2025年、世界のプラグイン車(BEVとPHEV)の販売台数はついに2000万台を突破して乗用車新車販売シェアの26%となりました。電気自動車シフトがグローバルで進展するなか、最も売れたEVは? アメリカのメディア「CleanTechnica」から関連する2本の記事をまとめて全文翻訳でご紹介します。
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12月は過去最高となる210万台を超えるプラグイン車が登録
【元記事】
Global EV Sales Leaders — 2025 Top Markets & Powertrains by José Pontes
米国のEV市場が依然として足踏み状態にあり、中国も減速する中、世界のその他の地域(前年同月比51%増)が増加のペースを維持し、12月のプラグイン車(BEV+PHEV)の成長率を10%に引き上げました。
登録台数は210万台を超え、昨年9月に記録された過去最高をわずかに上回りました。BEVは前年同月比13%増の140万台となり、一方のPHEVは6%増の約75万台となりました。
2025年の合計台数は2,000万台を超え、2024年の1,700万台から大幅に増加しました。このペースでいけば、10年以内にプラグイン車が世界販売の過半数を占めることになります。
最終的に12月には、BEVが自動車市場全体の21%のシェアを占めました(PHEVを加えるとプラグイン車で32%)。これにより、2025年通年の実績はBEVのシェアが17%(PHEVとBEVの合計で26%)となりました。
シェアの着実な伸び(2024年のプラグイン車シェア22%から、現在は26%へ)により、EV革命を阻もうとする多くの試みがあったにもかかわらず、その勢いはもはや止めることができません。
また、プラグレス(外部から充電ができない)のハイブリッド車(HEV)が2025年の市場全体の13%を占めたことを考慮すると、2025年に世界で販売された全自動車の39%が、すでに何らかの形で電動化されていたと言えます。2035年頃までには、新車の大多数が何らかの電動化を伴うものになると予想されます。
日本は世界トップ5か国の自動車市場で最低に
主要市場に目を向けると、北米は2025年に低迷し、プラグイン車の販売は前年比6%減となりました。中国は同時に緩やかに成長(13%増)しましたが、プラグイン車のシェアがすでに50%を超えていることを考えれば、当然の結果と言えます。
一方、欧州(30%超)と世界のその他の地域(50%超)は2025年に成長率を上げたため、これらの地域が全体の販売ランキングにおける比重を高めていくと予想されます。
これは2025年にはすでに現れており、全販売台数に占める中国市場の比重は、2024年の64%という巨大な数字から、62%へとわずかに低下しました。
自動車市場の上位5カ国(中国、米国、インド、日本、ドイツ)のうち、日本とインドは依然として遅れをとっていますが、両国では状況が異なります。日本市場は依然としてプラグレスハイブリッドのワンダーランドとなって停滞している一方、インドはEV革命を本格化させており、2025年の国内EV市場は92%の急成長を遂げました。その結果、インドのEVシェアは年末までに4%に達しました。
突出した成長を記録したのはインドだけではありません。インドネシア(128%増)、ベトナム(97%増)、トルコ(90%増)、メキシコ(154%増)といった他の主要市場でも市場が急拡大しており、EVの販売を押し上げています。
中国勢の進出により新興国でシェアが増加
シェアに関しては、2025年には39カ国が自動車市場でEVシェア10%以上を達成しました。2019年にはこの目標を達成したのがわずか4カ国だったことを考えると、驚くべき進歩です。さらに、同じ2019年には世界のEVシェアが(2018年の)2%から3%に上昇したことを喜んでいたことを思うと感慨深いです。2025年は、26%のEVシェアで締めくくられました!
メディアで注目されることの少ない市場の中でのEVシェアのハイライトとしては、ネパール(50%超)、ベトナム(40%近いEVシェア)、シンガポール(40%超)、タイ(2025年に20%の節目を突破)、インドネシア(15%)などが挙げられます。
しかし、EV革命が加速しているのはASEAN諸国だけではありません。ラテンアメリカではウルグアイが先行しており、EVシェアは27%に達し、同地域のEV優等生であるコスタリカ(2025年は「わずか」17%のシェア)を上回りました。
これらの市場における成長の大きな原動力の一つは、私たちが以前公開したアルバニアやウクライナに関する記事で見てきたように、中国が自国のEV車種を大量に輸出し始めたことです。これにより、これらの市場で依然としてICE車を推進している大手レガシーメーカーから販売を奪っています。アジアでは日本の自動車メーカーが、ラテンアメリカでは欧州や米国の自動車メーカーがその対象となっています。

BYD自社専用の7隻目のRoRo船「ZHENG ZHOU」(BYDマレーシア公式サイトより引用)
世界は変化しており、好むと好まざるとにかかわらず、メディアで「自由を愛する人々」が何と言おうとも、電動化は止まりません。
※訳注:「自由を愛する人々」は、EVへの移行に反対し、パワートレインの選択の自由を主張する人々の揶揄。
12月はテスラが1位と2位を獲得!
【元記事】
20 Best Selling EV Models in the World in 2025 — テスラ Makes an (Increasingly Rare) #1 + #2 Win by José Pontes

12月のベストセラーEVに関する大きなニュースは、中国市場での好調のおかげでテスラが米国市場での低迷から部分的に回復し、ベストセラー車種がトップの座に返り咲いたことです。Model Y(13万2,327台、前年同月比3%減)がベストセラーの座を獲得し、続いてModel 3(5万4,745台、前年同月比4%減)がランクインしました。それでも両車種とも前年比で販売が減少しており、少なくとも今後2〜3四半期はその傾向が続くと予想されます。
他の競合車種を見ると、テスラの2車種に続いて、もう1組のベテランコンビがランクインしました。BYDのQin PlusとSongが3位と4位でした。面白いことに、この2車種は全く異なる状況にありました。SUVは販売減が止まらず12月には42%減少した一方、Qin Plusは2026年仕様の刷新版に向けた在庫整理として大幅な値引きを実施し、過去18カ月で最高の成績を収めました。
トップ3以外の注目点は5位に入ったXiaomi YU7で、6位のGeely Xingyuanや7位のBYD Seagullを上回りました。増産が一段落したと見られ、このスポーティーなクロスオーバーは今後、上位の常連になると予想されます。
BYD Seagullの下位を見ると、いつものBYDの集団は以前ほどまとまっておらず、その間にいくつかのモデルが入り込んでいます。中でも最も驚かされるのは、8位のFang Cheng Bao Tai 7、10位のAITO M7、14位のNIO ES8という3車種のフルサイズSUVです。
確かにFang Cheng BaoはBYD傘下ですが、これは同社のプレミアムブランドであり、現時点でTai 7に直接競合するモデルはBYDのラインナップには存在しません。大型で快適なSUVトレンドの波に乗り、AITOは次々とフルサイズSUVを投入し続けており、M7はこのカテゴリーにおける同社3車種目の代表モデルです。そして、人々はそれらを購入し続けています……。
ONVO L90で一時の成功を収めた後、NIOは再びフルサイズSUVで大きな成果を上げています。わずか8年間で3代目となる新型の大型SUV、ES8によって、同社は世界ランキングで14位にランクインしました(同じ期間に、テスラは依然として同じModel 3を販売し続けています)。中国のスタートアップがこの順位を達成したのは今回が初めてです。NIOブランドの将来のスター選手となるでしょうか?NIOよ、いまこそポテンシャルを発揮すべき時です……。
ランキング後半でも多くの新記録
ランキングの後半では、16位のMG 4のようにいくつかの新型モデルが記録を塗り替えています。MG 4は12月に1万8,000台以上の納車を達成し、この中英ブランドにとっての成功作となりつつあります。これに続いたのがBAICの新しいモデル、Arcfox T1です。このコンパクトハッチバックは1万7,170台という記録的な販売を達成し、ランキングの17位に入りました。
BAICはこの新型EVに大きな期待を寄せており、同社が業績を好転させるきっかけとなることを願っています。何しろBAICは、かつて2017年にEC-Seriesで世界ベストセラーのタイトルを獲得した実績があるのですから……。
ランキングの最後を飾るのは、Li Autoの新型ミッドサイズSUV/MPVであるi6です。このモデルによって同社が販売を回復させ、現在の中国におけるBEVの波に乗れることが期待されます。
ランキング外では、今回は中国以外の地域が注目を集めました。最も印象的な例は、クロスオーバーの装いをしたミッドサイズMPV、ベトナムのVinfast Limo Greenです。市場投入からわずか数カ月で生産が急速に増産され、12月には1万1,205台という素晴らしい販売台数を記録しました。果たしてこれが、Vinfastが輸出市場で勝利するために必要なスター選手となるのでしょうか?
(Vinfastよ、どうか輸出市場のラインナップにこのモデルを加えてください。世界にはヨットのような大きさではないMPVがもっと必要なのです!)
欧州では、Renault 5とAlpine A290の兄弟車が注目を集めました。これらフランスのEVは記録的な1万2,978台を販売し、チェコではSkoda Elroqが引き続き記録的な結果を積み上げ、12月は1万3,698台で締めくくりました。
最後にスウェーデンでは、Volvo EX30が再び5桁の販売台数に戻りました。12月の1万894台という販売数は、過去1年半で同モデルにとって最高の成績となりました。
年初来ではGeely Xingyuanが3位のモデル3に迫る

年初来(YTD)、または通年のランキングに関しては、年が変わってもトップ3の顔ぶれは変わりません。2022年(そして2023年、2024年も……)と同様に、トップの座に輝いたのはテスラ Model Yで、これで4年連続のベストセラーのタイトルを獲得しました。この偉業は過去に、同じテスラのModel 3(2018年から2021年まで)と日産リーフ(2011年、2013年、2014年、2016年)しか達成していません。
Model Yは5度目のベストセラーのタイトルを勝ち取る最初のモデルとなるのでしょうか? その可能性は非常に高いですが、販売台数は引き続き減少していくと予想されます(2025年は9%減でした)。また、全てのパワートレインを含めた総合タイトルについてはトヨタ カローラがModel Yを大きく引き離しているため、現在では手が届かない状況です。
BYD Songは、天に召される大きな充電ステーションへとゆっくり向かっている(※訳注:モデル末期で姿を消すことの比喩)とはいえ、なんとか再び銀メダルを獲得し、4年連続の快挙を成し遂げました。しかし、2026年にトップ3の座を維持できるとは期待しない方がいいでしょう。
トップ3の最後を飾ったのはテスラModel 3で、4年連続のメダル獲得となりました。これにより8年連続でメダルを手にしたことになり、EV史上最も多くのメダルを獲得したモデルとなりました。しかし、いまの問いは「2026年に9つ目のメダルを獲得できるか?」ということです。
2025年の減少はわずか(前年比1%減)でしたが、実際のところ、栄光を追い求める若い力(Geely Xingyuan、BYD Seagull、2世代目Wuling Mini EV、Xiaomi YU7など)が台頭しています。販売の減少が今後も続けば(その可能性は非常に高いですが)、テスラのセダンはこれら新型モデル、特に今年大量に輸出される予定で50万台の大台超えが見込まれるGeely Xingyuanによって、トップ3から押し出される可能性が高いでしょう。
つまり、2025年に欧州で起きたことが、世界的な舞台でも再現されることになるでしょう。Model Yは首位の座を維持しますが、その他の順位には新しい顔ぶれが並ぶはずです。
12月に話を戻すと、このランキングで最初の順位変動は、12位のBYD Yuan Upが同社の兄弟車であるBYD Yuan Plusと順位を入れ替えたことでした。一方、VW ID.4は欧州での好調なパフォーマンスと、上位モデルの低迷という恩恵を受け、12月には3つ順位を上げて15位に浮上しました。これは、2024年の順位(16位)を1つ上回る結果です。当初の批判にもかかわらず、ID.4はVolkswagenにとって有能な主力車種であることを証明し、長年にわたりドイツのメーカーを支えてきました。

Volkswagen ID.4(Volkswagen公式サイトより引用)
今年後半にID.Tiguanがその後継となることで、私たちはこの、少々ありきたりではありますが有能なクロスオーバーの功績を称えたいと思います。
最後に、昨夏に登場したばかりであるにもかかわらず、Xiaomi YU7は12月にトップ20入りを果たしました。これによりXiaomiは、市場に参入して最初のフルイヤーでトップ20に2車種を送り込むこととなりました……。
中国市場を除外すると…?
中国市場を除外した場合、EVのランキングはどのようなものになるのか、考えたことはありますか?
さあ、もう疑問に思う必要はありません。中国での販売を除外したトップ5モデルのランキングはこちらです。

ご覧の通り、これといった驚きはありません。テスラModel Yが依然として圧倒的な首位であり、それに同じテスラのModel 3が続き、BYD Songが3位となっています。
基本的にはトップ3の顔ぶれは変わりませんが、唯一の変化はModel 3がBYDのSUVを追い抜いたことです。
残りの順位では、VW ID.4が4位に入り、世界中を駆け巡る車としての価値を証明しました。一方、BYD Seagull(別名:Dolphin Mini、Dolphin Surf、Atto 1)が5位となり、BYDにとって多くの輸出市場への入り口となっていることが分かります。
これは、輸出市場ではEX2として知られるGeely Xingyuanが、今年(2026年)に辿ると予想される道筋でもあります。
電動ピックアップトラックはFordとBYDが接戦

Ford F-150 Lightning(Fordより引用)
次に、世界の電動ピックアップトラック市場のベストセラー、トップ3は以下の通りです。
1位 — Ford F-150 Lightning(3万1,536台)
2位 — BYD Shark 06(3万1,428台)
3位 — テスラ Cybertruck(2万1,284台)
2022年にRivian R1Tが、2023年にFord F-150が、そして2024年にはテスラ Cybertruckがこのタイトルの栄冠を手にしましたが、今年は再び偉大なFordがタイトルを獲得しました。
しかし、FordとBYDのピックアップトラックの間では、ほぼ同数という結果でした。一方でメーカー別で見ると、Fordは新型のFord Ranger PHEVによる1万台の追加分のおかげで、タイトルの獲得は容易でした……。
……ただし、これは2026年には不可能になります。なぜなら、Fordが電気版F-150の生産を終了(理由は……?)するからです。そのため、車種部門、メーカー部門のいずれにおいてもタイトルを守ることはできないでしょう。
スポーツカーはDodge Chargerがトップを獲得

Dodge Charger Daytona Scat PackとDodge Charger Daytona R/T(Stellantisより引用)
スポーツカー部門にもトップ3が存在します。
1位 — Dodge Charger(7,421台)
2位 — Ferrari 296(4,671台)
3位 — Mercedes CLE(3,868台)
これはEVのトップ3の中では最もエキゾチックな顔ぶれであり、屈強なCharger(私も1台欲しい!)がタイトルを獲得しました。それに続くのはイタリアの高級車であるFerrari 296で、30万ドルを超える価格でありながら、2025年には4,000台以上を売り上げました。
この2車種と比べると、Mercedes CLEは少し……普通すぎると感じるかもしれません。それでも、2025年には4,000人近くの買い手を惹きつける十分な魅力があり、トップ3の最後の椅子を巡る争いで、MG Cyberster(3,763台)を僅差で上回りました。
【訳者あとがき】
2025年は北米や日本ではEVの販売が停滞した一方、中国は緩やかな成長を続け、欧州は2024年からの停滞から回復、その他の市場では大きく成長しました。特に東南アジアやラテンアメリカなど、これまで価格やインフラを理由に普及が遅れていた地域で大幅に増加し、多くの国で日本のEVシェアを上回っています。
また、本文でも触れた通り、インドのEVシェアが4%に達したことで、世界5大自動車市場において日本(2.66%)は最下位の5位に転落。幸い2026年は日本においても多くの新型車が発売される予定であり、今後の回復に期待です。
後日、ブランド・OEM別のランキングについてのレポートをお届けします。
翻訳・文/八重さくら






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