元記事:Tesla & Ganfeng Lithium Contract Shows Tesla’s Path Forward Into 2022 & Beyond by Johnna Crider on 『CleanTechnica』
リチウムの大量供給契約
数日前、テスラと中国のガンフォンリチウム(正確には子会社のGFLインターナショナル)が電気自動車用バッテリーグレードのリチウム供給契約にサインしたとロイターが報じました。ガンフォンは時価総額において世界トップのリチウム会社で、以前からテスラにリチウムを供給していました。今回の契約ではガンフォンとその子会社が2022年から3年にわたり商品をテスラに供給することになっています。深圳証券取引所に提出されたドキュメントを見ると、テスラのオーダーがまだ出ていないため、販売量と価格は明らかではない状態です。
Teslaratiは、来年テスラが重要なEVプロジェクトを多く出す計画であることを鑑みるに、現時点では不明な販売量や価格はかなりのものになると書いています。最新の工場であるギガ・ベルリンとギガ・テキサスは2021年末までにオペレーションを開始する予定で、来年には生産量を拡大します。巨大な新工場が操業して、もっと多くのクリーン・テクノロジー商品を欲しがる顧客の需要に応えるであろう2022年に、テスラが記録破りの成長をする可能性は濃厚です。
テスラの2022年生産台数は?
Rob Mauer氏は自身のポッドキャスト『Tesla Daily』で、ニュー・ストリート・リサーチのPierre Ferragu氏とテスラのこの先について取り上げました。RobがPierreに2022年に入るにあたり、テスラのサプライチェーンがどのようになるのかを尋ねると、Pierreはガンフォンがテスラに供給するインバーター用のSiC-MOSFET(パワー半導体の一種)が相当な数になりそうなことやイーロン・マスクとの会話を根拠に、かなり期待していることを明かしました。
「テスラは今年100万台生産できると考えていたんです」
しかし進歩を妨げる出来事もありました。第3四半期でテスラは年換算で100万台ペースの生産率を達成し、世間を騒がせました。最終的に今年の生産台数が100万台より13~14%低くてもテスラはよくやっていると彼は考えています。ギガ・ベルリンの操業開始時期は2021年の生産台数を100万に持っていくためには3カ月遅かったと話しました。
Pierreはまたサプライの制限によりSとXの生産拡大が妨げられていると考えています。以上2つの理由により、テスラは今年100万台から1,000~1,000強少ない位の生産量になると予想しています。
「現時点で、来年末までにオースティンとベルリンで生産される初の車を見られるスケジュール通りには進んでいます。来年は2つの工場が加えられるのです。テスラはすでにほぼ完成した生産拠点を2つ持っていますので、来年はテスラが生産能力を倍にする年になります。テスラがこれから新しく工場を作り、さらに1年待つというわけではありません。テスラの生産量は週ごとに増えていくでしょう。かなりチャレンジングな環境になるとは思いますが、これが私の意見です。再来年の早い時期に、200万台のペースになるはずです」
Pierreはさらに、テスラが200万台 / 年を達成する頃には、どこかでさらなる新しい工場に着工している可能性が高いとしています。「驚異的な、大きな需要があれば50%の成長をするのは簡単です。しかし自身の生産能力を大幅に超えていくには(通常は)かなり長い時間がかかるものです」。
テスラが生産能力で強い成長を遂げるにはバッテリーや原料が必要です。したがってガンフォンと大きな3年契約を結んだのは理に適っています。またテスラとガンフォンが1〜2年以内に契約を延長する可能性も高いでしょう。
(翻訳・文/杉田 明子)