パリから来たキラキラ仮面「DS3クロスバックE-TENSE」【吉田由美】

7月29日に日本発売が発表された電気自動車「DS3 CROSSBACK E-TENSE」。東京ミッドタウン日比谷で開催されたデビューイベントについて、カーライフエッセイストの吉田由美さんからのレポートです。はたして、実車の印象は?

パリから来たキラキラ仮面「DS3クロスバックE-TENSE」【吉田由美】

プレス発表会は急遽中止になったけど……

2020年7月29日、東京ミッドタウン日比谷で開催される予定だったDSの電気自動車(EV)「DS3 CROSSBACK E-TENSE」(DS3 クロスバック E-TENSE)の日本発表会。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大のため中止に。しかもその知らせが届いたのは当日朝。いかにギリギリまで検討したかが伺えます。

しかしその後、8月22〜23日に予定していた展示イベントは予定通り開催されるとのことで行ってきました。

DSブランドといえば、元は「シトロエン」の中のラグジュアリーでアバンギャルドな車種ブランドでしたが、現在は「DS」という独立したブランドになっています。しかし、アバンギャルドでラグジュアリーは変わらず、というかむしろさらに加速した感じ。

その「DS」から登場したのが、コンパクトSUVの電気自動車「DS3クロスバック E-TENSE」。です

ディープなフランスの薫りをまとった「大人のクルマ」

シトロエンがフレンチポップスだとしたら、DSはディープなフランスがたっぷり詰まっています。フランスのデザイン、建築、ファッション、オートクチュールやジュエリーのカッティング手法「サヴォワフェール(匠の技)」、などフランスの文化がインテリアやエクステリアのそこここに盛り込まれています。そこに最新の電動化テクノロジー「E-TENSE」を融合し、「DS3クロスバック E-TENSE」をアバンギャルドに仕立てています。

プラットフォームは、DSクロスバックに使用されている「CMP」の電動版「eCMP」。5人乗りでトランクスペースは約350ℓ。

ガソリンモデルの「DS3クロスバック」と「E-TENSE」の違いは、サテンクロームのDSウイングなどがありますが、DSウィングに縦に連なるパールトップスステッチのようなディタイムランニングライトは、パールのネックレスをイメージしたものとか。

ほかにもアンスラシートグレーのグリル、「E-TENSE」マーク、18インチのKYOTOアルミホイールとボディカラーのE-TENSE専用で新色のクリスタルパール。この色がE-TENSEのイメージカラーですが、メタリックホワイトを基調にハイライト部分にはシャンパンゴールド。展示車両ももちろんこのクリスタルパールでしたが、ライトやフロアマットの色が車のボディに映るのか、少しシルバーがかっているようにもパープルがかっているようにも見える美しい色。

グループPSA広報の森さんに話をお伺いしたところ「この塗装は高いらしいですよ」とのこと。そしてインテリアも美しい。ホワイトレザーをあしらった「RIVOLIインスピレーション」は、レザーと涼しげな素材のファブリックを使ったシート、ダッシュボード、ルーフライニング、ハンドルまでもがホワイトでコーディネート。汚れが目立つホワイトをこれだけインテリアに使うとは、お洒落であることは当然ながら、大人のクルマという感じ。

その大人っぽさは、車内の静粛性にもつながるのかもしれません。電気自動車は内燃機関ならではの振動やエンジンがしないため、逆に外からの音が気になるようになります。それに対応した静粛性を確保したとのことですが、これは展示車両ではわからないので、試乗を楽しみにしています。

フォーミュラEの技術からのインスパイアも

そしてドライブモードで「E-TENSE」ならではなのが、ECOモードとNORMALモード、SPORTモードがありますが、もうひとつエネルギーを回生するシステムのモードが2つ「Dモード」と「Bモード」があります。特に「Bモード」では、最大減速度約1.3m/sで、ワンペダルでドライブする感覚を味わえるとか。

これはDSがシリーズ参戦している電気自動車のレース「フォーミュラE」からインスパイアされた技術とのことですが、「フォーミュラE」といえば私は2019年に、香港で観戦しました。エンジン音の無い静かな市街地レースなのに、エンジン音ではなく車体がぶつかり合う音など、違う迫力があります。

DSはその「フォーミュラE」で、「DSテチータ」のアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ選手が2019-2020年のシリーズチャンピオンを獲得しています。モータースポーツからのフォードバックを考えれば、DSの電動化技術は期待できそう。

搭載されるバッテリーは50kWh。電気モーターは、136ps(100kw)/260Nm 。航続距離はJC08モードで398㎞、欧州WLTPモードで320㎞(EPA換算推計値=約285km)。

急速充電器はCHAdeMoで最大50kWに対応し、普通充電は6kW(200V)にも対応可能。

ちなみに、この日の展示で用意されていた充電器は、パナソニック製「ELSEEV」でした。

Sprit of Avant-Garde〜イベントの内容も素敵でした

そしてこの「DS3 クロスバック E-TENSE」の世界観を表現するイベントが「MEET ELECTRIC ELEGANCE」だったのですが、DSのコンセプト「Sprit of Avant-Garde」と共鳴する日本人アーティストとのコラボレーションは興味深いものでした。

まずブースで目についたのは宙に浮いた三角屋根とその下のお花畑。これはフラワーアーティスト田中孝幸氏の「美意識の中庭」という作品。E-TENSEが実現する環境性能から着想を得た作品で、花畑の中央に鏡を外側に向けて柱を作ったことで、屋根が浮いているように見えています。

そしてこの三角屋根は、DSが生まれたフランス・パリのルーブル美術館のメインエントランスのピラミッドをモチーフにし、DSにもインテリアなどいろいろな場所に使われています。

そしてもうお一人、菓道家 三堀純一氏の和菓子を用いた「菓舞伎」パフォーマンス。般若心経をアレンジしたBGMに合わせて約10分間で和菓子を会場のフラワーアレンジメントにも使われている菊の花のように仕立てるパフォーマンスを茶道のお手前のように行います。そのスタイルが独特で、黒いお着物姿で黒い顔の下半分を覆うお面で行うというもの。日本で行うより前にパリなどで知られるようになり、日本でも行うようになったそう。

私も三堀さんのパフォーマンスを見ましたが、個性的なスタイルと伝統文化の融合…まさに「DS3 クロスバック E-TENSE」にピッタリの世界観だと感じました。

DS 3 CROSSBACK E-TENSE ROADSHOW

そして、こうした世界観と「DS3 クロスバック E-TENSE」の実車を体感、そして試乗もできるイベント「DS 3 CROSSBACK E-TENSE ROADSHOW」が、今日、8月29日から全国4カ所のDS STOREで順次開催されます。

●DS STORE 青山(東京都) 8月29日(土)〜30日(日)10〜19時
●DS STORE 名古屋(愛知県) 9月5日(土)〜6日(日)10〜19時
●DS STORE 神戸(兵庫県) 9月12日(土)〜13日(日)10〜19時
●DS STORE 福岡(福岡県) 9月5日(土)〜6日(日)10〜19時

このイベントに参加するには、事前に特設ウェブサイトからの予約申し込みが必要です。

【特設ウェブサイト】
DS 3 CROSSBACK E-TENSE ROADSHOW

(取材・文/吉田 由美)

この記事のコメント(新着順)2件

  1. 誤変換かな
    容易→用意
    環境及びランニングコストは重要なのでインフラとマナー
    廉価な従量制(簡素なふつう充電器)
    夏季高温で蓄電池の冷却含めて
    つきあい方が大事だと痛感します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


この記事の著者


					吉田 由美

吉田 由美

短大時代からモデルをはじめ、国産自動車メーカーのセーフティドライビングインストラクターを経て、「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて独自の目線で、自動車雑誌を中心にテレビ、ラジオ、web、女性誌や一般誌まで幅広く活動中。

執筆した記事