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ごめんなさい日産サクラ!【EV買い替えレポート01】なぜインスターに買い替えを決断したか

ごめんなさい日産サクラ!【EV買い替えレポート01】なぜインスターに買い替えを決断したか

著者陣の中尾真二氏が実際に「日産サクラ」からヒョンデ「インスター」への買い替えを決断&決行したレポートをシリーズで紹介する第一弾。一度EVに乗るとエンジン車に戻れない気持ちは多くのEVオーナーが理解できるはず。中尾氏が軽EVからコンパクトEVへの乗り替えを決意した理由とは?

目次

選択肢が増えた小型EV

2025年1月、「NEW YEAR EV MEET」に参加したとき、日産サクラの買い取り査定をした(関連記事)。サクラに特段の不満はなく、付き合いのあるディーラー担当者もよくしてくれていて、最初の車検くらいで買い替えるつもりはまったくなかったのだが……。

2024年末にヒョンデインスターの日本導入が発表されて、状況が変わった。詳細は下取り査定を受けた時の記事にも書かせてもらっているが、我が家の車庫は全長4m程度のコンパクトカーしか入らない。BYD ドルフィンが出たときもかなり心が揺れたが、全長約4.3メートル。あと10センチほどで門が閉まらなかった。

約3年前に購入した日産サクラは、いわば消去法で決まった車種だが、今はN-ONE e:、インスターなどの選択肢がある。全長約3.8メートルのインスター(サクラは約3.4メートル)は問題ない。

「最初の車検前に買い替えなんて」「見積り取るだけだから」と自分に言い聞かせていたが、本心は自分がいちばんよく知っている。ヒョンデのADAS制御やi-PEDAL(ワンペダルで完全停止まで可能)のフィーリングはKONAやIONIQ 5で体験している。テスラやBYDより自分好みである。おそらく国産車の制御に近く違和感が少ない(例外は前車追従時の減速タイミングが慣れないと少し怖い)。300km超えの航続距離はサクラにとって異次元であり、仕事での使い方も変わる。

なお、サクラの名誉のために言っておくが、日帰り往復200kmは何度となく実践しているし、SOC(バッテリー残量)90%以上あれば往復100km程度の移動は途中充電を考える必要はない。バッテリー冷却のあるサクラは、高速道路で100km走行ごとの急速充電でも熱ダレしないので70~80%まで安定して回復してくれる。セカンドカーなら維持費含めて最適だし、平均的なファミリーユースならファーストカーとしての運用も耐える性能を持っている。

2022年には購入したばかりのサクラでロングドライブレポートを執筆した。

コストパフォーマンスとV2Lが決断を後押し

インスターの日本向け仕様(バッテリー容量や航続距離、装備類、価格帯)が明らかになるにつれ、情報が注意を惹き、興味はやがて欲求になり……、マーケティングの購買心理(例:注意・興味・欲求・記憶・行動)をまんまとトレースしてしまった。

ヒョンデ車のEV性能、内外装、ADAS制御、ナビの癖はIONIQ5やKONAの試乗である程度知っていた。大きな不安はない。やはりサクラと同等の価格帯でバッテリー容量が2倍以上というコストパフォーマンスは圧倒的だった。室内コンセントやV2L対応の話を聞いたときは、あとはいつ買い替えるか、という気持ちになった。

具体的には、サクラの下取り・買い取り額、CEV補助金の精算(4年以内の処分、買い替えは払い戻しが発生する)、インスターへの補助金額、充電カードなどのシミュレーションも行い、資金繰りを考えた。

最大のハードルは家族の説得

2025年1月のオートサロンでも出展されていたインスターが気になった。

最大のハードルは細君である。彼女にとって車は足でしかないので、車両サイズ、操作系が変わるのはあってはならないことだ。EVだからと言う以前に、どんな新車であっても、セレクターの位置・形状、視界やシート、空調やラジオの操作が変わるのはすべてネガティブポイントとなる。EVはサクラで慣れており、むしろ回生ブレーキ(アクセルオフでブレーキがかる)や乗り心地、ランニングコストは気に入っていたので、EVへの否定はなかった。

説得は、時間がかった。過度な繰り返しは逆効果だし、なにも言わなければ諦めたと思われる。タイミングをうかがいつつ、それとなく意思表示をするようにした。最終的には、買い替えに関する計画書のようなものを作って、見積書、下取り額、買い替え費用や補助金の差額(払い戻しをしても持ち出しはない)、資金繰りを数値化、可視化してみせた。

最終的に、「車検」と「今ならまだ下取りも(それなりに)高いから」ということで、買い替えの「お許し」をいただくことができた。

ちなみに、2月の査定ではおよそ100万円だった。今回、ヒョンデ カスタマーエクスペリエンスセンター横浜(CXC)で提示された買い取り金額は82万円ほどだった。ヒョンデでは、新車購入時の「下取り」は行っていないが、契約事業者による「買い取り」を斡旋してくれる。自分で高く買ってくれる業者を探してもよかったのだが、調べる時間と複数業者とのやりとりの時間・コストを考えると、最高値でなくてもCXCにまかせることにした。

選んだのは15インチタイヤの「ボヤージュ」グレード

以上が、サクラを手放しインスター購入を決断して注文するまでの経緯と背景事情となる。

振り返って言えることは、特定の新型車がどれだけ魅力的であっても、最終的な決断に至るにはそれだけでは不十分だったということだ。長所・短所、メリット・デメリットの評価の積み重ねであって、それは最終的には主観、好みの問題に落ち着く。機能・装備と価格のバランス。保証・アフターサポート。リセールなど、すべての要件を満たす車など、おそらくだれにとっても存在しない。

筆者の場合、自宅車庫に入るサイズで航続距離が458km(WLTC値:49kWhモデル)。急速充電性能が最大30kWのサクラに対して、最大出力150kW器の急速充電にも対応(インスターは最大238Aに対応)するEVはどんなものか、純粋に興味があった。CXC横浜が近かったのも大きい。車で15分から20分。公共交通機関利用でも40分という距離感だ。整備やサポート体制に不安がなかったことも、決断を後押しした。

購入を決めたトムボーイカーキのインスター。写真のクルマのグレードはラウンジ。

最終的に契約したのは、インスター ボヤージュ。色はトムボーイカーキ。これを選んだ理由は、おもにランニングコストを考えてのことだ。普通なら価格差が22万円でフルスペックのラウンジを選ぶところかもしれない。実際、注文の多くはラウンジだそうだ。

だが、トルクがあるEVとはいえインスターサイズで17インチタイヤは不要、小回りや電費を考えると15インチのほうが有利と考えた(実際にはヴォヤージュとラウンジの最小回転半径は5.3メートルと違いはなかったが)。

塗装はメタリック塗装ではなく手入れが楽なソリッド色を指定した。選択肢は白とカーキしかなかった。問い合わせ時に、ちょうど該当する車両が船積みされるというので、納期を確実にするためもあってカーキを選択した。

次回以降は、インスターの車種・装備選定を。そして購入手続きや納車までの流れを解説する。

文/中尾 真二

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この記事を書いた人

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。「レスポンス」「ダイヤモンドオンライン」「エコノミスト」「ビジネス+IT」などWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、セキュリティ、オートモーティブ、教育関係と幅広いメディアをカバーする。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から使っている。

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