世界初! 自動運転EVバス用の無線充電

アメリカのワイトリシティ社が、自動運転のEVバスに無線充電するシステムの運用を中国で開始しました。アメリカのメディア『Clean Technica』から全文翻訳でお届けします。

世界初! 自動運転EVバス用の無線充電

【元記事】 Wireless Charging For Autonomous Electric Buses — World 1st by Zachary Shahan on 『Clean Technica

※記事中写真はYouTube動画から引用。

自動運転EVバスの無線充電が運用開始

「無線充電」に「自動運転」、そして「EVバス」。1つの記事や見出しにこれほど多くのバズワードを詰め込んだものがあったでしょうか?(強いて言えば、「AI」を入れたらさらに賑やかになりますね)。私は興味をそそられたので、タイトルとしては役割を果たしたと言えるでしょう。「EV無線充電のリーダー」を自称する米ワイトリシティ(WiTricity)社に関するこの記事の舞台が中国であることは、今さら驚きに値しません。ワイトリシティは、中国(そしておそらく世界)最大のバスメーカー、宇通客車(Yutong Bus)と提携し、自動運転電気バス用に無線充電を提供しています。

単なる社会実験なのかというと、そうではないようです。レベル4の自動運転ミニバス、Xiaoyu 2.0は、中国の鄭州市で実際に商用利用されています。10人乗りで、満充電時の航続距離は、約150km(93マイル)です。

Autonomous Buses Fueled by Wireless Charging(YouTube)

無線充電により、運転手はバスから降りて重い充電ケーブルを扱う必要がなくなるため、より効率的なバスの運行が可能となります。運転手がいない自動運転バスにとって、これは大変重要なことです。バスが無人なら、充電も無人でなければなりません。

昨今、中国があらゆる面で先頭を走っているように見えるのは、なぜなのでしょうか?中国は、何年も前からEVや自動運転車に関して長期的なビジョンを掲げ、積極的に取り組んできました。このビジョンは未来の交通手段が実現するよう奨励し、加速しているのです。

ワイトリシティのアレックス・グルーゼンCEOは、「Yutong Busと共同で、自動運転バス向け無線充電の大規模な実戦投入を目の当たりにすることができ、とても興奮しています」「自動運転の発展に伴い、充電と整備のロジスティクスはより一層重要になります。当社の無線EV充電は、次世代の電動車や物流を実現することができます」と述べています。

本件は、ワイトリシティによる無線充電の社会実装において、おそらく最も注目された事例です。しかし、その他にも同社の無線システムは、中国第一汽車集団(FAW Group)の高級車ブランド紅旗(ホンチー)やジェネシス(Genesis)のGV60など、乗用車のEVにも実装されています。さあ、次の事例はいったいどんなものになるのでしょうか?

翻訳/池田 篤史(翻訳アトリエ)

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この記事の著者


					池田 篤史

池田 篤史

1976年大阪生まれ。0歳で渡米。以後、日米を行ったり来たりしながら大学卒業後、自動車業界を経て2002年に翻訳家に転身。国内外の自動車メーカーやサプライヤーの通訳・翻訳を手掛ける。2016年にテスラを購入以来、ブログやYouTubeなどでEVの普及活動を始める。

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