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宿泊者のEV充電予約OK! ホテルルートイン上山田温泉で「安心の満充電」宿泊レポート

宿泊者のEV充電予約OK! ホテルルートイン上山田温泉で「安心の満充電」宿泊レポート

ルートインホテルズの普通充電器が「宿泊者に限り予約可能」になりました。EVユーザーにとってうれしい改善。さっそく、宿泊&EV充電を予約して宿泊してきました。全国の宿泊施設関係者のみなさんに「国の補助金活用しててもeMP連携でも、宿泊者の充電器予約はOKですよ!」とお知らせしたいレポートです。

目次

スマホアプリから宿泊&EV充電を予約

ルートインホテルズのチェーンに設置されているEV用普通充電器が、2025年5月12日から「宿泊者に限り予約可能」になっています。

2010年代のEV普及黎明期から、意欲的にEV充電器設置を進めてくれていた「ルートイン」は、EVで旅することが多い私のお気に入りの宿です。とはいえ、充電器が1口だけの施設も多く、到着して充電器利用の先客がいたら残念無念。酔っ払って寝ているうちに満充電にできるのと、ホテル以外の場所で充電を計画しなければいけなくなるのは旅程の利便が大違いなので、いろんなレポート記事で「宿泊施設の充電器は予約できるようにするべき」と繰り返してきました。ルートインの充電器が予約できるようになったのは、EVユーザーにとって歓迎すべきアップデートであるのは、先日の記事でも強調した通りです。

【関連記事】
EVユーザーの味方! ルートインホテルズの普通充電器が予約可能になったことを歓迎したい(2025年7月9日)

今回「ジャパンEVラリー白馬2025」のスタッフとして長野県白馬村へ出かけた帰りの途上にある「ホテルルートイン上山田温泉」に宿泊。充電予約の使い勝手などを実際に体感してみることにしました。予約手順などを紹介します。

一番左の画像は App Store の説明ページから引用。

まずは宿泊予約です。ルートイン公式アプリからサクッと予約。朝食付きで9200円。公式サイト予約の会員割引300円で、ひとり一泊8900円で予約が取れました。

続いて、EV充電を予約します。ホテルルートイン上山田温泉に設置されている充電器は1口だけ。充電予約が取れなければ宿泊予約もキャンセルして、別のホテルを探すつもりでした。

充電予約の入り口は、ホテル詳細情報ページの「NEWS」欄にありました。「電気自動車(EV)の充電予約開始について」というお知らせを展開すると、「ご宿泊者様専用の充電予約サイトはこちらから。お電話でも予約を承ります。(お一人様1日1台まで予約可)」という案内が表示されます。

「こちら」をクリックするとカレンダーが表示され、日付(チェックイン日)を選んで「予約する」を選択。ログインしていれば宿泊予約番号などは自動で表示。利用時間を選んで予約します。

今回、白馬のイベント終わりで上山田温泉に到着予定が17時くらいだったので、念のため16時使用開始を選択。設置されているEV充電エネチェンジの普通充電器出力は6kWで、マイカーKONAのバッテリー容量は48.6kWhですから、ほぼ空の状態から充電しても8時間もあれば満充電になるはずです。とはいえ、夜中の1時とか2時に充電が終わってもクルマを移動するのは難しい(私の場合、間違いなくお酒が入ってます)ので、朝7時までの予約にしました。

もっとも、「お一人様1日1台まで予約可」で「15時~翌10時」がルールですし、満充電時刻を計算するのもわずらわしいので、普通に「チェックイン予定時間~チェックアウト予定時間」まで予約するのが賢明だと思います。

実際の宿泊&充電はどうだったのか

充電用の駐車区画はホテルエントランスに近い絶好の場所でした。

13日の日曜日。イベントが終わって白馬村を出発したのが15時過ぎ。会場のエイブル白馬五竜から上山田温泉までは60km弱。途中、何カ所か工事渋滞があり、ホテルに到着したのは予定通りの17時ごろでした。

到着時のSOC(バッテリー残量)は12%。白馬には2泊していました。白馬入りした11日の夜、宿での充電(200Vコンセント)を60%までに設定。12~13日のイベント中、私のKONAからV2Lで会場アナウンスのスピーカー電源などに使用することになっていたので、2日間の電力使用量&白馬村内と白馬から上山田温泉までの移動を暗算して、ホテル到着時(充電開始時)のSOCが「10%程度になるように」と思っていたので、どんぴしゃりのご名算でした。

フロントでチェックイン(公式アプリのバーコードを示すだけ)を済ませ、EV充電を予約してあることを伝えると、スタッフの方が一緒に充電区画まで来てくれて、充電プラグに掛けられていたダイヤル錠を解錠してくださいました。

車両側の充電予約設定(自宅では深夜の時間帯だけ充電する設定にしています)を解除して、ZESP3(EV充電エネチェンジの充電器は e-Mobility Power 提携の充電カードで利用可)カードで認証して充電開始。

ヒョンデの車両連携アプリ「Bluelink」に「充電が完了しました」の通知が届いたのは14日の午前1時ごろ。ZESP3からのメール通知で確認すると、17時09分~0時59分まで、469分間で45.7kWh充電できていました。

朝7時、充電予約の終了時間。朝早く目覚めるお年頃なので朝食を終えたその足で充電ケーブルを抜き、フロントに「充電終わってます」と伝え、ついでに「チェックアウトまで停めてていいですよね?」と確認。このホテルの充電器は2区画から使えるようになっていて、もう片方が空いていました。停めっぱなしでごめんなさいという気持ちを込めて、「電気自動車優先駐車スペース/満車時は一般車両もご利用いただけます」と書かれたパイロンをしっかりと置き直しておきました。もちろん、施設によっては充電用の駐車区画に余裕がないケースもあるでしょうから、状況を見ながら充電器利用後はクルマを移動するのがスマートです。

ちなみに、今回のホテル駐車場には、今までに宿泊したルートインでは見たことがないパイロンがありました。片面が「充電予約あり/予約者以外駐車禁止」、もう片面が「充電可能/ご利用の際はホテルまで」という表示です。とくに「充電予約あり!」のシンプルで毅然とした言葉が印象的でした。

前回の記事でルートインに確認したところ「予約を確実に実行するために充電器に鍵を掛けての運用方法にした」ということでした。旧バージョンのパイロンは下の写真のように「電気自動車優先駐車スペース/本日充電車両の予約あり」という表示だったのに比べ「予約者以外駐車禁止」であることが明確。このパイロンを動かしてエンジン車を停めるのは日本語が読めない人くらいではないかと思われます。

従来使用していたパイロンの「予約あり」表記。

聞くところによると、「充電予約あり」の新しいパイロンは、予約システム導入に合わせて用意された新デザインとのこと。長年EV充電のサービスを提供してきたルートインホテルズの経験と工夫が詰まったアイデアと感じます。

出発時に写真を撮り忘れていて、少し走った信号待ちで撮影。98%で航続可能距離は402kmと表示されています。

充電器が空いているかどうかなんて心配せずにホテルに到着して、安心してしっかり満充電。ホテル出発時の航続可能距離表示は400kmを超えていました。東京の自宅までの距離は約210kmですから、もう何も考えずに走るだけでOKです。常日頃、宿泊施設での目的充電が必須とか、宿泊施設の充電器は予約可能に! と叫び続けている理由がおわかりいただけるのではないでしょうか。

「さらなるアップデート」をお願いしたいポイントは

ルートインホテルズで導入されたEV充電器の予約システム。スムーズに予約できたし、現地での対応も文句なし。上山田温泉のホテル駐車場は充電区画の条件も良かったので、大満足のステイ&チャージとなりました。

一点だけ気になったのが、アプリで宿泊予約を入れたあと、充電予約を入れるためには再びホテルの詳細情報ページにアクセスして、NEWSのなかの項目を開き、予約サイトへのリンクを踏んで……、と手順がちょっとややこしいことでした。

マイページの予約詳細とか、宿泊予約完了の通知メールなどに「充電予約はこちら」という入り口があれば、さらに使いやすくなるのになと感じたのでした。さらなるアップデートを期待しています。

あと、1日1台限定は狭き門なので、各ホテルへの複数口設置も期待しています。現在、ルートインではEV普及の状況を見ながら複数口化も着実に進展中。EVユーザーのみなさんがどしどし利用すること、そして国内自動車メーカーが「欲しくて買える」魅力的なEV車種を発売してくれることで、複数口化が加速していくことでしょう。

大浴場男湯。

大浴場女湯。

ルートインのホテルはきれいな大浴場を備えているのが私のお気に入りポイントなのですが、今回泊まったホテルルートイン上山田温泉の大浴場は硫黄の香り漂う天然温泉で最高でした。ビジネスホテルではありますが、普通にカジュアルな温泉旅行にもOKって感じのレベルです。

全国各地、多くの宿泊施設で「予約制」を進めてほしい!

国の充電インフラ補助金を活用して設置していたり、EV充電エネチェンジのように e-Mobility Power 連携の充電器は「すべてのEVユーザーに開放」し「予約制は不可」と思っている方が多いかも知れません。でも、宿泊者の予約時間以外はすべてのEVユーザーが利用可能としていれば、予約できるようにしてOK。ルートインホテルズの予約システム導入は、その先駆的事例です。

宿の規模などによって「運用方法はそれぞれ」になることでしょう。でも、日本のEV普及にとって、すごく大事なことだと思っています。ルートインに限らず、「宿泊施設にはEV充電器があって当然、宿泊者は予約できて当然」というのが、新しいニッポンの常識になりますように!

取材・文/寄本 好則

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この記事を書いた人

兵庫県但馬地方出身。旅雑誌などを経て『週刊SPA!』や『日経エンタテインメント!』の連載などライターとして活動しつつ編集プロダクションを主宰。近年はウェブメディアを中心に電気自動車と環境&社会課題を中心とした取材と情報発信を展開している。剣道四段。著書に『電気自動車で幸せになる』『EV時代の夜明け』(Kindle)『旬紀行―「とびきり」を味わうためだけの旅』(扶桑社)などがある。日本EVクラブのメンバーとして、2013年にはEVスーパーセブンで日本一周急速充電の旅を達成した。

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