あなたが魅力を感じるEVを選んでください
広く多くのユーザーが評価する優れたEVを選んで讃えたい。黎明期から電気自動車情報を発信してきたEVsmartブログでは、社会が求める魅力的な電気自動車を選出するプロジェクトとして第3回「JAPAN EV OF THE YEAR (ジャパンEVオブザイヤー=EOTY)」を実施しています。
広く一般ユーザーの意見を反映するため、誰でも参加可能な「一般投票」を実施。候補車種のEVに「乗ったことがない」方や、「EVに詳しくない」という方でも遠慮は無用。EOTY はジャーナリストや業界視点だけではなく、一般ユーザーのEVへの理解と関心を深めることを目的とした表彰プロジェクトですから、一般的に得られる情報の範疇における評価でOKです。特設サイトではEVsmartブログで取り上げた各車種の記事も紹介しているので参考にしていただければと思います。
【特設サイト/投票はこちらから!】
JAPAN EV OF THE YEAR 2024
EV関連企業や有識者の方々が選んだEVは?
EVsmartブログ編集部から投票を依頼した「エバンジェリスト」の投票速報。今回は充電サービス事業などEV関連企業で、取材などでご縁のあった方々、またEV普及や環境関連課題の専門家で自らEVオーナーでもある有識者のみなさんからの投票を速報します。
飯田哲也さんの投票&コメント
持続可能なエネルギー政策の実現を目的とする第三者機関「環境エネルギー政策研究所(ISEP)」所長。地方自治体向けのEV普及セミナーの運営を行うなど、EV普及に取り組んでいます。
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【総評】「AV(自動運転車)化できないクルマは馬車を買うようなものだ」とのイーロン・マスクの言葉のとおり、モビリティのChatGPTモーメント=自動運転元年を迎えようとしている今年、時代はすでにEV性能だけでなくSDV化はもちろん、AVへの進化可能性を見据えた総体で見る必要があると考えていますので、一択となりました。
Model 3 パフォーマンス(テスラ)/10点
唯一、AVに進化可能なEVであるため。もちろん、EVとしてもSDVとしても、もっとも優れている。
SEAL(BYD)/6点
日本のモビリティ界に、テスラとともに新時代が来ていることを知らせてくれている。
IONIQ 5 N(ヒョンデ)/4点
レガシーメーカーの中ではほぼ唯一、EVで良い車づくりをしており、奮闘している。
櫻井啓一郎さんの投票&コメント
リーフオーナーにして再エネやEVシフトなど脱炭素社会実現に向き合う研究者。
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【総評】コンパクトでお手軽な価格の車が多い日本では、充電速度の向上が大事です。国内外ともに充電を速くした車種が増えつつあり、選択に迷いました。長年のEVユーザーの一人として、応援しております。
IONIQ 5 N(ヒョンデ)/10点
独自の方式で、様々な条件下で高速な充電を実現している点が素晴らしいと思います。V2L等に積極的に対応している点も、災害の多い日本のニーズに合っていると思います。
ミニキャブEV(三菱)/5点
郵便配達に採用され、街でよく見かける存在になっている点が良いと思います。
EX30(ボルボ)/5点
該当セグメント内では比較的低価格を実現し、ベンチマーク的な存在になっている点が良いと思います。
辻基樹さんの投票&コメント
株式会社再エネ企画代表取締役。再エネ&EV活用のプロデュースを手掛け、全国各地で意欲的なプロジェクトへのチャレンジを続けていらっしゃいます。
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【総評】日頃は社用車の日産サクラを愛用し、再エネ業界で活動しているため、V2HやEV充電設備の導入にも関わる機会が増えています。EVの「走り」以外の魅力を、普段の実感をもとに個人的な視点でコメントさせていただきます。
最近では、輸入車もV2H対応車種が増えてきており、EVが電力の調整役として活躍する場が広がっていると感じます。ミクロな視点では、建物に付帯する蓄電池としての活用や、外出先での電源確保が魅力です。安い時間帯に充電したり、太陽光発電と連携することで、効率的なエネルギー利用も可能です。
一方で、マクロな視点では、地域全体で電力需給のバランスを維持するためにEVが果たす役割に期待しています。例えば、春のように太陽光発電が大量に余剰電力を生む時期には、地域内にEVが増えることで余剰電力の有効活用が進みます。このような活用が広がれば、停電リスクの低減やユーザーの燃料費削減といった効果が期待できます。
N-VAN e:(ホンダ)/10点
ミクロな視点でのEV活用。
この価格帯で29.6kWhものバッテリーは魅力的です。日産サクラ(20kWh)より走行距離が長く、家庭の1日分(10~15kWh)の電力を外出先で活用できる便利さにワクワクします。広い荷室も電力活用を広げる利点で、キャンプや移動オフィスなど、多彩な用途を想像できます。軽バンが街中で余剰太陽光を課金充電する未来が来れば、新しいエコシステムが実現するかもしれません。
Model 3 パフォーマンス(テスラ)/6点
マクロな視点でのEV活用。
テスラ車は所有していませんが、家庭用蓄電池「Powerwall」の販売施工を通じ、テスラがエネルギー企業として戦略的に活動していると感じます。V2Hには非対応ながら、スーパーチャージャーや「Powerwall」「Megapack」の普及が進めば、再エネ活用が効率化される未来が見えてきます。自動車だけでなく、エネルギーソリューションに注力する姿勢は新たな価値を提供しており、国内メーカーも挑戦を期待します。
日産アリア NISMO(日産)/4点
全国に広がる日産EVのネットワークに期待。
長年EV市場を牽引してきた日産には、全国のEVユーザーに「走り」以外の価値を提供し、次のステージへ導いてほしい。特にV2Hや地域内での電力融通といった新たな価値の普及を進めてほしいと思います。すべてのドライバーがEVにシフトするわけではない中で、EV向きの層にその魅力を伝え、「走り+α」の活用法を広めることが重要です。アリア NISMOはその役割を担うフラッグシップモデルとして期待しています。
かさ さんの投票&コメント
ここからはEV関連企業の方の投票を紹介します。まず、株式会社e-Mobility Power社員でEVオーナーの「かさ」さんです。
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【総評】EVもメーカー、ボディタイプ、価格帯が増えて来ており、ユーザーとして利用目的や家族構成にあわせて選択することができるようになってきたことは大変喜ばしく、これからのEVのさらなる普及が期待できると思います。
今回の選定にあたって私は別車種のEVユーザーですが、様々なEVが発売される度にその魅力に目移りしてしまっていたので、その中でも率直に欲しい、乗ってみたいと思ったEVを選定しました。
SEAL(BYD)/10点
BYDがATTO3、DOLPHINに続き日本向けに導入したSEALは、非常に完成度が高いEVです。電池容量は82.56kWhで走行距離はRWDで640kmと相当な距離を移動するのにも十分、価格も528万円~が導入記念キャンペーンでさらに割引になるのでとても魅力的なEVであると感じました。デザイン性も高く、初めて見たときに「ありかも」と思った一台でした。
N-VAN e:(ホンダ)/7点
軽商用EVの普及は、環境面から非常に重要だと思っています。その中でN-VAN e:は、電池容量は29.6kWhで走行距離が245kmと一日仕事で使うのにも十分です。軽商用EVのさらなる普及に期待ができるEVです。
また、N-VAN e:を見たときにこれに乗って気ままにアウトドアに出かけたら楽しそう、セカンドカーに欲しいと思ったため選定しました。
Model 3 パフォーマンス(テスラ)/3点
テスラ Model3のグレードにRWD・ロングレンジに加え、パフォーマンスが追加されました。RWDでも十分な加速を感じることができますが、それを大幅に超える加速と走りを体験してみたいと思ったため選定しました。
テスラ全般ですが、車がアップデートし利便性・機能が向上して行くことは今までの車にはない魅力的な体験です。特に、Apple Watchから車両の状態確認や操作を行うことができるよう対応を行ったことを高く評価しています。この対応によりユーザーの利便性が非常に高くなったと思います。
柴田知輝さんの投票&コメント
EV用充電器の開発・製造・販売、充電サービスを展開する株式会社ジゴワッツ代表取締役。複数車種のEVオーナーにして、2024年はIONIQ 5 Nを購入して全日本EVGPにも参戦。
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【総評】選択肢が増えてきたものの輸入車中心。その輸入車達は大変魅力的で出来も良い。日本車がとても少ないのが大変寂しい。
IONIQ 5 N(ヒョンデ)/10点
ノーマルのままでサーキット走行が出来るコストパフォーマンス。
EX30(ボルボ)/5点
日本の立体駐車場サイズ! 為替を考慮すれば価格も抑え目。
N-VAN e:(ホンダ)/5点
積載性。バッテリー容量。価格。
内藤義久さんの投票&コメント
ENECHANGE株式会社 EV充電サービス事業部長 執行役員。
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【総評】2024年に販売されたEVが、一般市民の生活やEVに対する価値観を大きく変える存在であったかというと、正直なところ、物足りない印象を受けます。一方で、PHV(プラグインハイブリッド車)のラインナップは徐々に拡充されており、バッテリーとモーターを活用した電動車の普及が少しずつ進んでいる状況です。
そのような中でも、三菱の「ミニキャブEV」やホンダの「N-VAN e:」といった、商用車としても乗用車としても利用可能な軽バンEVの登場は、大きな進展と言えるでしょう。特に軽バンは、近距離でのルート配送に適しており、排ガスを出さない車両が住宅街などで頻繁に活用されることは、環境面でも非常に意義のあることです。
N-VAN e:(ホンダ)/10点
軽自動車のバンタイプのEVとしてWLTCモードで245kmの航続距離を実現しており、乗用車としても商用車としても実用的なEVであるため。
Model 3 パフォーマンス(テスラ)/10点
新型「モデル3」の最上級グレードで、EVとしての性能と信頼はもちろん、テスラスーパーチャージャーの普及により、より安心・安定したEVライフの実現ができるため。
採点表
飯田 | 櫻井 | 辻 | かさ | 柴田 | 内藤 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
N-VAN e: | 10 | 7 | 5 | 10 | 32 | ||
Model 3 パフォーマンス | 10 | 6 | 3 | 10 | 29 | ||
IONIQ 5 N | 4 | 10 | 10 | 24 | |||
SEAL | 6 | 10 | 16 | ||||
EX30 | 5 | 5 | 10 | ||||
ミニキャブEV | 5 | 5 | |||||
日産アリア NISMO | 4 | 4 |
10点評価は分散したものの、N-VAN e: が最高ポイントを獲得です。みなさんの評価はいかがでしょうか。投票をお待ちしています!
まとめ/EVsmartブログ編集部