電車+バス片道30kmの通勤を、電気自動車で片道33〜40kmに切り替えてみた

大都市圏での自家用車通勤は大気汚染や渋滞のリスクを高めるとして、一般的には否定的に見られています。では、空気は汚さないBEVだったらどうでしょうか。今回の実体験レポートは都心部ではなく郊外で行っています。「時間を取るか、自由を取るか」の2択という実感ですが、かかるお金には雲泥の差が出ました。

電車+バス片道30kmの通勤を、電気自動車で片道33〜40kmに切り替えてみた

著者は埼玉県南西部に住み、東京都西部の「多摩地区」にある複数の職場との間を移動しています。EVsmartの拠点(アユダンテ株式会社)がある都心の千代田区へは、ごくたまに行く程度。普段はオンラインで打ち合わせをしているので。で、自宅から週に5日通っている職場への通勤は、以下のような具合です。

今日は陽の沈まぬうちに帰れたので、気になっていたアットホームなカフェを探索。16:00以降はカフェスペースはオーナー家族のリビングに変わる。

電車とバスと徒歩で通勤の場合

行程

  • 自宅 → 最寄り駅:徒歩
  • 最寄り駅 → 乗り換え駅:電車
  • 乗り換え駅 → 職場最寄り駅:電車
  • 職場最寄り駅 → 職場最寄りバス停:バス

所要時間
片道で1時間30分前後です。

距離
鉄道の営業キロなどから算出すると、距離はおよそ30kmです。

満足な点
何より時間がわりと正確です。また、座れれば休めますし、眠れます。立っていても、本が読めたりするのはありがたいです。土砂降りだろうが雪だろうが、比較的時間通りに移動できます。

不満な点
朝は最寄り駅まで7分ほど歩きますが、身体が温まってしまうので、電車の中では真冬以外は「暑い」と感じることが多いです。電車内は混雑しているので、正直言って不快です。男性としては、痴漢冤罪に巻き込まれないよう注意を払うことも忘れてはいけません。(女性の近くはもちろん、なるべく他人から距離を取って立ちます。女性の場合は、痴漢被害というリスクもありますね、まったく厭なものです。)乗り換え駅のホームは夕方は結構混雑するので、立って並んで待っているのはもの凄く不快です。

自家用車(バッテリー式電気自動車:BEV)で通勤の場合

行程

  • 自宅 → 職場:BEV

これだけです。

交通の隘路をいかにうまく通過するかが、コース設定の鍵。多摩川は東京郊外だと橋も限られ、どうしても混雑しがち。特に、立川と日野を結ぶ「日野橋」が2019年秋の台風で壊されていて通行止めなので、このところ周辺の混雑がひどい。

所要時間
片道「朝」で1時間30分(早朝)から1時間50分(途中で朝マックなどしたとき、遅く出て渋滞がひどいとき)、夕方は混むので長いと2時間10分〜2時間40分(帰路に生協などで食材買いだしをしたとき)と、ルートと寄り道の有無にもよりますが、時間は結構変化します。

距離
これまでの最短で32km台、最もよく使うルートで35kmほど。仕事が早く終わったときなど、たまに気晴らしに景色の良い道を通ると40km前後といったところです。

満足な点
何より「自由」ですね。勤務時間が早く終わる日があれば、郊外の「古民家カフェ」にふらっと立ち寄ることもできますし、眺めの良い奥多摩に行ったり、空気の良い木陰の駐車場で鳥の声を聴きながら昼寝することもできます。

車内は基本的に自分だけの空間なので、ラジオを聴いたり、人気の「サブスク」Spotifyなどで好きな音楽(bebop系のjazzとMusica Popular Brasileiraが多し)を聴くもよし、仕事がらみの英語を聞いたりもできます。

東京郊外の楽しみの一つは、富士山の眺望だろう。丹沢や秩父の山系が迫り、東京とは思えないような景色にも出会える。

荷物も多く積めます。ラップトップを毎日持ち歩けるので(EVsmartブログチームとしてはココが結構重要)、充電中に休憩しながら原稿を書いたり直したりもできます。

そして、後述しますが、通勤にかかるお金がもの凄く少なくて済みます。超♪ 経済的です。

不満な点
朝は勤務開始時間までに間に合う必要があるので、時間との勝負です。よって、早めに出て余裕を持って走れるようにしています。電車通勤に比べて家を出る時間が早まるのはせいぜい10〜20分ですが、朝の10分は「値千金」です。朝が早いのはやっぱり疲れますね、特に日の出が遅い冬期は暗くて……。

「時間+気楽」を取るか、「自由+お金」を取るか

「徒歩+電車+電車バス」での通勤の最大のメリットは、時間が比較的正確で、しかも短くて済むということです。また、自分で運転するわけではないので、交通事故を「引き起こす」リスクはほとんどありません。「巻き込まれる」リスクは消えませんが……。そう言った意味で、気楽な部分はありますね。

対して「自家用車での通勤」は、交通事故を「自分から引き起こす」リスクは常にあります。注意して運転していても、人間ですからミスはあります。また、かなり無謀な運転をする自転車は毎日目にしますから、こういった無謀運転者によって事故に巻き込まれる(誘発される)可能性もあります。逆走(自転車の右側通行)は当たり前で、無灯火もまだまだ見かけます。狭い道から左右をよく見もせずに飛び出して来る自転車も、ほぼ毎日見かけます。

偶然見つけた古民家カフェ。クルマ通勤での楽しみの一つは、こうした「気まぐれ旅」が可能なこと。

しかし、自家用車による通勤は自由気ままで捨てがたい魅力があります。本数の少ないバスの時間に気を揉むことも無ければ、雨のために徒歩をバスに切り替えると時刻表を気にしなければならないなど、気にすることが減るのも嬉しいものです。

1日にかけられる経費は76円?

筆者はかつて、BEVのi-MiEVだけでなく、同型のガソリン版 i も持っていました。走行にかかる費用を比較したところ、「深夜電力で充電するBEVは、ガソリン車に比べて1/10〜1/12のお金で済む」ことが分かりました。

筆者の通勤には、「電車+バス」だと、切符で660円、交通系ICカードで651円かかります。往復だと、それぞれ倍の「切符1,320円」、「ICカード1,302円」です。

最も割安になる「6ヶ月定期」だと、鉄道部分が67,980円でバスが43,470円なので、合計111,450円かかります。職場では、バスの部分は出なくて、67,980円だけが半年ごとに振り込まれています。定期券は「往復」の運賃なので、前述の「切符1,320円」、「ICカード1,302円」と比べることになりますね。

6ヶ月定期の電車とバスの111,450円を半年のうちの実勤務日数であらあら割ると、128日程度なので、「1日あたり871円」ほどになります。定期券を買わずに毎日ICカードで電車・バスに乗ると、ICカード払いだとしても「毎日430円の差」が出るようですね。

実際には、職場からは、バス代を除いた67,980円しか支給されていないので、こちらで比べることにしましょう。「支給額67,980円」÷「実勤務日数128日」=「531円 / 日」です。

筆者の通う職場のうち、この週5日で行くところは、郊外にもかかわらず職員用の駐車場が足りていません。今まで経験したことのない珍しい事例です。よって、職員は近くに月極駐車場を自分で借りることになります。筆者は月1万円のものを借りているので、この金額を実際に出勤する平均の22日で割ると、1日当たりは「455円ほど」を余計に支払っている恰好です。

よって、職場から支給される「交通費531円 / 日」−「駐車場代455円 / 日」=「76円 / 日」、つまり1日当たり「76円以下の電気代」で走れれば、支給されている「電車のみ半年定期」の金額で「赤字」を出さずにやっていけることになります。

1日あたりの使用電力量

2019年9月から12月までの4ヶ月の間に計測した「使用電力量」の平均は、「6.79kWh / 日」でした。これを電力会社の「従量電灯B」の料金で単純に計算すると、

・第1段階料金(最初の120kWh迄の料金) :19円88銭
・第2段階料金(120kWhをこえ300kWh迄の料金): 26円48銭
・第3段階料金(上記を超過した料金): 30円57銭

なので、最も高い「第3段階料金」で支払ったとしても、切り上げた数値の「208円 / 日」までは行かないでしょう。

おっと、1日あたり使える経費は「76円」だったので、これでは「132円」の赤字ですね。でも大丈夫。筆者の通勤経路には、最短コースに近いところでも3ヶ所、数キロ距離が増えるのを厭わなければ合計5ヶ所もの「無料充電器(無料QC)」があります。その日の用事と気分で、どこかを通る経路を設定するだけです。

帰路にある5ヶ所の無料QCのうち、「15分交代」で回転が早く待ち時間の短い施設。200V充電器も複数あり、買い物の状況によって使い分けられる。よくお世話になってる所なので、元旦にはネットで予約してStar Warsを見に来てしまった。

このうち筆者が最も頻繁にお世話になるのが、「最大15分制限」で「回転」の早い大手ショッピングモールの50kW急速充電器です。ここだと、これまでの経験でせいぜい1台待ちなので、最大15分待てば充電できます。充電量は少ないときで5kWhほど、多いときだと7.5kWhほどのこともあります。最大1時間まで無料で使える200V充電器が隣りに複数あるので、急速であらあら入れた後、200Vに繋いで買い物をしてくる手もあります。

帰路の無料QCから自宅までは、いずれもほぼ等距離(16〜18km)です。平均の17kmで計算すると、走行に使う電力量の平均は「11.2km / kWh」だったので、毎日無料QCから自宅までは「1.52kWn」ほどの電力を使っていることになります。これを先ほどの最も高い「第3段階料金(30円57銭 / kWh → およそ31円 / kWh)」で計算しても「47.2円」です。

帰路にある無料QCの一つでは、CHAdeMOで充電するコミュニティー・バスとよく出会う。運転手さんによると、1日6〜7回、休憩時間に最大30分充電することで、毎日運行してる。「振動もなく、快適ですよ。力も強くて運転し易いし」とのこと。

職場から支給される交通費を基に計算した「1日に使える経費」は76円でしたが、実際に自宅で最後の満充電までに使う電気代は43円ほどなので、差し引き「33円 / 日」の余裕が生まれていました。

好みの問題

ここまで来ると、「時間に正確だけど、疲れて不快で料金も安くなくて、バスの時間を気にしなければならない電車+バス通勤」と、「時間はかかるし事故のリスクもあるけど、自由で快適、荷物も積めて、お金もかからない自家用車通勤」のどちらを選ぶかは、もはや好みの問題のレベルかも知れません。

夏の終わりに見つけたカフェは、目の前が渓谷で、残暑のなか水遊びを楽しむ家族連れが、ゆく夏を惜しんでいた。

自動車通勤へ変更 〜 交通費アップで魅力もアップ

さて、2020年1月からは、通勤形態を「自家用車通勤」に切り替えて書類申請をしたので、今後は「距離当たりのガソリン代」が支給されることになりました。今の職場の規定では、いくつかのゾーンで金額が変わりますが、距離の測定が微妙なところではありますが、最低でも月に17,800円(半年で106,800円)は出してくれそうです。となると、1日当たりの額は、実際に出勤する日数から算出すると「834円 / 日」前後になりそうです。

仕事が早く終わった日には、気になっていた場所に立ち寄る自由もある。クルマの楽しみの一つは、子供の頃の自分の「版図を広げる」楽しみが追体験できること。

これだと、駐車場代の「455円 / 日」を差し引いても、使える経費は「379円 / 日」に増え、だいぶやり繰りが楽になります。また、無料QCで継ぎ足させていただくとすると、自宅帰着時点での充電分を支払うだけなので、「379円 ー 48円 = 331円」、つまり毎日331円の余裕が生まれることになります。

え? 自分で運転してるから、「運転代が331円」って考えることもできるですって? 随分安い人件費ですが、まぁ、クルマを運転するのが好きな人には、それでも充分魅力的な選択肢だと思いますよ。

クルマ通勤の楽しみの一つ:思いがけない景色に出会えること。カメラは常に携帯したいし、クルマならそれは簡単。

じつは、職場での自家用車通勤手当は、片道で
25km以上、35km未満:17,800円 / 月
ですが、その上に
35km以上     :24,800円 / 月
というのがあります。筆者の片道は32〜40kmほど、平均的には35km前後なので、25kmと同じに落とされては正直言って不満です。(32kmは、日野橋が落ちているので、今は実現不可能です。)

もし35km以上が認定されると、交通費は「1,127円 / 日」となり、「1日あたり1,127円」ー「無料QC後の電気代1日あたり48円」=「1日あたりの経費1,079円」にまで跳ね上がります。これならカフェに寄る分を毎日得られる計算です。お得ですよね。

冬の多摩地区はよく晴れる。東京の西端を縁取る山々が季節の変化を教えてくれるのも、クルマ通勤の特権。川沿いの道はアップダウンが少なく、BEVに好適。

もう一つの大きな恩恵

これは個人の感想ですが、クルマ通勤にしてから、この冬は一度も風邪を引いていません。仕事がら、声(喉)を使うことが日常なので、毎年冬になると1〜2回は声帯周りを傷めます。都心で働いていたときなど、毎年暮れから2月までの間に、「話している途中に痰が降りてきて喋れなくなる」、ひどいときには「声が全く出なくなる」ような炎症を経験していました。気管支炎と診断され、耳鼻科に吸入に通うこともよくありました。

この部分は自分でも驚いています。普段の走行では「内気循環」が基本なうえ、BEVの車内には、SHARP製の小型の空気清浄機が備え付けてあります。常に稼働しているわけではありませんが。

何はともあれ、毎日のQC使用にも耐えてくれる、サイクル寿命の長い「東芝SCiB」に感謝して、明朝も出かけるとしましょうか。

(文/箱守知己)

この記事のコメント(新着順)21件

  1. Yasukawaさんごめんなさい。クルマを悪とみなすなんてつもりは全くありませんでした。私も地方で自家用車(主にEVですが)をがんがん使っている身なのでそんなことを言える立場ではありません。
    CASEを待つまでもなく地方ではクルマの公共交通化が進行していてバスや鉄道はどんどん減っています。私から見れば東京近郊でクルマ以外の交通機関が整備されている方々はとても恵まれているように見えます。Tomさんの記事はそのような選択肢を持った方の意見と思われましたので地方の立場で書かせていただきました。
    地方公共交通機関の赤字のお話しはごもっともで何も申し上げることはありません。ただ代替手段が不充分なまま公共交通が減らされていくと地方の者は生活できなくなります。どうぞお手柔らかにお願いします。

    1. hatusetudenn様、いえいえ、こちらも変な書き方になってしまいましたね。申し訳ありませんでした。
      地方というかユーザーの密度の低い地域の交通手段については、やはりクルマということになり、高齢化や所有のコストなども考えると、EVロボタクシーはやはり大きな選択肢になると思います。そのために道路は増やしたりする投資は、必要悪として存在するしかないように思います。

    2. Yasukawa様
      クルマの公共交通化と利便性の向上ということですね。私のこれまでのコメントと全く同じご意見です。ありがとうございます。
      地方に住む身としては道路などは結構足りていて(場所にもよりますが)今後カーシェアなどが進めば投資を縮小できるのではと思っています。同じことが都市部でも可能かもしれません。
      そうすれば少子化対策などもっと根本的なことに投資を回せるのではと期待しています。

  2. EVに乗る理由が「環境や社会のことを考えて」という人も多いと思いますのでコストは本質的な問題ではないかもしれません。実際、会社が補助金をいくら出してくれるかでコストは全く違ってきてしまいます。
    個人的な実感では通勤にクルマを使ってしまうともう一台必要になります。クルマがあると自宅、会社とも駐車スペース(賃貸も含めて)が余計に必要になります。クルマを通勤に利用する人が増えれば不足気味の道路インフラの整備や維持に大変なコストがかかります。すでに莫大な投資が行われているのに関わらずです。これ以上道路を作ると緑地や野生生物の生息地が失われるかもしれません。
    通勤に公共交通機関が利用できるなら利用した方が良い気がします。欧米ではそういった考えで電車通勤の快適性を上げたり自動車通勤の規制をしているのだと聞いたことがあります。在宅勤務の拡大も必要かもしれません。クルマの持つ自由さや運転の楽しさを享受するのは、出来たら休日に渋滞の無いところでと思います。
    今後EV+自動運転+カーシェアリングが普及すればクルマの持つ負の側面はかなり緩和されるはずですので、それまで少し我慢するのもありだと思います。そうなるとクルマも公共交通の一種になってしまいますが・・

    1. hatusetudenn様、コメントありがとうございます。
      そうですね、公共交通機関は、一見効率が良いように見えます。

      しかし考えてみてください。東京などの密集地では満員で走行している公共交通機関も、少し人口が少ない地域に行くとほとんどが補助金という名の、税金がないと経営維持できないレベルで運営されています。
      路線バスはこんな感じです。
      http://wwwtb.mlit.go.jp/shikoku/content/000034790.pdf
      電車はこういう感じ。
      https://toyokeizai.net/articles/amp/125719?page=4
      営業係数が100を切っているところだけが黒字。それ以外は赤字で、別の路線の乗客がそこの運賃を払っていることになります。

      このように輸送を全体として考えた場合、車の形を取らない公共交通機関は現時点では限界があり、ユニバーサルな解決策とは言えません。地方ではこれにタクシーが公共交通機関に加わりますが、そういう意味で、今後自動運転ロボタクシーが導入されれば、多くのバス路線は廃業することが可能になるでしょう。

      そういう観点から、特に自家用車を悪とみなす考え方はあまり正しくないのかもしれません。

  3. EV自体はガソリン車並みの歴史が古いから初期というほどでもないが、ニッケル水素やリチウムイオン電池の初期までのEVはバッテリー劣化がネガティブな印象をユーザーに与えてしまったのは事実。
    スマホならまだ買い替えればいいけども、何百万もするEVを数年で買い替えろ(少なくともバッテリーを交換しろ)というのは財布にも環境にもよろしくないだろうと直感的に思うはしかたない

    ただ、日本メーカーの中の人がいまだにそのレベルの印象でものを言ってるのを見ると
    日本語コミュニティの中での情報の遅さのせい…いやそれなりにキャリアのあるエンジニアさんなので現実を見たくないのか、会社に合わせるしかないのか

    バッテリーの温度調整装置を搭載したEVが出てきたあたりで
    日本メーカーもやっとわかってきて、わかったうえでそれでもエンジンや燃料電池が対抗できる環境性能もコストなどの実用性も実現できるという自信があるのだと思ってましたが。
    (理論上、あるいは近い未来の技術べーしではエンジンも自動車用燃料電池も熱効率ははまだ上げられるし、燃料電池もコストダウンの余地は大きい)
    あるいはとりあえずEVが先行している市場にだけ投入して
    日本市場だけは情報鎖国で守り抜くつもりでしょうか?
    中国や欧州、カリフォルニアなどEV界で名前が出てくる国や地域どころか
    それ以外の地域でもEV投入のニュースは増えてますが日本だけは無視に近い
    海外メーカーなら仕方ないにしろ、日本メーカーがそうしないのは何か意図があるのではないだろうか

    肝心の急速充電が50キロワット程度までというのはね
    日本の電気関係の法律は厳しいですけど、ガソリンスタンドだって取り扱い免許がいることを考えれば、電検3種が扱える程度の規格を充電ステーションで
    自宅は割り切って従来型の低速充電でだきょうするにしても

    1. 日本の電気自動車普及は充電池劣化のイメージで遅れていますが、唯一劣化の心配がない三菱ミーブシリーズ10.5kWh(SCiB)だけは安心して乗れます。
      もっとも日産も劣化対策で電池容量を増やして対応していますが(リーフe+の62kWhを見れば一目瞭然)いかんせん高すぎて手が出にくいでしょうね。
      電池のエンジニアもそれを売りにもっと売り込めばいいのに…真実をネットでつたちぇれば仮に会社をクビになってもベンチャーが引き取ってくれますよ。日本国最大の敵は身内の忖度!!(爆)

      電力50kWとか電験3種とか言われれば吾輩の出番ww日本の電気主任技術者制度も実は電圧6600Vなら電気保安協会などへ外部委託できますのでさほど問題ではないでしょう。実際テスラスーパーチャージャーも高圧受電で外部委託のシールが貼ってあったので分かった次第。
      しかし肝心の電気主任技術者が人手不足気味なので将来技術者不足で大混乱が起きかねません!!(爆)原因は教育現場やマスゴミが子供へ科学技術にきょら海を抱かせていない現実問題ですが!!(爆)
      ※電気が来なくなったら日本も電気自動車もおしめえよっ!真摯に深刻に考えてください。

    2. ヒラタツ様、コメントありがとうございます。社会の動きは遅いですが、私たちのような「体験者」が諦めずに情報を発信していくことは、重要だと感じています。

      電気は様々な用途に使えて良いですよね。昔は揚水ダムに「水+位置エネルギー」として貯めるくらいしが芸当がありませんでしたが、現代ではテスラの産業用電池や東芝SCiBのような優秀な二次電池も実現しており、電気のディメリットはほぼ解消に向かいつつあると思います。

      日本は「再生可能エネルギー源大国」なので、太陽光、風力だけでなく、地熱、波力、バイオマス等をどんどん進めて、安くもない海外の石油に大枚はたいて「燃やすだけ」というのは止めたいものです。石油は化学原料とプラスチックだけに使うようにして。

    3. ando様、コメントありがとうございます。

      100年近く基本が変わらなかった鉛蓄電池は、功も大でしたが、劣化や硫酸の危険性など、ユーザーに負の印象を与えたのは事実でしょう。初期のリチウム蓄電池のメモリー効果や内部短絡によるトラブルも同様です。そうしたことから思考が逃れられてない人は、少なからず居ますね。

      日本人の情報入手の遅さも気になります。大手メディアの鈍重さにもウンザリします。だからこそEVsmartでは、海外の価値あるニュースを意識的にお伝えするようにしています。今後もご意見をよろしくお願いいたします。

  4. 私はリーフに乗っています。5年後には充電定額制が終わってしまい、バッテリーは劣化し、長距離は乗れなくなります。バッテリーの劣化がないSCIBが羨ましいです。
    ところでEVの経費に電気代だけ考慮されていますが、通勤で年間2万キロ増加するのであれば、タイヤの消耗、任意保険の使用目的で通勤を加えなければならない、車検、点検で過酷な使用扱いになる、等々維持費が増加します。
    自動車通勤では帰りにアルコールが飲めません。逆に飲みたくなければ断る口実になりますが。

    1. しん様、コメントありがとうございます。リーフですか、素敵なBEVですよね。無理しないで暖房も使えて、家族も乗せられるBEVとしては、リーフは魅力的ですよね。SCiBは確かに有り難いですが、私のモデルでは充電中に空調は使えず、まだまだ「修行」車です(笑)。

      ご指摘いただいた「タイヤ代」や「任意保険の変更」、「長距離走行による車検代の変化」は、確かにあるでしょうが、なかなか「線引き」が難しいですよね。なにせ、このi-MiEV Mは2013年に既に購入していて、2019年末で9万キロ走破済みですから、通勤のために買ったわけではありません。タイヤに関しては、某大手リテール店にて税込み39,000円ほど(クーポン使用)で4輪とも4年ごとに替えられていて、スタッドレスは同じ4年で52,000円ほどで更新しています。これとて、通勤以外でも使っているので、「何kmまでが通勤使用」と切り分けることはほぼ不可能です。この辺りは次回の課題にしてみますね。

      「アルコールのお誘いを断る口実」は面白いですね。私も「有効活用」していますが、若手の育成を担当している関係で、むしろ若手を飲みに誘う側のため、そのときは仕方無く電車で通勤しています。帰路に気になったビストロにフラっと寄って、ワイン片手に美味しい料理を堪能する権利は、目下「おあずけ」中です。

  5.  いつもお世話になってます。
    参考になり、楽しみにしています。
     貴社からご自宅が、平均で、35キロ
    あるそうですが、34キロ以下で扱うのは?
    電気で動くからといっても、2021年からの同一賃金に触れてしまいませんか?

    1. 西村紀郎様、コメントありがとうございます。

      まず、確認ですが……
      「貴社からご自宅が、平均で、35キロあるそうですが、34キロ以下で扱うのは?電気で動くからといっても、2021年からの同一賃金に触れてしまいませんか?」
      1.「貴社」は、私の職場(法人)の一つであり、EVsmartのアユダンテ社ではありません。
      2.通勤帰路数は、私の勤める法人の規定では、本人の申請した細かい「通勤ルート」の距離を、ネット上の地図やナビのデータを参考に判定するそうです。

      「2021年からの同一賃金に触れてしまいませんか?」の部分は、ご質問の意味がいまひとつ分かりません。「本当は35キロあるのに、法人が勝手に34キロに判定するのはおかしい」と言う意味でしょうか。通勤経路は「最短距離」で算定する会社が少なくないようですが、電車・バスと異なり、実際に通っているルートを尊重してくれるところもあります。私の前の職場(やはり法人)も、そうでした。

  6. 通勤片道1時間越えはきつい…
    社会的コスト考えると通勤時間は片道30分以内におさめることみたいに法律で義務化までいかずとも推奨はすべきですね。

    1. N様、コメントありがとうございます。確かに、東京などの大都市圏の通勤時間の長さは異常ですよね。「通勤片道30分以内」は、人間的暮らしを保障する観点だけでなく、人にしっかり働いてもらう視点でも、大切だと感じます。尤も、そのことで就職差別などが起きやすいのが、人権意識の遅れた日本ですから、監視が必要です。

      私はシアトル時代は歩いて10分、シンガポールでは滞在先から歩いてやはり10分で仕事場に着けました。日本で暮らす元同僚のイギリス人は電車通勤に片道2時間弱かけていますが、やはりイギリスでは考えられないと言っています。業態によってはサテライトオフィス勤務や在宅勤務も可能ですよね。

      私のイタリア人の友人は、産業翻訳という仕事柄、クライアント企業への移動が多いようですが、彼女は「片道40kmくらいの運転は、クルマが好きな人にはちょうど良いかもね」と楽観的です。道すがらの建物や景色が、イタリアではとても綺麗(美的)なので、それはそれで愉しいのかも。日本でも、多摩地区はけっこう自然が美しくて良いですけどね。

    2. 海外だと通勤も就業時間に含めようみたいな動きが出始めてますからね。
      して電車ならまだしも車通勤だと一部の人以外には何もできない苦行でしかないですし。
      やはり大店舗法で郊外が広がったのがまずかったですね…
      国が率先して用地を町中に確保すれば良かったんですが…

    3. N様、コメントありがとうございます。海外先進国は羨ましいですよね。「週休3日」を射程に入れている社会もあり、羨ましきこと限りなしです。

      「町のあり方」に関しては、私もN様と同意見です。クルマは町外れの公共駐車場に安い料金または無料で駐めてもらい、商店街には電気バスで送迎、商店街はお年寄りにも子連れにも安心の「歩行者天国」、買い物案内のコンシェルジェを設ける、というのが私の理想であり、郊外の大規模店舗に対抗する、伝統ある町の商店街の対抗策です。

      私の知る、関東のある町の実例ですが、「歴史あるあの町に行ってみたい」という方々は少なくないなか、そういった古くからある町は案外内向きで「一見さんお断り」だったりします。商機を逃していて勿体ないです。こういった町は、上記のシステムを備えて、コンシェルジェを置けば良いと思います。いかがでしょうか。同級生が市長になったので、近いうち提言しようと考えています。

  7. SCiBミニキャブミーブトラックで軽貨物運送業を営んでいます。月3500kmくらい走って現在185000kmくらいになっています。性能は落ちていません。通勤は28kmくらい。出社先から3便くらいやって帰宅します。無料充電スポットを多用するので、月6から8千円の充電料金を三菱に払っています。マンション生活者なので普通充電はできません。SCiB普通車がでればいいと思っています。

    1. 金森敏介様、コメントならびに貴重な体験談をありがとうございます。18万5千キロのSCiBですか、凄いですね。私のSCiBは昨年末に9万キロを超えたところですので、まだまだ金森様の半分ですね。

      搭載電池量は小さめでも、吸い込みが速くサイクル寿命が長い電池にすれば、QCが充実してさえくれれば案外快適に走れるBEVになるということを考えた人が居るようです。三菱自動車はそうだったのでしょう。CHAdeMO協議会を引き継いでe-Mobility Poewrを牽引する姉川尚史さんも、10年ほど前からこの考えを1つのあり方として提唱されていました。
      https://blog.evsmart.net/quick-charger/e-mobility-power-interview/

      SCiBの普通車、ホンダがSCiBを積んだフィットのBEVを少しばかり出していましたが、リースだけで一般には全く販売しなかったのは惜しかったです。それなりに良かったのですが。

      マンションにお住まいとのこと、社会が「集合住宅にもEV用充電器を備えるのは当たり前」、「充電器の有無がマンション購入の一つの条件」になることが大切ですよね。その「後押し」に少しでも足しになるように、当ブログでは今後も事例を取材して紹介してゆきますね。

  8. ご通勤の「置き換え論」非常に参考になりました。EVユーザーですが地方在住で通勤も自転車圏内の私にとって、こういった数値で見える実証は本当に説得力があるなぁ、と感心いたしました。
    気持にも余裕が生まれるのは、ユーザーならではでわかりますよね!シェアリングエコノミーのカテゴリーにEVが増えると通勤にもさまざまなバリエーションがふえて今後の多様化にも柔軟に対応できるのではないかと思っています。

    1. DB4様、コメントとお褒めの言葉、ありがとうございます。「感心」とは、この上もないお褒めの言葉です。

      この記事は、実際に自分が行っていることを、折角なので数値的に検証してみようと思ったのがきっかけです。記事のために何かをしてみたのではないので、それが説得力があるのかも知れません。コストを厳密に比較するには、「BEVの購入代金」や「自動車保険料」、果ては「車検料」まで入れろ、と言うような意見もありますが、そもそも自家用車は通勤だけで使うものでもないですし、どこまでが比較対象かは難しいと思います。よって、今回は日常使っている交通費・運航費だけに絞ってまとめてみました。

      DB4様がおっしゃる通り、BEVのシェアリングがもっと柔軟になると面白そうですね。理想的には、電車を降りた「ラスト・ワンマイル」の部分に、1〜2人乗りの自動運転BEVや、数人で同方向に同乗できる自動運転BEVミニバスがあると快適でしょうね。(とは言っても、個人的には「痛勤」電車に戻る気は、もうサラサラありませんが…。)

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					箱守 知己

箱守 知己

1961年生まれ。青山学院大学、東京学芸大学大学院教育学研究科、アメリカ・ワシントン大学(文科省派遣)。職歴は、団体職員(日本放送協会、独立行政法人国立大学)、地方公務員(東京都)、国家公務員(文部教官)、大学非常勤講師、私学常勤・非常勤講師、一般社団法人「電動車輌推進サポート協会(EVSA:Electric Vehicle Support Association)」理事。EVOC(EVオーナーズクラブ)副代表。一般社団法人「CHAdeMO協議会」広報ディレクター。 電気自動車以外の分野では、高等学校検定教科書執筆、大修館書店「英語教育ハンドブック(高校編)」、旺文社「傾向と対策〜国立大学リスニング」・「国立大学二次試験&私立大学リスニング」ほか。

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