに4月1日から、SAPAなどの一部の急速充電器で「kWh課金」(110~143円/kWh)を導入しましたが、その先駆けとなった施設です。しかも、65~75円/kWhとかなりリーズナブル。受電能力がそれほど高くないHonda eでの旅には、従量課金はありがたい限りです。

ここの充電スポットには道の駅が併設されているので、充電中の飲食や買い物を楽しむことができます。お店を見て回った結果、FURAPAN!というパン屋さんで、チーズやソーセージがたっぷり詰まったフランスパンのサンドイッチをゲット。コーヒーと一緒にいただきました(写真撮るの忘れました)。

「EV×絶景」原岡桟橋。

のんびりしている間に、SOCも81%まで回復して、次に目指したのは原岡桟橋(南房総市富浦町)です。海水浴場から海に向かってまっすぐに伸びるこの桟橋は、一部が木製で、レトロ感が満点。雰囲気たっぷりの作画を期待できるフォトスポットでした。

さらに海岸沿いを走っていくと、「安房国一宮」という看板が目に止まったのでまたまた寄り道。海を見下ろす高台に鎮座する洲崎神社(館山市洲崎)です。鳥居から山に向かってそそり立つ石段に「うーむ」と気後れしましたが、せっかく来たんだし、と登ってみます。息切れしつつ階段上で振り返ると、広がる空と海。おおっ。

洲崎神社。

ちょうど東京湾の入り口にあたる、とのこと。地図アプリで確かめると、たしかにその通り。旅を見守ってくださいね、と参拝してから戻る途中、分かれ道があるのに気づきました。富士山を望む遥拝所だそうです。崖の上に立った鳥居越しに眼下の海を眺めていると、この場所に神を祀ろうと決めた昔の人の気持ちが、わかった気がしました。

ここまで千葉県西岸(内房)を走ってきましたが、この神社も含めて、きっと夕景が素敵に違いない、と思えるスポットばかり。訪ねるなら、日没にかかるスケジュールで、それも富士山が望める好天の日がお勧めです。

最南端の野島崎灯台から外房へ

野島崎灯台。

さて、反時計回りで千葉の外周をたどるドライブはここから外房へ。房総半島最南端の野島崎(南房総市白浜町)など、立ち寄りたいと思っていた場所は、しっかりと訪問。加えて、日が暮れはじめると、移りゆく空の色が気になって、ついクルマを止めて眺めてしまいます。

知らない土地で見る夕景は、心に染み入ってきますね。そろそろ夜になるのに、いったいここはどこなのか……という状況で感じる寄る辺なさと解放感は、まさに旅の醍醐味です。

「EV×絶景」南房総市にて。

とはいうもののSOCもかなり減っていて、そろそろ充電スポットと宿泊場所も考えないといけません。

第二五之町踏切。

「とまれみよ」というレトロな踏切警標で有名な、いすみ鉄道の第二五之町踏切(いすみ市引田)に着いたころには、すっかり暗くなっていて、初日の走行はここまで、と決めました。どこかで急速充電を済ませてから宿に入ってもいいのですが、普通充電器のある宿泊施設なら一石二鳥です。

充電器がある宿を検索

アプリで検索して見つけたのは、HOTEL R9 The Yard いすみ(いすみ市岬町)という宿。コンテナを使ったホテルのようです。6kW充電器が2台あるとのこと。電話してみると、宿のスタッフが覗きに行ってくれて「充電器は両方空いてますよ」と教えてくれたので、すかさず向かいます。

客室としてコンテナをずらっと並べたホテルは、ミニマリズムすぎる外観ですが、デザインはなかなかオシャレで、遮音・断熱も文句なし。全国展開しているようなので、この先もまたお世話になりそうです。

駐車場の一角に設置された充電器は、プラットチャージという、初めて使う充電サービスでした。スマホでQRコードを読み込み、どのキャッシュレス決済を使うか決めて、充電する時間と出力(3.2kWか6kWか)を選んで充電開始。アプリや事前登録は不要です。

たまたまPayPayが残額不足だったのでau PAYで支払い(その場で選べるのはうれしい)。一泊するので、6kWでなく3.2kWを選択。料金は8時間で1,440円でした。約60円/kWhですね。途中で打ち切った場合、差額が計算されて戻ってくる仕組みです。あとで調べたらなぜか、なにもしてないのに「部分取消」分の72円だけリターンが。しっかり充電はできていました。

千葉県内はよく訪ねていて、ルートでは何度も走ったことがある道をたどったりもしますが、長い旅路の一コマだと意識すると、景色が違って見えます。訪問先はリストアップしているものの、別に行っても行かなくてもよく、気が向けばクルマを止めて写真を撮る。たまたま立つことになった土地の空気を楽しむ。まだ始まったばかりですが、かなり楽しい旅になりそうです。

学生時代には日本一周をリタイアした経験も……

「EV×絶景」鴨川市にて。

ちょうど40年前、大学生だった私はバイクで日本一周の旅に出ました。動機は「端っこまで走りたい」。故郷の奈良から太平洋側を北海道まで走り、日本海側をたどって九州へ。沖縄で乗っていたバイクを盗まれるトラブルに遭い、日本3/4周でリタイアしましたが、気が向くままに放浪する楽しさを知りました。あらためての日本一周は、自分にとっての「旅」を見つめ直す機会にもなりそうです。

最短距離を急ぐのではなく、寄り道を楽しむ。効率よりも無駄を選ぶ。充電だって楽しんじゃう。小容量バッテリーのEVには、そんな旅のスタイルが向いています。考えてみれば40年前も、中型バイクもあったのにわざわざ80ccの原付二種で走ったのでした。いくつになっても精神構造は変わらないのかもしれません。

次回は、九十九里浜を経て犬吠埼を目指します。

みだれ打ち日本一周の記録①

<充電スポット>
【01】ハイウェイオアシス富楽里/28%→81%(30分)
【02】HOTEL R9 The Yard いすみ/12%→94%(約8時間)
<走行距離>
今回:273.2km(1日)/合計:273.2km
<今回の平均電費>
9.3km/kWh

千葉県の走行ルート

取材・文/篠原 知存

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この記事を書いた人

関西出身。ローカル夕刊紙、全国紙の記者を経て、令和元年からフリーに。EV歴/Honda e(2021.4〜)。電動バイク歴/SUPER SOCO TS STREET HUNTER(2022.3〜12)、Honda EM1 e:(2023.9〜2025.12)、LiveWire ONE(2026.1〜)。

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