オスロのディーラーでセレモニー開催
日産リーフが発売されたのは2010年12月のことでした。それからおよそ10年、ノルウェーのオスロで記念すべき50万台目のリーフが納車されるセレモニーの様子を、タイ生まれで現在はノルウェー在住のプログラマーであるBjorn Nylandさんが自らのYouTubeチャンネルでレポートしています。
現在ではモデル3の登場で躍進したテスラが世界の電気自動車セールスをリードしています。とはいえ、世界中で自動車の電動化シフトが本格化しているのは、先駆けとして登場した日産リーフの功績が大きいことはいうまでもありません。
まずは日産、そして日産リーフに、祝福を贈りたいと思います。
Nissan Leaf #500,000 delivered in Norway today(YouTube)
※記事中の画像は動画から引用。
と、Bjornさんの動画を見ると、50万台納車記念セレモニーを伝えてはいるのですが、途中、同じ店内に展示されていたe-NV200を改造したピックアップトラックに興味しんしんであることに、妙に共感してしまいました。
荷台部分は無塗装のブリキ(?)板を貼り合わせたような造作で手作り感満点。おそらくは少々安っぽいなと笑いながら「ちゃんと(荷台が)傾けられるんだよ」的に大喜び、式典後にも再チェックしています。テスラモデルXを中心として、さまざまな電気自動車情報を発信するBjornさん。こういうピックアップトラックのEVもあると楽しいよね、といった電気自動車のバリエーションを求める気持ちが「改造e-NV200」への興味をかき立てたのだと推察します。
ちなみに、ご存じのように、日本ではすでにe-NV200は新車販売を終了しています。とはいえ、関係者に聞くところでは、新車では割高感があってあまり売れなかったものの、今、中古車市場では相場が100〜200万円程度で、160〜180万円程度がボリュームゾーン。かなり人気になっているそうです。
日産がさらにEVで躍進するために
テスラはすでに年間50万台目標と表明しているので、ある意味では「頑張れ日産」ではあるのですが、100%電気の量産車として道なき道を10年間で50万台、素晴らしい実績だと思います。
世界の先駆けとなった日産リーフですが、10年経ってテスラなどのライバルが躍進する中、日産やリーフにとっていくつかの課題もみえてきていました。
●電池温度管理システムがないことによる電池寿命の課題。
●さらに、急速充電の利便性がスポイルされる課題。
●車種バリエーションが少なくユーザーの選択肢が乏しい課題。
●割高な車両価格という課題。
テスラに加え、欧州メーカーがさまざまなEVをリリース、日本でもホンダeが登場するなど、リーフを取り巻くライバルはますます強力&多彩になっています。でも、10年前から、50万台の販売実績とともに積み上げてきた知見やノウハウは、きっと、これからの日産の電動化戦略にとって大きな強みであるはずです。
もうすぐ、アリアが登場します。そして、さらに!
日産の次なる課題解決や電動化推進へのチャレンジに、期待して応援したいと思います。
(文/寄本 好則)