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テスラモデルSの安全性(Euro NCAP/NHTSA)

テスラモデルSの安全性(Euro NCAP/NHTSA)

電気自動車とかって安全なのか?と懐疑的に思われる方もいるかも知れません。昨日(ヨーロッパの時間では一昨日)、ヨーロッパの車両安全性を評価する機関であるEuro NCAPから、電気自動車テスラモデルSが五つ星と評価されました。衝突テスト(クラッシュテスト)の動画もEuro NCAPのサイトおよびYouTubeで公開されていますので、自由に見ることができます。EURONCAPに相当する米国の機関はNHTSAというのですが、NHTSAのsafercar.gov(より安全な車)というサイトでも、テスラモデルSは五つ星を獲得しています。NHTSAもまた、動画を公開しています。

Tesla Model S Euro NCAP Crash TestテスラのEuro NCAPに関するプレスリリース(英語)には、興味深いことが記載されていましたので、少しだけご紹介します。
「モデルSはEuro NCAPと米国のNHTSAの両方から五つ星を獲得していますが、このような車は数モデルしかありません。またモデルSはEuro NCAP、およびNHTSAの全サブカテゴリ(正面衝突、側面衝突と裏返りテスト)を2014年に獲得した唯一の車両でもあります。同様のステータスを持つ車両は、2011年以降ほかに2車種しか存在していません。
欧州と米国の両方で五つ星の評価を得るモデルがなぜそこまで少ないかの理由は、それぞれの評価機関が異なる安全性の側面から評価を行っているからです。(米国の)NHTSAは車両の構造とシートベルトの安全性に重きを置いており、車両が衝突の瞬間、衝突のエネルギーに耐えて吸収し、乗員を守ることがしっかりできるかを深く調査します。また主に大人の乗員を評価しています。一方、Euro NCAPは様々なシナリオ、子供の乗員や(対人の事故の場合の)歩行者の保護も想定しています。NHTSAでは評価の対象にならない予防安全システム(アクティブセーフティ、自動ブレーキやレーン維持警告など)も、五つ星の評価で重要な部分を占めています。」

Euro NCAP テスラモデルSテスト結果(英語サイト)
EURONCAP 衝突テスト動画

NHTSA テスラモデルSテスト結果(英語サイト)
NHTSA 正面衝突テスト動画

電気自動車はぶつかると爆発する、、というような間違った印象を持たれやすいのですが、実はまったくそうではないのです。

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この記事を書いた人

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

コメント

コメント一覧 (4件)

    • アウトのランナー様、コメントありがとうございます。
      ご紹介いただいたものは米国で発生した、高速道路で大きな何かが車体下部に刺さった事故による火災(全部で3件発生しています)のものですね。この火災事故ののちに、NHTSAやEuro NCAPは安全性評価を下しています。すなわち、これらの火災は評価に折り込み済みと考えてよいと思います。ご参考までに、テスラはこれに対し、既存の車両下部にチタン製のガードを無料で全車両に付加し、現在製造している車両にはすべて標準で装着させています。このチタン製のシールドが大きな障害物を乗り越える動画もテスラのサイトには掲載されていますので、ご確認ください。

      客観的に見て、上記の火災の炎上は比較的小さいものということができるように思います(動画でご確認ください)。ガソリン車も、下部に何か刺さったり、追突などの事故では炎上しますし、その場合爆発を伴うことも多いです。米国での3件の火災事故では、どのケースも乗員の方は全員無傷でドアを開けて退出できています。ちなみに米国内において、2013年1年間に高速道路での車両火災は164,000件発生しています。

  • […] テスラ モデルS現在、テスラモーターズからは大型セダンのテスラ モデルSと大型SUVのテスラ モデルXの二車種のみがラインアップされています。モデルXは本記事の執筆時にはまだほとんど納車が始まっていません。 テスラ自身は、BEVの専門の会社であり、パナソニックと協業して電気自動車用のバッテリーを開発しています。モデルSは世界で初めての長距離BEVであり、EPA航続距離424kmを一充電で走行できます。またモデルSは世界で最も安全なセダンでもあり、米国NHTSAや欧州Euro NCAPの両方で最高の評価を獲得しています。例えば米国では高速道路の走行が多いため、自動車が横転し、ルーフがつぶれるシナリオでのクラッシュテストが行われるのですが、このテスト用のマシンの4Gという力に耐え、ルーフがつぶれなかったばかりか、このテストマシンが壊れてしまったとの報告がされています。この4Gという力は、モデルSが四台上に積み重なったくらいの力だそうですね。 EPA 424kmをもってしても、200km先の場所への往復には注意が必要ですし、場合によっては経路充電が必要です。そのため、モデルSはメルセデスSクラス・BMW 7シリーズ・アウディ7/8シリーズを検討している人で、かつ、長距離のドライブ時は充電計画を立てられる人に向いていると言えます。 […]

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