元記事:10 Electric Vehicles That Could Cross 100,000 Annual Sales In Europe by Zachary Shahan on 『CleanTechnica』
近い将来年間10万台を売り上げるのはこのEV
先週、アメリカでICE(ガソリンやディーゼルを燃料とする内燃機関車)を壊滅的な状況に追いやりそうな電気自動車4種に関する記事を出しました。この4種類だけで本当にICEを絶滅させることはできませんが、電動化の未来への扉を開ける橋渡し役になり、かなりの量が売れそうではあります。
読者の“Lil Sparky” から、欧州バージョンの記事のリクエストを頂きました。ヨーロッパで最も売れている電気自動車に加え、全体で売れている乗用車もチェックして、全体のリストを作ってみました。
フォルクスワーゲン ID.3
VW ID.3は徐々にVWゴルフの座に取って代わっていく車です。ゴルフはヨーロッパで最も売れている乗用車で、今年は30万台を売り上げています(ちなみに年初から10ヶ月の売り上げは32%減で、この数字は悪いと言えます)。実はトータルのコストではID.3はすでにゴルフに勝っており、またそれ以上の内容を提供しています。この勢いは止まりそうにありません。よって、間違いなくID.3はヨーロッパでリーダーの役割を果たし、年間10万台を売り上げるようになるでしょう。
フォルクスワーゲン ID.4
ヨーロッパで好まれる車の傾向がSUVやクロスオーバーなど、大き目のものに移ってきています。ID.4はこのレベルの航続距離とスペックの中でも非常に競争力のある価格で、あっという間に人気を獲得するはずです。価格の安さではID.3にリーダーの座を譲りますが、年間10万台以上を売っていけるでしょう。
フォルクスワーゲン ID.1
ID.1に関する噂が盛り上がっています。フォルクスワーゲンは新しくポロに代わる小さめの電気自動車を作るはずです。ポロはヨーロッパで3番目に売れている乗用車なので、ID.1もベストセールスの表彰台に上がるようになるはずです。いつ発売されるのでしょう?
ルノー ゾエ
ヨーロッパで売れている車トップ3で、フォルクスワーゲン・ゴルフとポロの間に入るのが、ルノー・クリオです。さらに過去10年でほとんどの間、ルノー・ゾエは大陸で最も売れている電気自動車でした。さらに改良され航続距離が伸びれば、ゾエはクリオの座をどんどん奪っていくでしょう。ヨーロッパでは今年始めの10ヶ月で23万台のクリオが売られました。(ヨーロッパ内ではEVトップセラーの)ゾエはその間7万3,403台です。年間10万台が売れるようになるのはもはや時間の問題です。さらに競合をいなして芯を強固にすれば、そこに到達するのは比較的早いものになるでしょう。
シュコダ エンヤック
ちょうどシュコダはエンヤックを市場にお披露目したところですが、アメリカ人には国内でシュコダが売られていないこともあり、少々馴染みの薄いものになるでしょう。しかし個人的にはそのスペック、サイズ、機能、そして価格とのバランスに感銘を受けました。シュコダ・オクタヴィアは、ヨーロッパでは自動車全体売り上げのトップ10に入る車です。エンヤックとオクティヴィアは違う車両クラスに属していますが、エンヤックには明るい未来が待っており、元オクティヴィア・オーナーを多く取り込んでいくと私は考えています。悲惨な2020年にも、オクタヴィアは最終的に20万台を売り上げる見込みです。エンヤックがバリアを破るのも時間の問題でしょう。
テスラ モデル3
この車に関しての説明はほとんどいらないでしょう。世界で最も売れている電気自動車で、ヨーロッパでも2位になっています。2020年中の10万台は厳しいでしょうが、このクラスには引退の準備ができているガソリン車やディーゼル車が大量に存在しています。
テスラ モデルY
モデルYはモデル3に比べて荷物を入れるスペースがかなり広く、車への出入りも簡単、座席も高い位置にあります。この車両クラスの全体のトレンドも考えると、モデルYの方が3よりもかなり売れるでしょう。ヨーロッパにモデルYのデリバリーがはじまったら、その数は急速に増えると予想されます。
オペル コルサe
オペルのコルサeはしっかりした電気自動車ですが、費用対効果の良さでリストに載せたわけではありません。その部分に関しては平均レベルで、上で挙げたようなもっと人気のある車種が複数あります。しかし化石燃料のオペル・コルサは、ヨーロッパ内の乗用車で6番目に売れています。よってテクノロジーが進化し続ければ、ランクを上げてくると考えます。
プジョー e-208
プジョー208は2020年始めの10ヶ月で7番目に売れた車でした。e-208は同じ期間で2万5,000台しか売れませんでしたが、こちらもコルサeと同じように、これから数年でテクノロジーが進化し、航続距離が伸び、コストが下がれば徐々にランクが上がると考えています。
ルノー キャプチャーEV
キャプチャーEV? ルノーはプラグインハイブリッド版のキャプチャーを作る計画をしています。しかし最終的には、この重要なモデルを純電気化、もしくは似たようなEVモデルを作る必要があります。キャプチャーは12月に大陸で9番目に売れた車でした。14万4,371台がデリバリーされています。必要最小限の機能を揃えたキャプチャーEVを作り、セールスがどうなるのか見てほしいところです。
終わりに
今現在、3年以内、5年以内、10年以内にランクインしてくるような車両は他にあるでしょうか。単に人気の化石燃料車からヒントを得るのではない、他の予想方法があるでしょうか。あなたの考えをお聞かせください。
(翻訳・文/杉田 明子)
みんなセダンかSUVなんですね。
子育て中5人家族、時に親も乗せる我が家では当面EVにご縁は無さそうです。ミニバンや1boxはEVに向かないんですかね。
そろさんのコメント、女性目線に近いから納得です!
軽ハイトワゴンが売れているのも主婦目線で広い室内を求めているから。当家がi-MiEVを買ったとき妻に室内狭いと言われたので間違いありません。
ミニバンEVといえば日産e-NV200がありましたが電動スライドドアなしシートアレンジ貧弱など主婦にとって使いづらい仕様が敬遠されて売れな手打ちに日本販売終了になりましたよね?それがポイントかも。
仮に日産セレナEVが出れば…値段は上がって装備が貧弱になればコスパ悪いと感じませんか!?自身動画で語ってますんでリンクから入って頂ければ幸いです。
欧州市場に対して、欧州メーカーとEV全振りのテスラだけ出されてもなぁ、、
欧州市場なんてかろうじてトヨタが喰らいついてるってくらいだし
日産アリアのコスパはかなり良いと思います。
航続距離とそれに対する価格のコスパが良いです。他日系メーカーは残念ながらめぼしいものが出せていないのでもっと頑張って欲しいです。
欧州での話ではありますが、これってそのまま日本導入も視野に入っているのではないだろうか?
という風にリストアップされたメーカーと車種を興味深く拝見しました。
新車生産数世界1位と2位を争っているトヨタとVW。
本当にトヨタ終わっちゃうよ?
ルノーゾエなんてフロントマスクをデザインし直したらそのまんまミラージュではないか!
今こそ3社アライアンスを発揮すべき時ではないでしょうか。
文句言って実行しようともしない会社は廃れていくしかないでしょう。
少し前まではトヨタと日産が新車販売シェアを争っていたのですから
そういう時代がまたやってこようとしているのではないかと思います。
黒船襲来ですね、神風は吹くことは無いでしょう?
因みに地元兵庫県のVWの販売店はトヨタの販売店と資本が同じだったりしますから
トヨタ系列の販売店生き残りをかけて急速充電器の設置も進んでくれると好ましいです。
テスラ以外だと書かれてる本体やシュコダ以外にもアウディポルシェと魅力的なEVを出してるor出す予定のVWグループがテスラ対抗馬の一番手になりそうですね。エントリーカーからプレミアムカーまでカバーしていますし。
EV大量生産において喫緊の問題はやはりバッテリー確保なんでしょうね。
EVでは従来のICEと違い大重量のバッテリーは輸送料のコスト大になる為、バッテリー工場と車体組立工場を隣接させているテスラは理に適ってると聞いたことがあります。(BYDはどうなのでしょうか)
欧米のEVはどれも魅力的ですね。特にVWはデザイン・性能・価格のバランスが良く、日本で販売されたらリーフは食われてしまいそうです。私もリーフから乗り換えたい^_^
電池はそのときに一番安く買えるところから買うとか、全固体電池が本命だとかと言って海外勢と真剣勝負してこなかった国内大手はすでに手遅れの感があります。
「EVの自社開発は諦めてテスラの傘下で生き残りを図るのが賢明」は言いすぎかな。
大量生産となるとバッテリーの大きな変革が無いと難しいのでは?
宮本様、コメントありがとうございます。おっしゃる通りで、その点について投資している会社と、投資していない会社に現状は別れています。
テスラやフォルクスワーゲンは大規模な電池工場に次々と投資し、完成させています。テスラの電池工場はすでに2つとなり、追加で2つに着工しています。これらは一つ一つが、数年前なら世界全体の生産量くらいを生産できる、超大規模工場となっています。