テスラの完全自動運転検証動画に日本語字幕提供【FSD Beta 10.5】

電気自動車シフトとモビリティの進化をリードするテスラの完全自動運転機能『FSD Beta』は、アメリカで選ばれたドライバーに提供されて、公道でのテストと改善を重ねています。今回はバージョン「10.5」。YouTubeで検証動画を公開している『AI DRIVR』チャンネルに日本語字幕を提供しました。

テスラの完全自動運転検証動画に日本語字幕提供【FSD Beta 10.5】

驚くべきハイペースでバージョンをアップデート

テスラの完全自動運転機能『FSD Beta』は、アメリカでテスラが「安全運転しているドライバーである」と認定したテスラ車オーナーに提供されています。そして、選ばれたオーナーがFSDによる実際の走行シーン検証動画が、YouTubeでいくつか公開されています。

動画の解説などは当然英語なのですが、着々と進化する自動運転の現状を見られるのは、英語が得意でない日本人にとっても興味深いこと。EVsmartブログでは、数あるFSD検証動画のなかでも「わかりやすい」と感じる『AI DRIVR』チャンネルの動画について日本語訳を行って提供、日本語字幕を入れた動画として紹介してきました。

前回は10月27日。『テスラ『FSD=完全自動運転』の現在地』という記事タイトルで、バージョン「9.2」と「10」の動画を紹介しました。

できるだけ最新の情報をお届けしたいのは当然ですが、実は、FSD Betaのバージョンがアップデートされていくペースが速すぎて、日本語訳や字幕設定といった作業を行うためのタイムラグを入れると、なかなか最新バージョンの情報を最速でお届けすることは難しく……。

今回は、12月2日にアップされた「バージョン10.5」の検証動画をご紹介します。

Navigating through the streets (and back streets) of Fremont, CA – FSD BETA 10.5
on YouTube 『AI DRIVR』チャンネル

YouTubeで字幕を表示するには、以下の操作を試してみてください。

PCブラウザの場合

青い丸で囲んだ設定をチェック。

スマホの場合

画面をタップすると現れる右上の設定をチェック。

ターン時の動きが格段に改善!

FSD Beta 10.5の検証動画では、カリフォルニア州フリーモントにあるテスラ工場の駐車場をスタートして、周辺の住宅街などを自動運転で走る様子が紹介されています。

走りながら解説しているDRIVRさんによると、バージョン10.5のインプレッションは「あまりの良さに笑っちゃう」くらい素晴らしいとのこと。とくに、右左折時の挙動が格段に改善していることを強調していました。

ただし、全体的に改善されて動きがスムーズになっている分だけ、右折時のレーンチェンジなどで少し動きがもたついたりするのが気になってしまう、とも。

動画の最後は、対向車が停車しているリバーシブルレーンに入り、左折して(対向車が走る車線を横切って)駐車場に入るシーンで、FSDを止めて自分で運転する様子で締めくくられていました。短期間でどんどんアップデートを重ね、素晴らしく改善されているけど「まだまだ!」ということですね。

FSDテスト時の事故があったりして、米運輸省道路交通安全局(NTHSA)が調査に入ったという報道などもあり、安全への配慮は万全を期してほしいところではあります。とはいえ、路上駐車や大きなゴミ箱がいっぱいの住宅街の狭い道を上手に走り抜けたりする様子は、テスラのFSD=完全自動運転のレベルが着実に向上していることを実感させてくれます。

FSD Betaは、12月初旬に「10.6」がリリース済み。12月11日には、「来週の10.7はすごいよ」と、イーロンマスク氏がTweetしています。

ますますペースアップしている感じ、ですね。

今後も、FSD検証動画の日本語字幕シリーズは続けていきますので、お楽しみください。

今までのFSDや自動運転に関する記事はこちらから!

(文/寄本 好則、日本語字幕翻訳/杉田 明子)

この記事のコメント(新着順)2件

  1. EV化よりもこちらの方が遥かに大きなディスラプション、21世紀初頭のキーテクノロジーになりそうですが、相変わらず世間の反応はイマイチですね。

    テスラ以外の他社はそろそろ「テスラ式の開発方法」でなければ完全自動運転に到達できないと認識しても良い頃合いだと思うのですが。

    ホンダやメルセデスがレベル4以上の自動運転車を開発したいとして、ソフトのバージョンを0.1段階上げるためにいちいちどのくらい検証走行を行うつもりでしょうか。

    テスラはシャドーモード含めれば、世にあるHW3以上搭載の車で常にFSDの検証とFBを繰り返しているようなモノですが、同程度のアップデートサイクルを実現できる企業が果たして存在するのか?

    同仕様の「カメラ」と「高性能なコンピュータ」を備えた「アップデート可能な」車を、毎日「路上で1番多く走らせている」企業が真っ先に完全自動運転車を実現し、そのままメガプラットフォーマーになるのは自明なように思われますが、まだまだ意見としてはマイノリティなようで…

  2. 3年以内に完全自動運転車は可能性ありと読むが,先ずは世界最初のレベル4の完全自動運手車はテスラ車と読んでいる.そして世界的にこの種の自動運転車が一般的に普及するのに今後5〜7年で意外と早期に各国に普及するものと思考する.この様な世界になれば,この世はパラダイスである.もちろんこの世から自動車による人身事故や物損事故は皆無には不可能と思考するが重大事故は皆無に近くなると推測する.特に歩行者との事故防止のためすべての人々に事故防止用マイクロチップ等を植え込む事には人権問題等もあるが義務化すべきである.とにかく現今夢の完全自動運転車の一刻も早期に完成成功を夢見ているものとして大成功を強く祈願する.

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この記事の著者


					寄本 好則

寄本 好則

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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