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ホンダのコンパクトスポーツEV「スーパーワン」のCEV補助金「130万円」は誤報だと思いますよ……

ホンダのコンパクトスポーツEV「スーパーワン」のCEV補助金「130万円」は誤報だと思いますよ……

ホンダの小型スポーツEV「Super-ONE」の先行試乗会に参加してきました。痛快だったサーキット走行などのインプレッション詳報は同行した篠原知存さんの記事をお届け予定で進めています。ところが……、未発表の車両本体価格が約340万円で「国のCEV補助金が普通自動車の満額130万円」という情報にネットが騒然。でも、5ナンバーだから「小型乗用自動車」区分で、補助金額は「最大58万円」だと思いますよ、という速報です。

目次

走りの楽しさは航続距離の限界を凌駕できるか

4月10日にホンダが先行予約を開始した小型EV「Super-ONE(スーパーワン)」のメディア向け先行試乗会(千葉県の袖ケ浦フォレストレースウェイで開催)に参加してきました。1コーナーの立ち上がりにはパイロンスラローム区間を設定、「最高速は120km/h以下に抑えてね」とか、ホームストレートはピットレーンを徐行といった制約はあったものの、サーキット走行の楽しさは抜群でした。

4コーナー過ぎの上り坂も、ブーストモードのスイッチオンで明確なパワーアップを実感。ギミックのエンジン音を聞きながら(個人的に余計な音は不要ですけど)快走できます。ヘアピンや高速コーナーでの踏ん張り感は頼もしく、前輪駆動&素人ドライバーの操作でも、まさに意のままにコーナリングしてくれる楽しさを満喫できました。

ブーストモードのスイッチもイメージカラーのバイオレット!

ただし、搭載するバッテリー容量はN-ONE e:と同じ29.6kWhです。サーキットなどへ走りを楽しみに行くとしても、現地に急速充電器完備が必須ですね。ブーストモードの街乗りで、電費や航続距離がどんなものなのか。また、どんな走りの楽しさを実現してくれるのか。公道試乗が楽しみです。

さて、さらなるサーキット走行インプレッションなどの詳細は、同行した執筆陣の篠原知存さんのレポートを後日紹介する予定、なのですが。。。

CEV補助金額が「130万円」への疑問

先行予約開始直後から、車両本体価格が「339万円」で、国のCEV補助金額は「130万円」という情報がネット上で流れています。実は、スーパーワンの価格は正式には未発表なのですが、先行予約する方に販売店が見積もりを提示するからでしょう。情報の源流としては、価格とともに、補助金額が「登録車なので満額で130万円と説明された」ということのようです。

そもそも、ベースとなった「N-ONE e:」でさえ、上級グレードである「L」が約320万円ってことを思えば、さらなる楽しさをてんこ盛りして「約340万円」という価格はお買い得だと感じます。もし、本当に補助金額が「130万円」なら実質価格は「約210万円」で「N-BOXより安いじゃん!」ってことになってしまうのですが……。

スーパーワンは詳細なディメンションも未発表ではありますが、全幅はN-ONE e: から「約100mm拡大」とされていますから、1475mm→1575mmで、5ナンバーの「小型乗用車」です。国のCEV補助金は以下のように上限額が決まっています。

【電気自動車(EV)へのCEV補助金上限額】
●普通自動車:最大130万円
●小型自動車・軽自動車:最大58万円

ということは、スーパーワンへのCEV補助金額は、たとえ満額で承認されたとしても「58万円」が正解ということになります。

補助金額が58万円だとしても、実質価格は「339万円-58万円=281万円」ですから、コストパフォーマンス的にかなり戦闘力の高い1台であることは間違いありません。

まあ、わかりにくいですよねぇ……

なぜ、補助金額が130万円ってな話になったのでしょう。

ホンダ公式サイトのスーパーワン先行情報ページからもリンクが貼られている「イニシャルコスト(補助金)」の情報ページには、下図の表が示されています。

「EV:最大130万円」と「軽EV:最大58万円」の区分しかないので、なるほど、これは誤解しますよね。

CEV補助金を所管する経済産業省の情報を確認すればいいのに、と確認してみると、3月に公表されたPDFにこんな表が明示されていました。

あれれ? 経産省の発表でも、区分は「EV」と「軽EV」になっていて、小型(5ナンバー)の注記はありません。

もしかすると、私が見過ごしていただけで、小型乗用車にも普通乗用車と同じ補助金額が適用されることになったのかな? と、CEV補助金の執行団体である次世代自動車振興センター(NEV)の「CEV補助金 銘柄ごとの補助金交付額」で、今までの小型乗用車の補助金額がどうなっているのか確認してみました。

ちょっと細かいですが、フィアットの500eやヒョンデのインスターなど、従来「小型自動車」に区分されていた車種の補助金額は、令和8年(2026年)4月1日以降も、令和9年(2027年)1月1日以降も変わっていません。つまり、スーパーワンには「最大58万円」が適用されるはずです。

まあ、わかりにくいですよねぇ。経産省やNEVは、補助金額の区分を「3ナンバー車」「5ナンバー車」「軽自動車」にきちんと分けて明示するのが良いのではないかと思います。

あと、高級車(ターゲットは富裕層)が多い3ナンバー車より、大衆的な5ナンバー車こそ、補助金を手篤くすればいいのにな、とも感じています。

500eデビュー時にも間違いが……

実は、こうした補助金額の勘違いは過去にもありました。フィアット500eが日本で発売された2022年、当時の3ナンバー車対象である「65万円」と発表されていた補助金額に疑問を感じてNEVに確認したところ、正しくは、5ナンバーで給電機能非搭載の500eへのCEV補助金上限額は「45万円」であることが判明して、訂正されたことがありました。

【関連記事】
FIAT 500e ~急速充電アダプター&CEV補助金の気になる新情報【誤報訂正記事】(2022年7月13日)

スーパーワンがさらに車幅を10cm以上広げて3ナンバーになることはないだろうし、5ナンバー車の上限額が58万円という事実に間違いはないので、NEVなどに正式な確認はしていない(確認しても未定の事柄なので回答は得られないでしょうし)ですが。

ホンダの販売店で「補助金は最大130万円」という説明が続いてしまうのは由々しき事態(ここ数日で「58万と説明された」といった情報も散見されるようになってます)。一刻も早く周知を広げた方が良いと思います。

文/寄本 好則

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この記事を書いた人

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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