【元記事】Electric School Buses Could Be “Mobile Batteries” During Blackouts by Tim Tyler on 『CleanTechnica』
※冒頭画像はアメリカのスクールバスのイメージ画像です。
※元記事初出/2022年10月28日
EVスクールバス導入に10億ドルの助成金新設
バイデン政権は、全米各地(50州、ワシントンD.C.、およびいくつかのネイティブ・アメリカン居住地や連邦政府直轄領土)の400以上の学区を対象とした連邦政府助成金を新設しました。
約2500台のEVスクールバスの購入に充てられるこの助成金の総額は、およそ10億USドル(約1341億円、2023年2月現在)と見込まれます。EVバスは排ガスや大気汚染の削減に向けた重要なステップであるだけでなく、行政サービスが行き届いていない地域に対して、自然災害などの緊急時のグリッドの安定性とレジリエンスにも一役買うとバイデン政権は言っています。
EVスクールバスを学校の送迎に使用すること、そして停電時や自然災害時に移動式のバッテリーとして使用することについて、コーネル大学の2名の専門家がそれぞれ以下のように述べています。
電気工学・コンピューター工学の教授で、再生可能エネルギーをグリッドにサステナブルに統合する方法を研究するエイリャン・ビター コーネル大学教授は「EVスクールバスは、グリッドをよりクリーンで信頼性の高いものにする『移動式バッテリーのネットワーク』になり得る」といいます。
「バスで登下校する生徒が有害な排ガスに晒される量を減らすだけでなく、不安定な電力供給や長期停電など、これまでインフラが十分整っていなかった地域において、電力のレジリエンスを向上させる可能性を秘めている。
例えば2021年のテキサス州の大寒波では数百万人が影響を受ける停電が発生したが、真っ先に停電になったのはマイノリティが多く住む地域だ。双方向充電機能を搭載したEVスクールバスがあれば停電の恐れがある地域に巨大なバッテリーで電力を供給することができる。また、スクールバスは授業がある日に5時間程度走行するだけで、週末や休日は通常使用しないため、こうしたサービスの提供には特に適している。
さらにバッテリーの蓄電能力を活用して卸売電力市場に電力と安定性を提供することで、交通手段としての役割に影響を与えることなく、EVスクールバスフリートの保有総コストを大幅に削減することができる。
EVスクールバスは充電スケジュールの自由度が高いため、風力発電や太陽光発電の断続的な電力供給パターンにあわせて充電を調整することができれば、運輸セクターから年間800万トン以上の二酸化炭素を削減できる可能性もある。
公共交通機関の電動化を進めるにあたり、電動化されたフリートを単なる交通手段ではなく、よりクリーンで信頼性の高いグリッドを支える移動式バッテリーのネットワークとしてとらえる必要がある」
運輸業界の専門家で、コーネル大学産業労働学部の研究部長アーサー・ウィートン教授は「EVバスは初期費用こそ膨大だが、子供たちや環境のための賢明な投資で、ROIも大きい」と述べています。
「EVバスは学校にとって素晴らしいアイデアだ。スクールバスは通常、駐車スペースが確保されているため、そこで充電もできる。現在運行しているスクールバスは、ほとんどが排ガスが汚いディーゼル車で、学校の目の前に駐車し、悪臭やPMをまき散らしている。電気自動車を購入する初期費用は膨大だが、高額な軽油を使わず、メンテナンスもディーゼル車よりずっと少ないため、初期投資は数年で回収可能だ。学校だけでなく、子供たちや環境にも良いことだし、気候変動抑止の目標を達成するための賢明な投資でもある。
残念ながら、2500台のEVスクールバスを生産するには何年もかかるのは事実だが、新しいEVバスが1台導入されるたびに、また一歩、私たちは目標に向けて前進できる」
翻訳/池田 篤史
アメリカのことですしきっと中国製は排除した補助金なんでしょうけど
アメリカ製のEVバスってあるんですかね
その辺どうなってるのか気になります