イーロン・マスク氏最新インタビューでEVと自動運転の未来を語る!

2019年2月19日、テスラ社のイーロン・マスク氏がアークインベスト社のタシャ・キーニー氏のインタビューに答えるポッドキャストが公開されました。この中でイーロン・マスク氏は、拡大するEV市場、テスラ社の未来、自動運転の見通しなどについてさまざまな思いを語っています。

イーロン・マスク氏最新インタビューでEVと自動運転の未来を語る!

翻訳したサマリー(要約)をお届けします!

電気自動車市場の展望について

昨年、世界ではおよそ130万台の電気自動車が販売されて、2023年までに2600万台になると見られています。マスク氏もこの予想を「大体当たっている」と認めました。

テスラ(マスク氏)は電気自動車市場の拡大について自信を持っており、販売台数の増大はこれを反映しています。インタビュアーとのやりとりの中で、マスク氏は「電気自動車市場やテスラの売り上げが指数関数(ネズミ算のような増大曲線)的に成長している現実」を指摘、電気自動車市場とテスラの生産台数の拡大についての自信を示しています。これが実現すれば世界の電気自動車販売台数は5年で20倍に増えるということです。

編注※当初、昨年が130万台、2023年までに2600万台という販売台数をテスラ単独の数字としていましたが、世界全体の電気自動車販売台数として翻訳文を修正しました。インタビュアーの「if we were relying on that analysis alone, we would see EV sales, given the price elasticity of demand, increase from one point three million last year, to twenty six million in 2023」という質問に、マスク氏が「that’s about right」と回答しています。(2019.3.9)

テスラ社のニュースサイトで公開されているイーロン・マスク氏の「Model 3」プレゼンテーションの様子

テスラ社のデータ収集に関するアドバンテージ

テスラは、他会社全てが保有するデータ全てを合わせたものよりも、相当多い(マスク氏によると最低100倍もの)データを持っており、AI(自動運転を制御する)をこれから成長させるにあたってこれは不可欠なものです。テスラ者の生産台数とセールスはこれからも指数関数的に増大するので、社のデータとAIトレーニング領域はそれに伴って増大します。自動運転の分野に早い段階で取り組み、世界中で電気自動車を売ってきた成果として、運転時のドライバーやAIの行動傾向をあらゆる環境でテストしデータを収集してきました。これによって、開発中のAIにあらゆる運転シナリオを経験させることができます。

完全自動運転化への課題や戦略

ドライバーは、複雑で遅くなりがちな下道よりも、高速道路を好み、交通渋滞を含めて高速道路上でより長い時間を過ごします(少なくともアメリカでは)。自動運転により、安全性が増した車が高速道路上で増えると、死亡事故件数も少なくなります。アメリカの高速道路用にはAIはとてもよくトレーニングされていますが、ヨーロッパの高速道路はまたアメリカと傾向が違うために遅れています。しかしテスラは多くの顧客をノルウェーなどヨーロッパにも抱えているので(ヨーロッパでの)トレーニングは重要になってきています。

次の課題としては交差点です。停止標識や信号を見極めるなどの多くの複雑な課題があります。どの信号を見るべきかなど、人間のドライバーでも間違ってしまうような課題をAIに理解させなければいけないケースが多くあります。

規制側の反応と安全性能の証明基準

自動運転機能は「今年」完璧な水準になるでしょう。車があなたをパーキングで見つけ、拾い、滞りなく目的地まで連れていきます。しかし完全に目を離して良いというわけではありません。しかし機能を完璧にすることと、規制側がどの程度の水準を持って良しとするかは私がコントロールできるところではありません。おそらく来年末までには、ドライバーが眠ってしまっても目的地に着けるようになります。これが私が考える十分に安全な基準ですが、保守的な規制側が同意するか私には分かりません。

今までもそうしてきたように、テスラは安全性の記録として今まで集めてきたデータをエビデンスとし、規制課題に取り組んでいきます。

現在、アメリカと中国でいくつかの問題を抱えており、ヨーロッパでも生産が少し遅れています。テスラ車の死亡事故がありましたが、それでも社が自前のデータを提供できたことで、規制当局もテスラを好意的に見ています。マスク氏は中国についてテクノロジーに理解があると好意的に話しており、中国でのAI開発に熱意を見せました。

テスラが自動運転化技術に関する課題を解決しなければならないとマスク氏が考える理由

テスラの社員は、自動運転技術が確立論手法を使える視神経網として動けなければならないことを理解しています。自動運転とはあらゆる状況を解釈することが出来なければならないということであり、これは人間の脳が持つ柔軟さと同じものです。

一方競合他社は視覚に関するデータを組み合わせて決定論的に問題を解決しようしていますが、これでは柔軟性にかけ、その後改善しようとした時に余地があまり残っていません。

マスク氏はこの点が、テスラが Waymo などの競合他社とは違う部分だと話しています。

自動運転化プロセスを先に進めるために、消費者が自動運転技術を使うことの重要性

より多くの消費者が自動運転技術を使うことによって、何を強化しなければいけないか、ポイントがデータとして見えてきます。そしてこれがさらに安全性を高めます。

 完全自動運転化を達成するために必要なハードウェアとソフトウェアのバランス

マスク氏はテスラのAIハードウェア用に、カスタム・チップを開発したいと考え、3年前に開発プログラムをスタートしました。

ハードが良くなければソフトを書くのは更に大変だからです。どんなに良いソフトウェアも、古くて質の悪いハードウェアをカバーしきれません。現在、秒ごとに100フレームを処理できますがこれも更に改良されなければなりません。(フレームをクロップする、ピクセルを曲げる、全てのカメラでフルレゾリューションを使わない、など)現段階のハードウェアでは、全てのカメラで全てのフレームとレゾリューションを使っています。

古いNVIDIAハードウェアを使って完全自動運転化を目指すのは可能ですが、そのためには多くのソフトウェアに関するハックや努力が必要になります。しかし2000%ベターなハードウェアを使えば、ソフトウェアのためにそこまでの努力をしなくても良くなるのです。現在のハードウェアでは生身の人間よりも50%安全な運転ができますが、次のバージョンのハードウェアでは1000%安全になるでしょう。

 他メーカーがテスラの技術を使うことに関して

他の企業がテスラの技術を使ったり(充電器や自動運転など)、それをもとに開発することに関してはオープンですが、一緒に何かをするのは難しいと考えています。彼らにリクエストされたからと言って、テスラのハードウェアやソフトウェアを変えることはありえないからです。他企業がテスラの技術を使っても、それに変更を加えない限りOKですが、彼らはそうしたがらないでしょう。

仮想通貨についてどう思うか。

仮想通貨はエネルギーを使いすぎます。テスラが仮想通貨を扱うことはあり得ません。

(翻訳・文 杉田 明子)

【参考記事】
『テスラの自動運転、首都高速では実際どうよ?』(2019年1月30日)
『テスラのオートパイロット(レベル2自動運転)』(2019年1月25日)


イーロン・マスク氏の「Model 3」プレゼンテーション動画(テスラプレスインフォーメーションより)

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この記事の著者


					杉田 明子

杉田 明子

2010年代に住んでいた海外では'94年製のフォード→'02年製のトヨタと化石のような車に乗ってきました。東京に来てからは車を所有していないのですが、社用車のテスラ・モデル3にたまに乗って、タイムスリップ気分を味わっています。旅行に行った際はレンタカーを借りてロードトリップをするのが趣味。昨年は夫婦2人でヨーロッパ2,200キロの旅をしてきました。大容量バッテリーのEVが安くレンタルでき、充電インフラも整った時代を待ち望んでいます。

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