アウディがA3, Q7に次いでA6, A7, A8をプラグイン化、2018年には電気自動車SUVを90kWhでリリース予定

先日のAutoblogの記事にて、アウディCEOのルパート・スタッドラー氏の2015年5月22日付けスピーチが掲載されていました。そこで電気自動車・PHEVに関連するところだけざっくり抜き出してみましたので、簡潔にご紹介します。

アウディがA3, Q7に次いでA6, A7, A8をプラグイン化、2018年には電気自動車SUVを90kWhでリリース予定

翻訳は弊社によるもので、原文と意味が違うところがあればそれは私の責任です。

Ortsausgangsschild Stadt Neckarsulm
Ortsausgangsschild Stadt Neckarsulm

The crucial thing for the future of alternative drive systems is: What has the biggest chances of success in the market. In the medium term, that’s certainly the A3 e-tron* or the Q7 e-tron and the planned next plug-in hybrids: A6, A7 and A8. In the long term, we as a high-tech brand will raise electric mobility to a new level. For the next electric car alongside the R8 e-tron, we have set a target range of more than 500 kilometers. That will allow you to drive from here in Neckarsulm non-stop to Brussels. This is the level of technological maturity we mean when we talk about electric mobility with every-day practicality. Close to the customer, without any compromises.

次世代自動車の駆動方式に関して重要なことは、市場で何が受け入れられ成功するかである。中期的には、A3 e-tronやQ7 e-tron、そして計画されているA6, A7, A8のプラグインハイブリッド車である。長期的には、ハイテクブランドのアウディとして、電動化というものを新たな高いレベルに上げる予定である。R8 e-tronも出しているが、次の電気自動車の目標航続距離は500km以上としている。これなら(アウディの主力工場のある)ネッカーズルムから(EUの中心地であるベルギーの)ブリュッセルまで、ノンストップで行くことができる。これが、アウディにおける車両の電動化の、技術の成熟度を示している。日々の実用性を実現しているのだ。顧客に寄り添うが、妥協はしない。

(中略)

Audi is the world’s leading brand for premium SUVs. And we are continuing the success story of our Q models: The Audi Q1 will be the new entry-level model among our SUVs as of 2016. In the large luxury segment, we will make an impact with a sporty Q derivative: with the Audi Q8. And we are developing an electric vehicle also in the Q series to be ready by 2018 – a sporty SUV with a very emotive design and a range of more than 500 kilometers. The claim to uniqueness can be found in every single one of our products – throughout the Audi Group.

アウディはプレミアムSUVの世界のリーダーであり、Qモデルの成功は続いている。2016年にはエントリーレベルのSUVとしてQ1をリリースする。ラグジュアリーカーのセグメントでは、スポーティなQシリーズ、すなわちQ8を出す。2018年には電気自動車をやはりQシリーズで出す予定で開発を行っている。この車はスポーティなSUVで心に訴えかけるデザインを持ち、500km以上の航続距離を誇る。アウディ・グループ全体を通して、どの製品も一つ一つがユニークな主張を持っているのである。

【訳者コメント】
Fotolia_83646031_Subscription_Monthly_MAutoblogの翻訳元記事ではCUVとありましたが、スピーチ原文を読む限りCUVではなく、ラグジュアリーSUVのように思えます。例えばQ6とかですね。Q7 e-tronはPHEVですが、Q6は電気自動車(BEV)なんでしょうか??R8 e-tronは水冷92kWhバッテリーで450kmでしたから、この電気自動車は間違いなく90kWhを超える大型バッテリーを搭載することになると思います。バッテリー重量はおそらく少なくとも500kgを超えるでしょうから、CUVに搭載するのは価格的にもサイズ的にも無理ですね。
しかし仮に90kWhで500km走るとすれば、これはテスラモデルXにぶつけてきた、と考えることもできます。ここでアウディは欧州メーカーですからNEDC基準で航続距離を計算していると仮定すると、85kWhバッテリーのテスラモデルSがNEDCで502kmですから、90kWhで500kmは実現可能なように思えます(注、SUVは空力が悪くなるのでバッテリー容量は増えます)。
今回のスピーチの中でelectricという言葉は5回出てきましたが、fuel cell(燃料電池)は1回だけでした。アウディもフォルクスワーゲングループの一員として、やはり電動化を目指す方向にあるのでしょうか。

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					安川 洋

安川 洋

日本アイ・ビー・エム、マイクロソフトを経てイージャパンを起業、CTOに就く。2006年、技術者とコンサルタントが共に在籍し、高い水準のコンサルティングを提供したいという思いのもと、アユダンテ株式会社創業。プログラミングは中学時代から。テスラモデルX P100Dのオーナーでもある。

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