満足感の高い新型EVといえそうです
2021年11月11日、スバルが完全電気自動車である新型SUV『SOLTERRA(ソルテラ)』を、を日本国内向けのオンラインで世界初公開しました。YouTubeの公式チャンネルには動画がアーカイブされています。プレゼンテーションが始まるのは10分過ぎからなので、開始位置を指定して埋め込んでおきます。
SUBARU SOLTERRA(ソルテラ) World Premiere
SUBARU On-Tube(YouTube)
発表動画は、スバルの中村知美CEOの説明と、ソルテラ開発責任者である小野大輔氏による車両詳細説明の二部構成。
中村CEOは、新型EV=ソルテラの開発にあたり、「100年に一度の大変革期の中で、いかにお客様の笑顔を作り続けられるのか」を考え、自動車メーカーにとって環境課題への対応が重要課題であるという認識を説明。自動車メーカーとしては規模が小さいスバルが、限られた経営資源を選択かつ集中して活かすために、トヨタとの共同開発を選択したことを語りました。
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また、共同開発の現場では「仲良くケンカしよう」を合い言葉に、両社の開発担当者が議論を重ね「それぞれの強みを惜しむこと無く持ち寄り、いいEVが完成した」と、ソルテラの完成度への自信を示しました。
今回、ソルテラの写真なども公開されました。トヨタbZ4Xと同様にまだ「プロトタイプ」ではあるものの、発表された概要や諸元は、たしかに「いい電気自動車になっているに違いない」という内容です。発売時期も、bZ4Xと同じく「2022年年央までに日本、米国・カナダ、欧州、中国等に導入を開始する予定」であることが発表されました。
とはいえ、これもbZ4Xと同じく、価格や販売計画台数などは発表されませんでした。どんなに「いいEV」に仕上がっていても、新車価格が「600万円〜!」のような高級車だとすると、庶民である私たちは「笑顔のお客様」にはなれません。なんとか、実質500万円以下で正式に登場してくれることを願います。
当然ですが諸元はbZ4Xとほぼ同じ
先日トヨタから発表された『bZ4X』と、主要諸元を並べてみました。
『SOLTERRA』と『bZ4X』の主要諸元
スバル『SOLTERRA』 | トヨタ『bZ4X』 | |||
FWD車 | AWD車 | FWD車 | 4WD車 | |
車両重量・性能 | ||||
車両重量(kg) | 1,930〜 | 2,020〜 | 1,920~ | 2,005~ |
車両総重量(kg) | 2,205~ | 2,295~ | 2,195~ | 2,275~ |
最小回転半径(m) | 5.7 | ← | 5.7 | ← |
一充電走行距離(WLTCモード) | 530km前後 | 460km前後 | 500km前後 | 460km前後 |
寸法 | ||||
全長×全幅×全高(mm) | 4,690×1,860×1,650 | ← | 4,690×1,850×1,650 ※全高にはアンテナを含む | ← |
ホイールベース(mm) | 2,850 | ← | 2,850 | ← |
乗車定員 | 5人 | ← | 5人 | ← |
タイヤサイズ | 235/60R18 | 235/60R18 235/50R20 | 未発表 | 未発表 |
モーター | ||||
種類 | 交流同期電動機 | ← | 交流同期電動機 | ← |
最大出力(フロントモーター) | 150kW | 80kW | 150kW | 80kW |
最大出力(リアモーター) | --- | 80kW | --- | 80kW |
最大出力(システム) | 150kW | 160kW | 150kW | 160kW |
動力用主電池 | ||||
種類 | リチウムイオン電池 | ← | リチウムイオン電池 | ← |
総電圧 | 355V | ← | 355V | ← |
総電力 | 71.4kWh | ← | 71.4kWh | ← |
充電性能 | ||||
AC充電器最大出力 | 6.6kWh | ← | 6.6kWh | ← |
DC充電最大出力 | 最大150kW | ← | 最大150kW | ← |
走行装置 | ||||
ステアリング | ラック平行式電動パワーステアリングシステム | ラック平行式電動パワーステアリングシステム | ||
フロントサスペンション | ストラット式コイルスプリング | ストラット式コイルスプリング | ||
リアサスペンション | ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング | ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング | ||
ブレーキ | ベンチレーテッドディスク(前後とも) | ベンチレーテッドディスク(前後とも) | ||
駆動方式 | 前輪駆動 | 全輪駆動 | 前輪駆動 | 四輪駆動 |
動力性能 | ||||
0-100km/h 加速性能 | 未発表 | 未発表 | 8.4秒 | 7.7秒 |
当然といえば当然ですが、ボディサイズやバッテリーなどのスペックはほとんど同じです。
発表されたニュースリリースの諸元では、「0-100km/h 加速性能」はトヨタだけ、「タイヤサイズ」はスバルだけが発表していますが、両方ともほぼ同じになるのだろう、と思います。
採用されるEV専用のプラットフォームは、bZ4Xは「e-TNGA」、ソルテラでは「e-Subaru Global Platform」と呼ばれています。これも当然同じものであると考えていいはずです。
諸元表には「ソーラールーフ仕様」の室内高が明記されているので、bZ4Xが装備することを発表した、ソーラーパネルからクルマに充電できるソーラールーフ装着車が同様にラインナップされるようです。
一方で、bZ4Xの発表では、ことに冬場の消費電力節約の工夫として強調された「前席乗員足元の輻射ヒーター(トヨタ初)」は、ソルテラの発表では触れられていません。
スバルの、そして『SOLTERRA』の強みとは?
スバルとトヨタの共同開発は、『86』と『BRZ』に続く第二弾。はたして、ソルテラにはスバルとしてどんな「強み」が注入されているのでしょうか。
ワールドプレミアとともに公開されたソルテラの特設ページを確認すると、ワールドプレミアでも強調された「3つの価値」が紹介されています。
BEVならではの新しい価値
パワートレインを小型化してオーバーハングが短くできるといったBEVならではのデザインと、シームレスな加速など、BEVならではの魅力をアピール。顔つきをはじめ、ちょっとしたデザインの個性は、bZ4Xとの差別化ポイントになりそうです。
SUBARUならではの価値
スバルらしさといえば、やはりAWD性能を期待してしまいます。説明でも「X-MODEとGrip Control採用による悪路走破性」が強調されています。bZ4Xでは悪路走破性についてはさほど強調されていなかったと思うので、諸元の車両重量でソルテラの方が10〜15kg程度重くなっているのは、このあたりの違いかも知れません。
日常的に不安なく使えるBEV
これはまあ、容量や耐久性といったバッテリー性能に関わることであり、トヨタとスバルでの違いはないだろうと推察します。
さらに詳細や真価は、実際に量産モデルのソルテラやbZ4Xを乗り比べてみないと何とも言えないところではあります。ともあれ、来年には「日本製EV」の選択肢が増えると発表されたことを、まずは祝福しておきたいと思います。
いつもながらのぼやきになって恐縮ですが、自動駐車機能とか、たぶん多くの人が使わない(使えない)先進機能てんこ盛りで高くなるくらいなら、シンプルで安価なEVの登場を私は待ち望んでいます。スバルが提示する「3つの価値」に、ひとつ付け加えるとするならば。「手頃に買えて選べるEV」という、新たな価値を、スバルやトヨタに実現してもらえると喜ばしいところです。価格など、さらに詳細な発表を待っています。
(文/寄本 好則)
マンション住まいでもEV購入検討中!!
幅1860㎜は、ウチの立駐に入らない。
日本の駐車場事情を考慮し、クラウンの車幅を1800㎜に抑え続けてきた
トヨタに期待していたのですが、先に発表されたbZ4Xは1850㎜
ソルテラなんとか小さくならないかなぁと思っていましたが、1860㎜。
残念。
今の候補は1800㎜の駐車場に入るDS3クロスバックか、プジョー2008。
マンション住まいで、自宅充電は諦めましたが(近くのイオンで充電しまーす)
駐車場のサイズアップは不可能。
日本で買えるコンパクトなEVドンドン増えて欲しいです。
日本で車を売るためには立体駐車場に入ることも大事な要素のひとつですよね…四半世紀前にマツダ・デミオが立体駐車に入るギリギリのサイズで大ヒットして傾いた会社を立て直したように。
僕が再三言ってきた「日本の道路事情に合わせた車をもっと出して」ですよホンマ。その意味では縦に肥大化した軽規格トールワゴンもせめてアルト/ミラレベルまで抑えてほしいものですが。
立体駐車に入る電気自動車、それこそが日本で普及する鍵かもしれませんよ!?もっとも僕の愛車i-MiEVは車高上立体駐車に入れませんが郊外一戸建て住まいだから問題なく買えた訳で。
あとスバルが5ナンバーサイズ車を自社生産しなくなったのも痛いです!せめてインプレッサが5ナンバーのまま生き延びてくれたらスバリスト辞めなかったのに(トホホ)
元スバリストとしてソルテラは興味津々ですが、トヨタと同じ造りだと半分興ざめです…そうはいってもEV黎明期にR1e/プラグインステラをCHAdeMO対応で開発したことに変わりはないので当時の技術ノウハウが使えるのなら期待したいです。願わくばスバルディーラーに100~150kWのCHAdeMO充電器設置をお願いしたいですが如何せん高圧受電設備必須なんで現行店舗取付の可否は分かれると思います!
価格帯も相当の高価が予想されるし車幅もデカイとなると当家では及び腰…なんとか1.7m程度でレガシィクラスのステーションワゴンにしてくれればと思いますよ。
さらにスバルといえばアウトドアのイメージも付きまとうのでAC100V/1500W出力は必須だと思います。メーカーオプションで用意してくれませんかね?
※考えられるライバルは三菱アウトランダーPHEVかな!?同じ航空機メーカー出自でWRCでも火花を散らしたライバルとしてw
やっと世界で通用するEVが日本の自動車メーカーから発表されて本当に嬉しいです。
但し社長には、”イイEV”なんて消極的な発言でなく、”世界最高峰のEVです”と言っていただきたいです。テスラ車の商品魅力はなんと言ってもその卓越した先進性(=だから多少の品質問題はユーザーは我慢できる)で、日本の自動車メーカー首脳陣もそのチャレンジ精神を是非見習って欲しいです。スバルにはなるべく早く150kW DC急速充電器を販売店に投入していただきたいです。現行の30〜50kWのDC急速充電器では、総電力71.4kWhのEVには余りにも非力です。高出力タイプのDC急速充電器が無いと、宝の持ち腐れになってしまいます。
アイ・ミーブ乗りとして気になるのは・・・
・ボディサイズ
全幅:約1850mmは幅が広過ぎ。
私が都市部の狭小住宅住まいで、幅が広いと車庫に収まらないので。
個人的には出来れば1750mm、最低でも1800mm以内に収めて欲しい。
・車両価格
走行可能距離1km1万円を割り込んで欲しい。
寄本さんもお書きですが、車両価格が500万円を割り込まないと興味が半減します。
軽EVと違ってファーストカーとしての評価になるので・・・
・駆動用電池の温度管理(冷却や加温)機能が有るか否か?
価格的にテスラ等とも比較対象になります。
テスラで出来ていることをトヨタ-スバル連合で出来ないことはないですよね?
・スバルなので・・・
レガシィやフォレスターからの買い替え需要も考えると、冬期の豪雪地帯でも使える暖房能力が有るか?等も気になります。
それ以外でも・・・
・駆動用電池の保証条件と保証適用時の対応方法。
トヨタが10年または24万kmでSOH 90%をキープできる?なら、10年または24万kmでSOH 80%程度まで劣化すれば保証で対応してほしい。
保証適用時の対応方法は、日産みたいにセコイこと言わずにサクッと新品に交換して欲しい。
・スバル販売店での充電設備はどのレベルの設備が設置されて24時間充電出来るのか?
トヨタのニュースリリースでは、DC急速充電では150kWに対応とあります。
ある程度のお店には、150kW充電設備を設置してくれないと話になりません。
・充電会員の価格と内容
EVはエンジン車と違って「車が良ければそれで良し」で済まないことはリーフの実績で明白です。
またスバルは現状ではeMPに出資していませんが、出資するか否かも1つの指標になると思っています。
ざっと思いつくだけでもこれだけ気になっています。
よこよこ 様、コメントありがとうございます!どれもEV乗りとしては非常に重要な項目ばかりですね。今後、詳細が発表された際には、取材でこれらの情報も明らかにできるように質問してきます。
スバルとトヨタ・ディーラーに急速充電器が設置されると思うと嬉しくなります(^O^)
しかし、ホンダはEV出したけれど・・・という前例もあるので心配は募ります^_^;
いつもながらのボヤキに激しく同意します。
数が売れないからと装備品を追加して1台当たりの儲け額を大きくしたいのは分かりますが
却って売れなくしていることに注目してほしいです。
以前に40㎾になったeNV-200を購入するつもりでいましたが
廉価版が無くなり、1台500万円になった時には流石に購入を断念しました。