メルセデスベンツの「EQ HOUSE」へ行ってみました!【吉田由美】

「クルマと家が成長しながら繋がって、居心地のいい家へ」〜メルセデスベンツと竹中工務店が提案する『EQ HOUSE(EQハウス)』は、東京・六本木の『メルセデス ミー東京』に期間限定で開かれている近未来の電気自動車ライフを体感できる施設です。カーライフエッセイストの吉田由美がレポートします。

メルセデスベンツの「EQ HOUSE」へ行ってみました!【吉田由美】

東京・六本木にある「メルセデス ミー東京」。2011年に「クルマを売らないショールーム」として、メルセデス・ベンツ日本が世界に先駆けて「メルセデス・ベンツ コネクション」という名前ではじめたメルセデス・ベンツの情報発信基地です。とはいえ、もちろん最新のメルセデス・ベンツのモデルに試乗できますが、併設されているカフェやレストランを目的に訪れる人が多いのが特長です。その後、本国のメルセデス・ベンツが「メルセデス・ベンツストア」をグローバル展開することになり2014年に現在の「メルセデス ミー東京」と名称を変更しました。

クルマが家の中に溶け込む家

その敷地内に期間限定でオープンしているのが、今回訪れた「EQハウス」です。メルセデスベンツ日本と竹中工務店が共同で、「クルマ」と「家」がつながる未来の家を提案&体験できるというコンセプト。

ちなみに「EQ」とは、ダイムラーの電気自動車や電動化に伴う新技術やインフラを含めたものを「Electric Intelligence(エレクトリック・インテリジェンス)」 =EQと呼んでいるのです。そして、今年中をメド(ってまさに近々!)に日本でも、メルセデスベンツ初の純電気自動車となる「EQC」が発売されるそうです。

さて、今年3月にオープンしたこの「EQハウス」。実は、なかなか行くチャンスがありませんでしたが…… EVsmartブログチームに加わって電気自動車とのご縁が深まったのを機に、この度、行ってきました!

「EQハウス」ではEQハウスの素敵な説明員、鈴木有里さんが出迎えてくれます。

鈴木さんの説明によると……。

この家は、簡単に言うと「人工知能によって生命が宿る家」。そして「クルマが家の中に溶け込む家」です。まずこの白いドーム型の建物の白いパネルはアルミ製で1200枚。それぞれの模様もすべて違うデザインになっています。
家のドアに近づくと、曇りガラスの色がだんだん薄くなって、くもりが取れてきます。これはセンサーが反応してのことですが、「EQハウス」にはそんなセンサーが無数にあります。それによって人とクルマがシームレスにつながります。

とのこと。

中に入ると、家の中にクルマが展示されていますが、残念ながら現在展示されているのは期待の電気自動車「EQC」ではありませんでした。聞くと、この「EQハウス」の発表会の時は「EQC」を展示していたとのことですが、その後すぐに日本を離れてほかの国へ行き、今はもう本国に戻ってしまったそうです。しかし日本での正式発表が年内ということは、「EQC」に日本で会える日は近いようです。

発表会ではEQCが展示されていました!

そしてクルマの前のガラスは「ガラスインターフェイス」と言って、VRを使いってパネルと組み合わせたもの。手をかざすと愛車のバッテリー状態や情報や家の情報などが映し出されます。さらに音声でも操作可能で、空調や照明の明るさを変えることができます。

合言葉はメルセデスベンツのAクラスと同じく「Hi! メルセデス」と声をかけるとメルセデスのAIキャラである「MBUX」(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)が答えてくれます。どんどん話かけることによって、その人の好みを「MBUX」が学習し、その人が快適になるように作動してくれるようになるそうです。

ただ、車載の「MBUX」と違うのは、話しかけても「EQハウス」は音声で答えてくれないことと、「Hi! メルセデス」というキーワード無しでも反応してくれます。また、スマートウォッチとも連動しているとのこと。

寝室にもおもしろい「しかけ」がされていました。室内で手をたたくと擦りガラスの色が濃くなったり薄くなったり、照明が変化したり、香りが変化したり。

ベッドに敷いてあるマットレスは寝具メーカー「西川」のもので、メジャーリーグで活躍中の大谷翔平選手が使っているモデル。「ここで試せる」と聞きつけた人がたくさん訪れているのだそう。

また、リビングから見える中庭は半室内(半屋外?)になっていて、木のまわりに水をためて自然の風を取り入れることで打ち水効果となり空気を冷やします。その冷たくなった空気を室内に取り入れて室内を冷やすそう。しかもこれらは、外と室内の気温差に応じて自動で家の中に送り込む仕組みになっていて「体感で1.5度ぐらいは低くなっていると思います」と鈴木さん談。(ちなみに取材日は前日に雨が降ったため、本来の部分ではない場所にも水が溜まっているそうです)

ちなみに、システムは竹中工務店、灯りやセンサー系は富士通、ベッドは西川、ほかにABCクッキングなども協力し、今後も楽しい提案を考えているそうです。

このプロジェクトは2年前から始まり、1年間は太陽の軌跡のデータ集め。1年を通じて室内の明るさが同じ69ルクスになるようにして、木漏れ日の中にいる感じを演出。究極は、室内でも自然の中にいるような居心地の良い空間にしたいそう。

先進の快適空間は、電気自動車とも相性がよさそうですね。「EQハウス」はこの後も進化しそうなので、私も時々チェックしてみたいと思います。

(吉田由美)

この記事のコメント(新着順)2件

    1. 小野様、コメントありがとうございます。マンションなどの集合住宅への充電器設置は、日本の法律で管理組合が行う必要があり、住民の過半数の承認が必要です。多少の費用もかかります。駐車場によっては、設置しやすい場所や、しづらい場所などいろいろありますが、例えば平置き駐車場なら、それほど大きな手間はかかりません。
      ご自身で推進される方法もあると思いますし、プロにコンサルティングを依頼する方法もあります。
      https://blog.evsmart.net/home-charging/
      こちらで、少しずつではありますが、自宅充電のノウハウを共有していく予定です。コンサルティングや工事会社のご紹介もしていきますので、ご興味があれば問い合わせなさってみてください。

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この記事の著者


					吉田 由美

吉田 由美

短大時代からモデルをはじめ、国産自動車メーカーのセーフティドライビングインストラクターを経て、「カーライフ・エッセイスト」に転身。クルマまわりのエトセトラについて独自の目線で、自動車雑誌を中心にテレビ、ラジオ、web、女性誌や一般誌まで幅広く活動中。

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