ブースも活気いっぱいでした!
「今、中国で最も注目されているEVメーカーは?」という質問を、中国に赴任している方々に聞くと、真っ先に名前が挙がるのが「NIO」と「LYNK & Co」、そして「BYTON」。
しかし「BYTON」は今年の上海モーターショーには出展していなかったので、まずは「NIO」からご紹介!
2014年に設立された「NIO」は、中国のEVベンチャー企業。2018年にはニューヨーク証券取引所に上場しています。
最近のトピックとして、「GAC(広州汽車)」と提携し、新エネ車ブランド「GAC NIO NEW ENERGY VEHICLE」を立ち上げたのが話題になっているそうです。と言っても日本ではほとんど取り上げられていないので、私は初耳でした。
「NIO」はまだ設立5年という若い会社ですが、それが中国の大手自動車メーカー「GAC」のお眼鏡にかない、協業で新エネ展開を加速させるのを興味深く見守っている、という現地の方からの情報もありました。
会場のブースも活気いっぱいでした。エクステリアデザインは全体的にテスラ風という印象ですが、それもそのはず、中国国内で「NIO」は「ポストテスラ」や「テスラキラー」と呼ばれ、中国EVの代表格でもあるのです!
中国ではすでに発売されている「NIO」のSUV「ES8」は、テスラの「モデルX」の販売台数を上回っているというウワサも。
今回「NIO」のブースでメインで会場に展示されているのは「ES6」というSUV 。
グレードは3タイプ。スタンダードの「ES6スタンダード」「ES6高性能版」そして特別モデル。
全長4850㎜×全幅1965㎜×全高1758㎜。しかし高性能版はスタンダードよりも全高が24㎜も低いとか。トランク容量は584㎜~1433㎜。空力は0.29。0-100㎞/hは5.6秒。高性能版が4.7秒。最高速はともに200㎞/h。
価格はスタンダードが¥358000!と思ったら、358000元(約572万円)でした。紛らわしい表記(笑)。高性能版は398000(約636万8000円)元。
さらにそれぞれに電池の容量違いが2タイプづつある模様。満充電での航続距離は一番短いモデルで航続距離は420㎞。大きなもので510㎞。(ともにNEDC値。EPA基準ではそれぞれ70〜80%程度の距離になると思われます)
スペックはともあれ、面白いギミックが印象的でした。まずは給電口。端っこをタッチすると半自動で開閉ができます。
インテリアのディスプレイなどは液晶パネルでタッチ式ですが、目を惹いたのはダッシュボードの上にある丸いもの。これは「NOMI」という名のAI(人工知能)アシスタントで、丸い中に「ニコちゃんマーク」のような顔が描かれています。
それに話しかけると、話しかけた人のほうを向いて表情や向きを変えて質問に応えてくれたり、会話をしたり、時には「いいね」マークをしてくれたり。車内の写真撮影などもしてくれます。日本でも「メルセデスベンツ」や「BMW」などで音声のAIアシスタントは体験できますが、さらに先をいくエンタテイメント。以前、フォルクスワーゲンのコンセプトカー「I.D BUZZ」でドイツの妖精で、おじさん(?)のAIアシスタントがありましたが、こちらのほうが先に市販化されるようです。
「OK! NOMI」がこのクルマの呼びかけです。「NOMI」とは中国語で「私」という意味です」と説明されましたが……、どうも違うような(笑)。しかも、展示車は中国語にしか対応してくれないので私の呼びかけには応答してくれません。
しかしこの「NOMI」、可愛らしいく、「NOMI」のキャラクターグッズも販売されていました。とくにリュックが可愛い♡ 買っておけばよかった!(笑)
ほかに、クーペタイプの「ET」も展示。
さらに、ポップアップドアを持つスポーツカー「EP9」。
「EP9」は、ニュルブルクリンクで最速タイム6分45秒90という記録を持ち、市販ロードカー世界最速記録を持つクルマ(現在も更新されていなければ)。ちなみに「NIO」はフォーミュラEにも参戦中。
「ES8」でのバッテリーの取り外し&取付けデモも行われました。3分で完了します。
ほかにも「NIO INNOVATIONS」というプラットフォーム(写真は記事上部にあります)や、カーボンファイバーを使ったバッテリーパック、パワートレーンなどが展示されていました。
「NOMI」のキュートさ、そしてEVそのもののデザインや質感の高さも印象的。見どころたっぷりの「NIO」のブースでした!
(吉田由美)