別件取材の宿泊先にスーパーチャージャーが……
東京の緊急事態宣言がいったん解除されていた6月末、私がフリーランスのライターとして取材レポートを担当している環境省『グッドライフアワード』の環境大臣賞受賞取組の取材で、長野県長野市で宿泊する機会がありました。取材先である『野菜のカネマツ』があるのは、長野市内の松代町。先方と相談して決めた宿泊先は松代にある『ロイヤルホテル長野』でした。
ん? なんだか聞いたことがあるホテル名だな、と確認すると。そうです。駐車場にテスラのスーパーチャージャー(SC)長野が設置されているホテルです。当初は新幹線で長野まで行ってレンタカーを借りる計画でしたが、SCがあるホテルに泊まる機会はそうそうありません。電気自動車、というかテスラ車の使い勝手を自ら体感するためにも、急遽、EVsmartブログチーム社有車のモデル3を予約して、2泊3日の取材に行ってきました。
ロイヤルホテル長野の電気自動車用充電器
充電スポット検索サービスの『EVsmart』で確認すると、ロイヤルホテル長野には2件のスポットが登録されています。
『長野スーパーチャージャー EV充電スタンド』
テスラスーパーチャージャー 120kW/4台
『Royal Hotel 長野 EV充電スタンド』
CHAdeMO中速 30kW/1台
ケーブル付き充電器 2台
4台のテスラSCに加え、CHAdeMO急速充電器が1台、そしてeMP(e-Mobility Power)ネットワークの普通充電器が2台併設されています。全国各地でホテル駐車場にSCが設置されているケースはままありますし、SC仙台(仙台ロイヤルパークホテル)には20台の普通充電器が設置されているとかありますが、SC & CHAdeMO & NC を併設しているのはおそらく日本でここだけ、だと思います。
ロイヤルホテル長野を運営するダイワロイヤルホテルでは電気自動車用充電設備に早くから注力しており、CHAdeMO急速充電器1台と普通充電器2台は全国のチェーンホテルではデフォルトといっていいくらい設置されています。でも、さすがにテスラSCを備えているのは長野だけ。
普通充電器が2台だけなので、タイトルの「日本一(推定)」という評価はちょっと盛り気味ですけど、SC、CHAdeMO、普通充電器というバリエーションを揃えているという点で「日本国内ではトップクラスの充電環境を備えたホテル」と言えるのです。
滞在中の充電は2回でした
6月26日〜28日まで、2泊3日の旅程の中で、充電したのは2回だけでした。
【1回目】6月26日午前7時30分ごろ
●テスラSC
●約15分間/41%→75%
【2回目】6月27日午後18時ごろ
●普通充電器
●18時ごろ〜翌朝まで/62%→100%
東京(自宅)〜ロイヤルホテル長野までの距離は約220km。モデル3パフォーマンスではSOC(電池残量)50%くらいで走りきれる距離なので、往復とも経路充電(移動中の急速充電)は行っていません。
1回目、長野到着時にわざわざSCで充電したのは、この日、同じ長野市内ではあるものの、20km以上離れた山中にある自然栽培の畑を取材することになっていたから、念のためです。同行のカメラマンや環境省ご担当者(おふたりは事前の予定通り新幹線で長野へ)とは8時30分に長野駅で待ち合わせだったので、早めに着いて空いた時間で少しだけ注ぎ足しておこうという算段でした。
翌日は松代地区内だけの移動だったので1泊目の夜は充電なし。
2泊目の夜、ホテルに戻ってから翌朝までeMP認証の普通充電器に繋ぎ、残62%から満充電に。そのまま、昼過ぎまで近辺での取材を終えた後、無充電で東京のオフィスまで帰着しました。復路は全体として下りのルートなので、往路以上に余裕でした。
今回のクルマは電池容量75kWhとされるモデル3パフォーマンスです。長野への遠征くらい、まったく充電のあたふたはありません。たとえば、日産リーフe+や、もうすぐデリバリーが始まるアリア、各社の輸入高級EVでも同様の「使い勝手」で往復できるでしょう。
ただし、ある程度(目安としては50kWhプラスα以上、くらいですかね)の電池を積んだEVだからこそ、東京=長野の経路を無充電で一気に駆け抜けることができるのは、ホテルに「目的地充電」を可能にしてくれる普通充電器があったからです。
目的地充電インフラのあるべき姿
というわけで、片道200kmちょいという「ありがちだよね」な長距離行程で、SC、CHAdeMO、NCとバリエーションが揃った充電設備を備えたホテルを利用したことで、宿泊施設の電気自動車用充電設備について、いくつか「考えるべきこと」に気付くことができました。
CHAdeMO急速充電器はありがたいけど必須ではない
まず、テスラSCと並んで設置されていたCHAdeMO規格の急速充電器。最大出力は30kWのいわゆる「中速充電器」は、いざという時にはありがたいでしょうけど、ホテル(宿泊施設)にとって必ずしも必要な充電器ではありません。宿泊にしろ宴会などにしろ、ホテルに滞在する時間は長いので、充電の必要があったとしても30分の時間制限があるCHAdeMO急速充電はかえって面倒。基本的に時間制限はない普通充電器に繋ぎっぱなしにできるほうが便利です。
もちろん、いろんな人生が交錯するホテルという舞台なので、「15分だけちょこっと充電したいんだよ」というニーズが生じることもあるでしょうから、急速充電器を設置してくれているのはありがたいことです。でも、今後、宿泊施設をはじめとする「目的地充電」設備の拡充を進めるために、初期コストや運営コストがどうしても高額になる急速充電器が「足かせ」になるのは違うよね、ということです。
10年後、普通充電器が何台くらい設置されているべきか
宿泊施設に普通充電器があるのは、EVで長距離移動しようとするユーザーにとって本当にありがたいことです。ロイヤルホテル長野、そしてダイワロイヤルホテルのチェーンがおおむね1施設に2台の普通充電器を用意してくれているのは、とても素敵なことだと思います。でも、数年後には2台では足りなくなってくることでしょう。
欧米メーカーやホンダなど、世界の自動車メーカーが相次いでエンジンからの卒業を宣言しています。たとえば、今から10年後の2030年、日本国内でも約30%が電気自動車になると仮定してみます。ロイヤルホテル長野の駐車場収容台数は276台。そうそう満車になることはないでしょうから、150台が長時間駐車するとして、その30%は45台。すべての電気自動車がずっと充電するわけではないので、50%が充電するとしておおむね23台分(できれば同時に稼働できる)の普通充電器が必要、ということになります。
まあ、ひと晩で日本中の自動車がEVになる、というわけではないし、すでに2台設置されているロイヤルホテル長野であれば、今年から毎年2台ずつ増設していけば、2030年までに24台増設、合計26台の普通充電器が用意できる計算になります。
実際、日本国内でどのくらいの速度でEV普及が進展するかはまだ未知数ではありますが、多くの人が「EVの優位に気付く」ようになり、メーカーが本気で大衆EVを作り始めたら、現状では想像できないくらい、一気にEVへのシフトが進む可能性もあります。宿泊施設や商業施設など、目的地充電のスポットになり得る施設の方は、そろそろ自らの施設の電気自動車用充電設備のあり方を、本気で考えなければいけないタイミングになってきているといえるでしょう。
認証&課金の方法などはまだまだ進化の途上
今回の充電2回、まず、テスラのSCはプラグを挿すだけで認証&課金まで行ってくれるプラグアンドチャージで手間いらず。eMPネットワークの普通充電は、このモデル3のためにEVsmartブログチームで保有している日産『ZESP3』の充電カードで認証しました。加入しているプランは急速充電10回(100分相当)が月会費2750円(3年定期契約)に含まれた『プレミアム10』なので、普通充電の料金は無料です。
無料で充電できるのはありがたいことではありますが、個人的には「だから、まだダメなんだよな」と感じるところでもあります。
ご承知のように、ZESP3は月額2000円で急速充電し放題の「旅ホーダイ」で好評だった『ZESP2』を改訂して誕生したサービスです。日産が普通充電を無料としたのは、それまでのユーザーの充電データを解析して「普通充電はそんなに利用されてないから無料にしても問題なし」(想像です)と判断したからでしょう。
リーフユーザーとして言わせてもらうと、eMP(かつてはNCS)認証の普通充電器をあまり使わないのは「宿泊するホテルとかにそうそう都合良く充電器が設置されていなかったから」というのが最大の理由です。ZESP2から進化して誕生したはずのZESP3ですが、普通充電無料という仕組みは、目的地充電設備がまだまだ普及していない日本の現状を前提とした、ちょっといびつな制度と言えます。
認証や課金システムの根本的な改革は、eMPに期待するところ。今後は、eMPネットワーク以外にも、合理的な認証&課金方法を備えた普通充電器がリリースされて(いろいろと鋭意取材中です)広がっていく可能性もあります。朝起きて出発時、普通充電器のプラグを抜きつつ「無料で満充電にしてしまった気持ち悪さ」を噛みしめながら、日本の電気自動車社会の進展を願った(いや、きれいごとではなく本心で)のでした。
【追記】(2021年7月26日)
テスラSCや経路充電については、今までにレポートしたこちらの記事などもご覧ください。
●スーパーチャージャー故障でテスラ モデル3も「ただの電気自動車になるのを実感」レポート(2021年7月17日)
●テスラ『モデル3』長距離実走レポート:東京=兵庫【充電1回でOKだった!編】(2020年8月16日)
●ジャガー I-PACE(アイペイス)で長距離実走レポート:東京〜兵庫【復路編】(2019年8月16日)
(取材・文/寄本 好則)
ZESP3の10分単位というのは、充電器によって思い通りの時間で止まらなかったり、90kW機で充電を始めても途中で2台目が現れて電力が半分くらいに下がってしまったり、不満だらけです。イオンの充電器は夏季に、30kWに出力制限します。
腹いせ?に無料の普通充電をどんどん使っています。
電力量で料金が決まるのは、良いことだとは思いますが、そうなると今度は高速充電器でバッテリーの劣化した旧型リーフが満充電まで粘って10kWhくらい充電するとか、PHVやPHEVが満充電するとかなりそうです。ハイブリッド車は料金設定でガソリン代より高くしてもらいたいです。
>日産『ZESP3』『プレミアム10』なので、普通充電の料金は無料。
>個人的には「だから、まだダメなんだよな」と感じる
>三菱の「普通充電定額」もいびつ
現状はまだ変更を考える(ことをネットで発信する)時期ではないと思っています。
少なくとも関西では、イオンモール、7&i、エディオン等、一箇所に複数台数設置されている認証が必要な普通充電設備で過半数利用されている状況を見かける事は稀です。
日産ZESP3、三菱電動車両サポートのプレミアム、トヨタPHV充電サポート(定額プラン)など多くの契約で普通充電の追加課金がないプランが多く存在しているのに。
普通充電の課金に関する議論は、ZESP2が各地の日産などの急速充電設備で充電待ちが頻発したことも見直しのキッカケになったように普通充電で充電待ちが頻発した時に初めて持ち出すべきだと思います。
よこよこさん、こんにちは。
私は福岡在住ですが、近くのイオンにある充電施設の普通充電はあまり利用されていません。普通充電は16台、急速が2台あります。3台も利用されていれば、多いほうです。私は集合住宅で充電施設がないので、駐車料金無料で徒歩圏内のここを基礎充電にしています。おそらく私がトップユーザーでしょう。
こんな状態ですが、イオン充電が無料のときは賑わっていました。特に来客が増える土日は駐車場は満杯になります。充電スペースは、EV、PHEVの優先席みたいなものなので、すぐに埋まっていました。ところが有料になってからは、閑古鳥。土日もあまり変わりません。普通充電は3時間利用が可能です。ただ、3時間充電してもたいした電力量ではありません。3時間も滞在しない人もいるでしょう。要するに、お金を払ってまで利用する価値はないということなのでしょう。無料で利用できるZESP3プレミアムの利用者もいると思いますが、リーフで利用しているのはわずかです。
SCなどには普通充電が増えていますが、自宅充電の人がほとんどで、わざわざお金を払ってまでわずかな電力を充電する人は少ないと思います。本当に充電が必要な人は急速充電を利用するでしょう。もちろん滞在時間が長いホテルでは意味があると思います。長時間の時間貸し駐車場も充電があると便利でしょう。
普通充電で重要なのは、集合住宅での設置です。マンションには管理組合での住民の合意という壁があります。しかし、合意よりももっと重要なのは、提案です。かりにEVユーザーがいても、少数派なので遠慮して言い出せない人もいるでしょう。しかし、充電施設があればEVを購入する人もいると思います。「これからはEVの時代!」という説得力のある?言葉もあります。私はマンションの副理事をしていますが、今度屋上の太陽光発電と充電施設の設置を提案をしたいと思っています。共用の配電盤を利用すれば、充電施設には補助金が出るらしいです。私の地域では太陽光の補助金はありませんが、国が充電機とセットで補助してくれるといいですね。国の再生可能エネルギーへの取り組みを期待しています。
普段は普通充電で十分なアイミーブMユーザーですが、中京圏のイオンモールで普通充電器が埋まっているケースは少ないですね。各務原は満杯の時を見かけましたが他の店舗は概ね半分以下。専門店の人気にも左右されるため一律10台設置したところで利用率には偏りがあると痛感しました。
普通充電の時間制限がまだ設定されてないのはイコール多くのEVユーザーがエンジン車の発想から抜け出せていないこと。当BLOGユーザーは属性が逆で普通充電も使いこなせるからその発想では理解しがたいですね。
もちろん普通充電の要領が少ないことも起因してます。3kWで1時間充電したところでi-MiEVで30km/リーフで20km/テスラXで15km程度しか走れないとなれば限定的と考える人も多いやないですか!?幸い当家は3時間充電で90km走れるんで十分効果的ですが。
目的地充電を理解できないEVユーザーを啓蒙するのもEVアーリーアダプターの役目と感じますー。
ZESP2の普通充電が無料なのは、「EVは普通充電が大原則である」ことをEVユーザーに教えるためだと想像しました。特に初心者はガソリンの給油と同じ感覚で急速充電だけ注目したり頼る傾向があり、行動の変化を促すためにも普通充電の優遇が必要なのかなと・・・。
ただ、「プレミアム10」は月額料金がそれなりにかかっているので、一応「無料」ではないと思います。実際、最も廉価な「シンプル」プランは普通充電でも1分あたり1.65円かかりますので・・・。
ZESP3の充電料金設定に一定の理解を示す三菱i-MiEV(M)オーナーですー!…あくまで普通充電が基礎充電であると教えてくれる設定やから。
日産リーフと違い三菱i-MiEVは普通充電だけでも何とかなる場合があります。走行距離80km以下ならショッピングモールでの3時間でほぼ満充電、旅館ならチェックインから夕食までの充電もできますから。
日本の電気事業法などで受電能力が制限されてる面多々なんでインフラ電気技術者の身としてi-MiEV(M)選択は省エネ面を見ても当然の話ですよw
自身電気管理技術者として高圧受電設備の保安管理を任されてますが、仮にホテル旅館等の電気保安を受託してEV充電設備設置を依頼されたらまず変圧器の電力測定を実施し、夕食時間帯が頂点(最大需要電力)ならその間だけ充電設備を休止して夕食終了時間から再開させるシーケンス(制御)を組みますよ。高圧業務用の基本料金が1kWあたり1600円前後なんで毎月5000円もの差が出るならピーク時間帯は避けねば。
ホテルやPAに縛りのない200Vコンセントを多数設置してもらった方が設置費用も安価に済みます。安価な電力計があるので使った分のお金を払えるようにすれば良いと思います。
りつさんの言われる通り、電力量計は安価になりましたし仮に計量法規定を満たすものでもEVコンセントと同時取付なら工事費込最安10万円程度と考えられますね。問題は課金ですが小さな(10部屋前後の)旅館民宿なら1~2組などコンセント数まで限定プランを設定してもよさげです(電力量制でも時間制でもok)。そうでないとマイナーな観光地にEV充電設備がつかず、ますます寂れる恐れがあるもので(岐阜県の飛騨小坂温泉郷がその渦中)。
自身電気管理技術者につき電気関連の技術や価格はある程度目星がつきます。電気工事士の資格もあるのでイザとなれば工事設計も可能。質問等ありましたらお問い合わせくださいませ。
大容量バッテリを積んだ高額EVは概ね400〜500kmの航続距離を持っています。
現状で連続でそれ以上の距離を走られる方は日本国内でどのくらいいらっしゃるのでしょうか?
今発売されているEV はSUV 型か普通乗用車系です。トラックなどの商用車はありません。
もし仮にいらっしゃるとして恐らく1,2回30分で100kmくらいの充電器で充電後、スーパーチャージャーの様な高速充電器のある施設にたどり着くと思います。
EVに乗り換えて2年弱、ガソリン車と同じ様な発想による運用ではなく別の考え方が必要なんだと思っております。
本当eMPが6kW充電器の料金制度さえ作ってくれれば…と感じるところですね。普通充電でたっぷり充電できれば経路充電の回数を減らせ、結果としてQCの混雑緩和にもつながると思うので、ここはぜひとも対応してほしいところです。ホテルにCHAdeMO置く必要もなくなりますし。
計量法の件さえ解決できれば、伊賀SCのユアスタンド社のサービスなんかはひとつの理想像に感じます。
普通充電の定額の問題。これに関してはまだまだこれからですね。私としては普通充電の定額を議論するのはもっとユーザが増えてインフラが拡充してからか、急速のように混雑がひどくなる兆候が見えてきてからではないかと感じています(急速と違って増設もそこまで困難ではないでしょうし、混んできたら数を増やしてもらいたいところではありますけどね)。
記事にもある通り、現状まだ普通充電器も置くべきところに必要数必要出力があるとは到底思えませんし、インフラを整備させるにはある程度利用実績などニーズがあることを示さないとならないでしょう。今回他メーカ車種でもZESP3に入れるあたりからも、そのデータ集めの段階に過ぎない、ということなんでしょうね。
急速は(エマージェンシー要素もあるのでやむを得ない部分でもありましたが)焦って増やしすぎたがゆえに中速機がやたらと増えてしまったり、必要数なかったり、ニーズがあるのかもわからない場所にできてしまったりと結果として様々な問題が出てしまいました。目的地充電の構築はこれまでの急速充電器の拡充ほどの緊急性はないと感じますし、急速網の二の舞にならないためにも、しっかりデータを集めながら焦らず適材適所で増やしていければ良いのではないかと感じました。
普通充電の6kW料金を設定するという事は20kWと50kW、ひいては90kWの料金設定もしないとバランスに欠けますね。
そもそも急速充電の料金が出力がバラバラなのに単一料金なのがいかんのです。
軽貨物さん
お返事ありがとうございます!
本来は電力量で課金されるべきなんですよね。おっしゃられる通り現状はバランスに欠けますし、NCSの提携料金的にも90kW機なんかはおそらく設置するだけ損になるでしょう。
ただ急速充電器で充電器の最大出力ごとに料金区分を分けた場合、例えばPHEVで充電したら、バッテリ温度が高くなったリーフで充電したら…と思うとかなり不公平感が出ると思うんです。それに区分が細かすぎてUXも悪いです。
その点普通充電器は(満充電に近い状態でもない限り)基本的には充電器の最大出力を享受することができます。もちろん6kWに対応していないMiEVシリーズや初代、現行の40kWhリーフ(6kWオプションなし)なんかでは不公平感は出るのですが、それでも料金区分は3kWと6kWの2区分で済むと思うんですよね。
できれば急速でもテスラのスーパーチャージャーのような課金ができたら良いのですが…
早いところ計量法どうにかなってほしいものですね。
JB様、一点だけ補足させてください。計量法については規制緩和が決定されており、令和4年度すなわち来年の4月からは、kWhを計測するメーターに検定が必要なくなります。
安川さん
お返事ありがとうございます。
計量法改正の件、把握しておりませんでした。ご教示いただきありがとうございます。
改正されたら課金周りよくできそうですね。
いくら大容量バッテリを積んだ高額EVであっても、満充電走行距離に達してしまうと、100万円程度で購入した中古ガソリン車に負けてしまいます。ガソリン車は満タンにすれば400〜500kmほど走れますが、EVは30分充電しても100km程度しか走りません。さらに走ろうとすれば何度も充電しなければならない。目的地充電施設の充実は望みますが、普通充電だけでは不安があります。10時間充電しても、30kWhくらいしか充電できない。これだと高額EVのバッテリは満充電にはならない。長距離ドライブの距離をかせげないでしょう。バッテリがなくなれば、また充電地獄に陥ります。高速で充電できる技術が開発され、そのような充電機が普及すればいいかもしれませんが、現状はそこまで達していません。テスラのスーパーチャージャーが速いといっても、全国どこでもあるわけではありません。
EVに乗って幸福になりたいなら、1日の走行距離を満充電走行距離以下にすることです。そうすれば外で充電する必要がありません。そして、1日1回の充電で必要な電気量を充電できるようにする。このように考えると、頻繁に長距離ドライブをする人は、いくら大容量バッテリのEVでも向いていません。また、週末には家族で遠出というのは考えないほうがいいと思います。
seijima様、コメントありがとうございます。
コメントされていることは、超急速充電の存在を忘れていらっしゃるように思います。超急速充電の存在により、初めて、電気自動車は長距離の遠出が可能になったのです。
これは2013年にすでにテスラが大規模に開始しており、それからすでに8年も経過しています。超急速充電器を、「全国どこにでもある」状態にすることで、完全に電気自動車への移行を可能にすることができるのです。ただこの全国、というのは密度として、ガソリンスタンドほどの密度が要求されないのは、すでにお分かりかと思います。
seijimaさん
実際にテスラモデル3を10ヶ月で1.5万キロ乗った私の偽らざる感想は、日常生活は内燃機関に戻れないと感じるほど良いもので、遠出は十分に許容出来るものでした。
自宅の普通充電は9.6kVAで行われ、75kwhのバッテリーを0 %~100%でも8.6時間です。1週間で250キロほど走り、冬季以外は週1、冬季で週2回帰宅後にプラグを差すのみで、ガソリンスタンドより便利に使用しています。深夜電力料金をガソリン換算すると待機電力や充電ロスを考慮してもリッター60位で運用できており、時速100キロまで5秒かからない車を低コストで維持できるのは幸せと言えます。
スーパーチャージャーの経路充電は、自宅や次の充電スポットまで余裕を持って移動できるだけの充電で良いので、思ったほどの時間になりません。使用した履歴では、7分や12分というのもあります。1日1000キロ弾丸旅行の際は40分と20分の充電を必要としましたが、移動時間との比率でいえば十分に許容できるものでした。
実際にEVに乗っている方でしょうか?間違っていたら失礼ですが、乗っておられない方であれば一度どの車種でも、一週間くらい借りてみると使い勝手がよくわかると思いますよ。私は30kwLEAFに6年乗っていますが、片道2-300kmくらいの中距離はしょっちゅう出かけます。1,2時間に一回は休憩するし4,5時間も乗れば飯も食います。その時に急速充電すれば何も問題ないんです。スペックだけみて、レンジがどうの容量がどうの、まあそういう方もいると思いますいが、新しい文化なのでそれに自分がアドジャスト出来るかどうかではないですかね。1分1秒でも早く遠くへ行きたい、そういう方には向いていませんが。
NOLAさん
私は5年以上のEVユーザー(i-MiEV M)で、数日間連続で1400km走ったこともあります。私はそうではありませんが、一日に2度以上も充電するとおそらくEVを知らない人は耐えられないと思います。充電待ちのこともあるし。書いているように、1日に満充電+(1回充電)くらいで希望距離を走れるなら何の問題もありません。問題にしているのは、長距離走行だけです。i-MiEV Mで200km以上走るなら、2回は急速充電が必要でしょう。30kwLEAFで600kmドライブをするなら4回は急速充電が必要ではないでしょうか。かたや100万円程度の中古車で最初満タンで1回給油で家族でドライブを楽しめるなら、どちらを選ぶでしょうか。1日に走行する距離は人ぞれぞれで、おそらく1日に600kmも走る人は稀だと思います。ただふだんはそれほど乗らなくても、週末の家族ドライブで長距離を走る人もいます。家族から「また充電?」と言われたくないと思います。違います?
seijima様、再度コメントありがとうございます。
NOLA様とのお話に割ってはいるような形で申し訳ないのですが、やはり、超急速充電なしに、長距離を急いで旅行するのは難しいと思います。
多くの方は、seijima様がおっしゃるように、そこまで長距離の旅行をされる方は少ないと思います。しかし、一部には長距離をかなりの速度でこなす方々もいらっしゃり、米国でも、それらの方々にスーパーチャージャーが受け入れられたことで、テスラは名実共に電気自動車No.1メーカーとなりました。
https://blog.evsmart.net/tesla/model-x/roadtrip-tokyo-fukui-5/
すでにご覧になっているかも知れませんが、私は良く片道500kmくらいの旅行をしています。そのときの記録はたくさんアップしていますが、何分間充電したかの証拠も含めて公開しています。おっしゃる懸念は、超急速充電で充分に解決すると信じています。
seijimaさんの仰っている事も、EVのデメリットを感じる時のもどかしさも、良く分かります。
遠出好きには、現状はイライラさせられる環境を我慢させられています。
トヨタはBEVだけではなく、様々なエネルギーで走っても良いのではないかという多様性を重視し、模索していますね。
でも、中国や欧州にとってはBEVが発展する事が業界や国にとって一番都合が良く、そちらの方向へ世界中で舵を切っています。環境に優しいという理由は後付けでしょう。
しかしながらトヨタ一社が異を唱えていても、もう手遅れです。
残念ながら、充電渋滞をしない充分な数の超急速充電器が高速道路に張り巡らされるのを待つしかないかと思います。
走行中に充電出来るようになるまでは。
i-MiEV とテスラ車、同じEVでも受けるユーザーエクスペリエンスが全く違う所に、テスラの好調さの理由を見た様に思いました。
i-MiEV の発売当初の価格が459.9万円。今同じ金額を出せばモデル3SR+が買えてしまうわけで、電気自動車の進歩を感じます。
三菱i-MiEVで三菱電動車両サポートプレミアムプランの普通充電定額を使いまくる身として、これは電池容量が少ない車種の多い三菱だからこそ不平不満を言われないのだと痛感もしましたよ。実際イクリプスクロスPHEVで13.8kWh、i-MiEVで10.5~16kWhなんで8時間もあれば満充電。
方や日産リーフe+やテスラ車は60kWh以上、仮にリーフe+で残り20%以下なら滞在中16時間充電しても100%にならない場合がありますから。
とはいえ日産ZESP3は三菱MiEVシリーズからの乗り換えには違和感なく使える感じです。背景に普通充電中心のライフスタイル定着がありますから。
電池の大容量化は電池重量増大・電池発熱増大・電費悪化など、電気屋の発想では何かと損失の多さに気づかされますよ、さらに電気事業法や消防法による各種容量制限…それやから僕はi-MiEV(M)の電池性能(低内部抵抗・低発熱・高Cレート)に固執してるわけでww
東芝が水系リチウムイオン電池を開発しているように、各種法令を難なくクリアできる難燃性蓄電池が開発されてくれればもう少し電気自動車が普及するんやないですか!?
ちなみに当方eMp普通充電器が大概2台あるルートインを視野に入れてます…ただi-MiEV(M)だと4時間でほぼ満充電なんで次に充電する方のために移動せねばなりませんが(^^;
もしイオンモールのように10台連立で普通充電器をつけるなら変圧器の加熱を見込んで50kWの余裕が必要でひょ。連続使用する負荷は連続定格の6割程度に抑えるのが無難ですから(電気主任技術者有資格者の試算です)。
ヒラタツ さま、コメントありがとうございます。
充電カードの料金設定について、記事本文の流れで、私見を述べますと、三菱の「普通充電定額」もいびつだと思っています。
(三菱のプレミアムプランの場合、急速の割安も含めた月額会費なので純粋に無料充電分と言い切れないところもありますが)
定額だからいっぱい普通充電しなきゃ、みたいな心情になるでしょうし、こだわらず外で普通充電をあまりしない人は定額分を「仕組み」維持のために寄付しているようなことになり。。
充電した分の料金を合理的に支払う仕組みでいいのにな、と思うわけです。メーカーには充電カードの料金設定インセンティブでEV販促や充電ビジネスを、、、なんてせせこましいことでなく、より魅力的なEV開発&発売や、公共充電インフラのさらなる拡充に尽力してほしいな、と。
よく言われる、設置者には急速、普通それぞれに決まった料金しか支払われないから高出力器を設置すると損になる、ってあたりを含めて、シンプルでわかりやすくて合理的な仕組みが生まれ、広がることを待望しています。
寄本さんコメントありがとうございます…たしかに普通定額を使い過ぎると三菱とて日産同様改定せざるを得なくなりますからね。あまりに多ければ普通充電10時間まで定額とか制限付く可能性は大いにアリってことで。
以前述べられてたホテル旅館等のEV充電設備はEVコンセントあるいは廉価なカード認証なし充電器で十分、タイマー時間制で料金を決める方法ならEVオーナーも費用対効果を考えた時間を指定してくるはずですから。それか電力量計を設定して何kWh使ったら何円にしてもよさげですが計量法をどうクリアするかですね。当然イオンの最大3時間は考えあっての設定やと思いますー!
最近動画で見たのですが、電気自動車の電池容量が70%以上になるとたとえ高出力機でも充電電流低下が起き結局44kW30kWとも大差ない場合がありますよね…電気主任技術者としては負荷が一定してたほうが効率イイですから夏場は30kW制限してる設備もそれなりに理解できますが。もう電気自動車に乗るには電力設備の仕組みを一から教えたほうがエエんやないですか!?当方ある程度協力できますから必要あらば呼んで下さい!