※冒頭写真はプラゴの急速充電器「PLUGO RAPID」の設置イメージ。
既設の普通充電器は6月末でいったん運用停止
ニトリグループは早くからEV用充電器の導入に取り組んでおり、EVsmartのチェーン店一覧でも「2018年1月時点で約200か所の店舗にケーブル付きの普通充電器が設置」と紹介されています。
ところが、今月のはじめごろから店舗の充電器に「2023年6月30日で使用中止」といった張り紙が掲示されるなどして、「また充電インフラがなくなっちゃうのか」と一部EVユーザーがざわついていました。
実際、既設の充電器は認証のための通信に3G回線を使用しているなど耐用年数を迎えつつあることから、6月末でいったん運用を終了するのは事実のようです。
設置数も充電器の利便もさらに向上!
でも、安心してください。ニトリのEV用充電器がなくなってしまうわけではありません。
6月30日、ニトリとプラゴの発表によると、既設充電器を撤去後、2023年夏から全国のニトリグループ店舗にプラゴと提携した充電インフラを順次導入。2024年末までに、ニトリおよび島忠の約300店舗の駐車場に、750基のEV充電器を導入するということです。
詳細な既設充電器数は未発表ですが、EVsmart情報では約200店舗だったのが約300店舗になるのですから、ざっくり1.5倍に拡充されることになります。
向上するのは設置基数だけではありません。今まで、ほとんどのニトリ店舗ではe-Mobility Power(eMP)ネットワークの認証を使用していましたが、新たに設置される充電器ではプラゴが独自に提供するスマホアプリ「Myプラゴ」を通じて空き状況の確認や予約が可能。アプリのダウンロードや登録をしていなくても、簡単にゲスト利用できるシステムを導入します。
さらに、プラゴでは「グリーン充電」を登録商標として、プラゴが再生可能エネルギー発電事業者から調達した環境価値(非化石証書等)を割り当てることで、温室効果ガス排出量をオフセットして「実質100%再生可能エネルギーによる充電サービス」の提供を目指しており、ニトリグループ各店舗に導入される充電器にもこの「グリーン充電」が適用されるとのこと。
利用時間60分設定の急速充電器も設置
新設される普通充電器は、プラゴが2022年12月に発表していた予約可能な最大出力6kWの「PLUGO BOX」を、稼働状況などに応じて各店舗に複数台導入予定。
さらに、充電器利用頻度が高い店舗などには、プラゴが開発した予約可能な急速充電器「PLUGO RAPID」も設置していく計画であるとしています。
既設充電器の運用中止が6月末で、新たな設置は「2023年夏から2024年末までに」ということなので、店舗によって1年以上充電器なしの状況になる可能性はありますが、EVユーザーとしては「ニトリの充電インフラが便利でパワフルになる!」と理解しておいて間違いはなさそうです。
プラゴでは今後、ニトリグループの充電スポット情報を伝える特設サイトを開設予定とのこと。公開されたら改めてここでリンクをご紹介します。
充電サービスの多様化も一歩前進?
私自身は今までニトリで充電したこともなかったので、最寄りの環八用賀店で一度充電してみるかと思ったら、この店舗には充電器がそもそも設置されていなかったようです。個人的に「拡充店舗に含まれるといいな」とは思いますが、実際の設置店舗拡充はもっといろんな状況を検討して決まるのでしょうから、余計なことは申しません。
ともあれ、今まで日本国内のEV用充電インフラの設置や認証は「eMP」任せという印象が強かったのが、プラゴなどユニークな充電サービス事業者の登場によって、いい意味で多様化していくフェーズに入ってきたと感じます。
充電料金などの詳細は未発表ですが、「Myプラゴ」の仕組みなどを紹介した公式サイトをご参照ください。
日本のEV充電インフラが、便利で快適に、すくすくと進化することを願っています。
と、事前にこの記事を書いて公開予定前日だった6月29日。ニトリに加えてヤマダデンキでもプラゴのEV用充電器(&認証課金サービス)を導入することが報じられました。日本の充電インフラ拡充、着々と進んでいきます。
文/寄本 好則
ほぼ毎日ニトリで経路充電してたのでeMP対応充電器が使えなくなったのは残念ですが、入れ替えでしたか。しかもプラゴ定額ならeMP時代より安くなりそう(今まで使っていた充電カードの定額廃止&値上げしたため)。
もし通勤経路上のニトリに設置されればmyプラゴの契約を検討するかも。
認証方式が多様化するのは
煩わしくてイヤです。