まずは【予告編】として、電気バスの運行情報などを紹介します。
中国メーカーBYDの電気バス3台が尾瀬のシャトルバスに
会津バスが導入したのは、中国BYD社製の中型ノンステップバス3台。バッテリー容量は217kWhで、一充電の航続距離は180kmということです。
今年1月12日から会津若松市内の路線バスとして運用されていましたが、本来、電気バスを導入した目的は尾瀬国立公園内のシャトルバス(尾瀬バス)として活用し、「走行中のCO2および排出ガスを大幅に低減し、『クリーンで先進的な尾瀬』のイメージ形成に寄与し、観光や地域創生への効果」(プレスリリースより)を期待してのこと。
尾瀬に向かうシャトルバスが運行されるのは、5月中旬から10月下旬の期間。5月18日、ついに本来の使命である尾瀬バスとしての「出発式」が行われたのです。
まずは、尾瀬バスに乗るにはどうすればいいのか。運行情報などをまとめておきます。
【運行区間】 尾瀬御池〜沼山峠間(シャトルバスとして往復)
【運行時間】 御池発 5時30分〜16時50分、沼山峠発 6時00分〜17時10分
※約30〜40分間隔で随時運行
【運賃】 尾瀬御池〜沼山峠間片道 大人590円、小人300円
【問い合わせ先】 会津バス田島営業所 TEL:0241-62-0134
会津バス『2019年度「尾瀬シャトルバス」のお知らせについて』
起点となるのは、尾瀬御池。私はまだ尾瀬に行ったことがないので、グーグルマップで調べてみました。
右下に伸びる白い細道のどんつきが沼山峠。尾瀬を散策したり、群馬県側へ横断するハイクの起点になるスポットです。冒頭で宣言したように、7月には実際にこの尾瀬バスに乗りに行ってみようと思っています。
突撃取材の前に、広報ご担当者に聞いてみました
アポなし取材で失礼になってはいけないので、以前の記事でも連絡した会津バスの広報ご担当者に連絡。ついでに、いくつか気になる点を質問してみました。
●尾瀬バス(電気バス)の反響はいかがですか?
雑誌掲載でもページ数を割いて紹介していただいたり、尾瀬バスの出発セレモニーには中国メディアの取材も多く入りました。
尾瀬バス出発式のニュースは多くの新聞などが伝えています。電気バス導入の話題は『BUSRAMA』(ぽると出版)や『バスグラフィック』(NEKO PUBLISHING)などの雑誌が取材&掲載してくれたそうです。今さらですが、世の中にはいろんな雑誌がありますね。『バスグラフィック』はFacebookページもありました。
尾瀬バスの出発式を取材した中国メディアが、ドローン撮影の動画をTweetしてたので、埋め込んでおきます。
中国の電気自動車最大手BYD(比亜迪)が製造した電気バスが、尾瀬国立公園で運行を開始した。
同社の電気バス「J6」は日本及び2020年の東京五輪に向けて特別に設計された。車体はコンパクトで、日本の狭い道でもスムーズに通行できる。床面が低く、日本の高齢化社会のニーズも満たしている。 pic.twitter.com/slS4uzedTJ— China Xinhua News (@XHJapanese) 2019年5月24日
Tweetでは「J6」に言及していますが、J6はまだ受注を開始したばかりで未導入のはずなので、尾瀬バスは別モデルだと思います。
●シャトルバスは、混みますか?
6月初旬から中旬にかけて水芭蕉のシーズンでよい季節であり週末は大変混雑しておりますが、EVバス3台と当日回送のディーゼルバスを定期バスの間で運行させており、シャトルバスは30分〜40分の間隔で随時運行となっている状況であります。
どうしてもEVバスにご乗車されたい場合は何台か待つようになる場合も出てくることが想定されます。
私が現地取材を計画しているのは7月中旬なので、ニッコウキスゲとかのシーズンになるのでしょう。週末の予定なので、やはり混むことは覚悟しておいたほうがよさそうです。
尾瀬バスが「全部電気バス」になったわけじゃないことも判明。きっと現地で両方を目にすると、ディーゼルのうるささ臭さが際立っていることでしょう。私はもちろん、何台か待つことになっても電気バス限定で乗りに行きます。
●スイカなどの交通系カードは使えますか?
現在は使えません。
はい、わかりました。現金で乗車券購入します。
●乗り心地について、お客様の意見などはいかがですか?
EVバスはとても静かに・スムーズに走行しますのでお客様からは大変好評を得ております。
当然と言えば当然ですね。
●電気バスの運転について、今までのディーゼル車との比較など、ドライバーさんの印象はいかがですか?
ギア変速が無くスムーズな走行が可能でありますが、下り坂においては排気ブレーキが無い分十分な注意が必要であるとの意見があります。
御池〜沼山峠間においては乗車人員に関係なく定速で走行できる為、乗りやすいとの意見を頂いております。
私は大型免許もなく、バスの排気ブレーキパワーを実感したことはないですが。強力なエンブレ、みたいな感じなのでしょう。BYDの電気バスにも回生ブレーキは装備されていると思うのですが、排気ブレーキに比べて効きが弱いんでしょうね。
日産のe-Pedalがアクセルオフで停止までできたり、アウトランダーPHEVがパドルで回生の強さをシフトできるように、コントローラーのセッティングで回生ブレーキの強さは調節できるはず。BYDでは勾配が急な山岳道路での利用をあまり想定していなかったかも知れないですし、大きなお世話ですが一度相談してみるといいのではないか、と思います。
●このシャトルバスを利用して、尾瀬の自然の楽しみ方について、アドバイスや参考になるウェブサイトなどがあれば教えてください。
▼尾瀬マウンテンガイド
▼尾瀬保護財団
▼会津・奥利根のネイチャーツアーガイド
ちなみに、今回の私の取材計画は尾瀬御池〜沼山峠間の往復で電気バスに乗るつもりですが、福島県側から尾瀬に入って歩いて横断、群馬県側に抜けるためのバス乗車券セット『尾瀬横断バス乗車券』や、尾瀬御池〜沼山峠間を往復した後で近くの檜枝岐温泉で入浴を楽しめる『檜枝岐温泉入浴チケット付バス乗車券』も用意されているようです。
尾瀬の大自然とBYDの電気バス初体験が楽しみです。7月、乗車体験取材に行ったら、この記事に追記します。
読者のみなさんも、尾瀬バスに乗るときはぜひ電気限定でお楽しみください w。
(寄本好則)
こんばんは。
尾瀬に行く機会が無いので乗車後のレポート楽しみにしております。
BYD製とのことですが、国産メーカーでは採算が合わないということなのでしょうか?
(一応国産メーカーのプラグインハイブリッドバスや燃料電池バスはあるようですが・・)
また、充電施設がどうなっているのかも気になるところです。
蛇足ですが、さいたま市の浦和美園エリアで電車の回生電力?を電気バスに供給(パンタグラフ系由)する計画もあるそうです。
全国的にこういった取り組みが進むといいですね。