優れたEVを選んで讃える「JAPAN EV OF THE YEAR 2025」受賞車へのトロフィーをお届けしつつお祝いインタビュー。優秀賞を獲得した新型「日産リーフ」について、開発責任者の磯部博樹氏にお話を伺いました。「リーフ」という電気自動車ならではのブランドを次世代に受け継いでいくための、熱い思いを感じました。
「日産リーフ」が優秀賞を獲得
「JAPAN EV OF THE YEAR」は、EVsmartブログと読者がともに、ノミネート車種の中から2025年を代表する最優秀EVを選出するユーザー参加型アワードです。2024年11月から2025年10月までに日本国内で発売されたEV(BEVのみ)を対象に、一般投票とEVの知見を有するエバンジェリスト26名による投票を実施。新型「日産リーフ」が345ポイントで「優秀賞(第2位)」を獲得しました。
一般投票で全車種中最多の288票を獲得。初代発売から約16年、78kWhの大容量バッテリーや水冷式温調システムを搭載し、航続距離700km超を実現しました。150kWの急速充電性能、V2L機能など、長年のユーザーの声を集大成。「性能、品質、テレマティクスサービス、インフラ対応が高いレベルでバランスがとれたEV」と高く評価されました。

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JAPAN EV OF THE YEAR 2025 リザルトページ
開発責任者の磯部博樹氏にインタビュー
日産自動車本社に伺って、新型日産リーフのチーフビークルエンジニア(CVE)である磯部博樹氏に優秀賞のトロフィーをお届け。新型リーフへの思いなどを伺いました。一問一答スタイルで紹介します。

新型リーフ開発で重視したポイント
Q. 第1回の「サクラ」に続いて、リーフが受賞したことについての感想をお聞かせください。
今回、一般投票数が一番ということを聞きました。今回、われわれが開発で目指したのは「一般のユーザーの方に広く受け入れられる未来の、普通の車を作ろう」ということでした。その結果として、このように一般の方からたくさんの票をいただいたというのは非常に光栄なことだと思います。
Q. 投票いただいた一般読者の8割ほどがEVユーザーでした。期待に応えるために重視したポイントは?
われわれは、初代、2代目と経てきたなかでたくさんのお客さまからの声をいただいています。EVについて必ずといっていいほど言われるのが「航続距離」や「充電」に関する不安です。今回の開発ではそうした不安を徹底的に取り除くことを目指しました。さらに、カタログだけのスペックではなく、実用上でいかにして航続距離や充電の性能をお客さまに提供できるかということを心掛けて開発してきましたので、そのあたりを確かめていただければと思います。
Q. 磯部さんご自身が24kWhの初代リーフオーナーと伺ったことがあります。ブランドへの思いは?
そうですね、今もまだ乗っています。そろそろ入れ替えようかと思っているところですが。
実は、私は初代から今回の3代目まで開発に関わってきました。「リーフ」は日産のブランドのなかでも「GT-R」に次いで認知度が90%以上と高く、日産自動車の「看板」ではないかと思っています。そういった車種を担当できたことは非常に光栄ですし、このブランドをきちんと次世代に繋げていかなくちゃいけないという思いで開発に取り組みました。
新型リーフの魅力とは?
Q. 初代デビューから16年。新型リーフの具体的なおすすめポイントは?
編集部注:動画担当の畑本(テスカス)さんからの質問。
実用上のEV性能を改善させていくことはもちろんとして、EVならではの魅力が大事だと考えて開発してきました。
初代リーフでは、スッと滑るようなスムーズな走り、2代目では「e-Pedal」による滑らかな減速、今回の3代目ではプラットフォームを一新してコーナーを滑らかに曲がるといったように、「走る・曲がる・止まる」のすべてでEVならではの滑らかさを実現できていると思っています。
Q. 最もお気に入りの機能はありますか?
機能ですか? もう全部ですね。何ひとつやり残したことはないと思います。
それに加えて「プロパイロット2.0」も搭載(X、Gグレードにオプション設定)しています。EVと運転支援機能のマッチングはとてもいいので、ぜひお試しください。
車両価格について
Q. 車両価格が高すぎて「手が出ない」という声もあるようですが?
そういったご要望に応える意味をこめて、「B7(バッテリー容量78kWh)」に加えて「B5(55kWh)」というモデルを設定しました。B5の「S」グレードであれば補助金込みで約310万円〜となっています。そこに必要な機能を追加したとしても、われわれとしてはお求めやすい価格で提供できているのではないかと思っています。
さらに、「G」グレードには3DホログラムのLEDリアコンビネーションランプを採用するなど、グレードごとの特徴を加えています。最も販売台数が多くなるのは「X」グレードではないかと考えています。
Q. Xグレードなどは初代リーフから法人需要も多かったと認識しています。
そうですね。Xグレードは必要な装備をほぼ揃えていますので、ぜひお使いいただきたいですね。さらに、よりコストを抑えたい法人のお客さまにはSグレードをご用意していますから、そういったなかで選択いただければと思います。
Q. Sグレードでも「プロパイロット2.0」は選択できるんでしたっけ?
いえ、B5Sではベーシックな「プロパイロット」機能(標準装備)だけになっています。
編集部注※ベーシックな「プロパイロット」では、前車追従式クルーズコントロール(ACC)や車線維持などの運転支援機能が提供されます。一定の条件下で手放し(ハンズオフ)運転が可能な「プロパイロット2.0」は、Sグレードではオプションでも選択できません。
日本のEV普及への思い
Q. 日本ではEV普及が遅れています。
日本人の性格といいますか、不確実なものに最初は手を出したがらないところがあるのでしょう。一方で、周りの方が使い始めると一気に広がる特性もあるのではないかと思います。海外、たとえばヨーロッパではEVのシェアが10%を超え、中国では40%を超えています。日本でもこれからの伸びしろは非常に大きいのではないかと思っています。
Q. さらに手頃な車種バリエーションの拡大は?
EV市場の広がりを見ながら、われわれのお客さまに最適なクルマを提供するべく取り組んでいきます。
日産自動車のみなさま、優秀賞受賞おめでとうございます。磯部CVE、ありがとうございました!
EVsmartのXで動画も公開しています。
新型リーフ開発者「EVの実用性能は我々が一番わかっている」3世代目は何が進化したのか【ジャパンEVオブザイヤー2025】#日産 #リーフ #新型リーフ pic.twitter.com/LWKlKX0uhw
— EVsmart (@evsmartnet) March 20, 2026
新型リーフは高い?開発者が答える「310万円から買える」話【ジャパンEVオブザイヤー2025】 #日産 #リーフ #新型リーフ pic.twitter.com/X2H0oVpd6R
— EVsmart (@evsmartnet) March 26, 2026
取材・文/寄本 好則






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