「EVgo」がCCS規格に対応したすべての電気自動車で使えるプラグ&チャージシステムを発表

電気自動車でお出かけの際にする充電では、認証の仕方がややこしい場合が多いのが問題です。アメリカの「EVgo」が、一度登録すればプラグを挿すだけで充電ができるサービスをすべてのCCS規格で充電ができるEVに開放しました。全文翻訳でお届けします。

「EVgo」がCCS規格に対応したすべての電気自動車で使えるプラグ&チャージシステムを発表

元記事:EVgo Gives All EVs Plug & Charge Capabilities With Autocharge+ by Jennifer Sensiba on 『CleanTechnica

すべてのCCS対応EVへ便利なサービスを

EVgoは水曜日(2022年9月21日)に、新しい「Autocharge+」というサービスで自社のプラグ&チャージサポートをすべてのCCS対応EVに拡大すると発表しました。EVgoアプリで車両と支払情報を設定したEVオーナーは、アプリを立ち上げたりクレジットカードをスワイプ/スキャンすることなく、シンプルにプラグを挿すだけで充電ができるようになります。

EVgoのCTOであるIvo Steklac氏は「EVgoでは充電器の位置を検索して予約し、近くの商業施設を探すところも含めて充電のすべてのステップが便利で簡単であるべきだと考えており、Autocharge+ によって充電セッションをシームレスなものにします。私達が作り上げた現代のデジタル技術は、EV充電をガソリンスタンドでの燃料補給よりもシンプルなものにします。Autocharge+ は電子マネーや当日配送のように革新的なもので、EVオーナー向けに最新充電サービスを届ける上で、改めてEVgoのリーダーシップを見せてくれるものです」と話しました。

この発表はDC急速充電ができるGMの電気自動車にプラグ&チャージのサポートを開始するというEVgoの6月の発表を踏まえてされました。1度サインアップすれば、GMの顧客はEVgoネットワークの急速充電を便利に使えます。車両とEVgo及びGMブランドアプリのアカウントにより充電器と車は安全にマッチされます。サービスを利用するには、GMの顧客はまず車両をGMブランドアプリ(myChevrolet、myGMC、myCadillac)に登録し、EVgoのアカウントを紐付けしてプラグ&チャージをGMブランドのアプリ内で起動させます。

そして今回、Autocharge+ により、GMのEVオーナーでなくてもCCS規格を採用しているEVオーナーは全員サービスが使えるようになりました。キャデラック・リリック、シボレー・ボルトEV、シボレー・ボルトEUV、フォード・マスタング・マッハ-E、フォード・F-150ライトニング、ジェネシスGV60、GMCハマーEV、ヒョンデ・アイオニック・エレクトリック、ヒョンデ・コナ・エレクトリック、ヒョンデ・アイオニック5、キア・ニロ・エレクトリック、キア・EV8、メルセデスベンツEQS、ポールスター2、スバル・ソルテラ、トヨタbZ4Xなどが、Autocharge+が使える車種です。

AutoCharge+ はEVgoの顧客のみが使えます。新規/既存の顧客はアプリの車両項目に行き自分のEVを選択し、会員登録をしなければなりません。 それからEVgo充電器に接続して手続きを完了する必要があります。

Autocharge+の仕組み

あなたの電気自動車がAutocharge+ に会員登録済みでCCSコネクターを持っているならば、EVgoネットワークは充電ステーションに識別子を送り、利用者があなたで充電料金を払うと分かるようにします。この識別子はEVgoプログラムカード(アプリを使わない時に充電ステーションでスキャンする用のカード)と同じような働きをします。ステーションがシグナルを受けると充電は自動的に開始され、充電の開始手順を心配することなくリラックスするなり、用事を済ませるのに時間を使えます。

設定方法

Autocharge+ がどのようなものか確認するため、私はEVgoアプリをスマホで起動しました。最初に自分の車両をアプリ内でアップデートする必要がありました。アプリにはまだ日産LEAFが登録されていたのですが、この車は私が下取りに出さずに手元に置いていても、CHAdeMOを使う車なのでAutocharge+ が使えなかったでしょう。EVgoはCCS車両にのみサービスを提供しているのです。

ボルトEUVをアプリに登録し、支払い方法の項目に移ってアップデートしました。しかし、EVgoウェブサイトにあるようなAutocharge機能が見られませんでした。アプリを長期間使っていなかったため、自動でアップデートできなかったようです。そこでGoogle Playストアに行き、最新版のアプリを手に入れました。

アプリを開くと、電話番号とメールアドレスの確認をされました。Autocharge+ の金融情報の扱い方を考えると、アプリのセキュリティも更に強化する必要があったのではないでしょうか。その後、アプリは車のモデル、メーカー、製造年は聞いてきませんでした。Autocharge+ で必要だと知っていたので、前もって行っていたVINのスキャンを要求してきたのです。フロントガラスのVINは読み込めませんでしたが、ドア枠にあるステッカーはスキャンできました(手動で打ち込むことも可能です)。

しかし、車両項目へすすむとEVgoアプリを使って私の車両を登録することはできないと通知されました。myChevrolet アプリに紐づけしなければならなかったのです。もしあなたの車が他のGMブランドのEVなら、そのブランドのアプリが必要になります。myChevrolet アプリ内でこれをどうやるのか理解するのは難しかったのですが、手短に説明すると、「energy」スクリーンに行ってトップにある3つのドットをクリックすると、「公共充電サービス」のメニューボタンが現れ、そこからEVgoアカウントに紐づけができます。

もしGM車両を持っていないとしても、登録は急速充電ステーションで終わらせなければなりません。充電ステーションで車両にプラグを挿すと、車両はEVgoに自身のIDを知らせ、その後あなたのEVgoアカウントに接続します。これで準備完了です! 車をEVgoネットワークに接続する際は常に、自動的にIDを使ってくれます。

犯罪に遭う心配は?

この機能を使って窃盗被害などに遭う心配をしている人達をソーシャル・メディア上で見かけました。

それを避けるため、EVgoは複数のセキュリティを設定していると言います。例えば時間、場所、充電率(SoC)があり得ないかおかしい場合、セッションはストップされます。顧客には犯罪の可能性がある旨の通知が送られ、Autocharge+ がセッションを続けるには顧客の承認が要ります。例として、あなたのアカウントがカリフォルニアで充電をし、10分後にオハイオで充電が開始されたとします。これは犯罪の可能性があり、警告の対象になります。

EVgoからメッセージを受け取るように設定をしていれば、Autocharge+ のセッションがスタートする時にはいつも通知を受け取れます。

EVgoはまた、身に覚えのない充電セッションがアプリに表示された場合、直ちにEVgo 充電クルーに連絡を取るよう勧めています。24時間365日、877-494-3833に電話をかけることができます。

将来的に大きくなる契約

EVgoのステーションはすでに多くありますが、最近のGMやPilot Flying J(トラック用給油所)との契約によりさらに拡大され、特に高速道路で旅をする層にとっては大きなものになります。すべてのCCS電気自動車でプラグ&チャージが使えることによりかなり便利になり、ドライバーにとっても素晴らしいことです。

ただし、これは業界がようやくテスラに追いついてきたうちの一部に過ぎません。まだまだ改善の余地があります。

(翻訳・文/杉田 明子)

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					杉田 明子

杉田 明子

2010年代に住んでいた海外では'94年製のフォード→'02年製のトヨタと化石のような車に乗ってきました。東京に来てからは車を所有していないのですが、社用車のテスラ・モデル3にたまに乗って、タイムスリップ気分を味わっています。旅行に行った際はレンタカーを借りてロードトリップをするのが趣味。昨年は夫婦2人でヨーロッパ2,200キロの旅をしてきました。大容量バッテリーのEVが安くレンタルでき、充電インフラも整った時代を待ち望んでいます。

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