サクラに乗り替えた木沢さんの呼びかけで長岡へ
10月下旬の週末、『筋金入りのリーフオーナーがサクラに乗り替え』という記事で紹介した木沢亜由美さんがFacebookで呼びかけたEVオーナー集まれ! のオフ会に参加してきました。新潟県の長岡市営スキー場で開催される「ソトアソビソトゴハン in 東山」というイベントを盛り上げるため、木沢さんが発起人となってSNSで繋がっているEVオーナーに参加を募り、会場内にズラリとEVを並べてたくさんの人に見てもらおうという試みです。
私の自宅から会場の長岡市営スキー場まで、Googleマップで確認すると約270km。マイカーの30kWhリーフだと、片道で途中2回の急速充電を想定する距離です。まあ、それも悪くないのですが、10月までEVsmartを運営していたアユダンテが「若いスタッフに電気自動車を体感してもらうため!」の社用車として導入した日産アリア B6 Limitedを、私自身、まだきちんとロングドライブをしていませんでした。アリアB6のバッテリー容量は66kWh。片道およそ300kmの日帰りドライブは、実用性を検証するのにちょうどいい距離ってことで、アリアで行くことにしたのでした。
往路の上里SAでライター篠原さんのHonda eに遭遇
集合時間は10時で、少し余裕をもって東京都世田谷区内の自宅を午前5時過ぎに出発。私の自宅ガレージには200Vコンセントがあるので、もちろん満充電からのスタートです。
充電計画は、「高速道路SAPAで行きと帰り、それぞれ1回充電する感じかな」という程度で、あまり厳密には考えていませんでした。アリアB6の一充電航続距離はWLTCモードのカタログスペックで470km。実際には、高速道路走行で山越えもありますし、実用的な航続距離であるアメリカEPA基準に換算すると「8掛け」くらいになりますが、それでも約376kmなので、片道300km走ったとしても、20%+アルファくらいの電力を残して走りきれる計算です。
好天の週末で、高速道路の交通量は多いだろうし、関越自動車道のSAPAには40〜50kW出力の急速充電器が、それぞれ1台ずつしか設置されていません。SOC(State Of Charge=バッテリー残量)30%くらいを目安にしてSAPAに立ち寄り、「空いている急速充電器を使えばいいや」程度の充電計画です。もし充電器が埋まっていても「じゃあ、次に行こう」という計画変更が容易なことも、大容量バッテリーで航続距離に余裕がある高級EVのメリットです。
往路の上里SAでトイレ休憩。すると、急速充電器では見たことのあるブルーのHonda eが充電中。EVsmartブログにも寄稿していただいているフリーライターの篠原さんも、同じイベントに参加するために長岡を目指していたのでした。
篠原さんは途中充電2回計画で走っていて、残りSOC数%で上里に着いたようです。でも、アリアのSOCはまだ73%もあって、急速充電の必要はまったくありません。トイレを済ませ、激励の挨拶を贈って、お先に失礼させていただきました。
目的地が近づきSOCが30%くらいになってきたので、越後川口SAにピットイン。軽く朝食を食べながら30分間急速充電しておこう、と思ったのですが……。残念ながら急速充電器には先客が。日産リーフだった(写真撮り忘れました)のですが、実は、同じイベントに参加する方でした。電気自動車のイベントに参加する時に、会場近くのSAPA急速充電器をあてにするのは要注意、ですね。
まあ、このSAの急速充電器出力は44kWだし。高速下りてスキー場へ向かう途中にある「日産ディーラーの90kW器でたっぷり充電しよう」と決めて、そのままスルーしました。
SOC23%→78%へ。急速充電30分で33.8kWh充電できました
高速を下り、コンビニで朝食を買い込んで。EVsmartで事前にチェックして90kW器が設置されていることを確認していた日産サティオ新潟西長岡本社店に到着。このディーラーに設置されているのは新電元最大90kWの2本出しです。2台で同時充電になると出力がおおむね半分に落ちてしまうのですが、30分間、無事に1台だけで充電することができました。
日産ディーラー90kW器での充電結果
【充電結果】
●充電開始時SOC=23%
●充電終了時SOC=78%
●充電電力量(充電器表示)=33.8kWh
【電費など】
●走行距離=270km
●消費電力量=77%(50.82kWh)
●電費=約5.3km/kWh(約188Wh/km)
高速道路走行中は、多くの区間でプロパイロット2.0を使ったほぼ自動運転を活用。山越えルートですが、約5.3km/kWhという電費は、もうちょっと日産に頑張って欲しいと感じる点ではあります。まあ、サイズ大きめのSUVだし、「こんなもの」という電費を把握して充電計画を考えればいい、ことではありますが。
イベントには27台のEVが集結
オフ会イベントには、給電展示に活用されたサクラなどを含めて27台のEVが集まりました。集まったのは、もともと日産リーフのオーナー仲間の方々がほとんど。最初はみんな初期型リーフのオーナーだったのですが、今回集まったのは、リーフも新型のZE1がほとんどで。アリアやサクラ、EVsmartブログで買い替えたことを紹介した杉本さんのIONIQ 5や、篠原さんのHonda eなども駆け付けて、多彩なEV展示となりました。
このイベントについては、改めて別記事でご紹介する予定です。
復路は赤城高原SAの40kW器で充電
午後1時前、少し早めに帰路につくことにしました。メーターを確認すると、バッテリー残量は74%で、航続可能距離表示は300km。カーナビを自宅に設定すると、数%残して無充電で走りきれるかも、という予測が出てました。
とはいえ、翌日も早起きして御殿場までアリアで出かけなきゃいけません。あまり空っぽで帰着すると、自宅の200Vコンセント(3kW)では朝まで充電しても満充電にならないし。「途中、どこかのSAPAで1回急速充電しておくか」計画を抱きつつ、復路のスタートとなりました。
関越道を走りつつ「上里か三芳で軽く食事がてら充電するか」と思っていたのですが。どうやら上信越道と合流する上里あたりから先はかなりの渋滞模様。一度、谷川岳PAでトイレに寄って、JCNの『高速充電なび』で確認すると、上里から先のSAPAの充電器はすべて利用中の「満」表示になっていたりして。結局、SOC33%で赤城高原SAに入って充電しておくことにしました。
赤城高原SA 40kW器での充電結果
【充電結果】
●充電開始時SOC=33%
●充電終了時SOC=62%
●充電電力量(充電器表示)=17.7kWh
【電費など】
●走行距離=132km
●消費電力量=41%(27.06kWh)
●電費=約4.9km/kWh(約205Wh/km)
標高約470mという赤城高原SAに登り切ったところなので、電費はかなり良くないですが。今回のポイントはそこではありません。往路で利用した90kW器では30分で33.8kWh充電できたのに、44kW器での結果は17.7kWhです。電費を5kmと考えると、88.5km走行分しか充電することができませんでした。
EVsmartブログでは「高速道路SAPAへの高出力急速充電器複数台設置の促進を!」と繰り返しお伝えしています。その理由が、よく理解できる結果といえるでしょう。
今回は余裕をもって帰着するための充電だったのでこれ以上の急速充電をする必要はありません。でも、さらに長距離ドライブをする場合には、いかに大容量の高級EVであっても、100km足らず、つまり、1〜2カ所先のSAPAで再び急速充電しなきゃいけなくなるのです。EV1台の充電回数が増えるのは、各SAPAに1台分しかない急速充電器がさらに混雑することにも繋がります。
つまり、「急速充電器の性能は、EVの性能そのものである」ということですね。
長い渋滞を、プロパイロット2.0の恩恵を受けながら耐え抜いて。午後7時過ぎ、自宅にはSOC31%で帰着。メーター通りなら、無充電でも2%残して走りきることができていたという結果となりました。そして、そのままコンセントで充電し、翌朝は90%くらいから出発することができました。
アリアの日帰り長距離検証。「アリアは素晴らしいEVだけど、高速道路にもっと90kW器を!」と痛感するドライブになったのでした。
【赤城高原以降の電費など】
●走行距離=134km
●消費電力量=31%(20.46kWh)
●電費=約6.5km/kWh(約153Wh/km)
(取材・文/寄本 好則)
高速充電なびの情報は、アプリでも見れますが、日本メーカーの日産であれば、車載ナビ情報内で、高速充電なびと同じ情報が取得出来たら一番良いですよね。高速充電なびの認知度が高まれば、充電ストレスももっと楽になるのではないかと、実体験から思っています。一番良いのは、googlemap上で情報が反映されると、SA間の距離も分かって、最強なんですがww
今はまだEVが少数派だからこんなくだらない記事がさも面白可笑しく検証されてるけど、今後100%近くがEVになった時果たしてお盆や正月などのピーク時のSA/PAに本当に全ての車をまかなえる程の充電所を設置する事が出来るのか疑問ですね。
広いSAの駐車スペースに全車対応とか現実的に可能とは思えないです。
みなさま、コメントありがとうございます。
mobazou さま。日本(チャデモ)特有のダイナミックコントロール。少なくともEVユーザーが求める方向ではないと感じます。
hatusetudenn さま。スキー場など、いろんなところに普通充電設備。今後数年で大きく変わっていくと思っていますが、早くそうなって欲しいですね。
羽柴健一 さま。ご指摘のように、日帰り600kmをこのサイズのSUVで5.3km/kWhは、悪くない電費性能だと思います。たとえば、メルセデス・ベンツのEQBが、同じバッテリー構成のEQAに比べて大きく電費向上させたように、日産だからこそ、さらなる電費向上、ユーザーが求めるEVへの進化を目指し、実現してほしい、という願いを込めての一文でした。
270kmで3回も休憩して、時間も食って。
暑さ、寒さ、スピード出して、で更に電気食って。
そんなクルマ補助金有っても絶対要らんわ。
好事家としか思えん。
目的地に普通充電器があれば、もしかしたら充電100%で帰路につけて余裕で帰宅できたかも知れませんね!
スキー場も今後EVの来場を想定すれば数台の普通充電器が有っても良いし、費用も大したことはないと思います(補助金も出る?)。
お金に余裕があれば大出力の急速充電器をがんがん設置して欲しいと思いますが、EVで旅行をして現実的に必要だと思うのは、目的地充電器(出来ればJ1772ウオールコネクターみたいな)です。これで急速充電器と合わせ技をすれば・・
スキー場だと年間通して営業しているわけではありませんから
充電器の設置などは夢のまた夢だと思いますが、いかがですか?
期間限定で設置出来る?
アリアユーザです。当初自宅のそばには急速充電器は不要と考えて、出力の高い急速充電器は無かったのですが、BEVを購入しました。
しかし運用してみると、長距離乗ったあとは復路でバッテリーが少なくなり、翌日運用を考えると自宅のそばに急速充電器が必要になる事に気付きました。
そのため、やや遠方の90kw級で充電するようにしたのですが、全てのケースで70%残から満充電にしようとするリーフに遭遇してしまい、割高で時間がかかる充電を強いられるようになりました。二口運用というのは充電の計算が出来ず、ほんと廃止してほいしです。
遠出時の割高感が否めないのと、近くの急速充電器が軒並み故障したこともあり、ZESP3の三年契約にしたところ、遠出の回数も減ってしまい、家充電でいいはずが、回数消化のため急速充電器を彷徨いながら、70%リーフに戦々恐々とする日々が続いています。
経路充電だけではなく、復路充電のための急速充電と、一充電器一本の充電口、ユーザへの急速充電教育の必要性を感じています。トホホw
山越え走行に、良い電費を要求?
EVド素人何ですが?如何なもんでしょうか?(汗)
冬道や、夏にエアコンをガンガン付けの走行にも、匹敵かな?
某大メーカーさんの様に、山越えにはパワーを抑える仕様にする?!(笑)