テスラ、アリア、IONIQ 5のオーナーズクラブが集結! 「EV:LIFE meeting」レポート

富士スピードウェイで10月15日に開かれたスピードフェスティバルで、テスラ、日産アリア、ヒョンデ IONIQ 5のオーナーたちによる初の合同ミーティングが実現しました。集まったEVは130台近くに。交流の広がりと深まりを期待できるイベントでした。

テスラ、アリア、IONIQ 5のオーナーズクラブが集結! 「EV:LIFE meeting」レポート

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「EVごはん」の呼びかけで実現

静岡県小山町の富士スピードウェイで開催された「富士スピードフェスティバル2023」。マイカーでのサーキット走行やドライビングレッスンなどを楽しめる体験型のイベントです。テーマのひとつが「集う」で、さまざまなミーティングが行われました。そこへEVで集まっちゃおう、と実施されたのが「EV:LIFE meeting Supported by EVごはん」です。

サーキットの駐車場には、一般用エリアとは別にミーティング専用のエリアが設けられ、あちこちにイタリア車やフェラーリ、ケータハム・セブンといったクルマたちが車種別に集結。EV軍団は、グランドスタンド前のイベント広場、それもステージに一番近い場所が指定スペースでした。

EVのオーナーミーティング(オフ会)は、メーカー別、車種別で行われることが多かったようです。それを「EVという一括りでやってみましょう」と企画したのが、SNSを活用したコミュニティー「EVごはん」を主宰する石井啓介さんです。

石井啓介さん。

EVユーザー御用達の「EVごはん」、EVsmartブログ読者のみなさんはよくご存知かもしれませんが、あらためて説明しておきます。テスラ モデル3オーナーの石井啓介さんが、2021年9月に立ち上げたコミュニティー。EV充電スポットでチャージしている間に、飲食した「おいしいもの」の情報を投稿し、みんなで共有することで、充電時間を楽しいものにしようという取り組みです。充電スポット+グルメ情報といった感じですね。

車種やメーカーを問わず、広くEVオーナーの参加を呼びかけていて、ウェブサイトの登録者は5600人以上。FacebookグループのメンバーやX(旧Twitter)のフォロワーを含めると1万人以上のEVユーザーと繋がっています。私もメンバーに加えてもらっていますが、日本全国の充電スポット情報とグルメ情報が写真付きでどんどん投稿されるのを見ているだけでも楽しい。「ここ行ってみたい」と思ったりもしますし、なによりいろんな人がEVライフを楽しんでいるのが伝わってきて、明るい気持ちになります。

約130台のEVが富士スピードウェイに集結

そんな「EVごはん」が、テスラ・オーナーズ・クラブ・ジャパン(TOCJ)とアリア・オーナーズ・クラブ・ジャパン(AOCJ)、IONIQ 5 オーナーズ クラブ(IOQ)に声をかけて、今回、初めて一堂に会することになりました。

時々小雨がぱらつく天気の中、テスラが各モデル合わせて約100台、日産アリアが16台、ヒョンデ IONIQ 5が10台参加。 ちなみに3つのオーナーズクラブに所属していないEVも、「EVごはん」枠で参加を募っていたので、私もHonda eでお邪魔しました。

ミーティングの開始が告げられると、石井さんと3つのオーナーズクラブの代表者が挨拶して、それぞれの設立の経緯や活動内容などを説明しました。各団体に共通しているのは、SNSなどを通じてネット上でオーナー同士の情報交換が盛んに行われていることです。

AOCJ設立のきっかけは、納期遅延を受けての関連情報のやり取りだったそうですし、テスラやヒョンデは、そもそもオンライン購入というあまり馴染みのなかった販売方式。オーナー同士で情報交換できるのは、うれしいですよね。最近はやっとEV関連のニュースがテレビや新聞、雑誌上でも増えてきていますが、まだまだ情報は不足がち。「(設立や活動は)EVライフを楽しく送るため」という言葉がありましたが、まさに実感だと思います。

その後、EV系ユーチューバーのみなさんがステージに登壇して、EVの良いところ、悪いところなどについてトークを繰り広げました。面白かったのは、「この会場にいる皆さんの中で、EVに乗っていない人ってどれぐらいいますか」と客席に質問が飛んだときのこと。ぞろぞろと手があがるかと思ったら、意外にも挙手は数人。まさかの高普及率。「ここだけシェアがひっくり返ってますね」という言葉に、思わず吹き出しました。

EVの楽しさを広く伝えたい!

「クルマを集めるのではなくて、オーナーを集めたい」という石井さんに、お話を聞きました。

「車好きの中には、EVに乗ったら終わりっていうような偏見を持っている人がいます。私もモデル3を買った時に、友人から『もうクルマ趣味やめるの?』と聞かれまして(笑)」

石井さんはヘリテージカー(オースチン・ヒーレー)を長年所有しているほか、数々の名車を乗り継いできたクルマ好き。モデル3に惚れ込んで、試乗した日に購入を決めたのも、クルマとして魅力を感じたから。なのに、巷にはEVについてのネガティブな情報が少なくない。「EVごはん」の設立趣旨と同様に、今回のイベントもポジティブなEV情報を発信する試みでした。

「EVの楽しさを広く伝えたい。EVの仲間って、もともとメーカーの枠を超えていますし、増えてきたと言ってもまだ3%程度(EV・PHEVの新車販売比率)じゃないですか。仲良くやっていきたいですよね」

各クラブの方にも、コメントをいただきました。約100台と最も参加台数が多かったテスラ・オーナーズ・クラブ・ジャパン(TOCJ)理事の中島康久さんは、9年前からのモデルSオーナーです(最近モデル3も増車)。

中島康久さん。

2018年に発足したTOCJは、米国テスラからも公式オーナーズクラブとして承認。昨年11月に一般社団法人化されています。活動も盛んで、情報共有のためのホームページの運用や、全国オーナーズミーティングの開催、テスラジャパンのイベント支援などを行っているそうです。

「テスラの場合、情報共有が一番大きいですね。いろいろ聞きたいことがある人に、経験があるオーナーたちが答える、というのがスタートでした。イベントを重ねていると自然と仲良くなります。私は2017年から3年連続でテスラの工場ツアーに参加しましたが、同じ車に乗っているというだけで、一緒にアメリカを旅行するなんて、なかなかありえないでしょう。ほんとに楽しいですよ」

他クラブとの合同ミーティングについても、実現を待っていたそうです。「こういう企画ができたらいいよね、と話していたんですよ。これからも、いろいろなところでやれるといいですね」(中島さん)

日産アリア・オーナーズ・クラブ(AOCJ)は、本ブログで9月に行われたミーティングの様子をお伝えしました(関連記事)が、この日は代表のジャストミート近藤(JMK)さんやユーチューバーのEV LIFE Japanさんたちの16台が参加していました。イベント中は車両を並べておくことを考えて、フロントにお揃いのLEDテープライトを取り付けるなどして会場を盛り上げていました。

初めて作ったというオリジナルグッズもお披露目。トートバッグ、Tシャツ、パーカー、ステッカーが並んでいました。「みんなに何が欲しいか事前にアンケートを取って、メンバーの中にデザインができる人がいたので、おまかせしました」とJMKさん。

じつは一泊二日のオフ会だったらしく、多くの参加者は近くで宿泊して前夜祭も。「今回はエンジン車もいるサーキットでしたけど、EVだけで集まるというのも、できたらいいですね」(JMKさん)

辻榮亮さん。

IONIQ 5オーナーズクラブ(IOQ)は、X(旧Twitter)のコミュニティ「IONIQ情報館」などでつながったオーナー仲間のグループ(関連記事)。主宰の辻榮亮さんら10台が参加していました。

こういうイベントではIONIQ 5の給電機能が輝きます。湯沸かしポットとポップコーンメーカーをV2Lで接続して、ポップコーン屋台が登場。キャラメル味と塩味のポップコーンをイベントの参加者に振舞っていました。とくに子供たちには大人気でした。

「合同ミーティテングは、車種を問わず、みんなで楽しめるのがいいですね。これまでも、個人的には他車種のEVオーナーとつながってはいましたけれど、クラブとして絆ができたのはよかった。また3クラブ合同でやりましょうという話もできたし、いい機会になりました」(辻榮さん)

さて、イベントの最後にはサーキットを一周するパレードランにも参加させてもらいました。これはEVだけではなく、スピードフェスティバルに参加した他の内燃車たちと混走。でもEV比率はかなり高かったと思います。

マイカーでサーキットを走るのは非日常感がたっぷり。ずっと徐行運転だったものの、テンションが上がりっぱなしでした。EVユーザーとたっぷりEV談義ができて、貴重な体験もできて、大満足の休日となりました。

「これだけ集まってくれたら、来年もやれるかも」(石井さん)とのことなので、ますます交流が広がることを期待しています。

取材・文/篠原知存

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この記事の著者


					篠原 知存

篠原 知存

関西出身。ローカル夕刊紙、全国紙の記者を経て、令和元年からフリーに。EV歴/Honda e(2021.4〜)。電動バイク歴/SUPER SOCO TS STREET HUNTER(2022.3〜12)、Honda EM1 e:(2023.9〜)。

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