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e-Mobility Powerが「kWh課金」導入と高速道路の充電料金変更などを発表/賢明なEVユーザーはどうすればいい?

e-Mobility Powerが「kWh課金」導入と高速道路の充電料金変更などを発表/賢明なEVユーザーはどうすればいい?

高速道路などの公共用急速充電器を中心としたEV充電インフラ整備を進めるe-Mobility Powerが、全国96カ所の直営急速充電スポットにおける「kWh課金」制の導入と、充電器の立地(高速道路/一般道路)に応じたビジター利用料金区分などを新設することを発表しました。賢明なEVユーザーであるために、どうすればいいのでしょうか?
※冒頭写真はkWh課金が導入される資源循環局都筑工場(神奈川県横浜市)の150kW器。

※この記事はAIによるポッドキャストでもお楽しみいただけます!

目次

待望の「kWh課金」導入も、料金は「高い」印象

2026年3月10日、株式会社e-Mobility Power(eMP)が、2026年4月1日からビジター利用料金における「kWh課金」を導入することを発表しました。対象となるのは、国の制度として必要な「特例計量器」をすでに搭載した急速充電器を設置している直営充電スポットで、高速道路SAPAが81カ所、一般道が15カ所の計96カ所(emp発表のPDFファイル)です。

今回、本格的な導入が発表された「kWh課金」は「従量課金」ともいわれます。市販EVバッテリー容量や急速充電性能が多様化するなか、より公平性の高いkWh課金導入への要望が高まっており、eMPではかねて実証実験を行っていました。今後、「kWh課金=従量課金」対応の急速充電器には、専用のステッカーが貼付されます。

口数としては、高速道路が148口、一般道が29口の合計177口です。eMP全体の急速充電器設置口数(2026年1月末時点)は9,784口、高速道路が1,084口なので、高速道路でもkWh課金が導入されるのは全体の14%程度。首都圏在住のEVユーザーがよく利用するであろう中央道談合坂SAや、新東名浜松SA、足柄SAなどはまだ対象になっていません。

kWh課金の充電料金は、充電器の最大出力に関わらず、高速道路が「143円/kWh」(以下、料金はすべて税込)、一般道が「110円/kWh」となります。EVsmartブログではユーザー感覚でいろいろ試算したりして「なんとか、100円/kWh前後で」と期待していたので、ことに高速道路の「143円」は予想以上に「高いなぁ」というのが正直な印象です。

100kW超の料金区分新設と高速道路での充電料金を値上げ

また、現時点で特例計量器が搭載されておらず、kWh課金を導入できない直営充電スポットについて、ビジター利用の時間課金料金を改定することを併せて発表。従来は「50kW以下」と「50kW超」だった料金区分に「100kW超」が新しく設定されるとともに、充電器の立地(高速道路/一般道路)に応じたビジター利用料金区分が新設されます。

ビジター利用料金単価(税込)

課金方式充電器最大出力高速道路一般道路
kWh課金すべての出力143円/kWh110円/kWh
時間課金50kW以下77円/分55円/分
50kW超〜100kW以下99円/分77円/分
100kW超121円/分99円/分

※eMPや自動車メーカー各社等が発行する充電カードで利用する場合は各カードの定める充電料金(現状通りの時間課金)が適用されます。

急速充電器が高出力になればなるほど、設置費や維持コストの負担が大きくなります。一般道も含めて最大150kW器が増えるなか「100kW超」の新設は必然といえるでしょう。高速道路の充電料金が値上げとなるのは「整備工事費や運営管理費が一般道路と比較して高額化している」ためと説明されています。

ちなみに、先日たまたま新たにkWh課金を導入したENEOS Charge Plusの急速充電器を利用しました。設定されている会員価格は「132円/kWh」で(3月31日までの期間限定価格である99円/kWhで利用しました)、ビジター価格は「154円/kWh」と、やっぱり「ちょっとお高い」印象です。公共用の急速充電ネットワークを健全に維持しながら、さらなるEV普及に向けたインフラの拡充を進めるために、ちょっと高めのkWh課金は必然ということなのでしょう。EVがもっと普及して急速充電器の稼働率が上がり、コスト負担が広く薄く分散されるようになるまで、賢明なEVユーザーとして工夫するしかありません。

EVユーザーに何ができるんだろう?

さて、EVユーザーが工夫するといっても、いったい何ができるでしょうか。いくつかのアイデアを挙げてみたいと思います。

できるだけ基礎充電でまかなう

全国家庭電気製品公正取引協議会が示す一般家庭の電力料金は31円/kWh(2024年7月改定)とされています。自宅駐車場などに設置したEV用コンセントや充電器で行う「基礎充電」であれば、急速充電器のkWh課金よりも格安、っていうのは、改めて言うまでもない常識ですね。

充電カードに加入する

たとえば、急速充電性能が最大30kWの日産サクラで、高速道路の急速充電器を利用するケースを試算してみましょう。

30分で10kWh充電できたと仮定すると……。

【ビジター利用】
月額:無料
kWh課金(143円/kWh)=1,430円
時間課金50kW器(77円/分)=2,310円(231円/kWh)
時間課金90kW器(99円/分)=2,970円(297円/kWh)
時間課金150kW器(121円/分)=3,630円(363円/kWh)

【日産ZESP3 プレミアム10】
月額:4,400円
※急速充電100分(普通充電600分)まで無料。
超過した場合(44円/分)=1,320円(132円/kWh)

【eMPカード】
月額:4,180円
急速充電(27.5円/分)=825円(82.5円/kWh)

30分間の充電量は条件によって変動しますが、おおむねこんな感じです。サクラオーナーには日産が提供しているZESP3に加入していない人が多いと聞きますが、毎月2〜3回は高速道路の急速充電器を利用するのであれば、月額料金を払ってでも充電カードに加入するほうが合理的といえそうです。

日産ZESP3には、ほかに急速充電が200分無料のプレミアム200(月額6,600円)、プレミアム400(月額11,000円)などのプランがあります。また、少しでも月額が安いeMPのカードにするかどうか(日産車ユーザーであれば基本的にZESP3加入をオススメしますが)といったあたりは、それぞれの状況に応じて選択しましょう。

いずれにしても、急速充電性能が低いEVで高速道路の高出力器をビジター利用するのが割高になることは明白。EVオーナーのみなさまにおかれましては、自分が乗るEVの充電性能を理解して、身の丈に合った充電器を活用することをオススメします。

充電事業者の定額サービスを活用する

高速道路に限らず、集合住宅で基礎充電環境がない方にとって急速充電料金の高さは悩ましいところ。コンセントや普通充電器の代わりに急速充電器を利用する、いわゆる「基礎充電代替」が多い方であれば、充電サービス事業者が提供する定額サービスを上手に活用することを検討してみるといいでしょう。

たとえば、前述のENEOS Charge Plus(公式サイト)の場合、kWh課金は実証運用が始まったばかりで、通常プランは時間課金。月額2,200円で急速充電が「22円/分」になるプランが用意されています。

【シンプルプラン】
月額:無料
都度料金:46.2円/分

【プレミアムプラン】
月額:2,200円
都度料金:22円/分

設置されている急速充電器の最大出力はおおむね50kWなので高性能なEVの場合はやや物足りないところですが、近くにENEOS Charge Plusの充電スポットがあれば検討する価値があるでしょう。

ほかにも、月額3,980円で「150分/月」まで急速充電可能な「プラゴ定額」(公式サイト)や、急速充電ではないですが、月額(30日間)2,980円で全国に設置されている6kW普通充電器が回数制限なし(利用時間は太陽光発電が活発な7時から16時に限定)で利用できる「エネチェンジパスポート」(公式サイト)などがあります。いずれの場合も、自宅の近くに対象の充電スポットがあって利用しやすいことが必須条件といえます。

高速道路を下りて割安な充電器を活用する

高速道路に設置されているeMPの急速充電器は値上げされますが、ほかの充電サービス事業者による従量課金制の急速充電器も増加しています。

たとえば、パワーエックス(公式サイト)の超急速充電器「ハイパーチャージャー」は、2026年内に200カ所拡大を予定してネットワークを拡大中。2025年6月には千葉県のハイウェイオアシス富楽里上下線に、高速道路上で初めての従量課金制超急速充電器を開設(関連記事)したほか、高速道路からアクセスがいいスポットが全国に点在しています。

月額900円で、充電料金が45円/kWh、また3日前から予約可能、充電時間は最大75分(一般利用は最大30分)などの利便を備えた「PowerX First」というサービスを提供しています。

また、会員登録などの必要はなく、超急速充電器を「44円/kWh」で利用できる「FLASH(フラッシュ)」(関連記事)の充電スポットも増えつつあります。

高速道路を利用したロングドライブの場合、いったん高速道路を下りてでも、ENEOS Charge Plus やパワーエックス、フラッシュなどの急速充電器をお得な料金で活用した方が安上がりになるケースもありそうです。ただし、出発前に充電スポットを検索して充電プランを立てるひと手間が必要になります。また、各サービスのネットワークはまだ発展途上。うまくスポット間の距離が繋がらず、高速道路上の急速充電器を利用しなければいけないケースが生じることを覚悟しておかなければいけません。

eMPには、月額会費がもっと安価なプランを期待したい

いろいろと考えてみましたが、高速道路でロングドライブをする場合、SAPAに設置されているeMPの急速充電器を利用するのがもっとも便利です。

ビジターのkWh課金が割高になるのは経済合理性からしてやむを得ないとして、かねていろんな記事で叫んでいるように、現在「4,180円」の月額料金をなんとかしてほしいというのが個人的な願望です。

たとえば、都度料金は少し割高でも月額会費が1,000円になるプランとか、都度料金はビジターと同じだけど充電時の認証がサクッとできる月額無料のビジター充電カードとか……。

経路充電スポットのさらなる拡充とともに、料金システムがユーザー本位に進化してくれることを期待しています。

文/寄本 好則

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この記事を書いた人

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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